2006年09月23日

遊星からの物体X

3b1ef022.jpg題名は、なんじゃこりゃあ、です。
24年前(1982年)の作品。
お金かかってません。
有名な俳優は出てません。

でも、
言い方はキライですけど
B級ホラーの大傑作!と思います!

「遊星からの物体X」 THE THING
監督:ジョン・カーペンター
原作:ジョン・W・キャンベル・Jr
脚本:ビル・ランカスター

怖いです!

かなりビックリします!

きもちワルイです!

激しく、かなり、きもちワルイです!

舞台は真っ白、南極だけ。

登場するのは男(南極隊員)12人だけ。

あと、犬、一匹と・・・・数匹。

女は1人も出ません。
これがいいのです。
ホラー映画の定番。
お約束のあの「ぎゃーーーーーっ!」はほんとに聞き飽きた。
怖くて思わず叫ぶのは、私たち観客の役割ですから、それを
持っていかないで下さい。
私たちより先にワァー、ワァー、メソメソ泣くのもルール違反ですわ。
最近の映画は役者が先に大したことないのにオーバー・アクションで
叫ぶだの泣くだの笑い転げるから、当方は・・・トホウに暮れる。

当時22歳のSFX特撮の俊英、ロブ・ボッティン。
「ハウリング」「ロボコップ」「トータル・リコール」「セブン」・・・
いい仕事してます。
マット・ペインティング、アニメトロニクス、ストップモーション、その道の
名クリエイターたちが芸術的とも思えるクリーチャーを作りあげました。

まず、オープニングが、いい。

“あの”犬が大雪原を全速力で走ってくる。
うしろを振り返りながら。
太陽の照り返しを受けて、飛ぶヘリ。
ヘリから身を乗り出して銃をガンガン、撃つ男。
走る犬。
黒いシルエットの上空のヘリ。

ドドーン、ドドーン、という印象的な効果音・・・(E・モリコーネ)

いいなあ、好きだなあ、この始まり方!

ジョン・カーペンター監督は私の好きな映画のパターンを
知り尽くしているかのような設定、演出、語り口・・・

限られた空間
限られた登場人物
最低限に絞られた台詞
その筋運びに必要なだけの状況描写
効果的な音楽(一番、怖しいシーンは“無音”である)
観客が映像に目を奪われているとき、音楽は無いほうがいい。
そして
徹頭徹尾、恐怖の演出のためには、のめり、こだわる。

低予算ではあるが制作費の大半はあのクリーチャーにかけたそうである。

犬の顔面がパカッと開いて、真っ赤なお花が開いたように見えた瞬間から
あとは、初見のときは、よく覚えていません。おぞましくて。
オリに前から入れられていた他の犬たち・・・異変に気づいた犬たちの
アクションから盛り上げていくところなんか、うまいね〜。

血液に熱線を当てる“検査”が超、怖い、という方も多くいました。

私は中盤過ぎ、小太りのノリスが“融合変身”するところが一番、怖い!
ノリスの顔が醜く膨れ上がり、首がグーーーッと伸びて、巨大クモの足が
ジョビジョビ生えて、天井まで立ち上がるでしょ。
火炎放射されて、燃やされたかと思っていたら、首だけ、、、、、、いたもん。
その首が何を思ったか(思ってないと思うけど)
机からツピーーーッと逆さになって、ぶらさがって・・・・・・・・

ハヤ〜〜〜〜、こっちむいて、顔からまたクモの足が出てきた〜〜〜

まったく、CG使っていないでこの迫力とグロさ、ネバッチこさ、満点!
(稚拙な部分もまたご愛嬌!)

こだわりのラスト・シーン。
燃え上がる基地を背に、残った2人の男・・・

「・・・・言っておきたいことが〜」(チャイルズ)

「いまさら、聞いてもしょうがないよ。」(マクレディ)

アン・ハッピーなエンディングの最たるものですわ。
ホラーですけど男だけの恐怖心理ドラマの傑作とも思う。


*本作の前章をカーペンター監督が作るとか噂を聞きましたが
本当かしら。





vivajiji at 07:17│Comments(14)TrackBack(0)clip!や行 

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この記事へのコメント

1. Posted by ブノワ。   2006年09月23日 09:47
viva jijiさんへ。
おはようございます。これねぇ……ガッラガラの日々谷スカラ座で観たんです。冷房効き過ぎ映像コワ過ぎでブルブル震えて観ました(笑)J・カーペンターは大好きです。密室からの脱出、これが全てのテーマ。時代ゆえ安っぽい所もあるけど、この作品なんかはCG全盛以前のものですから創意工夫が凄いですね。この頃のK・ラッセルは良かった!「エスケープ〜」とか絶好調でしたもんね。「ポセイドン」の水中シーンは観ていられませんでした。生きているシーンから溺死体みたいだった(笑)前章ですか……是非、観てみたい!
2. Posted by viva jiji   2006年09月23日 11:41

ブノワ。さん。

カーペンターは分をわきまえているから、そのチープさのテンションが気にならない。
「あなたも怖い」「そこのあなたも怖い」そう「僕も、怖い。」・・・このキモチが判っていて作ってくれる監督。K・ラッセルは他に「シルク・ウッド」でしたか?優しくて包容力のあるダンナさまを演じたのは。モチ、メリルさんの映画でしたね。

>生きているシーンから溺死体みたいだった・・・
さっきからウケて笑いまくっている私です。超カナヅチにだけ判る、この引き攣った笑い!水、コワ〜〜〜〜イ!(笑)
3. Posted by b.k.ノムラ   2006年09月23日 11:49
こんにちは。
リメイク版のほうですね。旧作は旧作で味があるのですが、SFXをうまく使ったこちらは見事なホラーSFになっていると思います。
また見たくなってしまいました。
4. Posted by berabo   2006年09月23日 15:58
私も好きですねぇ、コレ。
ご指摘のとおり男達だけの閉塞空間が息苦しさを倍加させてるような気がします。
初見の時はグロさにもびっくり。
犬の顔に咲く花は一級品ですね。
あーー、また観たくなったぁ!
今日観ようかな。
また、寄らせてください。
5. Posted by viva jiji   2006年09月23日 16:25

ノムラさん。

いらっしゃいませ。
50音のあの読書バトン、すごい!
いやーっ、読書家なんですね。
ゆっくり今度ブログ内、読ませていただきますわ。
たまにオジャマさせて下さい。

H・ホークス版は何にも怖くなかった、という記憶がありますが。(笑)
6. Posted by viva jiji   2006年09月23日 16:30

beraboさん。

カーペンター監督にはけっこう根強いファンがいると見えてジョン・カーペンター映画解析本なども出ているんですね。きょう本屋さんでチェック。買ったのは別の本でしたが。(笑)

そうです、犬に咲く花、パカッと!
あのタイミング、たまりませ〜〜ん!(笑)
ご覧になったら記事にして下さいね。
7. Posted by ヨッシー   2006年09月23日 23:08
あぁ〜鳥肌〜。。。。。

観たのははるか昔。映画にハマるずっと前に観ました。ちっとも映画に興味がなかったときです。
その頃観た映画はだいたい記憶に残ってない(興味がないために)んですけどこの映画だけはとにかく怖かった感覚が残ってます。
白地に赤・・・コワーい(T―T)
だから再観出来ず・・・(^^;)
8. Posted by viva jiji   2006年09月24日 00:55

ヨッシーさん。

そうなんです。
怖くて、きもちわるいのです。
ホラー映画の基本なのです!

・・・白地に赤・・・??
意味、わからんぞー。
白地に赤いシーンなんてあったっけ・・・
9. Posted by オカピー(プロフェッサー)   2006年09月24日 03:31
その節は全くお役に立たず、恐縮至極、恐惶謹言・・・
で、何を買ったのですか? これは是非訊かねばなりますまい。

オリジナルの「遊星よりの物体X」よりさすがにがっちりと不気味に出来ていましたね。個人的には、こちらもリメイクの「SFボディスナッチャー」のほうが怖いとは思いましたけどねん。

1980年前後は、ジョン・カーペンターより拒食症で亡くなったカレン・カーペンターのほうに興味がありました。
♪When I was young, I listened to the radio, waiting for my favorite songs...
10. Posted by viva jiji   2006年09月24日 07:59

プロフェッサーさま!!

起きてますか〜?
ああ、zzzzzzzタイムね、今頃は。
買った本のお話はおいおいしますから。
私、焦ってる、焦ってる(汗)
バトン、例のレンタル屋さんバトン、凄いラインナップした方(うっふん、若い女性よ〜〜)見つけましたよ!だいぶ前からオジャマさせていただいていたsayaさん。私のお気に入りリンクの一番下に最近エントリーしてもらいましたのよ。
一応url↓に表示しておきました。
必見のチョイスよ!!
プロフェッサーのお好みの映画がたくさん並んでますわよ〜。

http://blog.livedoor.jp/errance/archives/50714356.html#trackback

*「Now and Then」のアルバムは涙ちょちょ切れ曲ばかり♪・・・カーペンター&カーペンターズの話題は後日また改めて・・・。
11. Posted by ヨッシー   2006年09月24日 21:41
あわわ・・・
どうやら“恐怖心”だけが残っているみたいで・・・
いつもこの映画を想うと、白い雪に覆われた地面がモコモコと怪しく隆起した後、真っ赤な血がバーっと広がる画が頭に浮かぶんです。
かなりいい加減発言すいません。。。(^^;)わはは
12. Posted by viva jiji   2006年09月25日 06:14

ヨッシーさん。

最近、チョイスする映画(ヨッシーさんが選んでいるのよ)、かなり低迷(?)しているのでこのヘンで「怖がってみたら?」(笑)
本作の再見をオススメしますよ。白地に赤くがどのあたりにそう感じたかもviva姐さんに教えてちょ?感情移入なんかしなくても観れるよ、これなら。これに鳴れたら「ヘルレイザー」へ、レベル・アップ!とね。(笑)
13. Posted by kabumasa   2006年11月15日 22:30
こんばんは。
立て続けにGYAOで「ハエ男の恐怖」「アメリカンナイトメア」とホラー関係映画を見たので、この記事へ。
「ハエ男」は映画未公開のため未見だったので、見られて嬉しかったですね。無料ですしね。画面も意外に奇麗でした。ハエ男自体は全然怖くないんだけど、愛情を一気に喪失する奥さんの心変わりが怖くて。GYAOではまだ視聴できるようですよ。
「アメリカンナイトメア」にはお好みホラー監督が総出演。全員知的でカッコ良いんですよこれが。

物体X、この映画は本当に良く出来ていますよね。恐怖と笑いの境界線を絶妙にクリアしながら余裕で客を脅かそうとしている知的遊びの精髄ですよね。
14. Posted by viva jiji   2006年11月16日 17:19

kabumasaさん。

本作でのカーペンターの恐怖の演出・あのグロテスクなクリーチャーの用い方なども、ただ怖ろしがらせるんじゃなくて「観ていられる程度のうねるような不快さ」をも誘導させてポイント高いと思ってます。

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