スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

卓球

平野美宇さんが東京五輪女子卓球シングルス0回戦で敗退するも、まだ団体戦が残っているので涙を拭いて切り替えて欲しい件。

08:00
シングルス0回戦で敗退!団体戦に懸けよう!

1年間に及ぶ熾烈な代表争いに決着がつきました。女子卓球シングルスの東京五輪代表はいち早く選考レースから抜け出した伊藤美誠さん、そして年内最終戦で代表入りを決めた石川佳純さんの2名です。選考レースを長くリードしてきた平野美宇さんは、ラスト2戦で石川さんにまくられ世界ランク上位2名に与えられるシングルスの切符を失いました。



先週末のITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンOPは、2枚目の切符を争う平野・石川両名が決勝戦で直接対決するという壮絶なシチュエーションでした。両者の獲得ポイントはハイレベルなため、この大会では優勝ポイント以外はランキングに影響を与えないという状況でした。「優勝しか意味がない」状況で優勝した石川さん、すさまじい勝負強さでの逆転劇でした。

しかし、それから1週間と空けずに行なわれたワールドツアー・グランドファイナルで「石川さんより上の成績」を残せば平野さんは再逆転が可能でした。組み合わせ抽選の結果、石川さんはランキングこそ世界3位ながら現世界女王である劉詩雯との対戦。平野さんは世界18位・王芸迪との対戦。中国選手にとって世界ランクなど名ばかりのものですが、「石川さんはほぼ確実に負け(だって一度も勝ったことないし)」と見通せる組み合わせ。平野さんにとって1週間で二度目となる「勝てば五輪」というビッグマッチでした。人生を懸けた大勝負でした。

先に試合を行なった石川さんは予想通り敗れ、ポイントで引き離すことはできず。あとはひとつ、平野さんの試合だけ。勝てば自力でシングルスの代表になれる。文句なしでなれる。紙も金色に染め、強気の高速ラリーで押し切る……ことができれば、東京五輪のシングルスに出られる試合でした。

しかし、平野さんは負けました。率直に言って弱かった。落ち着きのない表情、苛立ち、上手くいっていないことを感じながらのプレーでした。何本か素晴らしいプレーはあるものの、それが長くはつづかず、そして勝負の大勢が決したあとには少し崩れてしまう脆さ。それは強気で隠してきた弱気が、この正念場で顔を出したような姿でした。

あっという間に持っていかれた第1ゲーム、幸運も含めて大きくリードして始まりながら引っくり返された第2ゲーム、そしてあとがないゲームカウント1-3から終盤の連続失点で五輪代表ごと失った第5ゲーム。相手も強かったですが、それ以上に弱い日だったなと思わざるを得ない、平野さんらしい試合でした。五輪というものを、リオ五輪の出場を逃したぶん肥大した想像力で、重く考えすぎていたのかなと今さらながらに思います。重い、重いよ、空気が!

↓厳しい試合だった、でも負けたものはしょうがない!


その金髪、僕は似合ってると思いますよ!

選考レース、お疲れ様でした!




試合後のインタビューは「酷」の一言でした。ただ、それが「酷」に見えるのが平野さんの弱さだなとも思います。こういう争いであることはずっと前からわかっていたし、1年を費やした競り合いの結果なのですから、これはもう受け入れざるを得ないものです。泣くのはここではなく、もっとほかのどこか…あとひとつどこかで勝っていればという選考レースのなかにあったはず。

あえて言えば、2018年の世界卓球が勝負のアヤだったなとは思います。1勝を挙げるごとにランキングポイント250を積み上げられる団体戦で、石川さんは全試合に出場し7勝(1750ポイント)を取ったのに対して、平野さんはエジプト戦で起用されず6勝(1500ポイント)に留まりました。出ればほぼ間違いなく勝っていた試合に出られず、起用数の差で250ポイント差をつけられた。これが大きかったかもしれません。かもしれませんが、それでも1年もあったのですから誤差の範囲でしょう。すべて1年間の結果です。

1年やって負けた、それはもう仕方ない。

ただ、勝負はここからです。

卓球には団体戦があります。

石川さんはシングルス代表争いでは敗れた因縁の相手ですが、団体戦の代表入りという点では平野さんの後押しになる選手です。何せ石川さんは「左利き」です。団体戦のメンバーは「ダブルス重視で選ぶ」ことがあらかじめ決められており、一部ファンからはダブルスで無類の強さを見せる早田ひなさんを推す声もありましたが、石川さんも早田さんも同じ左利き。「左」を2枚入れるチーム編成はまずナイでしょう。であれば、順当に、素直に、ランキング通りに平野さんが団体戦メンバーとして五輪代表となるはず。それ以外の決断があったとしたら、ハッキリ言ってナンセンスだと僕は思います。

結局、ダブルス重視と言ってもダブルスで選ばれた選手も団体戦ではシングルスを戦うのですから、シングルスのランキングで決めるのが本筋なのです。そして、シングルスのランキングを上げることで団体戦は優位になるのです。団体戦のシードを決めるランキングは「シングルス上位3人のランキング」で決まります。現時点での日本女子は中国に次ぐ世界2位ですが、それはシングルス上位選手の奮闘…すなわち平野さんが頑張ったことも含めての位置です。この世界2位の座こそが、決勝まで中国と当たらない順番をつかむ方法、銀メダルへの最短切符です。

今の平野さんは「東京五輪シングルス0回戦」で負けたのと同じ状況です。

シングルスではいち早く負けましたが、まだ団体戦が残っています。それは自分のチカラでつかむ代表の座であり、自分の頑張りによって銀メダルに近づいたチャンスです。歴代の日本代表がそうであったように、シングルスで負けても団体戦のメダルを獲れば笑顔で帰れるのです。みんな褒めてくれるし、みんな喜んでくれるし、手元にはメダルという一生の土産が残る。

大本番では「シングルスに負けた」からと言って泣いているヒマなどなく真の勝負所がすぐさまくるように、平野さんには団体戦という真の勝負所が少し先に待っています。今度こそ五輪に出て、今度こそメダルを自分のものにする。そして、2024年を目指す。2024年でもまだ24歳、時間は十分にあります。東京でメダルを獲れば、肥大した五輪への想像力も鎮まるでしょう。まずは出る、そして団体戦でメダル。東京はそこに集中しましょう。そして、リオでのぼれなかった階段を、東京でのぼってください!

↓すごいつらい日にピッタリのTシャツがあるのでぜひ着てみてくださいね!

「笑顔でハピネスに」頑張りましょう!

メダルがあれば次の4年はまた違うものになる!




リオで球拾いさせられた悔しさ、東京では誰かに球拾いさせて晴らす(悪)!

世界卓球女子ダブルスでみまひなペアが銀(実質金)となり、東京五輪選考がめっちゃ揉めそうなのであらかじめ整理しますの巻。

12:00
中国の壁の前に立ちはだかる国内の壁!

世界卓球2019の日程が終了しました。男女混合ダブルスでは吉村・石川組が銀、最後に控えていた女子ダブルスでは佐藤・橋本組が銅、伊藤・早田組が銀と「打倒中国」「金」という大目標には及ばなかったものの、さすがのチカラを見せる日本勢の活躍でした。特に女子ダブルスの伊藤・早田組は決勝でも中国ペアと真っ向勝負を演じ、一時はゲームカウント2-0とリードする場面まで。追いつかれたあとの第5ゲーム、9-9の場面から早田さんのサービスエースが決まったはずのプレーが、会場で唯一「レット」と言い張った審判によって取り消され、そこから流れを失って負けはしましたが、勝っていてもおかしくない試合でした。

「よし決まった!」「あー、やられた」と両ペアも納得というか、決まったものだと思っていたプレーを引っくり返し、場内のモニターで「ネットにかすっていない」様子が大映しになっているのに絶対にそれを見ない審判の気持ちの強さが、伊藤美誠さんの「圧」を上回った。みまひなもめっちゃ気ぃ強いタイプですが、審判もなかなかの手練れ。僕が審判ならば場内全体がブーイングしているなかでモニターを指差されたら怖いもの見たさでついつい覗き込んでしまいますが、ガン無視を貫いたのはアッパレでした。

↓「モニター見て!」「見て!」「見て!」と圧をかけるみまひなとガン無視の審判!


日本のプロ野球にはプレーをガン無視の審判もいるが、モニターガン無視の審判もそれはそれでキツイ!

なお、卓球にチャレンジシステムはございません!


↓ITTFの公式アカウントは「レットかな?違うかな?」などとつぶやいたら、「お前が聞くな!」と絶賛怒られ中!

SNS担当は大会運営とはまた違うのじゃ…!

お客様と同じ視点でつぶやいているのじゃ…!


↓ほら見ろ、美誠さん「ははーん」みたいな顔になっちゃってるじゃないか!

美誠さんも「中国対日本の試合では中国系と日系の審判はやめよう」と申しております!

ははーん、と!



ただ、そういった不運こそあったものの、その後たて直して競り勝つまでのチカラもなかったのは事実。このゲームはともかく、次のゲームまで悪い流れを引きずり、一気にそこで試合を決められてしまったのは残念でした。誤審がなければ勝っていただろうとは思いますが、不運1で大きく流れを持っていかれるのは、まだ相手を凌駕するところまではいっていないということ。大本番へ向けてこの経験もまた財産としてもらいたいものです。

さて、そんな中国との戦いの前にある国内での戦いのほうが熾烈になりそうだな…というのが今大会を終えての率直な感想。熾烈と言うと雰囲気も前向きですが、もっと端的に言えば「揉めそう」です。特に女子は、伊藤・早田組が今大会で銀メダルを獲得し、2017年世界卓球での銅、2018年ワールドツアーグランドファイナル優勝、2018年・2019年全日本2連覇につづく活躍を見せ「女子ダブルスの抜けた1番手」という存在になってきていることが「揉めそう」感をグッと増してきています。

東京五輪の卓球代表選考基準は「2020年1月時点でのシングルス世界ランキング上位2名」「シングルス代表選手とダブルスが組め、団体戦で活躍が期待できる選手」とあります。シングルスの2名は世界ランク順なので揉めることはまずないでしょうが、問題は団体戦を見据えた3人目をどう選ぶかというところ。近年のダブルスでの活躍度を加味すれば「伊藤(シングルス)+早田(団体)」のペアを選びたいという向きもあるでしょう。世界銀のペアですし、早田さんは左利きということで右利きの選手とダブルスを組むのに向いています。

しかし、早田さんのランキングはここから上げていかなければならない位置です。2019年4月時点での世界ランキングで言えば女子は6位に石川佳純さん、7位に伊藤美誠さん、9位に平野美宇さんときて、以下13位に佐藤瞳さん、14位芝田沙季さん、22位加藤美優さん、26位橋本帆乃香さん、33位安藤みなみさん、34位早田ひなさんとつづきます。ダブルスを重視するあまり、シングルス上位…たとえば世界ランク一桁の選手から誰かを外すとなれば当然ひと悶着はあるでしょう。いかにダブルスが重要とは言っても、団体ダブルスに出場した選手も団体シングルスには出場するわけで、あくまでも基本はシングルスなのですから。

世間的には「みまひなでもみうみまでもみうひなでもいいのでは?」「Tリーグでの個人戦成績は選考に関係ないのでは?」「石川佳純さんも左利きだから最悪左は足りるのでは?」という話もあるでしょう。実際にみうみまペアやみうひなペアでも過去に好成績を挙げています。「みまひな」でなければダメと言い切るまでの説得力はないだろうと思います。

↓みうみまは昨年ベストフレンド賞も受賞しましたよ!

ベストフレンドなので大丈夫です!

おまかせください!


↓舞妓のCMで見かけるみうひなは、Tリーグではチームメイトなので連携も十分です!


どうでもいいけど、舞妓メイクをしても早田さんの顔が全然変わってないwww

メイクを落としても「えー、うそー!」とかならないくらい普段の印象のままwww




そもそもメダルという意味での勝負は「大会が始まる前にあらかたついている」という話もあります。卓球の大会で好成績を挙げるために第一優先で考えることは、情けない話ではありますが「中国と当たらない」ことです。団体戦で中国と当たらないためには、チームの世界ランキングを挙げて「世界2位」になること。そうすればトーナメントでは世界1位の中国の反対側の山に入りますので、決勝まで中国と当たらなくなります。金が目指せて、銀・銅の確率がグッと上がってきます。

チームの世界ランキングは「各国のシングルス世界ランキング上位3選手を抜き出して、ランキング上位の選手が必ず勝つものとして仮想対戦をした」ときの結果をシミュレートしたもので決まります。中国と決勝まで当たらない山を引くという最大のステップは、シングルスの上位3人が事前に決めてくるものなのです。もしも世界2位で本番に突入することができたならば、シングルス上位の3人がそのまま本番へというのが、心情的にもスッキリするところ。

誰がどうなったとしても「シングルス上位3人」をそのまま選ぶという形をあらかじめ推しておきたい…それが来たるべき「揉め事」へ向けての僕のスタンスです。

代表を決める2020年1月時点の世界ランキングに影響するのは、2018年の世界選手権での獲得ポイント、2019年開催の国際大会での獲得ポイント上位8大会ぶん、そして今季から新設されるT2ダイアモンド(3戦)という大会での獲得ポイントです。特にカギとなるのがT2ダイアモンドという大会で、ここでの獲得ポイントは「国際大会上位8大会」とは別枠での加算となるため、出てポイントを獲れば、出ていない選手に対してそのままアドバンテージとなるものです。

T2ダイアモンドに出場するには、ワールドツアーという大会でのポイントで上位に入ることが必要ですが、現時点では日本勢は横並び。6月に行なわれる中国オープンでの成績次第で、T2ダイアモンド第1戦に誰が出られるのかが決まってきます。つまりは「6月の中国オープンは、東京五輪に直結する重い大会」ということ。そうやって考えていくと、東京五輪へ向けての国内の熾烈な代表争いはすでに始まっているどころか、かなり佳境に差し掛かってきているとも言えます。

東京五輪本番はまだ1年以上先ですし、2週間程度の期間でしかありませんが、「そこに至る道」は何年も前からずっとつづいており、すでに人生をわけるような試合が始まっています。「あぁ、あのとき速報でチラッと流れた結果が、東京五輪への分岐点だったのか」という試合はそこかしこにあります。ぜひそれを楽しみながら本番へと向かっていきたいもの。そうすることで東京五輪の楽しみは2年にも3年にも伸びていきます。僕は「招致失敗」も加えると足かけ10年くらい楽しんできていますが、今からでもまだ「1年以上」も楽しめます。前のめりになって、長く、たっぷりと、東京五輪を楽しんでいきましょう!

↓ちなみに女子卓球で現時点において一番東京五輪に近い(2020年1月時点でのランキングに影響するポイントが一番多い)のは実は平野美宇さんです!

世界卓球でのベスト8も大きな積み上げでした!

ランキングポイントを見ていくこのドキドキ感がたまらない!




決まるまでの過程を見ていくと、揉め事がさらに熱くなりますよ!

卓球新リーグ「Tリーグ」のファイナルは、会場は真っ暗だけれど卓球の未来は明るいと感じさせる激熱神試合だった件。

12:00
「世界一のリーグ」、あると思います!

2018年に開幕した卓球新リーグ戦「Tリーグ」。17日は初代王者を決めるファイナルが行なわれました。舞台は開幕戦と同じ両国国技館。入れ替え制による男女各ファイナルで5000人超ずつの観衆を集めた熱戦は、「これは本当に世界一かもしれない」と思えるような大激闘の神試合でした。

イベントとしてもとても楽しく、「試合」「グッズ」「グルメ」「音」「光」といった盛り上がるための要素が不足なく配備されています。競技会とは違った「エンターテインメント」の雰囲気。最近の事例で「フェンシングの全日本選手権をショーアップしてみたらチケット完売の人気公演になった」というものがありますが、同じような印象を受けました。ちゃんとショーアップしたら、卓球はこんなにも輝くのだと。

↓ということでやってきました両国国技館!
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↓スポンサーノジマさまをはじめ、各チームののぼりが泳ぐ!
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国技館を聖地化するつもりですかね!

将来的には卓球も日本の国技という雰囲気にしちゃえ作戦!


普段は相撲でくる場所ですが、相撲看板類は隅のほうにどかされ、卓球色に染まっています。裏返しにされた遠藤お姫様抱っこ看板などが寂しそうです。しかし、そのぶんを補う華やかな飾り付けでファイナルの舞台を盛り上げようと頑張っています。

冠スポンサーであるノジマさまは、個人情報を差し出すと抽選で家電が当たるキャンペーンを会場限定で実施してくれています。そして、男女のトップチームを支援する木下工務店さまは、自分のところのゆるキャラと選手の等身大看板をズラリと並べ、アピールに余念がありません。

てっきり、出場4チーム全部がやるもんだと思いきや、金とやる気のある木下工務店様だけがやっていたというこの飾り付け。正面入口で観衆を出迎える木下大卓球団の「圧」には、「これは男女どっちかは優勝させないと悪いなぁ」という手心も頭をよぎります。

↓木下大卓球団男子がお出迎え!水谷隼、張本智和、松平健太らを擁する木下マイスター東京!
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↓女子は石川佳純ちゃんと世界の仲間たちが集った木下アビエル神奈川!

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ほかのチーム、ポスター貼ってる程度なのに何だこの充実ぶり!

4チーム足並み揃えさせようや、リーグ主導で!

木下工務店祭りみたいになってますよ!


グッズ販売も盛況で、ショップには行列ができ、一部人気商品には完売も出るなどしています。僕は平野美宇ちゃんがプロデュースしたというマフラータオルを購入し、応援に備えます。一応、ペンライト的な演出もするということでしたので、日本生命レッドエルフのチームカラーに合わせて赤のペンライトも持参してみました。アイドルのコンサートに行くときの装備みたいになってきました。

グッズ購入後は、グルメを求めて場内散策。ただグルメの面では、普段の国技館と比べると量・質ともに寂しい感じ。よく行く国技館内の寿司屋も閉まっています。それでも卓球民にも名物を楽しんでもらおうと、国技館名物の焼き鳥をTリーグ仕様で販売するあたり、Tリーグもなかなか頑張っていました。確かに、一度は食べてみたいですからね。そして、相撲じゃないんだから、2食も3食も館内で食べたりしないですし、焼き鳥があればとりあえず大丈夫です。

↓国技館焼き鳥Tリーグ仕様は心がグラッと動きました!
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まぁ、また相撲のときに食べるんで、今日はいいです!

相撲のときだけで飽きかけてるんで、今日はいいです!


↓美宇ちゃんプロデュースタオルはシンプルでわかりやすい感じ!
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名前だけでっかく書いてあればそれでいい!

ちなみに、試合では本人が「自分の名前入りの推しタオル」を使用していました!


その他、いただきもの類もなかなか充実しています。今季の振り返りも入れたパンフレット、スポンサーのロート製薬さま提供の子ども用のリップクリーム等、Tポイントさま提供の「200ポイント進呈」、スポンサーのノジマさまからは薬味チューブホルダー、さらに特製オペラグラスまで。ピンポン球を遠くから見つめる観衆を思ってオペラグラスまでいただくなんて、充実してるじゃないですか。使うかどうかはともかく、充実はしてる。ノジマさまが一体どうしてここまで卓球に入れ込むのかは正直わかりませんし、ノジマさまには基本行かないと思いますが、オペラグラスありがとうございます!

↓ロートさま、クスリありがとうございます!
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↓ノジマさま、オペラグラスありがとうございます!
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↓ノジマさま、薬味チューブホルダーありがとうございます!
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「で、何でコレくれようと思ったんです?」
「欲しいって言いましたっけ?」
「いらないって言ってるんじゃなくて」
「理由が見えないのが疑問というか」
「コッチがすごい薬味ホルダー欲しそうだったり」
「わさび屋の集まりとかだったり」
「使うよな?な?みたいなのがあるなら」
「何となく理解もできるんですけど」
「正直、こういうアイテムが」
「この世に存在することも知らなかったし」
「卓球とも何の関連性も感じないし」
「会議とかで、ヨシ薬味ホルダーだ、って」
「決まった流れが全然見えないですが…」

冷蔵庫はあげられないけど、冷蔵庫を開けるたびにノジマを思い出してくれよな!な!

みたいな話です?



さて、もらったものの話ばかりになりましたが、いよいよ試合観戦に。足を踏み入れると結構な人出です。1階のマス席に相当するスペースは「1マスにパイプ椅子2脚」という構成なので、人数的には相撲よりは少ないのでしょうが、満員御礼を出して問題ないほどの人が集まっています。発表では5000人ちょっとだったとのことですが、スポンサー関連とかを入れたらもっといたんじゃないかという混雑具合。特に2階の自由席は座る場所を見つけることも難しいほどでした。席自体が埋まっていたのはもちろんですが…

↓暗っ!!
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↓暗くて椅子が見えないよ!!
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そうか…国技館は相撲頭で作ってるから「照明を落とす」演出が想定されてないんだった…。

指定席だったら自分の席番が見えなかっただろうな…。

自由席で逆によかったわ…。


スマホの画面を灯りにして恐る恐る階段を移動するような館内の暗さは、猛烈に不便でした。自分のカバンの中身もよく見えず、食べようとした弁当のどこをつまめばから揚げが取れるのかもわからない。せっかくもらったパンフレットも、読むためには一回外に出ないといけないので、読まずにカバンにしまってしまいました。

そして最高に困ったのがさっき買ったタオル。「こんなん絶対見えへんやん…」。推しに見てもらうためのタオルが、絶対に推しから見えないことがわかるというこの状況。ホント、ペンライト持っててよかったです。会場内には10人か20人くらいコンサート仕様の本格ペンライトを持っている人がいましたが、「アソコに青推しがいるな」「アソコには緑が」と目立っており、アピール力が強かった。きっと僕の光も、美宇ちゃんから見えていたことでしょう。タオルのほうはまるっきり見えてなかったと思いますが…。

↓スポーツもペンライトを振って応援する時代!

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「暗くして光をキラキラさせたら盛り上がる」は鉄板ですね!

野球とかサッカーとか、全部コレやったほうがいい!


男女ともとても盛り上がる熱戦だったのですが、やはり女子のほうが素晴らしかった。Tリーグの団体戦は「ダブルス1試合、シングルス3試合を行なう」「先に3勝すれば勝ち」「4試合目の時点でタイなら、1ゲーム先取のヴィクトリーマッチを行なう」という仕組みなのですが、女子のファイナルはそのヴィクトリーマッチまでもつれ込む大熱戦となりました。

しかもただもつれ込んだのではなく、フルセット・フルセット・フルセットの熱戦を積み重ねた末に、そのなかでも一番の死闘となった第3試合・袁雪嬌VS早田ひな戦、その両者がもう一度ヴィクトリーマッチでぶつかるという激熱の展開。第3試合で両者は最終第5ゲームを17-19まで戦いました。そのおかわりをやろうっていうんですから、興奮不可避です。

↓第3試合、最終第5ゲームは7回のマッチポイントをしのいで早田ひなさんが粘り勝ち!


最終ゲームはTリーグの特別ルールで「6-6」からスタート(※時間短縮が狙い)

袁雪嬌リードで10-7としマッチポイント握る

連続ポイントで早田さん追いつく

11-12と逆転して早田さんマッチポイント

袁雪嬌もしのいで逆王手

それを早田さんしのぐ

袁雪嬌王手

早田さんしのぐ

(4回繰り返す)

逆転で早田さん勝利!

って、結局普通にジュースまでもつれ込むぐらいのスコア取りあってるじゃん!

最初の6点引いても「11-13」までやってるし!




もし、この第3試合を落としていれば、木下アビエル神奈川が2勝、日本生命レッドエルフは1勝という状態でした。そして、この時点で日本生命は平野・早田の2枚看板を使い切ってしまっています。一方で木下アビエルは石川佳純さんのシングルスが残っている。そうなれば木下アビエルが優勝していたでしょう。実際、第4試合は石川佳純さんがしっかりと勝ち切っています。

ただ、早田さんがマッチポイント7回をしのぐ粘りを見せたことで、ヴィクトリーマッチのチャンスが残った。石川佳純さんはダブルス、シングルスとすでに2試合出ているのでヴィクトリーマッチには出場できません。逆に相手を追い込んだ。そしてヴィクトリーマッチ出場者は、奇しくも第3試合と同じ袁雪嬌VS早田ひなという組み合わせになります。両チーム応援団を中心とする五千大観衆からは地鳴りのような拍手が起こります。燃える展開でした。

迎えた最後のヴィクトリーマッチ。ここまでくると運も味方するというか、早田さんのボールはネットの上でバウンドして相手側に落ちるなど順調に得点を積み重ね、最初のチャンピオンシップポイントでしっかりと勝利を決めました。「第3試合でサーブもレシーブも効かないとわかっていた」と手の内出し合った末の対戦でしたが、Tリーグ無敗のチカラを見せました。サイズのある体格、長い手、左利きで繰り出すよく曲がるチキータと逆チキータ。東京五輪への争いがますます過熱しそうな強さでした!

↓初代女王を決めた瞬間、早田さんは静かに泣いた…!
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↓チームメートはめっちゃ派手に泣いた…!
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↓ベストペアに輝いたチームメイトは東京ばな奈1年分をもらわされた…!
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↓そしてチームはノジマ商品券50万円ぶんをもらった…!
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何か、くれるモノが微妙なリーグだなwwww

東京ばな奈って1年で1個食べるか食べないかだし、チームで50万円じゃひとりあたり3万くらいじゃないのかwww

ドーンと500万円あげたってや!




卓球ではこのTリーグと実業団チームによる日本リーグとが並行しており、いろんなリーグが共存する状態になっています。Tリーグで活躍しても世界大会の代表になれるわけでもなく、むしろTリーグ戦の拘束時間を嫌って不参加を表明したトップ選手もいます。Tリーグが日本卓球の頂点だと言いきれない部分もあります。

ただ、いつか「ラケット1本で成功者になりたい」と願うなら、国内にこうした形の興行を成立させる必要はあるでしょう。そのために、今はまだ必ずしもメリットばかりとは言えないTリーグに多くのトップ選手も名を連ねているはず。いつか立派なプロリーグとなるのだ。安心して子どもたちが卓球に人生を懸けられる卓球界を作るのだ。その意気込み、その可能性は大いにあると感じました。一言で言って「面白かった」です。

真っ暗な場内、白いボールはハッキリと見え、台を打つ音も聞こえます。チカラが拮抗した選手たちが、長いラリーをつづけ、強打を連打する。バレーやバスケのように、得点ごとに盛り上がり、静寂と興奮を繰り返す構造は、鉄板の盛り上がりやすさ。ちゃんとショーアップすれば国技館全体を巻き込むチカラが卓球にはある。一日たっぷり楽しめる。ぜひまた観戦したいなと思いました。美宇ちゃんのタオルもまったく使えていないので、ちゃんと使える明るい試合にも行きたいですしね!

いつか世界一のリーグになって、ノジマ商品券が5000万円に増えるといいですね!


その暁には東京ばな奈じゃないお菓子も10年分あげてください!

演出ヲタとしてTリーグの運営に一家言ある平野美宇さんによる「ワイの推しタオルのイーメジ」がさすがの的確さだった件。

12:00
ワイのイーメジもソレ!

先日開幕した卓球Tリーグ。ウチの愛(旧姓:福原)が理事をつとめるということで、成功したら愛のおかげ、失敗したら水谷のせいという姿勢で成功を祈っているところ。そんななか、現役選手がグッズのセルフプロデュースに乗り出し、さすがのセンスを見せつけていました。

納得のプロデュースを見せたのは、アイドル好きを公言し「演出ヲタ」を自称する平野美宇さん。美宇さんはTリーグの演出面に「演出ヲタ」として一家言あるようで、具体的に「推しタオル」の制作を提案するという積極性を見せたのです。しかも、他人まかせではなく「ワイのイーメジはこういうヤツンゴ」というハッキリとしたイーメジをもったうえで。

↓「推しタオル作るンゴ」と美宇さんが提案したら、新聞社がこんな感じに作ってきた!

あー、わかる、ナイわコレ!

コレは肝心のところがボケてる!


↓新聞社の作ったイーメジ画を加工して、改めて美宇さんが提案した「ワイのイーメジ」!

わかるンゴ!

原理原則を突き詰めたらこうなるンゴ!



この推しタオル、非常に流行中のグッズです。さまざまな現場ですでに商品化され、野球などでも選手の名前を書いたタオルがひとりずつ販売されていたりします。原理原則を踏まえれば、これが流行する理由というのは明らかであり、美宇さんのイーメジもまさにそれに則った修正となっているあたりが、「さすがンゴ」と唸らされる部分です。

誰かを応援するときの究極の言葉というのを考えたことがありますでしょうか。「頑張れ」でしょうか「いけ」でしょうか。違います。「頑張れ」や「いけ」は添え物に過ぎません。これでは相手に伝わらないのです。相手に伝えるためにはまず「名前」、私のこの声が誰に向けられたものであるかという対象が絶対的に必要です。

ピッチャーが投げてバッターが打つ場面をイーメジしてください。「頑張れ」ではどっちのことかわからないでしょう。当然「田中頑張れ」とか「鈴木いけ」とか名前がくっついてくるわけです。と考えたとき、「頑張れ」や「いけ」はいらないんですね。多少のニュアンスの差こそあれど、「ここでいいプレー、いい結果を望む」という根本的な気持ちは変わらないのですから。「田中!」「鈴木!」だけ言えば、それは頑張れという意味であり、いけという意味なのです。

究極の応援、それは名前。

名前、それは、燃える、応援。

ひとりの選手に、ひとりずつひとつ。

言いたいことがあるパターンもなくはないですよ、確かに。「よく見ていけー」とか「思い切って振れ」とか「ド真ん中投げろ」とか。ただ、それは差し出がましいアドバイスであり、素人がプロに言う類のことではありません。言わんとおれんヘボもたまにいますが、本当に立派な一流に対してはそんな言葉は不要です。ただ名前、ただ名前だけを呼べば、それで応援のすべてが完結する。

その究極の形のひとつが「イッチロー」です。イチローが打席に立つ、おなじみの仕草でバットを構える。イッチローと叫ぶ。それですべては伝わり完結します。今さら「もうちょっとバットを短く持ってだな…」などとウエメセクソアドバイスを繰り出す輩もいない、イッチロー大コール。完全に仕上がったとき、最後に残るのはただ名前だけなのです。

いろんな歌を歌いたいとか、独自のフレーズを盛り込みたいとか、やる側の欲は出てくるでしょう。しかし、それは知っていて覚えている人しか参加できないもの。スタジアム全体を巻き込むものにはなりません。名前ならば応援相手を認識すればどこかに書いてありますし、実況で呼ばれもするでしょう。あとは心を合わせるだけでいい。全員が参加できて、それで完結する究極の応援フレーズは「名前」しかないのです。名前こそが最大パワーを持った応援語なのです。

語彙力超低下モードならスタジアムで発する応援語は2つで済みます。相手の「名前」と、「今のは応援じゃなくてヤジ・敵意だから」ということを示すための「死ねー」「ヘボー」「クソー」「ブー」(お好みで)だけでいい。ひとつの試合を見ながら「槙野!」「槙野槙野槙野!」「まーーーーきーーーーのーーー」「マキノッ!」「ま・き・の!ま・き・の!」「まきのぉ…」「まあああきいいいいのおおおお!!!!」「死ね!」だけで全部のシチュエーションを乗り切れます。

翻って美宇さんの修正案。

もともとの新聞社のイーメジにはチーム名だのラケットの画像だの美宇さん本人の画像だの、応援に不要なノイズが多数紛れ込んでいます。「本人に本人の画像見せて、なんかあるのかな?」「自分の顔見てテンション上がるタイプかな?」「自意識過剰マンかな?」という状態です。十分なサイズがあり、「名前」の表現が完遂している横断幕やバナーであれば画像を入れる余地もあるでしょう。飾り付けとして画像もあっていいとは思います。ただ、これが推しタオルであることを考えると、一番のパワーを発揮する名前を小さくしてまで画像を入れる理由はまったくありません。

とにかく限界まで名前をデカくしてから話はスタートです。究極的には「平野」「美宇」だけでもいいくらい。対戦相手も同じ「平野」というレアケースはそうそうないでしょうし。「平野」がスタンドにズラリと並べば、その光景がそのまま「私への応援」として認識されるのです。その壮観に選手は「この本数×2500円×3%…」と奮い立つのです。

軽くて持ちやすく、折りたためて邪魔にならず、どっちみち会場に持っていくものという点でタオルは非常に有能です。財布、スマホ、洋服の次くらいにタオルは「スタジアムに持ってくものランキング」で上位ですよね。有能でそこそこサイズのある平面に、究極の応援語「名前」を入れる。これは原理原則から言っても最強に近い応援グッズだと僕は思います。

タオルと張り合えるのはユニフォームくらいでしょう。ユニフォームは「チームの応援」、タオルは「個人の応援」として使い分けるものだと考えれば、タオルを超えるものは今後もナイと言っていいくらい完成されたグッズだと僕は思うのです。美宇さんはそれをわかっている。アイドル現場など他人を推すなかで感覚的に学んだのでしょう。これぞまさしく「演出ヲタ」という鋭く的確な修正でした。

↓こういうの探しに行く「演出ヲタ」の気持ち、わかる!

わかるンゴ!

そういうの追いかけること自体が楽しいンゴ!




応援とか演出というのは、最後は「どれだけ心を合わせることができるか」です。たくさんの人がシンクロし、一体となったときの感動や興奮は仕込まれたプログラムでは超えられません。仕掛ける側の仕事は、どれだけ心を合わせやすい環境を作るかに掛かっています。

現世のことを忘れて目の前の公演に集中させるための異世界観の演出(暗くする/閉じ込める/装飾)。名前をコールするタイミングやリズムを揃えていく公式からの導き(ヒラノなのかミウなのか/ヒラノッなのかヒッラッノなのか)。歌や踊りなど、ちょっと目先を変えるとき用のネタの制定(球団歌/応援動画)。そういったものを準備してあげて、「心を合わせやすく」する。

それはファンが自発的にやるものではなく、「公式がイイのを決めたからコレだな」となるべきもの。全員が従える公式という存在が、大多数が納得できるものを決めれば、それが一番「心を合わせやすい」のは自明です。それは本来、応援団とかに外注してはいけない行為だと僕は思います。球団や選手を応援しているのであって、応援団を応援しているわけではないのですから。

「応援とは」という深いところをえぐっていく美宇さんからの提案&修正案、ぜひTリーグ関係者にも参考にしていただきたいもの。応援する側としての現場感覚と、主張する積極性を持ったトップ選手は、なかなか貴重な存在だと思います!

↓美宇さんは応援グッツに関しても一家言ありそうですよ!

「ワイのグッツのイーメジ」も提案してもらおう!

名前を借りるだけでない「ワイが欲しい、ワイ用の応援グッツ」のイーメジを!


↓踊りを揃えるのは結構ハードル高いと思うので、とりあえずタオルとコールから手をつけていきましょう!


めっちゃウロ覚えやでwwww

知らない人にはわからないだけで、知ってる人から見たらグダグダwwww




選手もファンも愛理事も一体となって、イーメジを作っていきましょう!

ウチの愛(旧姓:福原)が選手として一線を退くにあたり、これからもずっと「愛ちゃん」でいてくれよと兄として心から願うの巻。

12:00
愛、お疲れ様!これからもよろしくね!

世間と兄との乖離のようなものを感じる数日間でした。「福原愛が卓球選手としての一線を退く」ということが、ここまで大きな話題となり、感傷に浸るような動きを生むとは意外なことだったのです。選手としての大きな節目はリオ五輪で迎えていたわけですし、女性としての大きな節目もまたリオ五輪後の結婚・出産というところで迎えていたわけで、ここまで世間を騒がせるのは意外に思え、改めて愛の存在の大きさを感じる日々でした。



婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号


腹違い・種違いの兄としては愛はもう僕の手を離れたというか、巣立ったというか、「幸せにおなり」の儀式のあとだったので、もう一度別れの場に引き戻されるというのは率直に言って驚きでした。台湾のリアリティショーで毎日チュッチュしてるのを見たら、愛がコートに帰ってこないことは世間の共通認識だろうと勝手に思っていたところもありましたし。それでもキッチリと区切りをつけるというのは、愛らしい誠実さだなと思います。

おそらくはずっと前から愛のなかで、こういう結論を出すことはわかっていたのでしょう。もし選手として次を目指すのであれば、リオを終えてから一度もコートに立たないなんてことはないのです。発表まで2年かかった、そう言ってもいいくらい。2020年が東京でなかったなら、この発表はもっと早いタイミングだったでしょう。

東京を目指してみたいという選手個人としての気持ちは、当然ながら誰にでもあるでしょう。周囲の人からは「東京」という言葉や期待を掛けられる機会もあったでしょう。しかし、現実的にスケジュールを逆算していけば、世界ランキングなど選考基準を満たしていくためのデッドラインはもうきています。仮に世界一のチカラがあったとしても、2019年は現役の第一線で戦っていなければ選考に間に合いません。

東京へのデッドライン。

あいらちゃんの1歳の誕生日。

理事をつとめる卓球Tリーグの開幕。

いろんなことが重なったからこその「今」だったのでしょう。自分がやりたいことと、自分が求められること、自分がやれることを考えたとき、自然と結論はひとつにおさまっていった。東京は江クンのサポートという立場で目指す。自分が引っ張るという気持ちから解き放たれ、生来の性分に合った「みんなをうしろから支える」という運営側・裏方にまわる。そして、母としての時間を大切にする。

これは周囲の支えでどうこうということではないのです。愛が仕事の間は台湾のご両親があいらちゃんを見てくれていますし、江クンも全力で支えると言ってくれるでしょう。ただ、愛はもう自然と新しい未来へと視線が向いており、そういう暮らしをすでに2年間してきており、「選手」以外の人生を歩み出していたのです。今は、いよいよそれをお知らせしなければいけない時がきたというだけのこと。

まるで花園のような華やかな会場での愛の引退会見。

愛はバンビの頃からずっと、こうしてテレビカメラに囲まれてきました。国民の妹として、娘として、「愛ちゃん」でありつづけました。どこかで断絶があれば、あるとき急に「福原選手」というよそよそしい関係性になったりしたかもしれないけれど、ずっとカメラを通じて見守ってきたことで、まだ何者でもなかった少女のまま、「愛ちゃん」のままそこにありつづけてくれた。強く、健やかに、美しく。

改めて言うことではありませんが、「愛ちゃん」こそが今の卓球界を盛り上げ、大きくしてきました。テレビカメラにとっての卓球はすなわち「愛ちゃん」でした。ただ強いだけでなく、成長や飛躍を我が事として見守らずにはいられない「愛ちゃん」の歩みだからこそ、たったひとりでそのジャンルごと持ち上げてしまう偉業も成し得たのだと思います。世界で一番強くなくても、世界で一番愛しい、そんな「愛ちゃん」だからこそ。

24日に開幕したTリーグ、愛は理事として盛り上げ役をつとめ、キャスターとしても奮闘しました。しかし、夜のスポーツニュースでは「愛ちゃんが頑張った」という切り取り方はもはやなく、「東京五輪でメダルを目指す張本…」などとすでにニュースターたちが話題の中心となっていました。愛の挨拶さえ映らずにその話題は伝えられていました。愛の仕事は成就したのだなと思います。「愛ちゃん」がいなくても卓球は大丈夫なのだと、愛が背負ってしまった荷物をようやく下ろせたのだと。

↓面白いことする担当は平野早矢香さんがやってくれそうだし、もう愛じゃなくても大丈夫…!



ただ、僕はまだ愛にはやり残した仕事があると思っています。愛は確かに卓球を盛り上げ、「卓球をやりたい」と思った少年少女たちに道筋をつけたと思います。愛ちゃんの歩んだ道のりがモデルケースとして示され、卓球を生業とし、卓球に人生を懸けることで生きていくことができるのだというビジョンを伝えたと思います。多くの選手が愛ちゃんを見て、その道のりを歩んできたであろうと。

しかし、この先のビジョンはまだボンヤリとしています。卓球に人生を懸け、ひとつの区切りを迎えたあと、どうやって日々を過ごしていくのか。指導者なのか、運営なのか、あるいはもっと違う形なのか。卓球に人生を懸けた人が、卓球に携わったまま生きていく道のり。「卓球人の生涯」のモデルケースとなるのは、やはり愛なのだろうと。年を取って、おばあちゃんになったとき、4歳からのVTRを振り返りながら卓球おばあちゃん・愛ちゃんとして、ずっとそこにありつづける。こういう人生も素敵だよね、という見本となって。

卓球に人生を懸けてもいいんだ。

卓球に懸けた生涯はこんなに素敵なんだ。

そういう姿をこの先も見守ることができたなら、卓球はもっと大きくなっていく。お兄ちゃんはそう思うのです。

婦人公論 2017年 12/27、1/6 合併特大号


一線だけじゃなく二線・三線があるのが文化!目指せ卓球おばあちゃん!
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