2005年11月15日
カーテンコール
横山秀夫を一躍売れっ子作家にした「半落ち」を撮った
監督佐々部清の新作である。
今、６０〜７０歳代の方々なら
泣いて喜びそうな作品だ。
まして、映画好きであれば・・・。
「網走番外地」「いつでも夢を」
「下町の太陽」「緋牡丹博徒」
「キューポラのある街」
そして・・・およし〜なさいよ〜
むだ〜あなことぉ〜
ご存知、勝新、「座頭市」！
監督の出身地、山口県下関を舞台に、日本人が映画館に
詰めかけていた頃から、時代の趨勢により閉館するまでの
或る映画館を軸にしたノスタルジーあふれる物語。
朝いち上映時間の１５分前に座席についた私のまわりは
すっかり昭和３５〜４０年代の歌謡曲だらけ・・・
もう、いきなりピンキーとキラーズ「恋の季節」、タイガーズ「花の首飾り」
倍賞千恵子「下町の太陽」、由紀さおり「夜明けのスキャット」ですもの！
「高校一年生」や「美しい十代」なんてかかったらどうしよう！
橋幸夫の「恋のメキシカンロック」が流れたら、帰るヨ、もう！（笑）
・・・歌謡曲、ダメなんです。ごめんなさい。
映画館「みなと劇場」の幕間に漫談と歌を入れていた安川修平
（藤井隆）中心の内容かと想像していたんですが、橋本香織（伊藤歩）という
現代に生きる若い女性の「自分探し」も、サブストーリーでした。
「半落ち」のときも思った感想が、また今回の映画でも・・・。
佐々部清監督の語り口には少々不満あり。
気持ちはわかるが、モタモタしてるというか、つかみどころを違えて
進んじゃっているような、そんな気がしてならない。
もう、イライラするから、言っちゃいます！
この映画は「井上堯之」のシブさを観るために存在するー！
彼は“いい歳のとり方”をしてきたんだなあ！
実にいい顔してます。６４歳だそうです。
ああいう笑顔ができる老い方をしたいものです！
※お若い方は「井上堯之」、知らないでしょうね。
１９６０年代、一世を風靡したグループ、「ザ・スパイダース」の
ギターとヴォーカルを担当し、解散後はＴＶや映画の音楽で活躍。
ＴＶドラマ「太陽にほえろ！」のメインテーマは超有名。
堺正章がスパイダースのリードヴォーカルだったのは、知ってるよね。
知らない？ わぉー、・・・時代だね。
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1. 映画評「カーテンコール」 [ プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] ] 2014年04月28日 20:01
☆☆☆（６点／１０点満点中）
２００４年日本映画 監督・佐々部清
ネタバレあり
この記事へのコメント
1. Posted by 冨田弘嗣 その１ 2006年07月13日 23:42
私はこの世に誕生し、高校を卒業するまで、この映画の舞台となった山口県下関で生きていました。本作に出てくる「みなと劇場」は実在の劇場です。今はなくなりましたが、基本的に松竹の封切館で、末期の大映の作品も添え物映画としてかけていました。私が小学生から高校生にいたるまで、もっとも通った劇場でした。当時は情報誌など無く、映画の時間を電話で問い合わせました。電話番号は６６−３７１０(みなと)。愛想の悪いおばちゃんが、めんどくさそうに教えてくれました。「復讐するは我にあり」「事件」「砂の器」「幸福の黄色いハンカチ」・・・みなと劇場で上映される作品はすべて観ていました。
2. Posted by 冨田弘嗣 その2 2006年07月13日 23:50
「皇帝のいない八月」は１０日で打ち切られましたが、私はスクリーンに息をのみました。 私が小学１年生の時に父が「男はつらいよ(第一作)」に連れていったくれなかったら、私は映画を観る人になったかは不明です。「みなと劇場」があったからこそ、私は大阪芸大と決め、現在は映像ディレクターをしています。そして、今も映画を観続けています。映画「カーテンコール」は賛否あるでしょうが、私の人生を決めた映画館が舞台となった作品を観ることができたなんて、夢のようです。「カーテンコール」がいいのか悪いのか、私には評論できません。「みなと劇場」は大きな劇場でしたが、客入りが悪くなり、消えました。しかし、多くの劇場が末期になってやるようなポルノは・・・最後まで拒否し続けました。故郷へ帰り、今は大きな駐車場になった「みなと劇場」の前に立つと、少年時代を思い出します。 冨田弘嗣
3. Posted by viva jiji 2006年07月14日 07:45
冨田さん。
「みなと劇場」のロビー、藤村志保さんと若い娘さんが並んで座ったあの安いガタガタの長椅子、あの売店、あのドア、あのカーテン・・・すべて、私も暗い中学・高校生活を過ごしたＴ市で似たような体験をしました。中２の夏、年齢を偽って、街で一番大きかった松竹系の「〜娯楽場」（という名前でした）のもぎり兼雑用係としてバイトしました。結論。「月は遠くから見るほうが〜」。まだ青かった私はすごく落胆。そうですよね、彼らは映画を観せて売ってナンボの「商売」ですものね。そこの社長もオバチャンも映写技師も映画なんか好きじゃないのです。観ていないのです・・・でも、今は彼らを理解できます。だから映画館を・・・あのガタガタ椅子になっても存続できる・・・しぶとさを。
「みなと劇場」のロビー、藤村志保さんと若い娘さんが並んで座ったあの安いガタガタの長椅子、あの売店、あのドア、あのカーテン・・・すべて、私も暗い中学・高校生活を過ごしたＴ市で似たような体験をしました。中２の夏、年齢を偽って、街で一番大きかった松竹系の「〜娯楽場」（という名前でした）のもぎり兼雑用係としてバイトしました。結論。「月は遠くから見るほうが〜」。まだ青かった私はすごく落胆。そうですよね、彼らは映画を観せて売ってナンボの「商売」ですものね。そこの社長もオバチャンも映写技師も映画なんか好きじゃないのです。観ていないのです・・・でも、今は彼らを理解できます。だから映画館を・・・あのガタガタ椅子になっても存続できる・・・しぶとさを。
4. Posted by なぎさ 2006年09月09日 11:35
ｖｉｖａ ｊｉｊｉさん ＴＢとコメントありがとうございました！
ほ〜んとですねぇ富田さん、あの「みなと劇場」へ通われていらっしゃったのですね。
あの劇場の雰囲気を残した映画館って、全国にどのくらい存続しているのでしょうね。
「器」は変わっても「中身」は今でも健在であり、愛されている、と信じたいものです。
ほ〜んとですねぇ富田さん、あの「みなと劇場」へ通われていらっしゃったのですね。
あの劇場の雰囲気を残した映画館って、全国にどのくらい存続しているのでしょうね。
「器」は変わっても「中身」は今でも健在であり、愛されている、と信じたいものです。
5. Posted by viva jiji 2006年09月09日 12:29
なぎささん。
ＴＢありがとうございます。
＞「器」は変わっても「中身」は今でも健在であり、愛されている、と信じたいものです。
少なからず映画ファンならそう思いたいですね。
本作で観られたようなピュアでシンプルな人々を観るとなぜか「気恥ずかしく」なるヒネクレたviva jijiなのです。（照カクシ笑）
6. Posted by オカピー（プロフェッサー） 2014年04月28日 21:12
弊記事までＴＢとコメント有難うございました。
そう、佐々部清監督、要領が悪い。
内容的には、良い意味で刺激が少なく精神衛生上よろしい作品ばかり作られていますね。
結局、一番最初に観た「チルソクの夏」という映画が最もうまく作られていたような気がします。
＞みなと劇場
実際にあった映画館ですか。
我が町（山だけど一応町）の映画館は１９６０年代にもう一軒もなくなっていますよ。
まあ、日曜日には店を閉めるという紳士協定のあった変なところですからねえ、
諦めが良いのでしょうか？
そう、佐々部清監督、要領が悪い。
内容的には、良い意味で刺激が少なく精神衛生上よろしい作品ばかり作られていますね。
結局、一番最初に観た「チルソクの夏」という映画が最もうまく作られていたような気がします。
＞みなと劇場
実際にあった映画館ですか。
我が町（山だけど一応町）の映画館は１９６０年代にもう一軒もなくなっていますよ。
まあ、日曜日には店を閉めるという紳士協定のあった変なところですからねえ、
諦めが良いのでしょうか？
7. Posted by vivajiji 2014年04月29日 05:51
プロフェッサーさま。
TB・コメントありがとうございます。
映画は商いですからね〜
食べていかれなくなったら
クラ替えするしかないでしょう、
映画愛がいくらあったにしても。
それにしても
６０年代にとは、ほんと早仕舞い。＾＾；
「紳士協定」というE・カザンの秀作も
ございましたね〜（^ ^）
