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温泉?水族館?よーしわかった、プールだ!

スポーツツーリズムなどと称して「スポーツ+観光」がメシの種になると言われて早幾年。ついに僕は我が埼玉西武ライオンズ反撃の糸口を見つけました(※糸サイズだということは最初に強調しておく)。ヒントをくれたのは球界の準盟主・読売巨人軍が掲げた新ファーム球場の構想です。

25日に読売新聞・読売巨人軍・よみうりランドの3社が発表したところによると、東京稲城市のよみうりランド遊園地そばに建設する新ファーム球場の構想が固まったとのこと。その構想の最大の目玉となるのがレフトスタンド後方に構える本格的な水族館であるというのです。この水族館には芝生席が広がる外野席からコンコースを通って向かうことができるのだとか。まさに野球+水族館の一気通貫です。

水族館自体も本格的なもので、大自然の海中環境を人工海水で再現しており、大型水槽のなかを歩くことができる水中回廊やアシカなどの生態を間近で観察できるゾーンもあるとのこと。これであればお父さんは野球、お母さんとおじいちゃんとおばあちゃんと子どもたちは水族館と、ひとつのお出掛けで家族それぞれでの楽しみ方を見つけることもできるでしょう(※お父さんは家族の邪魔者ではない/ひとりで野球行けとか言ってはいけない)。ボールパークを超えたボールアクアリウム構想に、僕のなかのイルカも「またひとつ生命を弄ぶ人間の罪が生まれた」と感慨深げです。

↓これが東京ジャイアンツタウンか…!

なるほど、東京ドーム「シティ」は都心で、東京ジャイアンツ「タウン」は郊外なんだな!

そのうち千葉あたりに東京ジャイアンツ村(※田舎扱い)もできそう!



この大胆不敵な構想には埼玉西武ライオンズの一員である僕も「やられたー」と唸りました。我が方も球場周辺にばら園だの狭山スキー場だのゴルフ場だのテニスコートだの西武ゆうえんちだのを構えて大規模な廃村みたいなものを構築してはいますが、タウンやシティを作るという発想には欠けており、ただただ近所にバラついた施設群が密集しているだけでした。

一旦球場に入ってしまえば「負けてるしゴルフでも行くかぁ」とか「勝ってるけど見るほどの選手もいないし遊園地でも行くかぁ」という方針転換は一切できず、野球は野球、遊園地は遊園地という遊び方にならざるを得ませんでした。ディズニーランドだって数十ものアトラクションがひとつになっているから魅力的だと言うのに、我々ごときが施設のバラ売りをしてしるようでは「ディズニーor西武」の二択で選ばれるはずもありません。

ただでさえじゃらんのレビューでは西武ゆうえんちに対して「これはひどい」「ゴジラとプール以外行く価値なし」「すべてが面倒」「二度と行きません」「想像以上に残念」「時間とお金の無駄」などの酷評が雨あられだと言うのに。収容所みたいなやばいホテルでさえも、相応の需要(※安ければ何でもいい人とか)によって★3つくらいの評価で勘弁してくれるじゃらんであんなに★1つが連続でつくスポット、僕はほかに見たことがありません。もはや「野球のチケットを持っている人はタダ(※もしくはその逆でも)」くらいしてもいいんじゃないかというレベルです。野球との相乗効果どころか潰し合いみたいになっています(※参照:じゃらん西武ゆうえんちのクチコミ/マジの酷評)。

唯一の自慢であったカラスとかカブトムシとかスズメバチとか豊かな自然の生き物たちを球場にいながらにして観察できるという強みも、ライバルがアシカやペンギンを出してきたのでは話になりません。いっそ秩父山中からクマでも出てきてくれれば、人気になるかどうかはともかく話題性では五分に持ち込めるかもしれませんが…。とにかく我が方も何か手を打たねばビリ貧です。

↓「見つけたら叩き潰すアトラクション」なのかもしれないが…!

うちも「いろんな巣」一体型球場ではあるのだが…!


しかし、向こうがそうくるならコッチにも考えがあります。お金はないけれどアイディアは無尽蔵です。そもそも何故これほど我々がショックを受けているかというと、水族館一体型球場という魅力あふれる夢に打ちのめされているからです。たとえば「サッカー場一体型球場」とかであればこんなにもショックは受けなかったでしょう。どうせ両方いっぺんに見られるわけでもありませんし、基本的に同じようなものですから両方を行き来したとしても「味変」が起こりません。いくら中華バカでも「チャーハン+カニチャーハンセット」は頼まないでしょう。それはもはや薄いカニチャーハンであり、カニチャーハンの大盛りを頼むべきなのです。我々も何かもっと違うアクティビティをセットにしなければ、向こうの2軍にすら太刀打ちできないでしょう。

しかも、そのセットにするものはちょっとやそっとのものではいけません。中華バカも納得のエースとエースがセットになって、初めて新たな魅力は生まれます。たとえるならばそう、チャーハンという定番オブ定番と、カニ玉という王道オブ王道とが合体することで「カニ玉チャーハン」という人気オブ人気が誕生するような話。その点で野球+水族館というのは非常に見事な組み合わせです。僕の持論にも「観光は結局水」というものがあります。温泉、ビーチ、BBQ、湖畔に釣りに屋形船、人間はいつもと違う水に浸かりたくて旅をするのです。これは太古の昔、魚だった頃の回遊の記憶が甦るからだと僕は睨んでいます。

ジャイアンツタウン「野球+水族館」はもとより、東京ドームシティやエスコンフィールド北海道に見られる「野球+温泉&サウナ」も野球と水との組み合わせです。我らが西武ドームも「野球+水」の組み合わせで新機軸を打ち出していくことが勝利への道筋でしょう。すでに我々は「球場内雨システム」や「球場全体蒸し風呂システム」によって「野球+水」を簡易的に導入はしていますが、それも天候次第という運任せであったことは否めません。もっと確実に、そして人気がある水を導入せねば。

そこで僕には腹案があります。トラストミー。我々には伝統があるじゃないですか。西武ゆうえんちで実践してきた「プール」という伝統が。じゃらんのクチコミでも「ゴジラとプール以外行く価値なし」と書いてありましたが、裏を返せば「プールには価値がある」という意味です。★1つをつけるくらいの不満のなかでもプールに対しては若干甘くなる、それが人間なのです。海ほどに癒される効果はないかもしれませんが、「もしかしてここは母なる海では?」と一瞬カンチガイさせる程度には魔法がある。それがプール。

水着でプールにつかりながら野球を見ることができたら「これはオッサンからの承認バズが取り放題」とナイトプールではバズ負けするくらいのTikTokerがワラワラ集まってくるでしょう。そして昭和レトロブームの波に乗って「うわー、レトロ!」「昭和って感じ!」「この階段歪んでてかわいいー(※古いガラスとか見る目で)」などのポジティブな評判(※絶対ポジティブに語ると最初から決めている)がSNSにあふれるのです。野球場として考えれば弱点にもなりえた屋根の隙間や何もない周辺地域も「プールから観戦できる視野を確保」「ゆったりプールに入れる落ち着いた環境」と考えれば逆にメリットとなります。東京サマーランドのほうが西武ドームより絶対東京から遠いのにオシャレに見えるのはプールがあるからとしか思えない!

天然のサウナとも称される西武ドームに必要なのはプール(※水風呂)だった。プールに入ることが前提であれば、球場内が蒸すことはむしろ願ったり叶ったりですし(※採暖室)、空調がないことにも納得感が生まれるでしょう。サウナエリアでは野球を見ながら食事を楽しみ、イニング間には追加の水を焼石に注いでロウリューダンスなども楽しみましょう。3万人のファンが選手の名前入りバスタオルを振り回し、熱気を浴びせ合うのです。熱パならぬ熱波。紅白歌合戦にも呼ばれるかもしれませんよね。獅子熱波隊がけん玉を応援する的な建付けで。

そしてプールエリアでは火照った身体を水で冷やしながら映えを楽しむのです。隙間からうっすらと覗くスコアボードで野球の展開を確認し、いい感じに盛り上がった頃にまたサウナエリアに戻る、その繰り返し。もともと自分たちの攻撃が終わったら席を立つ野球ファンの生態ともマッチするに違いありません。プールに飛び込むボールをバット型バナナボートでキャッキャキャッキャと追いかけたりしたら最高に「青春」感のある思い出になること間違いなし。もはやアシカだのペンギンだの見ている場合ではないですよね。TikTokerを見るのに忙しくて!

↓これが野球と直結していたら、さすがの僕も前向きに行きたくなります!


プールサイドで見れば、どんな試合だって楽しいはず!

プールサイドで演奏しているバンドとか、どんなのでもエモいですからね!



テニスコートぶっ潰してプールにしよう!コンサートとかでも重宝されそう!