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「まず君はアジア一の国になりなさい」という話!

もっと弱いヤツと戦えるという話だったのに、相手は強かった…。バスケワールドカップ、順位決定戦に臨んだ日本代表の戦いは厳しいものとなりました。対戦相手はアジア・オセアニア予選で日本とは別の組を1位で勝ち上がったニュージーランド。アジア予選で日本はオーストラリアを下し、ニュージーランドにも強化試合で勝ってはいますが、勝負付けをした相手ではありません。その意味では「アジア最強」をワールドカップの舞台で争う…そんな戦いでした。

しかし、結果としてはアメリカ戦以上の大量失点を喫する大敗。ニュージーランドのスリーポイントシュートの確率の高さ、それをフリーで撃たせる組み立ての上手さにやられた面はありますが、それ以上に日本はやるべきことができませんでした。特に際立っていたのがシュートの確率の低さ。プレッシャーがない場面でも落とし、プレッシャーがある場面ではほとんど落とす。これでは差が開くのは当たり前。大本番でそれを決めきる技量は足りなかった。

シュートという最後の一手が「不足」であるように、その手前のすべてのステップで「不足」であるのでしょう。これまでの試合では八村塁という強烈な個が隠していた部分も、「八村がいないなら次は渡邊を」とひとつずつ相手の「潰す」優先度がズレた結果、より弱みが露わになっていました。渡邊雄太、2点シュートによる得点ゼロでの9得点。馬場雄大、スリーポイントを2本決めるもトータルでは9得点。日本の攻撃は押さえ込まれました。

これは「まずアジア一になりなさい」ということでしょう。アジア一のケーキを作ったうえで、八村塁というイチゴを上に乗せなさいと。Bリーグで活躍するメンバーだけでもアジアを抜けられる地力をつけ、そこにNBA組が合流して世界に挑む。そういう状態を目指していきなさい、アジア予選で戦うオーストラリア・ニュージーランドをまずは目標としなさいと。厳しくもありますが、視界は開けるような一戦でした。今後も定期的に戦うであろう相手を、しっかりと目標として見据えていけるのですから。

↓ニュージーランド先生は伝統のハカを披露し、日本相手にも気を抜くところはありません!

「一応やるか」
「一応やりましょう」
「今日はそこまでではないと思うが」
「ま、一応やりましょう」
「やらないと舐めてるみたいだし」
「一応やりましょう」


ニュージーランドはチームとしてスリーポイント重視のチーム。隙あらばスリー、撃てるタイミングがあればすかさずスリーと外からポンポン撃ってきます。じっくり構えて組み立てても強い相手に通じないなら、できあがる前にやってしまう。この日の試合でも開始早々からスリーポイントを決めてくるなど、外からボンボン撃ってきます。そしてよく決まる。

一方、日本はニック・ファジーカスが気を吐きます。第1Qだけでスリーポイントを3分の3、17得点。1試合ぶん近くを第1Qで叩き出します。このデキの選手が混ざっていてようやく29-29の同点で第1Qを終えられたというあたりは、やはり決められすぎだったかもしれません。向こうは100点ペースでそのままいきそうですが、コッチは大体80点前後が落としどころなわけですから。

↓ダブル安藤の一角、安藤誓哉が今大会初得点を決めて追い上げる!


おっ、決まった!

決まらないことに慣れ過ぎていたが、決まった!



第2Qに入るとこちらの好調は平常時におさまり、ジワジワと離されていきます。守備と攻撃は表裏一体のひとつながりですが、攻撃の好調が落ち着いてくると守備へも悪影響が出てきます。入って終われば何事も起きませんが、外れればリバウンド勝負、そこで負ければ相手の攻撃へとトランジション。攻めに掛かって難しいシュートを落としたあとの日本は、相手陣内で、何人かオフェンスリバウンドに跳んだあとの状態で、ニュージーランドの速攻にさらされることになります。

「素早く運んですぐに撃つ」をチームカラーとするニュージーランドにとって、これは願ったり叶ったりのオイシイ状況。決めれば「+2点」だったはずの局面が、外すことで「相手の+2点」になってしまう。この大会全体に言えることですが、チャンスが逆にピンチであるというあたりが、なかなかいい時間帯を作れないあたりかなと思わされます。

↓引きつづきニック・ファジーカスのショットはいい感じだけれど、ほかがまったく入らない!

第2Q日本が10点取ったうち、7点がニック・ファジーカス!

ニックが出てないと点が取れないが、ニックはそんなに出られない!もう34歳だから!


↓第2Qラスト1.8秒のプレーは、完全にしてやったりの攻めだったけど、最後が決まらず!

ダンクで届けばほぼ100%決まるところだが…!

第2Q終えて一気に差がつき39-55での折り返し!




第3Q、2-3のゾーンデェフェンスで相手の外の攻撃をおさえつつ、こちらもようやくトランジションの局面での積極的な攻めを見せるようになってきます。ボールを奪って速く攻める、シンプルですがアメリカ戦などでも結局得点につながったのはそうした攻めでした。逆に言えば「じっくり構えた相手を崩せない」という日本のスポーツ界共通の課題の表れであるかもしれません。

そんないい攻撃も、最後のシュートは入らない。相手もファウルで止めてきているので、ねじこんでしまえばファウルも合わせて3点プレーというところのはずが、フリースローを2本もらうだけで下手をすれば1点プレーになってしまう。ニュージーランドはノーマークであればほぼ決めてくるくらいショットの確率がいいのですが、こちらはノーマークでもそこそこ落としてしまう。なかなか苦しい展開です。

↓ジワジワ離されて61-82、21点差で第4Qへ!


これは100点いかれてしまうな!

お互いにガンガン攻めるので得点も失点もハイペース!


第4Qに入っても流れは変わらず。相手の攻撃は強く、ゴール下では3人で囲んでも決められますし、それを警戒してなかに寄れば外からスリーポイントをポンポン決められます。身長差があれば迷わず突いてきますし、フリーの選手がいればすかさず使ってきます。魔法のようにやられているということではなく、普通にやっていることの質に差があって、それが確実にスコアに反映されていきます。

5人しかコートにいないスポーツだけあって、ひとつでも穴があればそれは「20%」も穴があるということ。そこを埋めていくには根っこからの強化、子どものときからの基本的な部分でのレベルアップがないと厳しいのかなと思います。八村、渡邊のように大きくて動けて攻撃も守備もこなせる、という世界基準のうえに戦術や個性を乗せていく…サッカーが20年くらいかけたイメージで気長にやっていくしかないのでしょう。

その意味ではまず、どんな形であれ「出続ける」ことが大事。今、チカラ及ばずとも頑張って世界に出続けることで、それが未来の育成につながる。出なければ無であったものが、出て負ければそのぶんの悔しさが残る。お通夜のなかでしか得られないものも、きっとあります!

↓最終スコア81-111、30点差をつけられる大敗でした!


「これは子どもたちに見せるべきか…?」
「見せないほうがいい説…?」
「相手のプレーを見せるべき説…?」
「見せないよりはイイんじゃない…?」
「見たら『今度は俺が』って思うかも…」
「見せなければ、ほかの競技にいくだけだし…」




さぁ、いよいよ次が最後の一戦。相手はモンテネグロです。「全敗同士」ではありますが、日本が敗れたニュージーランドと83-93、トルコとは74-79といずれも接戦にまで持ち込んでいます。ランキングでも戦いぶりでも格上の相手。コチラは八村塁という大黒柱もなく、だいぶガックリきている精神面も気になりますが、それでも最後まで1勝を目指していきたいもの。5連敗でも手にするものはありますが、1勝4敗のほうがもっと手にするものは多いですし、ひとつ勝った映像があると東京五輪での盛り上げ方も違うと思いますしね!


この代表には東京五輪という「次」がある!落ち込む必要はありません!