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ボーア界最高のボーアVS去年の与田!

まずお詫びからです。我が埼玉西武ライオンズは、7月1日のオリックス戦に敗れました。オリックス鈴木優投手に翻弄され、5回をノーヒットという偽山賊ぶりを遺憾なく発揮。守勢にまわっては6回表に吉田正尚(知ってる)に均衡破るツーランを許すと、エラー、押し出し、押し出し、押し出しとあれよあれよの6失点。救援に出てきた投手が次々に押し出しをかますなど「火にガソリンを注ぐ」体たらくで、オリックスさんが狙う夢の18連敗への挑戦を早くも終わらせてしまいました。

「初物を打ちあぐねる」というのはラッキー勝利ガチャでよくあるパターンですが、それをキッチリと引き当ててしまうとは情けない限り。せっかくロッテさんがつないでくれたバトンを日ハムさんに渡すことができず情けないやら歯がゆいやら。終わってみたら「この試合がなければ18連敗だったなぁ」みたいな話もあるかもしれないと思うと痛恨の極みです。本当に申し訳ございませんでしたぁっ!ほれ、西武も謝れ!グワシッ!(※頭を足で踏む音)

↓1イニングで3者連続押し出しするなら「ホームラン打ってみろ!」で真ん中に投げても一緒でしたね!

エラーで出塁した大城滉二さんが連続押し出しで戻ってきた!


さて、連敗脱出のキーマンとなったオリックス大城滉二さんは一部で熱狂的な注目を集めるお方です。人呼んで「ボーア界最高のボーア」。この概念を説明しますと、まず今季、阪神が球団浮沈を託した新外国人ボーアが開幕からまったく打ちやがらないことにより、規定打席に到達しているくせにからっきし打ちやがらないヤツを指す「ボーア」という概念が誕生しました。

その「ボーア」という概念を持って球界を見渡すと、ボーア以外にも打ちやがらないヤツは結構いるわけですが、その中でキラリと光っているのが大城滉二さんです。開幕から12試合43打席37打数を数えながらここまで安打はわずかに2本。打率.054は概念の主であるボーアの打率.184(結構高いな)を1割以上下回ります。しかも大城さんだけ出塁率で比較していいという特別ルールにしても出塁率.146でまだボーアの打率を下回るという状態。

阪神のボーア(ボーア)や巨人のボーア(丸)などが順調にボーアを脱するなかで、球界最高のボーアの座とオリックスのセカンドの定位置を頑として譲らないオリックスのボーア(大城さん)は、「ボーア軍」と呼ばれる選手たちのなかでも筆頭格の存在として、ボーアの概念ごと「大城」に変えてしまいそうな勢い。噂では「今年、大城さんの安打を目撃できた観客は一人もいない」とさえ言われている、安打の幻の製造機なのです。

↓練習試合ではホームランサインボールをプレゼントしていたが…!

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そんな大城さんに対するベンチの「打ちよらんのぉ…」という諦めと、「ほかに誰もおらんしなぁ…」という絶望は、さらなる事件を生み出しました。7月2日、連敗を脱しホッとした状態で迎えた西武との第3戦。この日は互いに点を与え合う激しいすべり台ゲーム(※下がる一方の意)となり、6回を終えてオリックスは5-3と2点ビハインドの状態でした。

迎えた7回表、西武のマウンドを託された平井は味方のまずい守備もあって一死一・二塁のピンチを築くと、オリックス宗にタイムリーを許します。これで5-4と1点差に迫りなお一死二・三塁と平井を攻め立てるオリックス。ここで打席に入ったのが大城さんでした。大城さんは初回にタイムリーヒットを放ち、一時は打率を6分に乗せるなど復調の兆し(※3割なら一流と言われる世界で6分、すごーい)。

この大城さんの打席でオリックスは仕掛けてきます。「もう今日は絶対打たんやろ」という絶対の信頼感を持って指示した初球スクイズ。すでに5回にも「もう打たんやろ」精神で大城さんにスクイズを指示するも、「この打率でこんだけ試合に出続けてるってことは聖域なんやろな…」とでも思ったか、三塁走者がスクイズでバントをしたのを見てから慌てて走り出すという凡プレーでアウトにされていました。西武側も「このチームにサインプレーはハイレベルなのでは?」と油断を見せるなかで、裏をかいての2打席連続スクイズの指示。(※たぶんベンチでスクイズのサインを改めて確認したので今度は自信があった)

大城さんが平井の初球を捕えると、「え!?またスクイズ!?」「この人、いっつもスクイズしてんな」「セーフティバントで出た走者をバントで送ってスクイズで返すの!?」「高校野球なら勝利至上主義もしくはバント至上主義と批判される采配」と呆然とする西武ナインをよそにボールは一塁線に転がります。自らボールを拾い、ホームに突っ込む三塁走者にタッチを試みる西武キャッチャー・森ですが手は届かず。球審はホームインを認めるセーフのジェスチャーをし、オリックス同点!…と思われました。

しかし、妙な気配が漂う場内。

西武・森は両手を上げるようなしぐさでワタワタし、大城さんは一塁へ向かう途中でトボトボと歩き出し、何なら立ち止まってさえいます。一応一塁に送球する森と、一応一塁に走る大城さん。判定は一塁アウトとなったわけですが、プレーが切れたところで審判団4人が集合し始めました。そして責任審判から「球審は一応フェアをジャッジしたが、見づらかったので4人協議した結果ファールとします」とアナウンスされたのです。

↓一旦はセーフと判定されるも審判団協議の結果、判定覆ってファールに!


おーーーーー、何という正直審判!

去年、中日の与田監督がよそ見してた審判を詰めた効果がこんな形で出るとは!



昨年の4月21日、中日VSヤクルト戦で起きた「審判がよそ見をしていてアウト・セーフを間違える」という事件。あのとき烈火のごとく詰め寄り、審判のよそ見を徹底糾弾したのはミスター神経質・与田監督でした。「誰にでもミスはある、けれど俺関係のミスは絶対に許さない」「妻は俺の過ちを許しても、俺は他人の過ちを許さない」「俺は妻以外によそ見をするが、審判のよそ見は絶対許さない」という強硬な姿勢は、審判自身の完全によそ見しちゃってる映像とあいまって、徹底糾弾やむなしという空気を生みました。

見てなかったけれどイチかバチかで勝負に出た判定で間違えてしまった審判は、自己保身なのか「見てました」と主張してしまう一幕もあり、SNSなどで大きなバッシングを受けることに。そして、その審判は2019年シーズンをもってプロ野球審判員を退職しました。中日球団からの意見書に対する返答には「直ちにリクエストを要求するべきだった」と記載されていたといいますが、それは非は非として認識しつつも「糾弾」ではなく「通常の手続き」でことを進めてくれたなら、こんな騒ぎにはならなかったのに…という審判団からの恨み節だったように思います。

先ほどの大城さんのスクイズ。西武・森のジェスチャーにもかかわらず西武ベンチは動きを見せていません。何故かというと「塁審より前の打球」はリクエスト対象外のプレーだからです。「ファールだろうなー」と思ってもビデオ判定をリクエストすることはできないので黙っているしかないのです。ビデオで見れば確かにファウル地域で森が捕球していますのでファウルではあるのでしょうが、この程度のプレーであれば従来なら審判団は抗議があってもガン無視だったでしょう。「私にはフェアに見えました」と。

しかし、昨年のよそ見による悲劇を経て「ん?と思ったときは審判団で助け合おう」という意識が改めて高まったのでしょう。突っぱねるのではなく軟着陸を図る。見えないときは見えないと言ったほうがいい。雰囲気アヤしいときは一回集まろう。そんな意識で。まさか、一年後にそのワリをオリックスが食うことになるとは誰も思わなかったでしょうが……!

↓オリックス西村監督は約3分半に渡る猛抗議を見せるも、判定は覆らず!

「ウチはオリックスだよ?」
「もうさ、ハンデ背負ってるの」
「やる前から負けそうなの」
「できればアシストしてほしいわけよ」
「五分五分の判定はウチに有利にするとか」
「ストライク甘めに取るとか」
「だって面白くないでしょ?」
「負けるのを見たい悪趣味の人にしても」
「ギリギリまで競り合ってから」
「面白く負けてほしいわけじゃん」
「審判のせいにできる展開じゃなく」
「自滅の刃で負けてほしいわけでしょ」
「むしろ審判が介護する悪の球団とか」
「ウチがそういう立ち位置になって」
「こんだけ有利だったのに負けました」
「そういうのが見たいわけでしょ」
「今のなんてスルーでいいじゃん?」
「西武だって首傾げてる程度で」
「怒り出す感じじゃないでしょ」
「さすが辻さんは人格者だから」
「こういうときもあると思ってる顔じゃん」
「自分とこの選手が3連続押し出ししても」
「グーパンチしない仏の監督よ」
「一度出た判定なら受け入れるって!」
「森くんだってさ、見送ればよかったのよ」
「完全にファウルだって思ってたんなら」
「もう転がってファウルなりそうだったし」
「でも拾ってタッチにいったわけじゃない」
「で、ファーストにも投げようとしたし」
「ただ、違和感覚えて止まったんでしょ」
「そこまでフェア想定でやっとるの」
「それでホームアウトにできなかったの」
「お互いベストtoベストじゃなかったの」
「下手と下手が絡み合った結果なの」
「見てよ、ウチの大城」
「ファウルだってセルフジャッジして」
「途中で止まってるでしょ」
「あれがプロの目ってヤツよ」
「わかっとるのよファウルって」
「そういう意味では森くんも球審も」
「両方とも若干ズレとるわけよ」
「フェア想定のプレーをやってたの」
「完全な確信はなかったわけ」
「平井のアピールで気づいたんでしょ?」
「そのくらい微妙だったんだから」
「微妙でしたねー、でいいのよ」
「辻さんもわかってくれると思うわ」
「リクエストもできないわけだし」
「そもそも何でリクエストできないかって」
「塁審より前の打球は」
「審判がちゃんと見てますということでしょ」
「そこは信頼関係でしょー」
「ウチだってアレでアウトになっても」
「森くんが捕ったとこファウルでは?」
「とか言わないし」
「今のナシ!今のナシ!今のナシ!」
「とか言わないし」
「ボール球でも振ったらストライク」
「ファウル球でも捕ったらフェア」
「それでいいじゃない」
「もっと判定に自信持ってよ」
「一番近くで見てたんだからさー」
「セーフって言ったときは」
「自信満々だったわけじゃない」
「それがアピール受けたら急に」
「見づらかったです…みたいになって」
「自信グラついちゃうとか」
「ほかの審判の意見ですぐ手の平返すとか」
「さっきのセーフなんやねんと」
「一番近くが正確です理論崩れとるやんと」
「そんなに正義と真実が大事なら」
「ワシを注意せえやと」
「ノーマスクで濃厚抗議やぞ」
「リクエスト対象でもないプレーで」
「ノーマスクで濃厚抗議やぞ」
「ホンマ頼むわ……」

その後、大城さんはベンチから怒りのスクイズ再挑戦のサインを受け、もう一度失敗しました。最後は何とか大城さんが内野ゴロで1点を挙げて5-5の同点としますが、直後の7回裏に西武・森の2点タイムリーによって再度突き放され、オリックスは敗れました。「じゃあどのみち負けてんじゃん」という声もあるかもしれませんが、あそこでスンナリとスクイズが決まっていたら、今日はいけるぞ、今日はダメだな、そんな空気もあったかもしれません。

あのよそ見糾弾から一年、めぐりめぐってこんなところでオリックスが憂き目に遭うというのは、負に引き寄せられる今季を象徴するかのよう。返す返すも西武が1個負けてしまったことが残念です。日ハムさんまでバトンをつなげばきっと歴史を作ることができたのに、ご期待に添えず心からお詫び申し上げます!

↓ちなみに、大城さんは去年は見事なセーフティスクイズを決めていたので、スクイズ職人的なイメージがあったかもしれませんね!


1年前からつながっているんですね!

いろんなことが!


バントでコツコツ1点ずつ取り、2点ずつ取られる、そんなチームバランス!