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「目を離すな!」「おまえもなー」

これが野球の神様のバランス感覚というヤツなのでしょうか。人を呪わば穴ふたつ。人のふり見て我がふり直せ。ブーメランブーメランブーメラン。人間というのは誰しもが同じような問題を抱えており、それを許し合って生きるものなのだと改めて実感させられるような出来事でした。

2日に行なわれたプロ野球中日VS巨人戦でのこと。3-1で中日が2点リードして迎えた5回裏巨人の攻撃。先頭の炭谷がまさかのホームランで1点差としたあと二死一・二塁のチャンスの場面で、巨人・岡本の放った打球はレフト方向に上がる大飛球となります。実況は「打ち上げた!」とアウトを予感し、打った岡本はバットを叩きつけて悔しがります。ピッチャー・ロメロは「フライでーす」と打ち取った手応えを確信するように手を挙げます。

レフト福田とショート京田は落下点へと向かいますが、打球としてはレフトが処理するだろう当たり。ショート京田は天井を見上げながら早々に足を止めます。しかし、何やら様子がおかしい。レフト福田はオーライの構えから、やおら前進を始めます。するとボールはボンヤリと上を見ていたショート京田の後方、サード高橋の前方に落ちます。どうやら東京ドームの天井に当たり、ポトリと落ちてきた模様。

↓おっ、これは令和初の天井直撃安打だな!


京田:「えっ!?」
京田:「何!?」
(ポトーン)
京田:「うわっ!!ビックリした!」
高橋:「えっ、俺!?」



これが安打となったことで二塁走者が生還して同点に。何が起きたんだと首を振るロメロは明らかにムッとした表情。解説の桑田さんは「ショートもサードも見てなかったですよね」「ボールから目を切っちゃいけないですよね」とグサッとくる本音で中日守備陣のよそ見を指摘します。

これで終わればよかったものの、何とつづく陽岱鋼の打席の初球にホームランが生まれて3点追加。これで都合この回5失点。ロメロはグラブを叩きつけるアクションから、バックスクリーンのスコアボードを眺めつつ怒りの表情を見せました。

↓ロメロ、怒りのグラブ叩きつけwwwww


銀仁朗に打たれただけでも地味に腹立つのに、よそ見落球するわ、スリーラン打たれるわwww

これが野球の神様のゴールデンウィーク盛り上げ施策www

桑田解説者の「態度に出すな」の指摘がグサリと刺さるwww




グラブ叩きつけの件について、ロメロは「ホームランを打たれたからでなく、捕手のサインに自分が首を振って、投げた球が甘くて悔しかった」と弁明しているとのこと。あーなるほど、なるほど。そうでしょうそうでしょう。首を振って投げたボールが甘くなってしまったら、それはもうグラブを叩きつけるしかないでしょう。心から納得です。

ここで「銀仁朗に打たれてイライラの下地」「京田と高橋のボール見てない態度にイライラ」「陽に打たれてますますイライラの三重苦」「体のいいウソでしょ?」とか言うのは大人ではありません。見た目は一見して「何だコレ!」の叩きつけですが、あれはあくまでも不甲斐ない自分への怒りであって、相手や味方への怒りではないのです。絶対に!

人間ですから、24時間365日集中していることなどできません。仕事中にうっかりよそ見をしてしまったりして、「何で見てないの!?」とドヤされることもあるでしょう。見ていた結果間違えることは許容できても、見ていないうえに間違えるようなことがあればカチンとくる気持ちもわかります。

しかし、それは人間同士お互い様のこと。「見てなかった」は、ときとしてあり得る想定内のミスです。たまには「まったくプレーを見ていないけど判定しちゃったり」「まったくボールを見ていなくて落球しちゃったり」することはあるのです。それをことさらに責め立てても、過ぎ去った時間がやり直しになるわけでもなく、無闇に傷口を広げるだけ。あぁ、こういうことも人間だからあるよなぁという気持ちで、「違いますよ」と正せばいいだけのこと。

ロメロさんもそういう気持ちでもって「まぁ、こういうことはある」「どっちみち天井でイレギュラーしているから捕れなかった」「俺が抑えればいいだけのこと」と切り替えつつ、次の打者へ普段の倍の集中で臨んだに違いありません。万が一にも失投などしないような極大集中でもって。だからこそ、あの怒りだったのです。

「何で見てねーーーーんだよ!!」

などと思っていたりは絶対にしない。もしもそんば気持ちがあれば、それはすでに目の前の打者ではなく「見てないヤツへの怒り」にフォーカスしてしまっているということ。試合のなかでときに起こる不運や理不尽から目を逸らし、別のものに責任転嫁してしまっているということです。「何で見てねーーーーんだよ!!」イズムがチームに浸透すれば、それは結局自分たちのトラブルへの耐性を弱めるだけであり、中日はそんなチームではない。絶対に!

今後は他球団も中日とロメロさんを見習って「見てないこともあるかもしれない」とあらかじめ覚悟し、受け入れる気持ちで戦いに臨んでもらいたいもの。そして、「ははーん、ウソやな」と思っても、そのウソを受け入れれば穏便にことが収まるのならば受け入れてあげる優しさを備えていきたいもの。ホントのことを言ったり、言わせたりしたら、処分しないとおさまらなくなっちゃう局面もありますからね!

↓ロメロさんは自分への怒り100%でグラブを叩きつけています、絶対に!

そうそう、自分への怒り!

はいはい、自分への怒りですよ!




「首はよそ見してたけど横目で見てた」なんてこともあると思います!