スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム

リオ五輪

リオパラリンピック閉幕!次なる2020年の東京オリンピック&パラリンピックで「はやくあなたに会いたい」と願うの巻。

14:39
東京ではたくさんの金を!

4年に一度の熱い夏、リオパラリンピックが閉幕しました。日本勢も活躍がつづき、メダル数では前回ロンドン大会の16個を上回る、24個のメダルを獲得。ボッチャや車いすラグビー、車いすテニス女子・柔道女子など日本勢初のメダル獲得となる競技・種目も多数生まれ、東京に向けて明るい収穫もあったように思います。

そんな中、ひとつ気になるのは「金」がないこと。

パラリンピックで金メダルナシとなるのは、日本が参加した夏季大会では初めてのこと。銀や銅はそれなりに数があるのに金だけないというのは不思議なことです。そこをどう評価し、どう受け止めていくのか。東京大会へ向けて大きな宿題をもらったような気分です。「金が欲しいのか?」という根本的な設問への答えも含めて。

いろいろ考えたのですが、やはり金は獲ったほうがいいし、獲るように目指していくべきだろうと思います。正直、気持ちとしてはなくてもいいんです。メダル自体がなくてもいいし、参加選手が多ければいいというものでもないと思います。五輪ならば、参加選手やメダル数は多いに越したことはないのですが、それとは少し事情が違うと思うのです。

まず、参加資格を得る=不自由であるということなわけで、母数が大ければいいというものではない。「環境汚染の影響で生まれつき四肢に不自由のある子どもがたくさん生まれる」「傷病を負った帰還兵が多数いる」「治療が行き届かず回復後も不自由を残す病人が多い」という国・地域があれば、選手の候補者は増えるかもしれませんが、それがイイ社会とは思えません。

メダル数も、あれだけ千差万別な不自由を抱えている選手たちの中で、たまたま1番から3番になれた数を競っても仕方なかろうと思います。両足義足の選手と片足義足の選手が同じメダルを争って、どっちが勝ったとか負けたとかが本当に同一条件なのかどうか。もっと細かく分けるべきなのではないか。

突き詰めれば、オンリーワンの不自由に対して、オンリーワンの結果が出るのですから「全員がその不自由における金メダリスト」という感もあります。「とにかく一番強いヤツが金」という無差別級とは対極にある、「ピッタリ条件を合わせたらアナタしかピッタリ同じ条件の選手はいなかったので、アナタが金です」という世界観。そもそも勝ち負けを問うことに意味があるのかすら、悩みどころです。

ただ、そんな空論と現実は違います。

世間は勝った者が好きで、勝った者の声を聞きたがる。パラリンピアンの中でも国枝慎吾さんが特に知られているのは、有り体に言えば「勝者」だからじゃないですか。頑張りが凄いとか、感動的な人生だとか、カッコイイとかではなく、「勝ったから」採り上げられる。「勝ったから」こそ頑張りや技術や人生に賛辞が集まる。もっと頑張っていても、負けた人にスポットライトはなかなか当たりません。

僕もあらゆる機会で「勝ち負け」を否定してきているクチですが、そうしなければいけないのも世間はやっぱり「勝ち」が好きだからです。それは文化的に幼いと言ってもいいかもしれない。「勝ち」を決めるのには同じ数の「負け」が必要なのに、一方だけを見るような視野の狭さがあるからかもしれない。

パラリンピアンの声に耳を澄ませば苦労が絶えません。練習場所がない、コーチがいない、遠征費用がない、不自由を理由にいろいろなことを断られる。テレビで採り上げられ、メダルを獲ればニュースになるような人でさえ、そういう状況にぶつかっている。ならば、もっと無名な人々が、それぞれの舞台で直面する不自由はいかばかりのものか。不公平や不条理は無名の人の前にこそ立ちはだかる。

だから、まず、勝ちたい。

スポーツでなくともよいですが、まず勝って、影響力を持って、世間を変えていかないといけない。世間が変わるスピードを上げていかないといけない。そのためには、2020年日本で最大のトピックとなる大会ではどうしても勝ちたい。「アナタが楽しければいい。金メダルなんかいらないよ」と言いたいけれど、銅よりも銀、銀よりも金の声のほうが大きくなるから、やっぱり金が欲しい。金を求めたい。

金を求めるならば、必然として練習環境の整備や、社会の理解が必要となります。そこは、ある程度を東京でやりましょう。思う存分練習ができる会場や設備を、「ここはパラリンピックをやる場所だから、最初から使いやすいようにしておかないとダメだよね」という意識で作っていきましょう。「東京で金獲りたいから強化費多めに出すわ」をやりましょう。「優先的に使えるにする」という仕切りを決めましょう。

やらないといけない課題がわかっていないわけではないのです。むしろ、求める空気が足りないのです。本気を引き出すだけの圧が。自力で金を目指せる環境が整うまでは、「絶対金」という圧をあえて掛けることも必要です。東京大会には幸いにして圧があります。やる以上、日本の代表にメダルを渡したいし、日の丸をたくさん揚げて、君が代をたくさん鳴らしたい。その圧がチカラとなり、きっかけとなるはずです。

そういう意味で、リオで金がないことは残念でもあり、逆説的にチャンスでもあると思います。

今、この瞬間に大きく広がる声や、そのキッカケは得られなかったけれど、「パラリンピックで金を獲るってのは簡単なことじゃないんだな」というのはアピールできました。「勝ち」の難しさを知らしめ、「勝ち」への渇望を高めました。同じ選手が5個も6個も金を獲ると簡単そうに見えてしまいますが、日本選手団全員でゼロなんだから、やっぱり金はスゴイことなのです。そのスゴイことを東京でやったら、その人はヒーローなのです。

たくさんのヒーローが生まれ、そのカッコよさが伝わっていったなら。

東京大会を経て日本がよくなったよねと、思えるような変化が残るのではないか。そんなことを想うのです。

ということで、4年後の東京大会への圧を高めつつ、19日のNHK中継による「リオパラリンピック閉会式」をチェックしていきましょう。


◆2020年、東京の夜の七時頃の競技に、世界が一斉に興奮する夏がくる!

聴覚に難のあるパーカッション集団…本人たち曰く「クレイジーなアイディア」のパフォーマンスからスタートしたリオパラリンピック閉会式。手を打ちつける「手話ドラム」や、演奏と連動して音の激しさやリズムを示す映像、そして観衆が踏み鳴らす振動。視覚でもいい、聴覚でもいい、触覚でもいい、感じられるもので感じてくれればいい。そんな自由さにあふれたライブパフォーマンス。

スタジアムにはすでに選手たちが集い、最後に旗手が入ってくるという流れ。日本勢は東京大会のエンブレムをつけた小旗を振って、互いの健闘を称え、4年後の再会を祈るような構え。若干のお疲れの見える選手、「ぶっちゃけ知らん曲だな…」という現地ミュージックの連打にスマホいじりを開始する選手なども見られますが、過ごし方は人それぞれでいいでしょう。「お疲れ様」の労いなのですから。

↓日本の旗手、史上初の車いすテニス女子シングルスでのメダル獲得者・上地結衣さんも堂々入場!


旗手というプレッシャー、受け止めてチカラを出した!

東京ではより大きな期待を受けて、より大きな歓喜を!


ファン・ヨンデ功績賞の授与を経て、パラリンピック旗の東京への引き継ぎへと進む式典。小池都知事は黄色のポンチョのような衣装で登場します。やはり、五輪閉会式での高価な着物ズブ濡れ事件は痛かったか。「和装ばかりじゃないのよ」という建前を持ちつつ、最初から雨合羽着用みたいな雰囲気での登場です。

↓やっぱり雨のことを気にしていることは拭えない都知事!

日本では地下水が、リオでは雨が!

水関連で不都合が多い2016年!


↓なお、パラリンピックの閉会式も結局雨が降りましたが、今回は雨合羽風衣装なのでまったく問題ありません!


「すごい雨女だな…」
「ていうか水女か…」
「東京の開閉会式も全部雨降りそう」
「だから屋根をつけろとあれほど…」

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そして始まった、注目の東京の引き継ぎ式。始まりはアレンジ版のエンヤみたいな君が代から、各国語でつづった「ありがとう」の文字を表示するという、五輪版とまったく同じもの。その後も基本コンセプトとして「五輪と同じもの」という方針は貫かれていきます。

オープニングの煽り映像では、1964年東京大会で「パラリンピック」という名称が初めて使われたことをひも解きつつ、当時の金メダリストの言葉を紹介します。不自由を抱えながらも、仕事を持ち、買い物に行き、酒を飲みさえする海外の競技者たちを見て感じた「ほかのみんなと同じじゃないか!」という気付きを。

それを「ポジティブスイッチ」と表現し、次の2020年で、もう一段階そのスイッチを入れていこうというメッセージを発信していきます。「足がないという不自由」から「その部分を使って、肉体ではできない表現を可能とする自由」へ。義足を活かしてクールさを表現するモデルや、片足のヒザ下がないという独自の身体バランスを活かしたパフォーマンスをするダンサーといった、「スイッチ」を入れた人たちが登場し、式典を大いに盛り上げます。

その煽りとして流れる映像は、五輪閉会式で流れたものと同じコンセプトで作られたパラリンピックアレンジ版。五輪閉会式で使ったものと同じ光るフレームのボックスもステージ上で再び使われます。見方ひとつで不自由は自由になり、考え方ひとつで不自由は強みともなる。そして、それは「誰しも同じなんだ」というメッセージ。あえて同じパフォーマンスをすることで、「同一性」を表現している。決して予算上の問題での使い回しとかではないのです!

↓スーパーマリオは出なかったけれど、スーパーモデルとかは登場した東京の引き継ぎ式!



メッセージは温かく!表現はクールに!

トーキョー、やるじゃないか!

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そして、日本で見る者としては、ピチカートファイブなどに演じられてきた名曲「東京は夜の七時」アレンジ版が流れたのも素敵でした。サビで繰り返される「早くあなたに逢いたい」のメッセージ。原曲とはまったく異なる歌詞で、この日のために綴られた想い。東京が2020年を待ち焦がれていることが、日本の楽曲で、日本なりのカッコよさで歌われたことが、何だかとても嬉しかった。

『東京は夜の七時 −リオは朝の七時−』

(※手話で始まる)「はやくあなたに会いたい」
「夏は夜」(※東京は真夏の夜の夢 につづく詩の一節)

トーキョーは夜の七時

トーキョーは夜の七時

両手で見晴らす立体模型(ジオラマ)
目的地へ一瞬で接続(アクセス)して
僕ら自身が扉になったの
トーキョーはよるの七時

あなたが把手に触れれば
噫僕ら夏になってしまう
ひと晩中あいしていたい
トーキョーはよるの七時

「待ち合わせは交叉点で」
「もうまどわされないで」
文明と自然が出会す地点
はやくあなたに会いたい
はやくあなたに会いたい

トーキョーはよるの七時
夢みたいに実在する都市(まち)
地球の裏側誰か目覚める
トーキョーはよるの七時
本当の愛に気付いている
宇宙の片隅あなた今何処

世界中がいがみ合っても
あなたは一人生きている
一層全能なのと同じこと
はやくあなたに会いたい
はやくあなたに会いたい

トーキョーはよるの七時
落ち着けそうにないのさ
答はここだと生命が呻く

トーキョーはよるの七時
本当の愛を捕らえている
人生は短いあなた今何処

トーキョーはよるの七時

※メディア向けのセグメントガイドにて歌詞の全文が掲載されており、画像での紹介などがされているのですが、手元にないので引きつづき今度は画像が小さくて見えない箇所があります。「世界中がいがみ合っても あなたは一人生きている」のあとは引きつづき不明瞭です。もしかしたら違うかもしれません。

トーキョーはみなさんを待っている。待ち焦がれている。世界の人にも、その気持ちが届くといいなぁと思います。次は2020年、この街で。最高の大会にできるよう、頑張っておもてなしします。東京が夜の七時頃に始まるであろう一番盛り上がる試合、注目の試合を、世界で一斉に見ましょう!

↓そして聖火が消え、リオの夏が終わった…!

ありがとうリオ、お疲れ様リオ!

地球の裏側の試合を見るのは大変だったけれど、仕事時間とまったく被らなかったので大変充実の夏でした!

地球の裏側の大会も悪くないですね!

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北京よりもロンドンよりもリオよりも面白い大会にできますように!

ドイツのマルクス・レームが走幅跳8メートル21センチ(※五輪5位相当)の大ジャンプでパラリンピックの枠を跳び越えた件。

11:21
「バネかー」って思うのは、あとからでいい!

熱戦続くリオパラリンピック。大会終盤にきて、今大会最大の注目選手が登場しました。男子走り幅跳びT43/44(切断・機能)クラス、マルクス・レーム。右足のヒザから下を失い、義足でありながら、その自己ベストは8メートル40センチ。自己ベストを出せば五輪でも金メダルが狙えるという「超人」です。

ただ、あまりにも跳びすぎることが議論を呼び、義足が有利に働いているのではないかと疑いの目を向けられました。「五輪に出たいなら、義足が有利じゃないことを証明しろ」という無理難題。そんなに負けるのが怖いのか、というような注文を受けてレームのリオ五輪出場は断念させられます。

レームと研究者チームが出した調査結果は、「助走のスピードを上げるためには義足は不利」「ジャンプについては、足で跳ぶのとは全然違う技術なので有利とも不利とも言えない」というもの。助走のスピードが上がりにくいなら、もうそれで十分という気もしますが、それでは「ジャンピングシューズみたいな話でしょ?」という疑念は払拭できないのでダメだそうです。

陸上で使う義足は指定の用具があり、同じジャンピングシューズを使いたいなら、ほかの選手も使うことができます。もしもそれを使った選手が軒並み五輪レベルの記録を出すようなことでもあれば、「バネだ」という話も真実味を帯びるのでしょうが、そんなことは今のところありません。棒高跳びで硬い棒を使いこなすのが難しいように、硬い義足を使いこなすのもやはり難しい。履けば跳べる魔法の靴はないのです。

一回全部忘れて、魔法の靴が出てきたら考えればいい。

オリンピックとパラリンピックがいつかひとつになるとしたら、こうした選手の存在を大事にしないと話が始まりません。柔道で言うところの無差別級が五輪であり、それ以下の階級に体重別のものや不自由さによる分類があるという形。「無差別級」が無差別級として機能していることをしっかりと示さなければ、ひとつになりようがないのです。

義足が有利でないことを証明させるのではなく、義足を履きたければ履けと解禁すればいい。同じバネで「足があっても履ける」ものを作り、スパイクのひとつとして認めれば済む話。競泳でも「明らかにコレのほうが有利」という高速水着が出たことがあり、その水着が認められた時代に集中して世界記録が生み出されたことがありました。あまりに有利ということでのちにその水着は禁止されますが、生まれた記録は今も残っています。陸上の投擲種目にいたっては「それクスリですよね!」という記録が今だに残っているケースも。

「水着かー」があるんだから「バネかー」があってもイイはずです。人によって使ったり使わなかったりする「クスリかー」よりは、はるかにフェアです。競泳ではそうした高速水着時代を経た記録を、さらに破るからこそケイティ・レデッキーやカティンカ・ホッスーの偉業がより輝いているのです。自分の足で「バネかー」に勝てばいい話。スパイクの機能を日々スポーツ用具メーカーが高めるように、義足の機能が高まっていったらいいのです。

↓こんだけ跳べるなら、もう跳ばせばいいじゃない!


絶対、一緒にやってたほうが盛り上がったわ!

みんなピリピリして、バッチバチのバトルだったのに!

「面白い」ほうがいいじゃない!

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注目の中で迎えた本番。1番手で登場したレームは7メートル13センチでのスタート。同じドイツのフェリックスが7メートル13センチで並び、オランダのヘルトフが7メートル29センチでトップに立ちます。そこから少しずつ記録を伸ばしていくレーム。2本目には7メートル33センチでトップに立つと、3本目には7メートル48センチで自身が持つパラリンピックレコードを更新します。

上位8人によって争う後半戦。レームは前半トップなので最後の試技順へと変わります。4本目には7メートル98センチと記録を伸ばし、さらに5本目では8メートルを超える、8メートル4センチの大ジャンプで、金メダルを確定的にします。競り合っていたオランダのヘルトフは、5本目に8メートルを超えようかというジャンプを見せますが、それがファウルとなったのが惜しかった。

そして、6本目。ほかの選手の結果によって金が確定した中で、迎えた最後の跳躍。レームはさらに記録を伸ばし、8メートル21の大ジャンプ。自己ベストには及ばないながらも、日本選手権ならば優勝、リオ五輪の決勝ならば5位に相当する、「世界を争う」にふさわしい記録。言うまでもないことですが、パラリンピックレコードです。

願わくばリオ五輪の記録をも超えてほしかったところですが、それに及ばなかったのが本当に惜しまれます。もし、ここで五輪を超える記録が出ていれば、「どっちが本当は強いんだ」という気持ちから、五輪の金もスッキリしないものになったはず。そうすれば、スッキリするには直接戦うのが一番ということで、門戸も開かれたようにも思うのです。結局は、「世界で一番」であることが五輪の価値なわけで、そこから除かれる候補がいたら、五輪にとっても自らの価値を毀損するものなのですから。

↓いやーーーコレを五輪で見てみたかった!


物議は醸すためにある!

より遠くに跳べる人間を全部集めて競ったほうが、五輪の金の価値も上がるはず!

東京では、ぜひ五輪のほうでお迎えしたい!

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日本の中西麻耶さんが出場した女子走り幅跳びT43/44クラスでのこと。この種目ではフランスのル・フュール選手が世界記録で優勝しました。尻もちをつくスタイルでの着地に、珍しい落ち方だなぁ、尻もちじゃなければもっと記録がのびそうだなぁなどと僕は思っていました。しかし、人に指摘されて気付いたのが、これは失敗して尻もちなのではなく「着地時に義足をソリのようにして滑らせることで、普通の足ならもっと手前で落ちていた身体を、足を着いた位置に近づけている」という、義足の選手ならではの新たな着地技術なのであったということでした。

義足をどう使うか、それも発想であり技術。それはそれとして認めていくことで、新しく広がるものがあるはずです。「義足を砂場に突き刺して、ヤリ投げのヤリみたいに刺さって着地」くらいまで行きついてからアカンかどうか考えればいいのです。何かが起きる前に可能性を塞ぐのではなく、起きてから考える。そうでなくっちゃ、頑張りがいがないでしょう。五輪の選手だって、用具替えるたびに「用具ですね」「用具で伸びてると思います」「靴を脱げ」って言われたらやってられないでしょう。「高速義足時代」とか「時代」のレベルにまで話が到達してから考えれば、それでいいと思うのです。

↓この尻もちも新たな技術の誕生として受け止めると、凄さが一層増す!

こういう発想に気付くと、「スパイクのカカト部分をソリにできないか?」という新しいイメージもわいてくる!

そういうのも「人類の発展」につながるはず!

勝ち負けよりも、競技を通じて人類の可能性を広げよう!

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全選手が足を切り落とし始めたら、「一回待とう」って止めに行きます!

「アスリート資金繰りカレンダー」で名を馳せた中西麻耶さんが、メダルは逃すも名場面では自己ベスト更新の巻。

07:00
見事な最後の一本!

リオパラリンピック、大きな注目を集める競技として挙げられるのが陸上・走り幅跳び。もちろん最大の注目は、男子のT44クラス(片足ヒザ下切断などの選手が出場するクラス)のマルクス・レームさん。レームさんの自己ベストは8メートル40センチ。これは日本記録8メートル25センチを上回るばかりか、リオ五輪金メダルの記録をも上回る数字。いろいろあってリオ五輪には出場が叶いませんでしたが、五輪でもメダル争いができた記録です。それがパラリンピックに出るのですから、五輪超えというサプライズも含め注目せざるを得ない。

そして、個人的にもうひとり。女子のT44クラスに出場する中西麻耶さん。北京・ロンドンにも出場したパラリンピアンですが、それ以上に記憶に残るのがロンドン大会当時に「参加費用を工面する」ために刊行したセミヌードカレンダー。9000部を瞬く間に売り切った注目の逸品、その1つは現在も我が家に存在します。あの選手が、再びパラリンピックに、しかもメダル候補として帰ってきた。

ロンドン大会では注目を集め過ぎたことで「悪意」も呼び寄せてしまったといいます。心ない言葉を浴びせられ、しかも結果もふるわず、のちにうつ病にもなったとのこと。傷ついた心ゆえか、ロンドン大会終了後には引退を表明し、時間を置いてまた復帰したりというような紆余曲折もありました。

しかし、今回は違う。

5メートル51センチという日本記録・アジア記録を今年樹立し、文字通りのメダル候補として臨むリオ大会。持てるチカラと集める注目とが調和し、ただただ「期待のアスリート」として大きく採り上げられました。生中継の競技を絞り込む中でのNHK地上波全国生中継は、話題性だけでは起こらなかった事態です。晴れ舞台です。

そこで、中西さんは見事に跳んだ。メダルは惜しくもならなかったけれど、最後の一本まで可能性を見せ、熱い勝負を演じた。結局、スポーツ選手というのは、最後は試合なのだと改めて思います。面白い発言や美貌も付け合わせとしては重要だけれど、メインたる試合で何を成すかが原点なのだと。いい試合、いい跳躍でした。過去のいっさいがっさいを上書きして、美しい跳躍をするアスリートとして自分を再定義するほどに。

↓リオの地にメダル候補として立つ中西さんは、完全に仕上がっていた!


ギンギラギンやんか!

「人生エンジョイ勢」のファッションや!


↓出発前よりだいぶギラギラを盛ってきてる印象!


茶の間:「軽量化とかいらないですかね!」
茶の間:「髪型による空気抵抗軽減とか!」
茶の間:「ていうか、跳ぶときピアスいらんでしょ!」

見られたほうが燃えるタイプなんですかね!

跳躍前に拍手要求するのも、ギンギラギンも!

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1本目、ライバルと目された有力選手は次々に大ジャンプを披露します。ロンドン銀・世界ランク1位、イギリスのリード選手はいきなり5メートル64センチの好記録。さらにロンドン銅・世界記録保持者のフランスのル・フュール選手も大ジャンプで、1本目から世界記録を更新する5メートル75センチ。

そんな中、中西さんもメダル争いをしっかりと演じるような大ジャンプを見せます。体力満タンで臨む大事な1本目、中西さんの身体は5メートル50センチを超えたあたり、日本記録更新が狙えそうな位置まで届きました。おそらく、距離自体はこの日に跳んだ6本の中で一番出ていたジャンプ。しかし、踏み切りがわずかに合わずファウル。惜しい!

リードとル・フュールがハイレベルな金争いを演じる中、喰らいついていきたい中西さんは2本目に5メートル38センチを跳び、一時3位に浮上。その後、オランダのファン・ハンスウィンクル選手に抜かれて4位に後退しますが、15センチほどの差で銅メダルを争う展開に。自己ベストを更新するジャンプができれば、十分に狙えるところです。

ただ、3本目に踏み切りで大きくオーバーしてファウルとすると、4本目は調整しすぎて遥か手前で踏み切ってしまう失敗跳躍に。5本目は別種目の表彰式に被ったことで、スタート位置で長く待つことになり、踏み切りも合わず、記録は低調なものに。跳ぶごとに低くなる記録を前に、「もうこのままかな…」という感じも漂ってきます。

↓その間にフランスのル・フュールは好記録を連発し、4本目には5メートル83センチの世界記録を樹立!

1本目世界記録!4本目世界記録!6本目でも世界記録タイ!

しかも記録の位置は、残った上半身が砂に落ちたところ!

跳び方と倒れ方を上手くすれば6メートルを軽く超えそう!

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そして最後の6本目。この6本目では、記録を伸ばせずにいた日本のもうひとりの代表・高桑選手も、この日ようやく見せたいいジャンプで5メートル付近まで記録を伸ばしてきます。そうだ、これだ、最後の一本の集中だ。何位になるかというのは相手のある「コントロールできない」ことだけれど、自分に勝つことはどんな順位からでもできる。五輪でもパラリンピックでも、究極の目標は「自己ベスト」にあるはず。自分に挑み、勝てるか。それを示す6本目にしてほしい。

↓そして中西さんは最後の跳躍で記録を伸ばす!踏み切りもピタリと合って5メートル42センチ!


最後伸ばしてきた!

「最後に伸ばした」という美しいフィニッシュ!

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いやー、惜しい。最後に伸ばした日本勢は4位・5位とし、メダルまであと一段、あと二段というところまで迫りました。中西さんはあと15センチまで迫っていた。落ちた場所の比較だけで言えば、最初の1本がほんの少し後ろから踏み切れていたら、きっと届いていた。もしメダルがあれば、ロンドンの痛みを補うくらい大きなリターンがあったかと思うと、それは本当に惜しい。

ただ、試合としては見守り甲斐のあるナイスゲームでした。世界記録が飛び出し、ほかの出場選手も次々に好記録を出す中で、日本の代表もチカラを発揮し、最後の1本までメダルを争った。義足だとか、五輪より記録は低いとかを抜きにして、条件を揃えた中で死力を尽くすという意味で、面白い戦いでした。地上波で流すにふさわしい一戦だったと思います。

その面白さ、カレンダーを超えてきた。

ああいう話題がハイライトでももちろんいいのですが、やはり試合で一番の名場面を記録するほうが本望でしょう。メダルには届かなかったけれど、名場面ランキングでは自己ベストに届いたように思います。試合を見るまで、どこかにしまったあのカレンダーを探していたのを、見終わったら探すのが面倒になってしまいましたから。僕の中でも何かが上書きされたからなんだろう…そう思って、キッパリと探すのを止めることにしました。着衣のままでも、陸上ウェアは十分にセクシーでしたしね!


今年これだけ伸びたなら、次は渡航費もないし、もう1回いけると思います!

開会を告げる車イスロケット!同情するでも持ち上げるでもなく、ただ面白い試合を願って見守るリオパラリンピックの巻。

12:00
車イスなので、むしろ跳べます!

熱い夏が過ぎ、残暑がやってきた。台風来襲、新型iPhone発表、ウチの愛の入籍を日刊が暴露、いくつものビッグニュースが駆け巡る中、ついにリオパラリンピックが開幕しました。4年後は東京でコレをやるわけですから、実施で学べる機会を逃すのは勿体ない。過去の大会以上に、気持ちを高めて見守っていきたいもの。

それにあたり、自ら意識しておきたいのは、プラスの方向にもマイナスの方向にも傾かず、常にニュートラルでありたいということ。「かわいそう」とか「大変だ」という同情はしないし、「頑張ってる」とか「努力に感動」とか無闇に持ち上げることもしない。オリンピックを見るのと同じ気持ちで、どんな面白い試合が見られるのか、それだけを気にしていきたいと思います。

事前の特集番組などでよく見た切り口としては、「片腕がないのに左右のバランスを取るのがスゴイ」とか「目が見えないのにこんなスピードで走るなんてスゴイ」とか、「ナイのにスゴイ」というものがやはり多かった。僕もそうした感情に囚われることはありますが、そこから解き放たれるような大会にしていきたい。そう思います。

「ナイ」のは誰とて同じこと。鳥が人間を見れば、「飛べへんなんてカワイソウやな」と思うでしょう。魚が人間を見れば、「ヒレがないから半分溺れとるがな」と思うでしょう。チーターが人間を見れば、「2本足で懸命に走ってらっしゃる」と思うでしょう。ナイとかアルとかは比較の問題に過ぎず、そこをことさらに意識するのは大して意味がないはずです。「ナイのにスゴイ」に感動したり、それを意義のように考えるのは失礼でしょう。

ナイのは誰もが同じ。ただ、そこを知恵と勇気で埋めていく。そうした人間の進化というのは、オリンピックもパラリンピックも変わらないもののはずです。それが見えるような大会であってほしいし、それに気付くような観戦でありたい。オリンピックほど積み上げられた知見がないぶん、むしろ「気付き」の余地はパラリンピック競技のほうが多いはず。楽しみが、より残されているはずです。

気に入ったエピソードのひとつに、自転車競技の藤田征樹さんの義足作りの話があります。藤田さんは事故で両足を失っているため、義足をつけて自転車を漕ぐことになります。装具士とともに義足を作り上げる過程で、最初は人間の足のような形をした義足をつけていたそうです。しかし、あるとき「両足ともないんだから、人間の足の形してる必要、ないよね?」と気付いたと言います。それは「両足がナイ」という不自由から、「自転車を漕ぐためだけに洗練された理想の足を持つことができる」という無限の自由へと、世界が切り替わった瞬間だったと思うのです。

↓現在は足の部分を完全になくし、空気抵抗を減らすための細身の形状になっているとのこと!


いわゆる高速義足だな!

そのうちペダルすら取り込んだ、もはや足なのかどうか微妙なモノも生まれそう!


何の世界でもそうですが、気付くまでは誰も考えなかったことが、気付いた瞬間に世界すべてを変えるということがあります。トイレットペーパーを取り付けるパーツだって、昔はバネつきの芯みたいのを使ってましたが、あるときから両サイドに出っ張りがある形に変わったじゃないですか。そっちのほうが断然便利で使いやすいものに。一番最初からそうすることもできたのに、気付かなかった形に。

パラリンピック競技には、そうした「気付き」がまだまだ秘められているはず。「そんな発想があったのか!」という「アル」ものに気付いていけたら、より楽しむことができるのではないか。速さや強さでは必ずしもオリンピックを上回るものではないとしても、誰もが同じ地平で同じ位置から競い合える部分は、きっとある。

僕にとっては、面白いか面白くないか、大事なのはそれだけです。

↓パラリンピック開会式は、車イスでスロープを滑り降り、大ジャンプするパフォーマンスからスタート!


「感動」の遥か斜め上まで飛んでいったwww

日本ならコレ出川がやらされる系のヤツやwww

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全体的に演出の予算をカットされた感の強い開会式。ペーパークラフトで作った、図画工作のカモメが飛んだり、踊るでもなくひたすらダラダラするビーチの風景を表現したり、現地にいたら「金かe…」という言葉がノドから出そうになる瞬間もあったかもしれません。

しかし、どんな演出も選手たちにはかなわない。先頭で難民選手団が入場してきたとき、演出のことは一回頭から吹き飛びました。オリンピックの人間賛歌が、より強くパラリンピックでは感じられる。入場してくる選手たちの晴れがましい笑顔と、遊び心。スマホで写真を撮り、身体に書いたメッセージを故郷に送り、オリンピック以上にこの場を楽しもうとする気持ちがイイ。いろんなことがあるけれど、イイ日はきっとくるのだ、という希望がイイ。

そうした選手たちの姿を前にすれば、すべては些末なこと。ブラジル人のダンサーが、最初は勢いよく踊っていたのに、時間とともにダレていったことも、さほど気になりません。ついつい「お前も頑張れよ…」と言いたくなりますが、1時間踊るのはラクじゃないのだから、ダレるのも仕方ない。辛いことはみんな辛いし、疲れることはみんな疲れる。それをもニュートラルに受け入れていこうじゃないかという、3周まわって心温まるブラジルからのメッセージなのだ…そんな解釈で見守ります。

↓時間が経つごとにダレていき、踊って迎える気などなくなってくる地元ダンサーたち!

オイ、やる気!やる気!

普段よりむしろ頑張るタイミング!


↓しかし、さっきまで棒立ちだったダンサー連中は、一番最後にブラジル選手団が入ってきた途端に元気になる!

これが外人クオリティだなwww

後半の国のとき、ダレてたブラジル人が急に元気になったwww


↓なお、日本選手団入場では貴賓席でオジサンがめっちゃ元気に踊りました!

これはあとで説教だな!

楽しむのと調子に乗るのは違うぞ!


↓選手団が入場し終わったあとは、義足のパラリンピアンとロボットがダンスするという前衛的演目も!

ロボット業界:「なるほど、了解した!」
ロボット業界:「我々のチカラを借りたいと」
ロボット業界:「もっとめっちゃ動くヤツを」
ロボット業界:「もっとグレイトにパワフルなヤツを」
ロボット業界:「作れということですな!」
ロボット業界:「アトムみたいに火を噴く義足とか」
ロボット業界:「ライダーマンみたいな義手とか」
ロボット業界:「コブラのサイコガンとか」
ロボット業界:「我々の技術とコラボしたいと!」

※たぶん違います。
※その意欲はロボコンで発揮してください。
※動力源・火器の搭載は禁止です。

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五輪の閉会式につづき、またしても雨に見舞われたセレモニー。会場は映像でもわかるほどの土砂降りに。エラい人はずぶぬれになり、選手たちもずぶぬれになる。聖火リレーの段ではますます雨が強くなり、床もびっちゃびちゃ。リレーするランナーたちは、ある人は雨で足を滑らせて転んだり、ある人は雨の中を車イスでスロープをのぼらされたり、いかにも大変そうな状況になります。しかし、雨が降るのは当たり前のこと。転んだら起き上がるだけだし、スロープが滑るならいつもより慎重に進めばいい。「ただ、それだけのことだ」という強さ、自然さ。

暮らしの中の「当たり前」は当たり前として受け止め、本当にスゴイところを驚きで受け止めていきたい。改めてそう思わされる、セレモニーでした。大会として区別されていると、どうしても別物というか、「大変ですねぇ」という気持ちになってしまいがちですが、やがてはパラリンピックもオリンピックもひとつとなっていくべきもの。コチラも無用な気遣いはなく、普通に見ていきたい。

競技があり、ルールがあり、世界一がいる。

ただ、そういうものとして。

↓転んだら、立ち上がる!ただ、それだけのこと!

パラリンピアンも、普通の人も、年を取れば同じ婆様だな!

みんな不便になるし、みんな助けが必要になる!

ちょっとタイミングが違うだけで、根っこは何も変わらない!

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感動するなら、死力を尽くした奇跡の勝利でしたい!

ありがとうリオ、こんにちはトーキョー!夢のチカラを必要とした街が、夢と現実の境界線を取り払い、2020年へ始動の巻。

07:00
Dream City, DiverSity, Future City, トーキョー!

リオ五輪、閉幕。4年に一度の夏季五輪は熱く過ぎ去りました。東京の時間をオンタイムで生き、地球の裏側のリオに魂を送ることは大変難しく、厳しい日々でした。眠かった。しかし、寝落ちするたびに目が覚めた。文字通り「目覚ましい」日本の活躍。愛すべき選手たちの放熱。やはり、五輪は素晴らしい。燃え尽きてしまうほど燃えました。

だが、燃え尽きてはいられない。灰の中から甦る想いは、もう2020年に飛んでいます。この日はリオ五輪の終わりではなく、東京五輪のスタート。リオはまだパラリンピックで燃えるのでしょうが、東京もひと足早く燃え始めている。最高にクールで、最高にホットな東京の夏。

とにかくもう、リオ五輪の閉会式、東京の引き継ぎは見事でした!

運営その他は一切心配していないものの、唯一の心配事だったセレモニーへの不安がパーーーッと晴れていくよう。積年の恨みというか、恥というか、要するに長野五輪。あの史上最悪のセレモニーについて「浅利慶太がダメだったんだな!」ということを、ようやく確信できた。知ってはいたけれど、「ほかの人がやっても同じだったら…」という不安をようやくねじ伏せられた。

そもそも5万人の箱の演出なんかしていない人に任せるほうにもセンスがなかったのです。5万人を熱狂させる作法を知っている人を、優先順位1位の人材を指名すれば、日本にできないことなんてない。チームPerfumeを丸ごと持ってきた舞台演出。チームJAPANを代表する人物を…現実か空想かを問わずに…連れてきたキャスティング。オールJAPANはこんなにもカッコイイのか。東京に住んでいるのに、東京がまた好きになるようなプロモーションセレモニー。すごく、よかった!

改めて思うのは、日本のチカラ、東京のチカラは夢なんだということ。

今回のセレモニーにはロンドン五輪のベッカムや、リオ五輪のペレのような実在のスーパースターはいませんでした。しかし、現実と非現実のはざま、夢うつつの世界にこそ日本のスターはいる。スーパーマリオもそう。ドラえもんもそう。キャプテン翼も、ハローキティも、パックマンも。そして、椎名林檎的なビジュアルで登場した、和装とも洋装ともつかないプラスチックなダンサーたちもそう。感情を排除した冷淡さが、人間としての実在感を消していく。AR技術やプロジェクションマッピングのような現実と非現実の境界を失くす技術は、まるで東京そのものであるよう。

400年つづく「江戸」「東京」というリアル。さまざまなものを取り込み、肥大し、まったくおかしなものになった「トーキョー」というアンリアル。この街になら、江戸の侍と、サラリーマンと、空想の世界のドラえもんが一緒に存在してもおかしくない。実際、チョンマゲした連中はたまに歩いてる。もうすでに大きすぎて、何もかもありすぎて、おかしい。外国人が想うオリエンタルとはまた違う、東洋でも西洋でもない不思議な街。そういった摩訶不思議なものを見せて、TOKYOを覗いてやろうと思った世界の人を煙に巻いてみせた。

渋谷の女子高生がスクランブル交差点で跳ね始めたとき、午前9時30分の東京は、夢に包まれた薄闇のトーキョーになる。東京タワーとスカイツリーと富士山が一望できるあり得ない風景。新国立競技場の前に立つ青年は、ボクシング・柔道・ウェイトリフティング・アーチェリーと「弓を引き絞る」ようにチカラを貯める。クラウチングスタート、飛び出す競泳・陸上・自転車の高速部隊。背景には日本の誇り、サンライズレッドの新幹線が走る。

東京の門となるゲートブリッジを越えれば、眠らない近未来都市、巨大な建造物が待ち受ける。スカイツリーを飛び越え、都庁を平行棒にする夢のアスリートたち。じょじょに非現実で浸食された世界は、翼と岬のツインシュートでさらに加速し、花火散る卓球、東京駅を越えていくハードラー、世界最速のパックマン、ついにはすべて空想で作られた架空の街へと飛び込んでいく。歌舞伎と浮世絵とカラオケとロボットと相撲と侍がごちゃまぜになった「トーキョー」に。

その街で、ドラえもんやキティちゃんが待っている。「夢」が待っている。準備を整えて待っている。アスリートたちのウォームアップの加速は、1964年東京五輪のポスターと同じ構図で固定され、2020年へのチカラを蓄えます。1964年を踏まえ、歌舞伎のような伝統芸能も踏まえるけれども、変化を止めない街・東京。東京は1964年と同じ場所で、違う夢を見る。そんな期待感が高まるような煽り。

↓1964が矢印のように右方向へ一点突破するベクトルなら、2020はもう何もかもなぎ倒すように四角が真横に飛んで行く感じ!

無秩序こそが秩序!夢こそが現実!

何でもアリの街、東京だ!

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北島康介さん・高橋尚子さん・村田諒太さんという栄光のメダリストと、夢の世界のキャラクターたちの共演。現実と非現実は、ついには日本の首相とスーパーマリオ&ドラえもんという、現実の世界のトップと夢の世界のトップを結び付けてしまう。単にアニメのチカラを借りたということではなく、夢があれば何でもできる、夢があるから何でもできるというメッセージ。それこそが「夢」を理由とした東京五輪招致の精神。

「こんなこといいな、できたらいいな」を叶えることで、世界は未来に進む。東京にはスターはいないかもしれない。けれど、スターとは「過去」の夢。東京は「未来」の夢を探す。ドラえもんの道具は、「こんなこと」を思いつけば、どんなことだって可能にする。スーパーマリオのジャンプは、どこへだってたどりつける。誰よりも「こんなこと」を想像するチカラがあるから、夢の世界のスターが生み出されつづける。トーキョーには、ニッポンには、ちゃんとスターがいる。

最後の光るフレームを持って踊るパフォーマンス。そこで、あえて男子新体操の選手たちの存在が明かされたのも、また必要とされたのも、「過去」「現在」を越えて「未来」に向かう夢見る気持ちがあればこそ。五輪では男女を等しく扱う当然の精神から、すべての競技に男女の種目を設けている…わけではありません。シンクロ、新体操などは女子のみの実施で男子がない競技。

男子新体操によって東京をプレゼンテーションするというのは、性別を越え、五輪という枠すらも越えたスポーツ愛を雄弁に語るもの。五輪だからやるのではなく、LOVE SPORTSだからやる。今は五輪にないかもしれないけれど、好きだからやる。未来はまた変わっていくかもしれないし、変えることができる。夢見る人を応援する。大きな旗を振って。

いろんな夢、そして多様性を示す光る長方形はやがてひとつに集まり、トーキョーのエンブレムとなります。そういう街でみなさんをお迎えします、という「夢」を描いて。こんなに素敵な夢なら、絶対に見たい!

↓「SEE YOU IN TOKYO」を約束した空に、スーパーマリオのファンファーレが鳴り響く!



見える、見えるよ!スカイツリーのてっぺんに飛びついて、花火を8発上げるマリオが!

そして、このファンファーレは次のステージへ進む合図でもある!

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トーキョーが見る夢、ニッポンが見る夢は、4年後の未来を変えるもの。「こんなこと」を次々に実現させていくための、目標となるのが東京五輪。どんな未来になるのか。あぁ、絶対にこの場に居たい。その街にいたい。素人の浅知恵など凌駕して、素晴らしい夢を見せてくれたスタッフには感謝の念しかありません。

彼らもまた「夢見る」ことのプロ。夢を見ることで生まれたスターと、夢を見ることを生業とするプロが生み出す2020年トーキョーの夢。それは、いろいろあって辛かったんですという直接的なメッセージよりもずっと、大人びてカッコいいものになるはず。「あの辛い夜も、こんな夢を見ていたんです」というものを見せられたら、それは同情を呼ぶより、勇気を与えるものになるでしょう。「ARIGATO」から始まったプレゼンは、傷ではなく、治り始めたかさぶたを見せるのだという意志表明にほかならないのですから。

夢を必要として五輪を呼んだ街が、世界に見せる次の夢。

僕も、その一部になりたい。みなさんも一緒になりましょう。

SEE YOU IN トーキョー!


さぁ、夢と夢の間は現実を見るか!今日もまたトーキョーで働くぞ!
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