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攻撃は最大の防御なり!

まさにお通夜、竹内譲次が竹内公輔が比江島慎が沈痛な顔で「日本バスケのプライドを見せたい…」と絞り出すように語って始まったモンテネグロ戦。自力で取った切符を手に、威風堂々バスケワールドカップの戦いに臨んだ日本代表の最終戦です。

全敗同士で迎えた戦いとは言え、ここまでのスコアや内容、そして格はモンテネグロが上。日本は大会前から富樫勇樹をケガで欠いたばかりか、八村塁も大会途中で離脱、ついでに篠山竜青もケガで離脱という満身創痍の状態。チームの大黒柱の不在、司令塔の不足。それも含めて「総合力」と言われればそれまでですが、もはやこの大会の切符をつかんだ瞬間の強さには遠く及ばない状態です。

それでもスターターに並ぶのは昨季のBリーグ王者・アルバルク東京のメンバーたち。そこにニック・ファジーカス、渡邊雄太を加えた顔ぶれは「日本最強チーム」を名乗るには十分なものであるはず。過去の大会のように謎のアフリカ勢から白星を挙げられるようなラクな対戦はありませんでしたが、最後まで1勝を目指していきたいもの。

↓強い気持ちを示すように渡邊雄太が先制点、さらにファウルも受けて4-0での立ち上がり!

リ、リードしたぞ!

日本がリ、リ、リ、リードしたぞ!


と、リードで始まった試合でしたが、その後モンテネグロが9点連取で逆転。さらにモンテネグロは守備でも日本の勘所をしっかりとおさえてきます。本職ではないポイントガードとして出場をつづける田中大貴にはベッタリとマークをつけて余裕を奪います。ニック・ファジーカスには遠目からのシュートも警戒して素早くつきます。もちろん渡邊雄太には警戒を怠りません。

出しどころもなく攻めあぐねる日本は第1Q早々に24秒ルールに2度引っ掛かるなど、シュートも撃てないような状況です。ブロックショットも連発され、完全にやられています。向こうも「1勝したい」で必死なのに、日本はすでにガッカリしているかのような覇気のなさ。ひとつ残念なプレーが生まれるたびに首を振ってとぼとぼ歩く姿が気になります。

↓第1Qラスト4.5秒から比江島が決めて16-26の10点差で終了!


今日も10点差からの始まりか…!

サクッと離されるな…!



ベンチからはフリオ・ラマスヘッドコーチがいつもどおり激情の指示を送り、コート内では第1Qからフル出場がつづく渡邊雄太が気迫の檄でチームを鼓舞します。ディフェンスでの粘りが生まれ、相手がシュートを落とすことがつづくと、少しずつ点差も詰まっていきます。一時は31-32と1点差にまで迫った第2Q。第2Q終了時点で渡邊雄太は23得点、ここまでフル出場とすでに1試合ぶんの仕事をしていました。渡邊雄太、渡邊雄太、渡邊雄太、エースの活躍を見せてくれました。

↓十二分にモンテネグロを上回っている!渡邊雄太はこの舞台でもエースになれる!

23点取ってる選手がいるのに33点か…!

止められないエースがいればそのぶんほかがラクになるはずだが…!

第2Qを終えて33-40!


第3Q、モンテネグロもさすがここまで全敗のチームだけあって、綻びもチラチラとうかがえます。日本が完全に崩されたノーマークの場面でもシュートを落とし、オフェンスリバウンドを制しながらも2度・3度とシュートを外す。これまでの対戦相手なら20点差にもなろうかというほど撃たれているのに、点差はさほど広がりません。

その間に渡邊雄太はさらに得点を重ね、ついにこの試合での28点目、第3Qの残り6分13秒という時点で「45-45」の同点に追いつきました。これまでの試合では半ば勝負決した状態で迎えていた後半戦に、ついに勝ち負けを競う状況がやってきた。「歴史的1勝」への期待感が今大会初めて持ち上がってきました!

↓渡邊雄太ダンクで決めて45-45の同点!

おおおおおおおおお!!

決めたぞ渡邊!!


しかし、ここで残念なお知らせです。渡邊雄太は先ほどの怒りのダンクでリングに指を打ち付けた際に怪我をしてしまいました…。指から出血し、「イテー」という顔で治療を受けています。渡邊大活躍で均衡を保っていた試合は、渡邊の怪我によって勢いを削がれ、ジリジリと離れていく格好に。第3Q終了時点では51-61と再び点差は10点差に広がりました。

第4Qではさらに日本は流れを失い、前進するどころか24秒バイオレーションを犯したり、バックコートバイオレーション寸前のプレーまで。単純なミスからターンオーバーを許す場面もたびたび見られ、集中力が切れてきたかなという様子も。モンテネグロは15点差になったところでちょっと笑い始めています。ちょっとというか、だいぶ笑い始めています。ぐぬぬ…勝ちを確信したか…。

↓そして日本はそのまんま65-80で敗れた…!


5戦全敗!

勝たせてはもらえなかったかー!




相手にも隙はありました。シュートが入らない時間はありました。ただ日本もそれ以上に入らなかった。コレが決まれば勢いがつくというスリーポイントでのビッグプレー、この試合で日本は16本のスリーを放ちますが、何と成功確率0%。16本撃って1本も入りませんでした。これが3割の成功率でもあと15点取れているのです。最終スコア65-80は全然取り返せるのです。「並」の決まり方であれば。相手の戦術などではありません。フリーで撃っているものもたくさんあるのです。それが「並」で決まらない。

思えばこの大会ずっとこうでした。試合によってスタッツは違いますが、とにかくシュートが入らない。フリースローを3分の2落とす試合であったり、ツーポイントがほとんど決まらない試合であったり、スリーポイントが1本も決まらない試合であったり、日本は一番の基本であるところのシュートの確率が低かった。そこには1対1でリングまで近づいていく能力も足りませんでしたし、ビッグマンがドライブしていったのにダンクで決められないというサイズ感の不足もありました。総じて、ひとりひとりが足りていませんでした。

もちろん戦術によって窮屈なショットを要求されているという部分もあるでしょうが、フリーで撃っても入らないのですから戦術のせいにする段階ではないでしょう。「守備が大事」だと言いますが、いい守備はいい攻撃から始まります。確率低めのスリーをビッグマンが撃って、オフェンスリバウンドを競る人間もいないままで落とすのは、相手にボールをプレゼントするようなもの。全員がどこからでも3割程度は決めていけるようでないと、トライするほどに負けが近づいてしまいます。

ディフェンスに関しては極端な話、相手が勝手に外すということもありますが、オフェンスに関して「相手が勝手に点をくれる」はバスケにはありません。ニック・ファジーカスなどはBリーグで見ると「飛び抜けてシュートが上手い」選手なわけですが、それでようやく通じるかなというのがワールドカップの舞台。逆に言えば「Bリーグで圧倒的な存在」であれば、世界の舞台でも通じるというモノサシは参考にしていいはず。「まずは日本で一番になる」「そしてアジアで一番になる」を目指し、さらに先に挑戦していく。毎日シュート2万本撃って、東京五輪まで500万本くらい撃つ…そんな気持ちで頑張っていきましょう!



本番は東京五輪!モンテネグロ戦はたぶん世間も見てないんでスルーでOK!