スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

大相撲

被害者と思ったら加害者!貴ノ岩の暴行事件発覚を受け、暴力根絶のためにスモレコ着用の義務化を提案するの巻。

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12:00
スモレコの着用を義務付ける!

これが相撲取りか…と震え、脱力するような想いです。昨年10月末に起きた元横綱・日馬富士によるデンモクボコボコ事件。あの日、被害者だった貴ノ岩は一年を経て今度は加害者となりました。冬巡業中の今月4日に「忘れ物をした付け人が言い訳をした」ことに怒って暴力をふるっていたというのです。

「素手だからセーフ」「頭は割れてないからセーフ」「エアガンで撃ってないからセーフ」などと独自の線引きが貴ノ岩のなかにはあったのかもしれませんが、あまりにも愚かしい出来事でした。特大のブーメランで自分の頭を殴りつけるぐらい、「それをやったらアカンというのは考えなくてもわかるだろ」ということをやってしまった。

九州場所を前にした10月25日、日本相撲協会は暴力決別宣言を発表しました。「指導名目その他、いかなる目的の、いかなる暴力も許さない」なる第1項から始まる宣言のなかでは、暴力禁止規定を定めることや迅速に情報を開示することを謳っています。そして、その適用の第1号がまさかの貴ノ岩だった。この宣言が生まれるキッカケとなった被害者が、この宣言のもとで生まれた最初の加害者になろうとは。自分を倒す兵器を自分で作ってたみたいな、哀れな話です。これはもう規定に則って処分を下すほかありません。

↓よーし、まだ大晦日の格闘技特番に間に合うな!RIZIN参戦電撃決定!

デンモクで殴られても平然と稽古し、忘れ物程度で付け人に平手やパンチを的確にヒットさせる拳闘家!

貴ノ岩VSフロイド・メイウェザー・ジュニア、スペシャルエキシビションマッチで視聴率曙超えや!

※マジでやべーヤツの可能性があるため、大事な那須川天心選手との対戦はナシでお願いいたします。



暴力禁止規定を定めるにあたって日本相撲協会が委嘱した「暴力問題再発防止検討委員会」の調査によれば、過去1年間で暴力を受けた協会員は5.2%いたそうです。これは1978年当時の37%からは大きく減少しているものの、「20人にひとりは殴られている」と考えると、スラム街のような数値です。0%が当たり前であるべきところを5.2%もやってしまっているのです。

今回は貴ノ岩が栄えある処分対象第1号となりましたが、「あれほど世間を騒がせ、注目を浴びていた人物」でさえ、ごく自然に暴力をふるってしまっているということこそが角界の問題点。これはすごく目立つだけの氷山の一角であり、「え!?素手でもダメなんすか?」あたりにある本気のラインの下には、さらなる日常的暴力が隠れているはずです。それが暴力であると意識することすらなく。

暴力が発生する場所として大部屋やちゃんこ場など稽古場以外のところが多いという調査結果も、それは裏を返せば「稽古場では稽古でボコボコにしているからカウントされてないだけ」ということであり、24時間365日暴力がコミュニケーション手段となっているのです。弟子に指導するときはアイアンで殴り、付け人に説教するときは拳で殴る。それしか言葉を持たないのが相撲取りということです。

今にして思えば、あの鳥取の夜、貴ノ岩が一方的に殴られるのではなく、その場で決闘でも始めて双方ボコボコになってくれていたら、あるいはもっと違う世界もあったのかもしれません。双方ボコボコの末に事態を闇に隠蔽する、あるいは双方ボコボコの末に喧嘩両成敗でダブル引退となる、もはやどれが一番マシな状況なのかはわからないくらい全部しっちゃかめっちゃかですが…。

↓第三者委員会の報告による「指導目的の暴力は今も存在する」が、その通り表に出てきました!


このままでは相撲取りが全員引退してしまうぞ!

大体全員やってるだろうから!




こうなったら暴力根絶のために本気の改革を断行するしかありません。こうした問題を打開するためにまず大事なことは、闇をあばき、光を当てること。相撲部屋という密室ではなく、オープンな状況にしていくことで事態は前進していくはずです。

そこで僕からの解決策として、スモレコ着用の義務化を提案します。スモレコとはスモウトリレコーダーの略で、具体的にはクルマのドライブレコーダーをご想像ください。小型カメラと録音マイクをセットした機械を、ちょんまげ(もしくは頭皮)のなかに埋め込みまして、相撲取りの行動を常に録画しておくのです。(※バッテリーは背中とかにガムテープで止める)

「アイスピック持った、持ってない」「スマホいじった、いじってない」「あーす言った、言わない」みたいな問題も、スモレコがあれば一発解決。文句を言うヤツがいたらガツンと一発ぶん殴りまして、強制的にスモレコを取り付ければOK。ドラレコが数々の輩を牢屋に送り込んだように、スモレコは角界の暴漢をひとりずつ廃業へと導いていくことでしょう。技術的に可能なら、取り外そうとするとカメラが爆発するなどの抑止力があるとベストです。

できれば固定カメラなども設置しまして、「スモウハウス」なるリアリティーショーとしてAbemaTVなどで放映できると一挙両得。「スモウハウスは見ず知らずの相撲取りが共同生活する様子をただただ記録したものです。番組が用意したのは江東区の貸し倉庫と、素敵な土俵だけです。八百長は一切ございません」といったコンセプトで、24時間配信をつづければ暴力は限りなくゼロに近づいていくことでしょう。何かヤバそうなときにカメラを遠隔操作してビームなどを放つ抑止力があるとベストです。

↓毎週の予告編で何が起きるのかドキドキしちゃう!
●相撲部屋にやってきたのは…

●錦木×振分親方メガネデートの行方は…

●嘉風、豪風をチャンコに誘うが…

●止まらないモンゴル会トーク、ナイラ対象外の力士は…

●豪栄道×高安、出稽古デートへ

●豊ノ島×琴奨菊、友だち以上の想いが芽生える…?

●新メンバー入門!

●スタジオ大興奮の新弟子入門!稽古の行方は…

●新メンバー入門で部屋が大きく動き出す!

●豪風の浴衣姿を見た嘉風は…

●「一緒にお風呂入ろう」稀勢からの誘いに高安は…

●昇進につまずき将来を思い悩む御嶽

●貴闘力は無邪気に光司を合コンに誘い出し…

●日馬断髪の朝、貴ノ岩は…

●春日野の尋問再び!?

●嘉風×豪風、裸の突き合いで異変!?

●6人で巡業へ!

●拍子木を鳴らしたのは…

●高安、綱取りへラストスパート!?

●三角関係スタート!?琴風が動き出す…

●稀勢カムバック!横審の反応は…

●景子、ついに自分の実家へ!

●源治×公俊 必勝祈願 龍神総宮社デートへ…

●景勝、勝負まわしを披露!そして…

●光司に拒絶反応を示す寺尾は…

●貴ノ岩が火種 千賀ノ浦部屋でのトラブル!

●まわし姿の豪風に我慢できない嘉風…

●力士全員と稽古!稀勢が気になるのは…

●入門即日稽古!まわしの行方は…

●本割に破れた高安のある決心とは…

●学生横綱、本気の稽古につまずく…

●琴風VS嘉風、三角関係ついに決着

●スモウハウスに真夜中の訪問者…

●部屋に多賀竜がやってきた!

●優勝経験ゼロ…一歩踏み出せない高安

●そして、噂の教祖!

●念願の卒婚へ!?

●お互いのために…豪風が出した答えは?

何か問題がありましても、すべて証拠は押さえてありますのでご安心ください!

布団のなかでコッソリやられるとわかりませんけど!




普通ならすごいストレスフルな生活なのでしょうが、あれだけいろいろあったあとでブンブン殴っちゃう感じであれば、スモレコのこともカメラのことも3日間くらいで忘れてしまうでしょう。カメラを意識することもなく普段どおりに生活し、いろいろな事件を起こしてくれるはず。録画さえあれば、事実無根と認めない輩も観念するしかないでしょうからね!


親方の目が届かない場所はスモレコで監視するしかないですからね!

貴乃花親方が「相撲はヘブライ語のシュモー」と言い出したことでヤベーやつみたいに見られているので全力で擁護するの巻。

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08:00
これが貴乃花のシュモー道!

東方より、横綱・貴乃花土俵入りであります。横綱、貴乃花。露払い、横綱・若乃花…は卒兄につき、横綱・北の湖…は逝去につき、大関・貴ノ浪…も逝去につき、元フジテレビアナウンサー・河野景子…は卒婚につき、ナシ。太刀持ち、益荒雄…は卒門につき、寺尾…も卒門につき、貴闘力…は破門につき、ナシ。先導は、辻本公俊祭主代行であります。

26日に突如として離婚が明かされた元貴乃花親方。世間からは「あぁやっぱり」「正直、無理だと思う」「相撲部屋にこもっててくれるならまだしも、一日中アレが家にいるのかと思ったら付き合い切れない」などの声もあがるなか、あっけなく景子さんとの結婚は終わりを迎えました。親方曰く「卒婚」。景子さんに自分の道を歩んでいってほしいという話です。

もしかしたらこれは少年漫画でよくある「意識を敵に乗っ取られて殺戮マシーンと化した主人公の仲間が、主人公の呼びかけによって一瞬だけ自我を取り戻し、『俺がこの身体を抑えている間に、俺を討て!』『で、できない、俺にはできない!』『何をためらっている!今しかチャンスはないぞ!』『だが、俺には…』『も、もう抑えきれん…頼む…俺を親友のまま死なせてくれ…う…ガ…ガ…』『うあああああああああ!ザシュッ』『ア…リ…ガ…ト…う』みたいな感じで主人公によって討たれる」という場面よろしく、元貴乃花親方なりの優しさだったのかもしれません。自分と一緒にいても辛かろう、自由におなりという。それが本当の優しさなのかどうかはわかりませんが、それは夫婦が決めることです。

↓これで景子さんは「元元貴乃花親方夫人の元フジテレビアナウンサー河野景子さん」になるのか…!

貴乃花の四股名利用に相撲協会が難癖つけていたら、「元花田光司元親方(元貴乃花)夫人」になるところだった…!

何もなくなったけれど、名前だけでも残ってよかった…!


貴乃花親方(※面倒なので敬称としての架空の役職名までを通名扱いとします/デーモン小暮閣下みたいなもの)はこの報道が世間に衝撃を与えたことを知り、自ら翌朝のワイドショーにご出演。あの元日本ボクシング連盟終身名誉会長である終身漢・山根も「生出演するならコレやな」と選んだことで知られる日本テレビ「スッキリ」にて、離婚のこと、貴景勝優勝のことなどを誠実に、淡々と語りました。親方本人の言葉が聞けたことで、世間もスッキリしたに違いありません。

ただ、そのなかで親方が残した言葉尻が、またも世間のおもちゃとして扱われています。親方曰く「相撲はヘブライ語のシュモー」。この発言をもって「ヤベェやつだぞ…」「コレを今まで飼っていた相撲協会ってあったかい組織だなぁ」「ムー愛読者かよ」などと親方に対する風当たりは一層強まっています。これは僕も太刀持ちから刀をひったくって親方を擁護しにいかねばなりません。

まず、その話にいたる前段において、親方と各出演者とのやり取りは、しっかりと行なわれており、意思疎通の問題などは一切ありませんでした。「…などと支離滅裂なことを申しており」的な前後不覚の人物ではないのです。表現に癖があるため、ときおり伝わりづらい部分はありますが、ちゃんと会話のキャッチボールができる人です(※こっちが捕れないだけで、親方はこちらのボールをちゃんとキャッチしてから投げ返してくる)。

「相撲はヘブライ語」についても、共演者から「著書でもどうですか」と持ちかけられたところの返しで、自分の人生には本にするほどの深みはないが、相撲というものには古代からつづく伝統があり文化があり思想があるので、そういったことを広めていく活動をしたい…という趣旨の話をするとっかかりとして、「相撲は古い時代にはほかの国、ほかの世界ともつながっていたんですよ」ということの傍証として「諸説のひとつ」を挙げたにすぎません。

そりゃあ「相撲はヘブライ語!」「相撲はヘブライ語!」「相撲はヘブライ語!」と連呼でもしながら住宅情報サイトSUUMOのメロディで「シュモシュモシュモシュモ相撲はシュモー」とか白目で歌っていたなら、ヤベーやつ説も真実味を増すかもしれませんが、親方の話にオカシイところはひとつもありません。採り上げた諸説のひとつがドマイナーだった、というだけ。

↓前後のやり取りを含めて聞けば、親方の言いたいことはわかるはず!
共演者:「語れない歴史や相撲道で一冊できませんか?」

親方:「まぁ、そうですね…本にできる内容の人生を歩んでいたらよかったんですけどね」

親方:「ただ、相撲って当て字で、もともと日本語じゃないんですね」

親方:「すごくふるーーーい世界でつながってるっていうのが、この日本国・大相撲にはあるので」

親方:「そんなところを子どもたちにわかる範囲で教えていきたいですね」

親方:「相撲はシュモーって言うんですね」

親方:「ヘブライ語ですね」

親方:「だから、ものすごくつながりが深いですね」

親方:「世界をまたにかけてのことですから」

親方:「世界の思想に役立てればいいなと思いますね」

親方が言いたいのは「私の人生は大したものじゃないけれど、相撲は奥深いものなんです」ということ、それだけです!

「オブラートに包んだ悪口」があるように、「目玉とかピラミッドとかヤベー模様の包装紙にくるまれた善意」だってあるはずです!



僕はあまり存じ上げないのですが、こうした説は「日ユ同祖論」などと言うそうです。日本人の祖先は古代ユダヤ人で、彼らが伝えた文化がうんたらかんたらみたいな話だそうです。学研の『ムー』とかに載ってる系の話と言えばわかるでしょうか。それ自体は都市伝説の類なのかなと思います。親方がどこかで読んだありがたい本とかに書いてあったりしたのでしょう。

相撲の語源については「すまふ(争う)」が転じたものであるとか諸説あるそうですが、「ヘブライ語wwww」と笑っている人のほぼほぼ全員が結局は「誰かの言っていたことを聞きかじった」に過ぎません。古事記から日本書紀から順番に文献をあたり、自分で「相撲」の発祥を探るなんてことほぼほぼ誰もしていないでしょう。誰かから聞いた話が「すまふ(争う)が転じた」なのか、「ヘブライ語のシュモー」なのかという差でしかないのです。

「ヘブライ語はないやろー」となんとなーく思うから笑っているだけで、「すまふ(争う)」だって腹落ちする話ではないでしょうに。その言葉、今ではまったくと言っていいほど使われていないわけですから。僕らは下賤なる世間の垢にまみれているから「ヘブライは嘘やろー」と直感的に思うというだけで、相撲に打ち込んできた親方が「嘘やろー」と思わなかったからといって、何の問題がありましょう。

↓「銀ブラ」の語源だって「銀座でブラジルコーヒーを飲むことだよ」という話を聞いたら、ヘーって思う人もいるでしょうに!

普通に考えたら「銀座をブラつく」以外なさそうな言葉でも、人間は面白そうな話に飛びつくものです!

親方が「相撲はシュモー」に飛びついたらダメなんですか?


さらに親方は四股の語源についても「土踏まずに4つの骨があるからシコ」とする自説を披露しました。これも諸説あるなかでは「強く恐ろしい」の意味を持つ「醜(しこ)」が語源であるとするものが広く知られているというだけで、有り体に言えば「四股の語源はよくわからん」のです。

よくわからんなかで、親方は極めてマイナーな「四骨」説を採用しているというだけのこと。親方がどこで四骨説を知ったのかはわかりませんが、これを否定しようとするならば古事記から日本書紀から順番に文献をあたって「しこ」の初出を見つけてこないといけないでしょう。面倒だからやらないと言うのなら、諸説のどれを親方が個人的に信じていたっていいじゃないですか。

↓有名スポーツ誌「Number」のサイトでも四骨説は採り上げられているんだぞ!

「四股って、四つの股と書きます。足の土踏まずが、二足歩行のバランスを司っていますが、その後ろのかかとの骨が1つ、それと土踏まずの前の親指の付け根の骨で2個。それが両足でかける2で、4つの股の四股なんです」

「ええっ、そうなんですか! 確かに何故四つの股なのかと思っていたんです」



グーグル検索で出てくる「四骨」説は親方本人が言っているヤツしかないが、Numberも採り上げているんだから諸説として扱っていいでしょう!

文句があるなら風土記でも何でも持ってこい!




親方は白黒をハッキリつける勝負の人であるだけなのです。諸説あるとか、醜足説が有力とか、グレーゾーンに留まってはいられない人なのです。諸説あると言っても、大概は自分のなかに「コレだろう」とピンとくる説があるもの。「まったくわからん」ということなら親方も「まったくわからん」と言うでしょうが、親方にもピンとくるものがあったのです。親方はシュモー説や四骨説にピンときたのです。

「諸説ありますが…」などと前置きしてから語れば、もう少し世間もマイルドに反応したかもしれません。テレビの情報バラエティでもアヤしい学説を紹介するとき「諸説あります」とか小さい文字で書いてますよね。言い訳がましく。しかし、世間の反論を恐れて「諸説ありますが」などと前置きをせず、自分が信じる「ピンときたもの」ひとつに不惜身命な男、それが「貴乃花」なのです。それが「貴乃花の生き様」なのです。

それはときに意固地で身勝手にも映るでしょう。不器用に過ぎるとは思います。ただ、それが貴乃花親方という人物なのだからしょうがないでしょう。孤高の親方は、そんな自分に寄り添えない人を無理に引き止めたり、巧みにとりなしたりはしません。曲がった筒に真っ直ぐな棒は入らないのです。それでもなお、その1本しかない棒を大事にしてほしかった。「曲がれ」と念じるのではなく、真っ直ぐなまま筒におさめる術を用意してほしかった。それぐらい大事にされてもいい棒だったと思うのです。「貴乃花」は。

↓企業のリリースのように「現時点で決断していることは何もございません」とか言えるオトナだったら、貴乃花はもっと生きやすかっただろうけれど!

生きやすければ愛されるというわけではないが!

もし親方が野球選手ならば、FA宣言と同時に「阪神!」って言っちゃって「まだ何の話もしてないのに向こうから名前出してきたぞオイ」って相手球団を困惑させたんだろうな…。

生きづらい人だ…。


↓このニュースにしても親方がトチ狂って自衛隊のクルマを乗り回したわけではない!


イベントで促されて自衛隊車両に乗った親方が、それを実際に運転してはいけないと知らなかっただけのことでしょうが!

「土足で土俵に上がったら怒られた」みたいな話で、「ダメだとは思いませんでした」というだけのこと!

「頭のてっぺんに旭日旗立てて勝手に戦車乗り回してるヤベーやつ」みたいなイメージで見ないでください!




『ムー』っぽい話を信じている人、まぁまぁいるでしょう。青森には何故かキリストの墓がありますし、源義経は大陸に渡ってジンギスカンになった説とか、アポロは月に行ってない説とか、貴景勝は「貴乃花、景子、勝氏から一文字ずつ取った」とか、アヤしい話はどこにでもあるものです。親方はそうしたアヤしい話を分け隔てすることなく聞き、態度保留などせず、ピンときたひとつに全力になってしまうだけのこと。ドマイナーなところにピンときているから目立つだけで、何らおかしいところはありません。

今の親方はただ、自分が身体で学んだ相撲というものを、広く子どもたちに知ってもらいたいと願う、ひとりの男なのです。

どうぞ、これまで見知った「貴乃花」をこれからも愛してあげてください。

親方が「相撲はヘブライ語のシュモー」説を適当に聞き流せない人であるぶんは、僕らのほうが「相撲はヘブライ語のシュモーなんですか、へー、すごいですねー!」と聞き流せば済むことじゃないですか。

親方がヘンなほうにボール投げたら、コッチが拾いに行けばいいだけのことじゃないですか。


サンタクロースを信じるのと、シュモーを信じるのは大差ないでしょう?

貴景勝優勝!激動の一年を乗り越えて賜杯を抱いた若武者を、時代と大相撲の未来と「貴」の相撲道を「継ぐ者」に指名するの巻。

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12:00
貴景勝優勝!貴景勝優勝!貴景勝優勝!

何度でも連呼したくなるような響き、気持ちよく、スカッとする優勝でした。幕内最年少、ほぼ最小の若武者・貴景勝光信22歳と3ヶ月。年6場所制度となって以降では年少6位の早さ、初土俵から26場所という4位タイとなるスピード優勝は、まさに「継ぐ者」という運命を感じさせるものでした。

時代を、大相撲を、「貴」の相撲道を継いでいく。

貴乃花の「貴」、景子の「景」、勝氏の「勝」、その名に託された想いは大相撲を背負っていく責任とも言えるもの。平成の大横綱がわずかに残した直弟子たちのひとりとして、貴乃花の相撲道を背負っていってほしい。今の師匠の立場もありますので、表だって前の師匠の話をするのは難しいでしょうが、これから先も胸に教えを秘めていってほしい。そう願います。

平成の世には確かに「若貴」という時代がありました。その熱狂は今とは比較もできないほどで、多くの人々に大相撲が愛され、若いファンが生まれた時代でもありました。その当時の相撲を愛し、心惹かれた世代にとって、昨今の角界というものは大いなる幻滅を生むものです。決して「不祥事」など起こしたわけではなく、むしろ「被害者」と呼ぶべき貴乃花親方が角界を追われることになった、その1点だけでやはりこの世界は狭く息苦しいものなのだと断じずにはいられません(※貴乃花の家庭のほうがもっと息苦しそうだ…などの意見は謹んで聞き流します)。

土下座をしてでも引き止める、それぐらいの態度で臨むべき神輿であったはずなのに。今まさに土俵を去ろうとする貴乃花に対して、理事長以下幹部衆はついぞ歩み寄ることはありませんでした。「お前が服従するなら居させてやってもいいぞ」というその態度。「僕は北勝海が見たくて相撲見てたわけじゃないからな!」「誰がみんなに金を運んできたのかよく考えろ!」と言ってやりたいような気持ちでいっぱいです。

この土俵を支えてきたのは千代の富士であり、貴乃花である。彼らがいてこそ、周辺の花というのも魅力を増す。そんな愛の源泉を絶たれたとき、人は興味や関心を失うものです。急に、縁遠く感じてしまうものです。貴乃花が去り、稀勢の里も早晩髷を切るという平成の終わり。大横綱・白鵬もあと数年で引退し、こちらは協会に残るかどうかもわからないという立場。ひとつの時代が間もなく確実に終わります。

だからこそ、誰かが「継ぐ者」とならなければならない。

物語をつなげていかねばならない。

今場所の初日を終えたとき、僕はついにその指名を行ないました。貴景勝こそが継ぐ者であると。それは運命だったと感じます。貴乃花の教えを胸に宿し、復活を期す稀勢の里を無様な4連敗へと叩き落とした若者が「継ぐ者」でなくてなんなのかと。大関・貴ノ花を若武者・千代の富士が引退に追い込み、大横綱・千代の富士の時代を若武者・貴花田が終わらせたように、今この時代を受け継ぐのはこの男なのだと。

↓あぁ、やっぱり初日で引退しておけばよかった!

ここで引退していれば伝説的な幕引き見極めだったのに!

「私にはこうなるとわかっていました」とか言えば、「弱い横綱だったけど見る目はあった」みたいな話になっていたのに!



千秋楽、大関・高安と相星で並ぶ貴景勝はまず先に土俵に上がります。立ち合い、一度つっかけてしまったのは緊張からくるものでしょうか。錦木のゆったりとした間合いに我慢がききません。二度目の立ち合い、やや遅れ気味に立ったことで一旦は土俵際まで追い込まれますが、そこから再び押し返して最後ははたき込み。

今場所たびたび見られる現象ではありますが、土の質が悪いのか、土俵がツルツルと滑ります。初日の稀勢の里も足を滑らせての負けでしたし、十四日目の貴景勝も押し込みながら足を滑らせて自分から落ちてしまいました。場所中に土が崩れるなどパサついた土俵が、この日は貴景勝に味方した格好。引いた錦木は土俵際の粘りを発揮する前に滑って落ちました。まず勝って、高安の結果を待ちます。

支度部屋では緊張を解くことなく、決定戦へ向けて淡々と準備する姿も映ります。「淡々と」というのはまさに貴乃花の相撲です。運命をその身で抱きしめるように、貴乃花の相撲道というのは一日一日を淡々と受け止めるものでした。毎日が始まりであり、毎日が終わりである。現役晩年に貴乃花が見せた仏の顔(※何考えてるかよくわからない)は、貴景勝にも受け継がれています。

↓「楽して勝ちたい」という弱い自分をねじ伏せ、まず勝って、そして決定戦でも勝つという強い自分となった!


ひとつ勝ってもまだ途中!

勝負の途中で喜びはない!


そして結びの一番。高安が勝てば優勝決定戦。しかし、こちらは「兄弟子の姿そのまま」というチャンスを活かせない取組に。決して焦る場面ではないなかで、上手を引けないままで寄っていった高安は、土俵際で御嶽海のすくい投げに転がされました。その瞬間、貴景勝の優勝が決まり、支度部屋では貴ノ岩と抱き合う貴景勝の姿が。苦労を分かち合った兄弟弟子だけの想いというものもあるのでしょう。「俺が殴られたせいで引っ越しになってすまん」「いやぁ、殴ってもらってスカッとしました」「どういう意味だお前」みたいな心の会話が。

表彰式、賜杯を抱くその瞬間。支度部屋、タイを片手に支援者一同で万歳するその瞬間。どうしてここに貴乃花はいられないのだろうかという寂しさが迫ってきます。少年の頃から目をかけ、自身の相撲道を伝えてきた直弟子が、快挙を成し遂げたというのに。自分自身のことは喜んだり悲しんだりしなくなってしまった貴乃花という男が、本当に心からの笑顔を見せられる瞬間が、今ここにあったのに。

あと1場所、あと1場所とどまっていれば、こんな喜ばしい場に立ち会えたのに。どんな風にして貴乃花は泣いたのだろうか、どんな風にしてポエム風説教を繰り出したのだろうかと、もう見ることはできない夢の場面を思い描くだに、たった1場所のすれ違いが惜しまれてなりません。このチカラ、間違いなく貴乃花から受け継がれたものなのに、それを祝うことは許されないなんて。(※貴乃花という謎の息苦しい人物から解放されたことで、貴景勝が持てるチカラを発揮できたという逆パターンなのでは?という意見は、謹んで聞き流します)。

↓先場所は三賞をくれなかった協会が、仕方なく賜杯をくれた!

貴の字が賜杯に刻される!

優勝額が国技館に飾られる!

それを見に行くという楽しみがまた生まれました!


↓みんな満面の笑みなのに本人だけこの無表情!


「行き過ぎた貴乃花の教え」みたいなものを感じなくもないけれど、まぁいいでしょう!

勝って終わりの土俵人生ではないのだから!


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まだ否定的な見解もあるようですが、三役で9勝、13勝(優勝)としたことで初場所には大関獲りがかかってくることは間違いありません。目安となる三場所33勝には11勝が必要。休場していた白鵬・鶴竜が復帰となれば簡単な星ではありませんが、この機にしっかりと決めていきたいもの。三役以上はすでに「強いの全員」と当たっているのですから、ここで9勝なり優勝なりをできるなら大関のチカラはすでにあります。早すぎるとか若すぎるなんてことはありません。

そのためにも、取り口の徹底というものが必要です。貴景勝の取り口は極端な突き押しが特徴です。低い身長ながら全体に丸く太い体型と、貴乃花直伝の四股で培った低い重心を活かして、下から相手を持ち上げるような突き押し。自分からまわしを求めることはほぼなく、突き放して距離を取り、相手がまわしに伸ばしてくる腕をおっつけてさらに相手を上へ上へと浮かせていく。まわしを欲しがる相手に対して、非常にやりづらさを与える取り口です。

一方でその取り口は、ほんの少しのことで勝ち負けが引っくり返るような危うさもあります。ちょっと足が滑っただけでも前のめりに落ちますし、身体の動きが鈍れば途端に勝てなくなります。最近の力士で言えば千代大海のような感じ。空手出身というあたりも共通項を感じさせます。この相撲は、強いときは強いけれど弱いときは弱い。そんな不安定さを生む取り口です。「大関以上を狙うなら四つ相撲も身につけて安定感を」という声も外野からは出るでしょう。

しかし、体型やここまでの道のりを考えれば、貴景勝が四つ相撲に転じても勝ち味はありません。外野の声を無視して、この突き押しを徹底していく。徹底するために、日々を大切にし、体調を管理していく。世間や外野を「無視するチカラ」というものを大切にしていってほしいもの。「何を言っても話が通じない」「聞いてるのか聞いてないのかわからない」「コミュニケーションができない」…そんな貴乃花親方の生き様を受け継ぐことが、チカラを発揮する道であろうと思います。

↓苦言を呈されても、それを無視して「まわしをカチカチにしていく」とか!

何を言われても毎場所汗でヌルヌルしてる力士とかもいるわけだし、今後もカチカチでいくしかない!

まわしを持たれたら負けるんだから、握りづらいカチカチでワンチャン狙うのみ!


↓貴乃花親方も謎の詩文みたいなメッセージで、このまま頑張れと言ってくれているぞ!

「景勝よ、ここから先からを闘え!!」

ここから先からを闘え…??

ここから先から…??

とにかく闘え!!


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どうぞ、このまま強く羽ばたいていってほしい。そして、次の世代を託せる若者の手によって、今の時代を終わらせてほしい。今すぐにとは言いませんが、これからの数年というところで、稀勢の里をしかるべき舞台で打ち倒し、花道を作ってやってほしいと思います。勝手に負けて終わるのではなく、強い若者に乗り越えられて終わる、そんな花道を。想いを託せる相手をようやく決められた、僕にとっても節目の場所となりました。

ありがとう貴景勝、おめでとう貴景勝。

「貴」の相撲をこれからも大切にしてください!


東京五輪が終わったくらいのタイミングで引導を渡してやってください!

平成の小横綱・稀勢の里が2横綱不在の優勝チャンス場所で逆に進退窮まりそうなので、引退へのロードマップを引きますの巻。

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08:00
美しい引退へ向けてのロードマップを引こう!

僕の会社のエラい人はやたらとロードマップを引きたがります。1年、2年先の展望を考えなければ俺の許可は出せないのである、という論調です。「1年先までの間に環境は激変するのでは…?」とか「どうせその場その場で話は変わるんだから考えても無駄では…?」とか「そもそも僕は1年先まで会社にいるのでしょうか…?」などという見解の相違は受け入れられることはありません。そしてまた僕は「守れそうもない約束」を提案書に書き入れるのです。

今日の提案書のお題、それは「平成の小横綱・稀勢の里、いかに引退すべきか」。

「成り行きでいいじゃん」という意見があるのはごもっともですが、横綱は務め方も重要であるけれど、辞め方も重要な仕事。美しく名を残し、いい印象で辞める。それは結果的に協会に残ってからの求心力であったり、選挙のときに誰がくっついてくるかというところにも影響していきます。「え!?もっといろんなこと考えて選挙するんじゃないんですか!?」みたいな意見があるのもごもっともですが、そんな難しいこと相撲取りが考えてるわけないでしょうが!腕力、印象、金、声のデカさ!この4つしかないに決まってます!

腕力はまぁさすがにある程度年数を重ねれば協会に残っている自分以外の全員に対して「俺のほうが強かったな?な?」と言えるでしょうから心配はしていません。金を持ってるかどうかは舞台裏の話なので一旦置いておきます。声のデカさに関してはまったくもって不足しており、積極性とかリーダーシップはカケラもありません。となると印象、「立派な神輿だなぁ」と思ってもらえるようでないと、立派な理事長(※神輿)はつとまらないのです。

横綱の引退には大きく4つのルートがあります。

●美しく退く「美学型」
●気力体力尽きて散る「限界型」
●周辺から追い詰められる「圧力型」
●デンモクで他人を殴って辞める「不祥事型」

※上のものほど見栄えがいい

まず絶対に避けたいのは不祥事型です。コレで辞めるとそもそも引退後に角界に残ることは難しく、ただのデブに戻ります。飲酒運転、控え室での付け人殴打、デンモク、借金、ちゃんこが不味いので揉める、八百長、野球賭博、大麻、あーす、内閣府に告発状提出、勝手にテレビ出演、訴えは事実無根であることを認めない、兄貴と絶縁、宮沢りえに愛情がなくなった、知らない宗教…とにかく全部ダメです。品行方正、波風立てずに生きていくことは大前提として必要です。

一番イイのは美学型ですが事実上無理です。これは世間や横綱審議委員会がまだ引きとめるくらいのタイミングで、自ら切り出すパターン。たとえば千代の富士などがそうですが、千代の富士は「優勝⇒負傷により途中休場⇒全休⇒出場するも場所中に引退」と最後の優勝からわずか3場所後に引退を決めています。成績自体はかげりも見えていましたし、本人のなかには前々から葛藤もあったのでしょうが、まだまだチカラは残しており、優勝回数記録にもあと1と迫っていたところ。ここで現役に執着しないあたりが、あの美しい引退会見となり惜しまれつつ土俵を去る美しい引き際となったのです。

ただ、美しく退くためにはどこかで1回優勝なり準優勝なりをして惜しまれないといけないわけですが、どうもこれは無理そうであります。11日に初日を迎えた九州場所などは、本来であれば白鵬・鶴竜休場によって優勝チャンスの場所なのですが、初日から貴景勝とのボクシング勝負に敗れ、前のめりでK.O.(※格闘ゲームの声で)されました。優勝チャンスというか、ひとり横綱で休むに休めない心理があだとなって金星を大量に配給したあげく、無駄に引退への猶予を失っていきそうなピンチ場所となりました。稀勢の里のチャンスではなく、平幕力士のチャンスです。「鶴竜だけ出場して、優勝争いは鶴竜にさせながら、自分は10勝くらいでお茶を濁す」がベストの延命策だったのに、先に休まれてしまってつらい!

↓しかも、また新しい苦手力士が誕生してしまった!


うーむ、貴景勝に完全に間合いをコントロールされたまま、足を滑らせてしまったか…!

通算対戦成績2勝3敗と普通に負け越してるし…!

まったくつかまえられないので、何度やっても苦労しそうだな…!

突き放してるんじゃなくて、まわしをとりたいのに、とれないんだよ!



そして次善の策である限界型というのも難しい。これは怪我や病気によってチカラを出せなくなり、最後は「無様」と言えるような成績となって砕け散る道ですが、これをやるんだったら去年でした。横綱昇進、翌場所大怪我をしながら逆転優勝、その後成績不振が2場所ほどつづき、そこから全休モードに入り、平成三十年初場所に自ら進退をかけて出場し、ボロボロに負けて辞める。これならば「怪我が愛すべき横綱を短命に終わらせた…」とみんな泣けたと思うのです。

しかし、怪我は治ってしまった…。治療している間にちょっと太ったり稽古不十分で弱くなっただけで、怪我は治ってしまった…。先場所は中途半端に勝ってしまったし、秋巡業も皆勤したし、稽古で好調なところを見せてしまった…。「怪我がもう限界だ!」という雰囲気は薄れ、「ただただ弱くね?」という雰囲気になってしまった。株で損切りタイミングを見逃したような痛恨の事態でした。

その点、貴乃花などは「痛みに耐えてよく頑張った!感動した!」の優勝から7場所全休⇒12勝3敗で準優勝⇒怪我がぶり返して全休…ときた平成十五年初場所でもとから痛めていたヒザに加えて肩にも怪我を発症し、一旦休場、しかし再出場とまさに自らを試すように土俵にあがりつづけ、最後は「心の底から納得しております」と土俵をおりました。7場所全休するほどの大怪我から復帰を目指したけれど、完治にはいたらずさらなる怪我もあって…というところが何とも言えず美しい。真っ白になったジョーのように、砕け散る感じがいかにも貴乃花らしい散り際です。

しかし、稀勢の里の怪我は治ってしまった…。

本当に完治したかはともかく「治った雰囲気」になってしまった…。

↓やめろ!好調とか書き立てるの!XJAPANのYOSHIKIさんの首みたいに「一生治らない怪我」を抱えていることにしようや!


「稀勢の里は残り少ない土俵生命を燃やし尽くすかのように稽古場で奮戦し…」とか!

「ロウソクは消える前に一瞬燃え盛ると言うが…」とか!

「稽古とは言え妙義龍相手に2敗を喫するなど限界説は根強く…」とか!

もうちょっと言いようがあるだろうが!




こうなると現実路線としての「圧力型」が浮上してきます。本人にまだ意欲や余力、改善の見込みがあったとしても周辺が追い詰めていき「次の場所は心に想うところがあるかと思いますが」「稀勢の里にとって大事な場所になるだろうね」的な圧力をかけていくパターンです。角界にとって圧力はほとんど法律のようなものですので(※ハッキリとは言わないだけの有形無形の圧力)、圧力即進退です。

この圧力は周辺状況によって左右されるところもあり、ほかの横綱が土俵を支えていて人気面で困っていなかったり、ほかに横綱がいなくて今辞められると人気面で困る状況であれば「もうちょっと様子見ようか」となってみたり、若手の新星が台頭してきていれば「もうポンコツはクビでええんちゃう?」と幕引きモードに入ったり、その場その時で判断も変わります。

このパターンでパッとしない成績のもとで引退するような場合、非常に印象というものは悪くなります。「横綱にさせたこと自体が間違い」みたいな立ち戻っての非難なども出てくるでしょう。どうせパッとしないなら、派手に怪我でもやりまして、「体力の限界、やる気もなくなり…」と限界型に無理やりにでも移行したほうがマシ。「やめろや」と言われて辞めるのは、タダでさえ薄い横綱感がますます薄れてしまい、将来へのマイナスとなります。

まさに八方塞がり。辞めるに辞められない状況。

こうなったら、新たなパターンで美しい引退ロードを引くしかありません。とにかく印象さえよければ実態はどうでもいいのですから、雰囲気、雰囲気だけイイ感じにして引退する道を模索しましょう。そして、怪我という引退ビッグチャンスを見逃した反省を踏まえ、今度は機を見て敏に動きましょう。好球必打、チャンスは絶対逃さないの心で!

↓「これなら引退も仕方ないし、惜しまれつつ送り出すしかないな」という次のチャンスはコレだ!
●ノーカウント型
成績とか怪我とかじゃなく、なんもかんもなかった感じにするパターン。一番わかりやすいのは「事故とかで急に死んじゃう」というパターンですが、これだとせっかく引き際の印象をよくしても将来につながりません。技術の発展が今日明日で間に合えば「妊娠」とかでもいいのですが、さすがに今日明日では稀勢の里を妊娠させる技術は無理でしょうか。

ここはひとつ子育てによる働き方の変化ということでどうでしょう。急に今日明日でひょんなことからシングルファザーとなりまして、日々の子育てなどがどうしても土俵とは両立できないということで、指導者に転身という形ではいかがか。他人の赤ちゃんは頻繁に抱っこしているのですから、たまには自分の赤ちゃんを抱っこすることを最優先する力士がいたっていいはず。そういうの全部女将さんに任せるってのも古いですしね!


●善行型
不祥事型と正反対に、善行の結果として土俵を去るパターンはどうでしょう。「新幹線に轢かれそうになっている子犬を助けた結果、二度と相撲が取れない身体に」とか、「海獣に襲われている少年を助けた結果、片腕を失い」とか、「寒さに震えている子どもに自分のまわしを分け与えてしまってチカラが出ない」とか、善行のために自身の土俵生命を絶ってしまうということであれば、印象はグッとよくなるはず。デンモクで殴られそうな力士がいたら、間に割って入ってそのデンモクを額で受けにいくような心構えでチャンスを待ちたいところ。


●世代交代型
千代の富士と貴乃花の因縁で「すごくイイ話」みたいに語られているアレはどうでしょう。千代の富士が貴乃花の父・貴ノ花を引退に追い込み、今度は息子の貴乃花が千代の富士を引退に追い込んだという、美しい世代交代で土俵を去るというのは。これなら限界とも圧力とも関係なくなりますし、ちょっとカッコよくなります。

「俺の時代はもう終わりさ」「見ろよ、あの若いチカラを」「新時代を作るのはアイツらさ」とでも言いながら、パッと引退すれば逆に格が高まったりする感じさえあります。「若いヤツの将来性を見抜いた俺すげー」的な。期待の若手と戦い、見事に破れたら即座に引退する。そんな機会を探す日々としていきましょう。

あらかじめ意識してないと見逃してしまうチャンスを見逃すな!

チャンスは不意にやってきます!


そして僕は気づきました。番付を眺めながら、幕内最年少でありながら三役というなかなかの地位につき、しかもドラマを背負った力士の存在に。その名は貴景勝光信。現在、幕内最年少の22歳でありながら、9月場所は小結の地位で9勝の好成績をあげた期待の新鋭。そして彼は、惜しまれつつ砕け散った平成の大横綱・貴乃花の忘れ形見です。

貴乃花の「貴」と、景子の「景」、そこに勝氏の「勝」の字を合わせた息子・分身とも言える弟子は、貴乃花親方が角界を去ったのちも胸の奥にその教えを宿し、相撲道に打ち込んでいます。貴乃花イズムを継いだ、最後の弟子たちのひとりです。貴景勝に敗れたのを機に土俵をおりれば、真剣勝負を旨とした大横綱・貴乃花、小横綱・稀勢の里、継ぐ者・貴景勝の世代交代ストーリーとして美しい系譜を描くのではないでしょうか。

「よし、貴景勝に負けたら引退だ!」
「次に対戦するのは…」
「ていうか、昨日してた」
「昨日負けてた」
「今がチャンス!!」

今日、今日です。今日が千載一遇のベストタイミング。今なら強いとか弱いとかが確定する前にウヤムヤにできますし、世代交代感も演出できます。貴乃花親方が引退したばかりという時期も、合わせ技一本で世間の涙を誘いそう。貴景勝に自分の四股名から強引に一文字を贈り、「貴の景勝」とでもしてもらえば、貴イズムの継承という立てつけでの引退にも説得力が生まれるでしょう。

引退しよう、今日しよう。

もうすぐ今日の取組が始まっちゃうので、30分以内くらいで協会にファックスで連絡を入れましょう!

もう一度優勝して美学型の引退をできそうもないのであれば、今日が引退ベストタイミングだと僕は思います!

↓完璧やん!これぞ世代交代という完璧な見栄えやん!もはや座布団さえ飛ばない!(※九州場所の座布団はデカくて投げられないからだけど)

「真剣勝負で負けました」
「私には横綱のチカラはありません」
「ただ、若手は育っているという」
「頼もしさも感じました」
「横綱・稀勢の里は役目を終えた」
「今は素直にそう思えます」
「これからは新しい夢」
「理事長という夢に向かって」
「一歩ずつ歩んでいきます」
「そこで何をするかは」
「今はまだ胸に秘めておきますが」
「不惜身命、不撓不屈の精神で」
「角界の改革に取り組む所存です」

よしできた!

ロードマップが今できた!




もう一回優勝する、また怪我する、今日辞める、三択でどうぞ!

貴ノ岩が日馬富士に対して起こした損害賠償請求で相撲取りの表マネーを計算したところ、妥当だったので払ってほしい件。

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12:00
仕方ない、2000万円くらい払おう!

相撲取りは一体いくらお金をもらえるのか、なんとなーく聞きかじってはいることですが、いい機会なので改めて勉強していきましょう。「相撲取りのもらうお金はタニマチからの謎のマネーが大半だろ」「謎のマネーだから計算しても意味ないぞ」「理事長の懐刀になると1案件で謎のマネーを普通に500万円くらいもらえるぞ」などと言わないでください。今回は表、表マネーの話です。帳簿に載せても大丈夫なヤツだけです!

もちろん素材となるのは貴乃花の弔い合戦に燃える愛弟子・貴ノ岩が起こした元横綱日馬富士への損害賠償請求です。こちらの訴えにおいて、「お前に殴られた代金」として総額2400万円あまりの賠償金を要求しているわけですが、そのなかには「相撲協会からもらえる表マネー」の損失補填についても載っておりました。こちらを検算しまして、相撲取り表マネーの勉強としてまいります。

↓まずは貴ノ岩側からの要求金額の内訳を見ていきます!
【積極損害】入院治療費用等 435万9302円

【逸失利益】

(1)給与差額 148万1840円

(2)懸賞金の逸失 900万円

(3)巡業手当の逸失 38万円

(4)退職時の幕内養老金等の減 172万円

(逸失利益の合計は1258万1840円)

【慰謝料】 500万円

【弁護士費用】 219万4114円



合計2413万5256円!

今すぐ払え!さぁ払え!



今回は表マネーの勉強なので、関係ない項目はサッと飛ばします。まず入院治療費ですがコチラは実費なので「めっちゃ入院したんやのぉ」と思うしかありません。通常の感覚よりは高額に思えますが、第三者の行為によって生じた傷病の治療の際には、加害者が負担すべき治療費を健康保険が肩代わりしてしまう事態を避けるという意味で、健保にそれを届け出るようになっています。もちろん保険適応で立て替えてもらうことはできるようですが、加害者が支払うべきものであるということで自由診療扱いになるケースもあるとのこと。保険適応せず全額加害者に賠償請求ということであれば、高めに出ることもあるのかなと思います。慰謝料・弁護士費用も「高いなぁ」と思うだけです。このあたりは実際の費用と過去の判例、社会通念などから「相場」におさまることでしょう。

勉強のテーマは逸失利益の部分です。

まず相撲取りの基本的な給料の仕組みについて。こちら規定が公開されている場所を見つけられなかったのですが、幸い別の相撲取り関連裁判の判決文にて、給与規定が細かく引用されていますので、そちらを見ながら確認していきます。

力士の給料というのは大きくわけて二本立て。「月給」と「力士褒賞金」です。月給は番付の階級によって定められており、横綱なら282万円、大関なら234万7000円、三役だと169万3000円、幕内は130万9000円、十枚目(十両)は103万6000円です。これが各場所の開催月より、番付の階級に応じて支払われることになります。力士報奨金は階級に応じた支給基準額があり、そこに成績による加算ぶんを加えて算出します。

<力士の給料>

横綱:282万円
大関:234万7000円
三役:169万3000円
幕内:130万9000円
十枚目:103万6000円


<力士褒賞金の計算>

●(A+B)×4000倍を本場所ごとに支払う

【A:階級による基準額】
横綱:150円
大関:100円
幕内:60円
十枚目:40円
幕下以下:3円

【B:成績による加算額】

勝ち越し1番につき50銭
金星ひとつにつき10円
幕内優勝につき30円(全勝優勝なら50円)

※Bの額は負け越しても減ったりはしない
※昇進したときこれまでの加算額を足してもAの額に届かない場合は、その額まで引き上げられる

【参考】
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/289/084289_hanrei.pdf

これで計算すると横綱となると月給だけでも282万円×12の3384万円、さらに力士褒賞金が最低でも150円×4000×6場所ありますので360万円となり、年間で3744万円以上がもらえることになります。そこに「東京本場所1場所につき25000円の力士補助費」「年2回、月給各1ヶ月分の賞与」などが支給されますので、約4000万円の表マネーが確定で入ってきます。そこに裏マネーを加えると3億円くらいでしょうか。知らんけど。

貴ノ岩は2016年の初場所から約2年11場所連続して幕内の地位におり、その後の2017年九州場所前にデンモクボコボコ事件が起き、二場所連続の全休となります。地位は十両に下がり、去る九月場所で幕内に復帰しました。復帰直後に10勝をあげていることからもわかるように力量は十分。デンモク前の成績を見ても、11場所通算で81勝84敗3休で勝率49%となっており、「この期間、ずっと幕内にいただろう」と考えるのは妥当です。

まず月給ぶんの差額を考えると「幕内月給130万9000円−十両月給103万6000円」×十両にいた期間8ヶ月ぶんとなりますので、27万3000円の8倍で218万4000円となります。さらに力士褒賞金も階級による金額が減りますので、「幕内60円−十両40円」×4000倍×4場所で32万円となります。東京場所も1場所休場しているのでさらに25000円減。これだけで252万9000円。

ところが貴ノ岩側が要求した給与差額は148万1840円。これは「デンモクボコボコがなくて、ずーっと幕内にいた」という本来あるべき状況を想定すると、だいぶんお安い請求となっています。40円などという妙な端金があるので、日割り計算か消費税の付けたしなどをしているのでしょうが、請求としては「約2場所4ヶ月ぶん」でしかありません。どこか計算が違うのかもしれません。休んだぶんだけでいいよということなのか。とにかくお安い。

さらに懸賞金について。懸賞金は日本相撲協会の公式サイトに金額が掲載されています。賞金は1本あたり62000円でここから手数料5300円を引いた56700円が勝ち力士の取りぶんです。貴ノ岩の請求が900万円というのは、懸賞金本数にして約150本です。全休した場所と十両に落ちていて懸賞がかからない4場所を合わせて、5場所各30本ずつという計算でしょうか。もちろん勝たないともらえないわけですが、先ほどの勝率49%からすると各場所60本懸賞がかかれば大体計算が合うということになります。

もちろん貴ノ岩ひとりに60本かかるかというとそうではないでしょうが、「横綱戦」「大関戦」「遠藤戦」など相手の人気によって多くの本数がかかる取組はあります。横綱戦に勝てば30本から50本、大関戦でも15本から20本はとれるわけで、各場所30本懸賞獲得というのは決して無茶な数字ではありません。去る九月場所でも、前頭2枚目で5勝10敗の千代大龍が71本、前頭13枚目10勝5敗の竜電が49本、前頭7枚目7勝8敗の松鳳山が46本をそれぞれ獲得しています。かかった数ではなく「勝ってもらった数」でそれぐらいは獲っているのです。

↓九月場所での十傑はこんな感じです!

1位の白鵬は勝って懸賞をもらった本数だけで410本!

懸賞金だけで2324万円!


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貴ノ岩については取組表や懸賞本数の記録を見つけられなかったので、録画したものを見返して「懸賞旗の本数」「場内アナウンス」を確認した範囲となりますが、去る九月場所のケースでも確認できたものだけで30本の懸賞がかかっており、18本を獲得しています。数え漏れがあればもっと多いかもしれません。これは返り入幕の前頭13枚目という地位でのものであり、三役以上との取組はまったくないわけです。それでも「18本くらいは獲れる」のです。三役格以上が相手ならもっと獲れても不思議はないのです。

休場前の実績で言っても、2017年の初場所で白鵬を破った際にはその1勝で39本(目視確認)の懸賞を獲っていたり、2017年の三月場所ではやはり遠藤戦で10本の懸賞を獲っていたり(この場所は豪栄道戦でも懸賞獲得)、2017年九月場所でも9日目の遠藤との取組に勝って14本(目視確認)の懸賞を獲っていたりするわけです。「相手の人気次第で大量に獲れる」ことを加味すれば、平均30本獲得は十分にあり得るでしょう。記録を調べればわかることを嘘をついても仕方がないわけで、ある程度筋は通る計算になっているはずです。「横綱に対しても49%で勝つ」とかの計算上のマジックはあるかもしれませんが。

その他、巡業手当や幕内養老金の減額等については勤続場所数と幕内在位場所数が影響するので一概に決められませんが、幕内での勤続1場所につき12万円の養老金が増え、勤続加算金も幕内25場所以上在位の力士は十両に対して5万円多くなります。貴ノ岩はその境目となる幕内25場所にもう少しのところまできており(20場所)、デンモク以降十両に落ちていたせいで25場所に到達しないというケースを考えると、「4場所×12万円」「5万円×25場所」で173万円程度損したかもしれないと主張することは十分可能でしょう。どこまで認められるかはともかく、主張はできると思います。

このように改めて力士の表マネーについて勉強していくと、逸失利益の部分については無茶苦茶な数字ではないことがわかります。慰謝料500万円は相場なりの額におさまるでしょうが、実費の医療費と逸失利益でトータルで2000万円くらいはいただける感じになるのではないでしょうか。改めて勉強させていただきまして、相撲取りって裏マネーがなくても結構もらえるんだなぁと思いました。相撲取りだからって気軽に殴っちゃダメなんですね!

↓表マネーぶんだけでも払ってくださいね!


裏マネーは減ってるのか増えてるのかわかりませんが!

謎のお祝いなどで、なんとなく増えてそうな気がします!

知らんけど!




あと、いろいろあって引っ越すことになったんで引っ越し代もください!
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