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カープ国民のみなさん、頑張ってください!

遠い国のトラブルの事情が呑み込めず、日本にキョトン顔が広まった25日。広島カープのチケットを求める約5万人の大行列は、いつの時代のどこの国の話なのかとキョトンするような光景でした。5万人集まることもなかなか壮観ですが、チケットを求めて「5万人の人間が一ヶ所に集まる」ということ自体にキョトンされる方も多いことでしょう。

「インターネットで抽選…」「電子チケット…」「ぴあじゃダメなのか…」などの声も当然あるとは思います。日本国ではそうやって問題を解決するのかもしれない。しかし、ここはカープ国。カープ国民の、カープ国民による、カープ国民のための国。この問題については解決策はありません。正確に言えば「解決するつもり」がありません。

まず、そもそもの構図から整理していきます。広島カープは昨今大変な人気で、チケットの入手が困難です。チケットの入手にあたっては年間シート販売、ファンクラブ優先、プレイガイド先行抽選などを経て一般発売へと向かうわけですが、年間シートやファンクラブはまさに「会員制倶楽部」といった様相で、既存のお客様が優先され、追加募集(欠員や単年会員枠の解放)が出ない限りは入り込めない仕組みです。

2019年度の年間指定席は昨年12月5日の時点で完売。ファンクラブ会員募集も昨年11月15日までの受付でそちらもすでに終了済み。プレイガイドでの先行抽選もありますが、それも狭き門ですでに終了済。わかりやすく言えば、「アイスクリスタル」に加入できず、先行抽選にもあぶれた人がプレイガイドと窓口に殺到している段階が今なのです。(←全然わかりやすくないが…)

つまり、今チケットを求めるあの列はすべて横並びの一般発売であり、すでに年間シート・ファンクラブ会員によって刈り取られたあとの席を求める狭き門なのです。ご自分のことを思い出してみてください。一般発売日の「ぴあ」や「ローチケ」の画面にF5アタックを繰り返すあの作業を。アレをネットじゃなくリアルでやったら、5万人の大行列くらいできるしょう。僕が子どもの頃はぴあの実店舗にああいう行列を作ったものです。何らおかしなことはないのです。時が止まっているだけで!

↓「ぴあ」「ローチケ」「イープラス」へのF5アタックがリアル行列になったらこんな感じなんでしょうね!

一部のスタートダッシュ勢だけが入手できて、あとはまったく動かなくなり、時間で強制解散!

ぴあもカープも同じです!やってる場所が違うだけ!



「いや、だから、ぴあでやれと言っておる…」という声もあるでしょう。だが、その答えはノーです。やれないんじゃなくて、ぴあでもやっていますし、すべてをぴあではやりたくないのです。カープ国でももちろんネットでチケットは売ります。今回の抽選による発売日と同じく、3月1日からコンビニ等で売ります。しかし、カープ国としては「既存のクラブ会員」(上級カープ国民)への次の順位で、地元のみなさま(下級カープ国民)への優先販売をしたい。カープ国の本当に試合に行きたい人(だと信じる性善説)に基づき、確実に買える権利をご用意している…それが今回の抽選券配布です。

今回は約5万人の行列となって日本に大迷惑が掛かったことからニュースにもなりましたが、実は昨年までも熱量としては同じようなものでした。ただ、今年は「何時までに並んだ全員に『購入する権利が当たる抽選券』をあげる」という方式だったのに対して、昨年は「並んだ順で購入する権利(整理券)をあげる」というものでした。そのため、昨年まではチケット発売の約1ヶ月前からテント村が形成され、野外カープ生活を送る臣民が続出したのです。

その数約2000人。壮健なる5万カープ国民でも、1ヶ月前からテント生活で先着順を戦えるのは2000人くらいだったというのは、ある意味ホッとするような話ですが、球団にとっては難題です。テント生活自体も困りますが、テント同士のいざこざも絶えないようで、「ワシが先だ」「いーやワシが先だ」「ワシはトイレに行っていただけだ」「ワシの家族が大量に今合流した」などの揉め事も起こっていたとか。そんな約2000人の野外カープ生活者を何とかせんがために、今年は『購入する権利の抽選』のための行列を作らせたのです。時が少し動いてる感じがしますよね!

「じゃあ、ワシは一般発売後のぴあに並ぶわ…」とお思いの方もいるでしょうが、それでもやはりこの抽選券を手にする価値はあります。カープ国当選券を持ってカープ球団窓口で購入する際は、5試合までという制限はあるものの「枚数制限はナシ」だといいます。昨年も「5試合まで枚数制限ナシ」という販売形式で売り出したところ、先頭の客が何百万円ぶんものチケットを買っていく事例があったとか。大量のチケットを求める人にとって、このチャンスは絶対に見逃せないのです。

「そうか、それを転売するんですね!」

……じゃなくて、「旅行代理店とか町内会のツアー募集のために枚数を集めているんですね!」

しかも、ここで売り出されるチケットは、今季の公式戦全試合のチケットです(※ちなみにカープと阪神は発売初っ端から9月ぶんまで売る/普通は試合開催の2ヶ月前くらいから)。確実に、大量に、希望の試合のカープチケットを入手できる唯一の機会が、あの大行列だったわけです。これは転売屋…じゃなくて闇の組合…じゃなくて反日本社会勢力…じゃなくて旅行代理店や町内会・ファングループなどが大量に並ぶのも仕方ないことでしょう。並ばなければヒラでぴあにF5することになりますが、抽選に参加すればワンチャン確実に買えるチャンスがあるのですから。

↓これがカープ国のやりかただぁ!


いやー、でも、絶対見たいものなら並ぶわなぁ!

絶対見たいものの行列があったら、並ぶわなぁ!




配布された抽選券は何枚なのかよくわからないそうですが、当選者は2100人と昨年の野外テント生活人数程度とのこと。少ないように思われますが、例年それでさばけているので球団側にとってはまったく問題がありません。球団は地元の熱量高いみなさん、ネットを使えないみなさん、時間がたっぷりあるみなさんにチケットを買ってもらうべく取り組んでいます。そして、売れるときに売ってしまって、確実に「券を金」に換えたいのです。そして、なるべくたくさん自分たちで販売すれば、ぴあやらによる中抜きも発生せず高い効率で換金できます。そこに「金と券」「券と金」を換えたいカープ国民の思惑が合致した。それはウィンウィイイイイインの関係だと思います。

どうぞ、これからも存分にやっていただきたい。僕は築地市場を眺めるような気持ちで、「これが戦後のヤミ市か…」と思いながら穏やかに見守っていきたいと思います(交流戦くらいしか絡まないだろうし…)。我が埼玉西武ライオンズはバブルの残骸のくせに「電子チケット化」とか「転売屋処分」とか「外野の指定席化」など昨今のチケット問題への対策を熱心に行なっており、個人的には非常にイイと思うのですが、カープ国は今のヤミ市がイイということであればそれはそれで尊重します。球団としては売ってさえしまえば、あとはどうでもいいことですしね!

どうぞこれからもたくさん並んで、たくさん買ってください!

カープ国民のみなさんの健闘を祈ります!

↓今回の話は、行列はできたけれど「テント村解消に一定の効果があった」というポジティブ事件ですから!
テント村が解消されてよかった!

ずっと見張ってるのはカープが大変ですから!




来年は並ぶ場所を山奥とか海岸とか、人のいない空き地にしましょう!