2009年05月19日

チェイサー




     チェイサー(2008) THE CHASER 125分 韓国


監督: ナ・ホンジン
脚本: ナ・ホンジン
撮影: イ・スンジェ
音楽: キム・ジュンソク チェ・ヨンラク

出演

キム・ユンソク  元刑事、今デリヘル嬢斡旋業のジュンホ
ハ・ジョンウ  連続猟奇殺人犯・ヨンミン
ソ・ヨンヒ  子持ちのデリヘル嬢・ミジン
チョン・インギ ジュンホの同僚だったイ刑事
パク・ヒョジュ オ刑事
キム・ユジョン ミジンの娘 名前はとうとうわからず仕舞い


    < 本年度最大の衝撃! >

     ・・・・・・・そう〜〜〜かぇぇぇぇ〜?


    < 漆黒の闇を疾走する
    戦慄のクライム・サスペンスの傑作、誕生!>

     ・・・・・・・か、なぁぁぁぁ〜〜〜(--)^^


  あっ。

  結論、さきに書いちゃったべさ。(笑)


  ま、ちょっと聞いてね。


 「ダ・ヴィンチ・コード」のイマイチ感をイッキに
 吹き飛ばしてくれそうな予感が走る「天使と悪魔」を
 観る前に、久しぶりの韓国映画(グエムル以来かしら)を
 観てまいりました。

 何せ、気になって、気になって、仕方がない・・・(笑)

 韓国観客動員数507万人を記録したという本作、
 私が検索した限りではとにかく傑作!力作!おまけに
 必見!の文字が躍る絶賛レヴューばかりが目につきましてね。
 R-15ですから韓国お得意の鈍器によるブッ叩き三昧の
 オンパレードは(この際)大いに覚悟しましてね(^^)
 朝も早よから時折突風の吹く中、北国の桜は今が満開の
 木の下を日傘くるくるさせながらトコトコ、シネコンへ。

  地下鉄2つ乗り継いで近道となるスーパーの
  エスカレーターに足をかけたらば
  
  「あのう、ちょっとお伺いいたしますが?」

   と、私以外だれもいないと思っていたのに

   とつぜん、背後から、同世代とおぼしき女性の声・・・

  「はい、なんでしょう?」

  「映画館へはどうやって行ったらいいのでしょう?」

  「私もそこへ行きますのでいっしょに参りましょう」

   ほっとひと安心の笑みを確認したアカツキには
   だまってエスカレーターに乗っているわけのない私(笑)

  「きょうは何の映画をご覧になるのですか?」

  「・・・・え〜、あの〜、え〜」

   語尾にごらせてこのオバサン、よもや他人に言えん
   ような題名の映画観にきたんか〜〜〜(心の声)

  "私のアタマッコの中、本日の上映映画表、9時台点滅なり"

   さぁ〜て、

  言わぬとなれば、ぜひにでも言わせてみたい性分も点滅(^^)

  「韓国映画ですのん?」

  「・・・・いいえ〜」

  「じゃあ、アメリカ映画?」

  「・・・・いいいえ。」

  「あっ、それじゃ邦画がお好きなんですか〜〜〜」

   それならそうと最初から言えばいのに・・・・・

  本日のこの時間帯で邦画でこの年代層向きといえば

    あれっきゃないべさ。

    なぜ かくす のさ。

    言うの、はずかしい映画なの?

    『60歳のラブレター』っが!!(^^)

  ・・・・

  バツの悪いことは続くもんで
  歯切れのかんばしくないこの奥さまと受付が、私と
  お隣同士になっちゃたんもんね〜〜〜〜〜(^^);

  「チェイサー!9時45分のっ!1枚っ、よろしくね!」

   元気な声の横では

  「ろ、ろくじゅっさいのラブレター、お、お願いしますぅ」

  係のお嬢さんも少しは加減してあげればいいものを
  マニュアル通り、デカイ声で復唱するもんだもん

  「ろくじゅっさいのラブレター!9時30分の回ですねっ!!」
  




  サザンの桑田さんとソン・ガンホを足したようなお顔の
  主人公ジュンホを演じるキム・ユンソク(もっと誰かに似てる
  なぁ〜と思っていましたら、近所のリサイクルショップの店長と
  そっくりのキャラ・笑)。
  ちょいと太めの体型ながらキムさん、走る走る、しゃべるしゃべる、
  怒鳴るは蹴るは叩くは・・・
  韓国系のこの叩き方って面白いのね、
  いきなり頭頂部をバシバシッて平手打ちが特徴ね。
  ホッペタもペタペタからバッシバッシってこれも平手。
  で、それから必ず足蹴りに移るわけ。
  手も足もバシバシ打ってて同時に口からは怒鳴り声。

  なんか訳あり(きっと暴力過多捜査で)で刑事クビになった
  男が今はしがない風俗嬢斡旋業。
  仕事に行ったまんま、デリヘル嬢が帰ってこないの。
  それも何人も立て続けに。
  彼にとっては、おまんまの食い上げなのね。
  金繰りに逼迫してる彼は熱出て休んでるデリヘル嬢をも
  仕事に行かせるの。案の定、この方もお帰りにならない・・・

  頻発する都会での女性失踪事件・・・
  なかなか本腰を上げない怠慢な警察
  全く無防備で安直な性産業の末端で犠牲になる女性たち
  男は欲望の排泄のため、女を“注文”する。
  女はただ単にお金のためとはいえ
  今会ったばかりの見知らぬ男と見知らぬ暗い路地を
  抜けて見知らぬ家の暗い一室に招き入れられる・・・

  韓国で数年前に現にあった連続猟奇殺人事件に
  材をいただいたそうなんです。





   このラストの衝撃はトラウマになる
   後味の悪さは天下一品、1週間も脳裏に残る

   って、誰かさんがリキ入れて書いてあったのよ。


   ぜんぜん・・・・だから。(--)^^

   大したことないという意味じゃないのよ。

   かなり、大したことある描写で演出なのよ。

   でも、映画は、ソレだけじゃ2時間、持たない。

   凄惨な殺しの場面も何回かありますが
   それは現象面だけ見ればそうかもしれませんが
   後を引く類いのものではありません、これは。
   映画として題材はむごい殺人を売りとしていますが
   突然ふってわいたような異常者によって起こされた
   事件に関わり翻弄されてしまう元刑事の主人公が
   過酷な追跡劇の中で打ち捨ててしまった人間性を
   取り戻すというサブストーリーも同時にございまして
   2時間ちょっと全くダレることもなく絵にも迫力もあり
   ちっとも飽きることもなくめでたく観終わったのですが・・・

     なにか、もの足りないわね〜〜〜

     犯人像が不気味だとかという評もありましたが
     私からすれば別段、異色なキャラクターでもない。
     犯人役の男優さん「どこかで観たわ」と思って
     調べましたら私が椅子から転げ落ちたところの
     キム・ギドクとすっかり疎遠になるキッカケ映画
     「絶対の愛」の主人公役の方でした。^^


    どんなに凶器を振りあげ、殴打・連打する姿を描いても
    いかに大量の血しぶき、怒号、悲鳴、命乞いの哀願が
    ひびきわたる酸鼻極まる惨状であっても、映画には
    一筋、胸をかきむしられるような高揚感を呼び覚ます
    「何か」がなければならない。





    ただ、疾走感だけでもだめなの。

    ただ、汚れたヒーローだけじゃだめなの。

    ごく普通の顔した犯人だからといって

    かんたんに恐ろしがってもらっても困るの。


    思い出してみる・・・

    「復讐者に憐みを」「オールド・ボーイ」
    「親切なクムジャさん」のパク・チャヌクに
     あったもの

    「魚と寝る女」「悪い男」「受取人不明」の
     キム・ギドクにあったもの

     そして

    「殺人の追憶」のポン・ジュノにあったもの・・・・


    「チェイサー」

     本作には、なかったのが、至極、残念。





    
   

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1. 闇夜の疾走〜『チェイサー』  [ 真紅のthinkingdays ]   2009年05月20日 20:40
 THE CHASER  元刑事で、今は夜の女たちの「元締め」を稼業とするジュンホ(キム・ユンソク)。 店の女たちが次々と失踪し、不審に思の..
 先週、金曜日に会社が夕方五時の定時で終わったものの、その夜の飲み会が八時からのスタートとなったので、急に三時間ほど空き時間が出来ました。迷うことなく、「じゃあ映画だ!」となったぼくはすぐに近くの劇場に飛び込みました。そうしたら、たまたま都合良く、五時過...

この記事へのコメント

1. Posted by hit   2009年05月20日 20:29
結局ご覧になったんですね〜

銃撃はともかく
殴打系は見てて痛くて苦手です(>_<)
2. Posted by 真紅   2009年05月20日 20:46
姐さん、ご無沙汰しております〜。
お久しぶりで、拙絶賛記事のTBを持ってきてしまいました^^。
姐さんの評価は、「今一歩」というところでしょうか?
新人監督への叱咤激励記事、と読ませていただきました。
私はこういう「い、痛い、こ、怖い!」系の映画を劇場鑑賞することはめったにないので、度肝を抜かれてしまいました。
しかし、あと5分短かったらな〜、とも思いました(怖かったからじゃなくて)。
迷走気味のギドクはちょっと心配ですが、ポン・ジュノの新作はえっらい楽しみにしています♪
韓国映画・・・やっぱりパワーありますね。
ではでは、失礼します〜。
3. Posted by vivajiji   2009年05月20日 21:24

hitさん。

銃撃も殴打も苦手な私ですが
韓国映画はときにド迫力級のいい作品を
出すことがあるの。
今回はその"匂い"がプンプンしたもんで〜。^^

4. Posted by vivajiji   2009年05月20日 21:40

真紅さん。

こんばんは〜〜♪

あら?ブログ再開なすったのですね、
気がつきませんでした。うかつでした〜^^

読んでくださってありがとうございます。

>「今一歩」というところでしょうか?

そ、それです、それなんです〜(^^);
端的に言うと
この監督さん、
まだまだ全然イジワルじゃないの。(笑)
なんでこんな映画つくるかぁ〜〜!!って
くらい観客をブインブイン揺さぶらなきゃ。

ポン・ジュノ監督は凄いね。
特に「殺人の追憶」は傑作ね。
未解決事件なのにあのド迫力、
戦慄のラストにはいてもたっても
いられませんでしたもの。
ギドクは・・・
一過性の才能だったのかしらん。^^

TBありがとうございます。
これから伺います。
5. Posted by anupam   2009年05月21日 11:12
そうすか〜

何か結構期待してまして・・
相方の関心はゼロ分野なので、劇場出撃はないけれど、レンタルになったら見ちゃえと思っていたのですが・・

そうですか〜
じゃ、過剰な期待は押入れにしまって見ることとします
6. Posted by vivajiji   2009年05月21日 12:26

anupamさん。

あらら。(笑)
anupamさんにそう思わせちゃう私って
責任重大かな?

レンタルでなくて劇場まで
ぜひおでかけ下さいませな。
私『以外』のほとんどの方は
絶賛しておりますよ〜〜。^^

底が見え見えスカスカの昨今の
邦画など足元にも及ばない迫力は
確実に持っていますよ、
その点は太鼓判押します!
だから
映画館で、観て下さい。(笑)
7. Posted by anupam   2009年05月21日 12:56
え〜〜っと

先ほどメルマガ4号にて姐さんのブログを紹介させていただきました〜

良ければ、ぜしとも姐さんのブログでご感想を書いていただければと思います、と甘えるanupam

では、よろしくお願いいたします〜
8. Posted by vivajiji   2009年05月21日 17:17

anupamさん。

第4号、確かに配信承りまして
やはり洞察力たくましくユーモアに
あふれるanupamさんのご器量に
カンプクの至りでございます。

>と甘えるanupam

はい、それは完璧に“甘え”です、(--)^^
っと、一応、ふっておいて、今回の
4号メルマガ全文(私に関する部分)
掲載してもよろしいんであれば
記事にしたいと思いますが〜。(^^)
9. Posted by anupam   2009年05月21日 18:23
よ、よ、よろちくお願いいたします。。(^^)
10. Posted by vivajiji   2009年05月21日 20:38

anupamさん。

>よ、よ、よろちくお願いいたします。。
(^^)

おーーーー
ほど良く
ビビリ、バビリドゥ、ですね〜?
ご懸念召さるな姫どの
誘ったのは、そちの方じゃてからに。
ほれほれ、そないに固とうならんと
もちっと・・・そばへ・・ほれってば〜(笑)

11. Posted by 冨田弘嗣   2009年12月18日 19:13

トラックバック、コメント、ありがとうございます。

 ベタな台詞が散りばめてあって、苦笑してしまうところもいっぱいですが、こういう質の映画はもう、お行儀の良い他の国では作れなくなっています。
日本ではお蔵入りされるかもしれない描写ですが、昔はまだまだ凄惨な様をカメラにおさめていました。映画と現実は違うのだから、なにをやってもいいのだけど、社会に与える影響とやらで、様子をうかがいながら作っています。映画は映画、現実は現実とわからせるのが先なのに。
でもまだ、韓国映画は、観客に媚びてないのでしょうね。娯楽映画としては、とても楽しめる一本でした。

 ほめている割には・・・高い点ではないのですが・・・。
12. Posted by vivajiji   2009年12月20日 09:05

冨田弘嗣さん。

おはようございます。
お返事遅れました。
相変わらず遊びに忙しくて〜(笑)

>観客に媚びてないのでしょうね。

日本人の感性と異なった部分で
媚びているように私には見えますがね。^^
国策のバックボーンについてお話が
ありましたがその国にはその国の
文化の仕方があって、それはそれ。
翻って考えると日本じゃある意味
全面国関与なんかになったら
これまた大変でしょうね。
(すぐお上のごきげんとり始めるもの)
ま、いずれにしても
“俺たちは、こう撮りたいっ”という
映画に対する韓国風意思が画面から飛んでくる。
痛くも痒くもなくイライラ感ばかり
飛んでくる最近の邦画よりは
いささかでも力と見ごたえはありましたね。^^

13. Posted by 用心棒   2010年04月25日 00:06
 こんばんは!
 何にも考えずに、時間があったから入った劇場で観たので、不意打ちのような感覚がありました。
 ただ韓国特有の怨念めいた感情というか、執念深さというのはあまり出ていませんでした。主人公はたしかにひたすら追い続けるのですが、けっこうドライな暴力と追跡だったような感じでした。
 『息もできない』でしたっけ。最近劇場の予告編でこれを観て、すごく惹かれていますが、近所ではやっていないみたいなので残念です。ではまた!
14. Posted by vivajiji   2010年04月25日 14:05

用心棒さん。

わざわざお呼びたてしましたようで恐縮です。
コメントありがとうございます。

> 『息もできない』でしたっけ。

絵柄から想像すると
がむしゃらさが新鮮だった頃の
キム・ギドクっぽい感じ?とか
思ってますが。
おそらく当地でもシネコンはスルー、
単館系で限定2週間上映どまりでしょうかね。(- -)
15. Posted by ぷりぷり   2011年03月03日 12:38
うんうん確かに「殺人の追憶」にはかないませんね。

でも私すごく楽しめました。
この題材で楽しむってのも変な話なんですけどね(笑)


最近韓国映画の劇場公開作品が多いですが、スターを楽しむだけじゃなくて見せてくれる作品が多そうで、目をハートにしたおばさま方と並んで見てみようかなんて思います。

でもちょっと違う意味で怖い・・・
16. Posted by vivajiji   2011年03月04日 09:00

ぷりぷりさん。

コメントありがとうございます。

>楽しむってのも・・・

だからこその“映画”なんですよ〜(^ ^)
作りもので偽物で見せものだからこそ
リアルでパワフルな観せ方がぐいぐいとね。
指の間からでも思わず観ちゃう・・(笑)

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