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08:00
宇野クン待望の「金」で、役者は出そろった!

熱戦つづくフィギュア四大陸選手権は、男女シングルで日本がアベック優勝するという嬉しい結果となりました。10日の男子シングルでは、宇野昌磨クンがついにチャンピオンシップでの「金」を獲得。東洋太平洋から世界へと駆け上がるボクサーのように、四大陸から世界へと駆け上がる…まさに王者への挑戦を宣言するがごとき「金」となりました。

怪我を抱えるなかで、最後は倒れ込むほど死力を尽くしての演技。そして「勝ちたい」という意欲。目の色が変わった宇野クンが、どんな姿を世界選手権で見せてくれるのか。メディア的にも「ようやくその意欲を言葉と映像に残してくれたか」と大歓喜していることでしょう。煽って、煽って、世界選手権を盛り上げていきますよ!

↓「世界選手権1位にこだわっていく」と頂点を目指す!

どうでもいいですけど、この角度でコマ送りを見せられるとよくわからないです!

もっとバラして!



まず中継に登場したのは日本の友野一希クン。冒頭の4回転2本は転倒&抜けと試練の立ち上がり。名曲「リバーダンス」は観客の盛り上がりを引き出してくれますが、抜けや回転不足、さらにはエッジのエラーなども加わり、ピリッとしない出来になりました。実況の「今シーズン、世界5位という称号と戦いつづけた」という言葉、一旦その重みからも解放されるでしょうか。来季は日本4位から世界への扉を開けていく再スタートとしていきたいところ。もっともっとできる!

↓「ハンバーガーが好きだ!」という熱い気持ちは伝わってきましたよ!
<ハンバーガー食べてる>


<ハンバーガー食べてる>


見える…歓喜の舞のあとに観衆が大量のハンバーガーを投げ込む姿が…!

そして、「ハンバーガーを投げないでください!」という新しい禁止事項が生まれる未来が…!


つづけて日本勢から田中刑事さんの演技が登場。「日本勢の演技はポンポーンと済ませまして…」という中継サイドの思惑もチラリと見えるようなリズム感。煽りも特になくササッと出てきてササッとお届けされます。しかし、そのテンポのよい「流れ中継」のなかでも、刑事さんはしっかりと爪痕を残していきました。

冒頭の4回転サルコウを決めたばかりか、2本目も決め、加点をゲット。ここまで苦しんできた大技を、ついに完全に逮捕した手応えがありました。ルパンに手錠をかけて高笑いする銭形が見える、そんな手応えです。ジャンプの抜けや、壁に近づきすぎて跳びきれない場面などもありますが、終盤のコレオシークエンスなどはキレのある動き・ステップでアナハイムの観衆からも大歓声。さすが平昌五輪代表、これは間違いなく敏腕刑事です!

↓このクマ、紀平さんももらってたヤツだ…!何らかの有名なクマ…!

とあるファンがその日の「私的MVP」に投げるクマとかだったりするのだろうか…!

田中警部、クマを連行して署までお帰りください!


ここから中継は昨日の女子フリーで好演技を見せ、見事にメダルを獲得した紀平梨花さん・三原舞依さんとのスペシャルトークコーナーに場面転換。「すごくいいと思うんだけど…」「今日なのか…?今日やるのか…?」「日本男子の宇野クン以外はササッと済ませまして、お待ちかねの!紀平さんが!登場です!みたいな編集方針がシースルーで見えてくるが大丈夫か…?」と思いながら見守ります。

思った以上に弾むトーク。リンクサイドで沈黙を守っていた無良さんが満を持して登場し、「選手目線」で舞台裏の話を引き出していきます。三原さんと目が合って「あ、無良クン」と思ったという無良さん発見話や、紀平さんと交わした「トム・ディクソン氏の振付は難しいよね」という共感トークなどは、無良さんがいなければできなかったことでした。「選手目線」がゆえに、ついつい小声でヒソヒソし出すのはいかがなものかと思いますが、無良さんの生むあたたかい空気感は現場でこそ活きるもの。その路線を大切に、声のボリュームだけあげてもらえればOKだと思います!

↓「殺伐とするタイムラインに無良さんが登場」みたいな、いつでも誰とでもホッコリできる稀有なる存在!

無良さんは有名忌避アカウント「@M1K1_ANDO」とも相互フォローの関係!

貴重な「相互フォロー」の関係です!

フィギュア界のUSBケーブルのような聖人!




さぁ、お待たせいたしました。いろいろなことを片づけてスッキリとしたところで、中継はいよいよ四大陸選手権男子フリーの模様をお届けしてまいります(※ここまでは中継というか、日本向けのミニ情報コーナーみたいな気持ちでお届けしてたと思います)。最終グループの6人、まずは1番滑走の宇野昌磨クンから。

宇野クンがチカラ通りに滑れば優勝確実という試合ではありますが、今回は怪我による調整不足もあって状態は不安。しかし、逆にそんな状態だからこそ、これまで見せてこなかった結果への執着心も露出してきました。構成を抑えて4回転3本としたフリーは、抑えたぶん確実に決める、そして勝つという意欲に満ちています。

演技後に崩れ落ちる姿、崩れ落ちるほどチカラを尽くした姿は、「天然」の部分を採り上げられることが多かった昨今のイメージをガラリと変えていくもの。「課金は負けではない、強くなるための手段」と言い切ったスマホゲーの修羅の目が、ついにスケートリンクでギラリと光ったかのようでした。この宇野昌磨は手強い…世界選手権での頂上決戦が楽しみです!

↓フリー197.36点は今季世界最高得点!


ジャッジ1:「200点はワールドにとっておこう」
ジャッジ2:「ワールドでいい演技した選手に200点をつける」
ジャッジ3:「そして、200点を超えたらメダル」
ジャッジ4:「今はまだ誰にもその切符は渡していない」
ジャッジ5:「すべてはワールドで決める」
ジャッジ6:「最高のパフォーマンス!」

ショート100点、フリー200点、総合300点!

これがひとつの「世界」のラインとなる!


つづく選手たちも好演技を連発。カナダのメッシングは4回転の本数は少ないものの、大きなトリプルアクセルと鋭くまわるスピンで魅せる会心の出来。地元アメリカのジェイソン・ブラウンは柔軟性を活かした個性的なポジションや、『A Hazy Shade Of Winter』の歌詞で連呼される「brown」のワードに乗せて魅せるステップでスコア以上の印象を残します。「僕はまだ終わっていない」「再び春はくる」という歌詞とともに、高らかに主張する新ジェイソン・ブラウンの装い。世界選手権で会うのがまたひとつ楽しみになるような演技でした。世界選手権では4回転が決まりますように。

ショート1位のヴィンセント・ジョウはこの日は多くのジャンプに回転不足が指摘され後退しますが、動き自体は悪くありません。中継で「ヒックとドラゴン」と紹介されたフリープログラムの楽曲が、実は以前ボーヤン・ジンも使用していた「Crouching Tiger, Hidden Dragon」と日本の吉田潔さんによる「Rising Sun」からなるものであることのほうがむしろ大過失といったところ。「ヒックとドラゴン」って少年とドラゴンが仲良くなるヤツで、剣で斬り合うヤツじゃないですよ!

↓いかにも剣で斬り合ったりしそうな雰囲気!

気づこう、そこは気づこう!

ヒックとドラゴンってバイキングの話だし!




「どうしても韓国の羽生結弦と紹介したいのじゃ…」「楽曲もロミオとジュリエットだし…」「韓流ブームはまだ終わっていないのじゃ…」と中継も意気込む韓国のチャ・ジュンファンは、だいぶ動きが重く、採点でも回転不足祭りに。ショートからフリーまでの中一日で、ジャッジ間でも「きっちりやろうぜ」みたいな申し合わせでもあったのでしょうか。ショートの上位勢にグサグサと回転不足の指摘が刺さっていきます。

そんな回転不足祭りのなか、最後を締めたのが最終滑走のボーヤン・ジン。真っ直ぐ跳んで、真っ直ぐ降りる冒頭のルッツジャンプは着氷乱れこそしますが、高く、大きい、見事なもの。金色のブレードは氷の上でもよく映え、そのぶん「ちょっとごまかす」みたいな動きをやりづらいものですが、原則に忠実なジャンプが見た目にもわかりやすくなり好印象です。これでもう少し、入りや出に工夫があると加点も大きく伸びてくるのでしょうが…。調子は上向きなようですので、世界選手権の仕上がりが楽しみです。

↓優勝した宇野クンは表彰台トリオで抱拳礼のご挨拶!

右手の拳を左手がおさえ、争いのない世界を表現する挨拶なのだとか!

戦い終わってみんな仲良し、いいことです!


さぁ、これで役者は出そろいました。静かにチカラを蓄える羽生結弦氏、全米選手権を圧倒的なチカラで制したネイサン・チェン、四大陸を制してついにタイトルホルダーとなった宇野昌磨クン。そして世界の実力者たち。ルールの変更を経て最初の頂上決戦、誰かが勝つのかは当日のお楽しみですが、勝った者はきっと300点の世界に飛び込むことになるでしょう。300点を出す準備、1シーズンかけてようやく整いました。この戦いを近所で見られるのは至福ですね!まぁチケットが取れないので、近所だろうが異国だろうがどっちみちテレビで見ることになるって話もありますけど!


強い選手が最高の演技をし、最高オブ最高の演技が勝つ、そんな試合を!