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中国の壁の前に立ちはだかる国内の壁!

世界卓球2019の日程が終了しました。男女混合ダブルスでは吉村・石川組が銀、最後に控えていた女子ダブルスでは佐藤・橋本組が銅、伊藤・早田組が銀と「打倒中国」「金」という大目標には及ばなかったものの、さすがのチカラを見せる日本勢の活躍でした。特に女子ダブルスの伊藤・早田組は決勝でも中国ペアと真っ向勝負を演じ、一時はゲームカウント2-0とリードする場面まで。追いつかれたあとの第5ゲーム、9-9の場面から早田さんのサービスエースが決まったはずのプレーが、会場で唯一「レット」と言い張った審判によって取り消され、そこから流れを失って負けはしましたが、勝っていてもおかしくない試合でした。

「よし決まった!」「あー、やられた」と両ペアも納得というか、決まったものだと思っていたプレーを引っくり返し、場内のモニターで「ネットにかすっていない」様子が大映しになっているのに絶対にそれを見ない審判の気持ちの強さが、伊藤美誠さんの「圧」を上回った。みまひなもめっちゃ気ぃ強いタイプですが、審判もなかなかの手練れ。僕が審判ならば場内全体がブーイングしているなかでモニターを指差されたら怖いもの見たさでついつい覗き込んでしまいますが、ガン無視を貫いたのはアッパレでした。

↓「モニター見て!」「見て!」「見て!」と圧をかけるみまひなとガン無視の審判!


日本のプロ野球にはプレーをガン無視の審判もいるが、モニターガン無視の審判もそれはそれでキツイ!

なお、卓球にチャレンジシステムはございません!


↓ITTFの公式アカウントは「レットかな?違うかな?」などとつぶやいたら、「お前が聞くな!」と絶賛怒られ中!

SNS担当は大会運営とはまた違うのじゃ…!

お客様と同じ視点でつぶやいているのじゃ…!


↓ほら見ろ、美誠さん「ははーん」みたいな顔になっちゃってるじゃないか!

美誠さんも「中国対日本の試合では中国系と日系の審判はやめよう」と申しております!

ははーん、と!



ただ、そういった不運こそあったものの、その後たて直して競り勝つまでのチカラもなかったのは事実。このゲームはともかく、次のゲームまで悪い流れを引きずり、一気にそこで試合を決められてしまったのは残念でした。誤審がなければ勝っていただろうとは思いますが、不運1で大きく流れを持っていかれるのは、まだ相手を凌駕するところまではいっていないということ。大本番へ向けてこの経験もまた財産としてもらいたいものです。

さて、そんな中国との戦いの前にある国内での戦いのほうが熾烈になりそうだな…というのが今大会を終えての率直な感想。熾烈と言うと雰囲気も前向きですが、もっと端的に言えば「揉めそう」です。特に女子は、伊藤・早田組が今大会で銀メダルを獲得し、2017年世界卓球での銅、2018年ワールドツアーグランドファイナル優勝、2018年・2019年全日本2連覇につづく活躍を見せ「女子ダブルスの抜けた1番手」という存在になってきていることが「揉めそう」感をグッと増してきています。

東京五輪の卓球代表選考基準は「2020年1月時点でのシングルス世界ランキング上位2名」「シングルス代表選手とダブルスが組め、団体戦で活躍が期待できる選手」とあります。シングルスの2名は世界ランク順なので揉めることはまずないでしょうが、問題は団体戦を見据えた3人目をどう選ぶかというところ。近年のダブルスでの活躍度を加味すれば「伊藤(シングルス)+早田(団体)」のペアを選びたいという向きもあるでしょう。世界銀のペアですし、早田さんは左利きということで右利きの選手とダブルスを組むのに向いています。

しかし、早田さんのランキングはここから上げていかなければならない位置です。2019年4月時点での世界ランキングで言えば女子は6位に石川佳純さん、7位に伊藤美誠さん、9位に平野美宇さんときて、以下13位に佐藤瞳さん、14位芝田沙季さん、22位加藤美優さん、26位橋本帆乃香さん、33位安藤みなみさん、34位早田ひなさんとつづきます。ダブルスを重視するあまり、シングルス上位…たとえば世界ランク一桁の選手から誰かを外すとなれば当然ひと悶着はあるでしょう。いかにダブルスが重要とは言っても、団体ダブルスに出場した選手も団体シングルスには出場するわけで、あくまでも基本はシングルスなのですから。

世間的には「みまひなでもみうみまでもみうひなでもいいのでは?」「Tリーグでの個人戦成績は選考に関係ないのでは?」「石川佳純さんも左利きだから最悪左は足りるのでは?」という話もあるでしょう。実際にみうみまペアやみうひなペアでも過去に好成績を挙げています。「みまひな」でなければダメと言い切るまでの説得力はないだろうと思います。

↓みうみまは昨年ベストフレンド賞も受賞しましたよ!

ベストフレンドなので大丈夫です!

おまかせください!


↓舞妓のCMで見かけるみうひなは、Tリーグではチームメイトなので連携も十分です!


どうでもいいけど、舞妓メイクをしても早田さんの顔が全然変わってないwww

メイクを落としても「えー、うそー!」とかならないくらい普段の印象のままwww




そもそもメダルという意味での勝負は「大会が始まる前にあらかたついている」という話もあります。卓球の大会で好成績を挙げるために第一優先で考えることは、情けない話ではありますが「中国と当たらない」ことです。団体戦で中国と当たらないためには、チームの世界ランキングを挙げて「世界2位」になること。そうすればトーナメントでは世界1位の中国の反対側の山に入りますので、決勝まで中国と当たらなくなります。金が目指せて、銀・銅の確率がグッと上がってきます。

チームの世界ランキングは「各国のシングルス世界ランキング上位3選手を抜き出して、ランキング上位の選手が必ず勝つものとして仮想対戦をした」ときの結果をシミュレートしたもので決まります。中国と決勝まで当たらない山を引くという最大のステップは、シングルスの上位3人が事前に決めてくるものなのです。もしも世界2位で本番に突入することができたならば、シングルス上位の3人がそのまま本番へというのが、心情的にもスッキリするところ。

誰がどうなったとしても「シングルス上位3人」をそのまま選ぶという形をあらかじめ推しておきたい…それが来たるべき「揉め事」へ向けての僕のスタンスです。

代表を決める2020年1月時点の世界ランキングに影響するのは、2018年の世界選手権での獲得ポイント、2019年開催の国際大会での獲得ポイント上位8大会ぶん、そして今季から新設されるT2ダイアモンド(3戦)という大会での獲得ポイントです。特にカギとなるのがT2ダイアモンドという大会で、ここでの獲得ポイントは「国際大会上位8大会」とは別枠での加算となるため、出てポイントを獲れば、出ていない選手に対してそのままアドバンテージとなるものです。

T2ダイアモンドに出場するには、ワールドツアーという大会でのポイントで上位に入ることが必要ですが、現時点では日本勢は横並び。6月に行なわれる中国オープンでの成績次第で、T2ダイアモンド第1戦に誰が出られるのかが決まってきます。つまりは「6月の中国オープンは、東京五輪に直結する重い大会」ということ。そうやって考えていくと、東京五輪へ向けての国内の熾烈な代表争いはすでに始まっているどころか、かなり佳境に差し掛かってきているとも言えます。

東京五輪本番はまだ1年以上先ですし、2週間程度の期間でしかありませんが、「そこに至る道」は何年も前からずっとつづいており、すでに人生をわけるような試合が始まっています。「あぁ、あのとき速報でチラッと流れた結果が、東京五輪への分岐点だったのか」という試合はそこかしこにあります。ぜひそれを楽しみながら本番へと向かっていきたいもの。そうすることで東京五輪の楽しみは2年にも3年にも伸びていきます。僕は「招致失敗」も加えると足かけ10年くらい楽しんできていますが、今からでもまだ「1年以上」も楽しめます。前のめりになって、長く、たっぷりと、東京五輪を楽しんでいきましょう!

↓ちなみに女子卓球で現時点において一番東京五輪に近い(2020年1月時点でのランキングに影響するポイントが一番多い)のは実は平野美宇さんです!

世界卓球でのベスト8も大きな積み上げでした!

ランキングポイントを見ていくこのドキドキ感がたまらない!




決まるまでの過程を見ていくと、揉め事がさらに熱くなりますよ!