2016年04月26日

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち

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観客を呼び込まなければなんないの!
特に、中高年層を!
そんな声が聞こえてきそうな副題がご丁寧についた本作。
ナチス・ドイツものは、柳の下にドジョウが何百匹?・・・
残酷な戦争の実体をこれほどまでに描かれまくってきた題材は
映画が発明されて以来このかた見当たらず、このたびもその
ドジョウの1匹にはちがいないのですけれど
これはちょいと視線を変えたものとして
私、興味喚起されましたので、観て参りました。

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↗︎この画像、私たちは、幾度もなんらかの形で観ておりますね。
最近では話題作「ハンナ・アーレント」でした。
(生き残ったユダヤ人男性の証人陳述の最中、興奮のあまり、彼が失神し
床に昏倒する直前の重要な数秒を撮り損なったエピソードも疑問が氷解しました)
この映像、つまりアイヒマン裁判をTV放映化するために奔走したその当時の
撮影をはじめ企画製作監督側に焦点を当てたのが本作なのね。
あの一筋縄ではいかない面倒臭いイスラエル人を相手に、ぜひ、世紀の裁判を
世界中に発信したいという裏方さんたちの孤軍奮闘ぶりを、私たち映画ファンは
観られるというわけ。

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かつての「銀河ヒッチハイクガイド」、あのモッサリとした箸にも棒にも
乗ってもすぐ滑り落ちそうだったマーティ・フリーマン、彼も
ずいぶんと出世なさいました。感謝すべきはあの現代的シャーロックもの。
なんですか、今じゃ、カンバーバッチよりも彼のほうが手堅く細かく
お稼ぎになっているように見えますね。

光が輝くためには、闇があったればこそ、とは自明の理では
ございますけれど、ナチス・ドイツとかつては肩を並べていた我が国ざんす。
「あのな、この日本だって陰で何こそやっていたもんだか・・・」
毎夜、晩酌時、戦争話を(青い小学生だった)私に語り続けた亡父の
語り口がしみじみ思い出された映画でした。

♫ 監督が宿泊していたイスラエルのホテルの女主人(腕に数字の
  彫り物が入っていたからきっと収容所の生き残りね)が放映完了後、
  「because of you!」(あなたが作ってくれたおかげなのよ!)
  って3回も力強く言うシーンがあるの。いい場面でした。
  で、
  「because」!
   あれだ!と↙︎この曲、すぐ思い出したわけ。^^



vivajiji at 15:02│Comments(2)TrackBack(1)clip!あ行 

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1. 映画評「アイヒマン・ショー/歴史を映した男たち」  [ プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] ]   2017年04月20日 20:37
☆☆☆(6点/10点満点中) 2015年イギリス映画 監督ポール・アンドリュー・ウィリアムズ ネタバレあり

この記事へのコメント

1. Posted by オカピー(プロフェッサー)   2017年04月20日 21:02
弊記事までTB有難うございました。

「ハンナ・アーレント」のようなインパクトはありませんが、裏の苦労話として面白く見られましたね。

当時は衛星生中継なんてありませんから、フィルムのコピーが世界各地に送られたのでしょうが、日本でも見られたのでしょうかねえ。僕は御幼少(笑)だったので、記憶がないです。

>ナチス・ドイツとかつては肩を並べていた我が国
今、日本は「古い日本万歳!」の安倍首相が強いものだから、事実かどうか全く関係なく、保守派の皆さんは、日本がやったとされている旧悪は皆なかったことにしたいらしい。とにかく、彼らに言わせると、戦時中日本人は出かけた各地で善行しかやらなったそうな。いやはやなんとも。
 人間誰しも、やらなかった非道をやったと言われる冤罪は悔しいはずですけれど、一歩譲って「やりました」と認める謙虚さもある程度は必要ではないかと思うのですがねえ。
2. Posted by vivajiji   2017年04月21日 10:04

プロフェッサーさま。

TB・コメント感謝です。

戦時、戦車隊に配属された経験を持つ
有名な司馬遼太郎氏がおっしゃった・・・
「この国の民はこんなにも幼稚だったのか」。
あらためてこの言葉の強さと生々しさが迫ります。
ますますきな臭くなっている世界情勢の中に
おけるわが国の立ち位置と将来を考えるに
またいつぞやの狂った暗雲の轍を
踏むんじゃないかと誰しもが思うでしょう。

おやおや、善行、と来ましたか。
戦争とは人殺しであって、よそんちへ行って
人いっぱい殺して悪行も善行もあったもんじゃ
ないでしょうがねえ。
まるで狡い後出しじゃんけんのよう。(ーー);

こういうまた違った切り口で、たとえ、それが
暗黒であっても歴史を掘り起こしてくれて今の我々に
こうして観せてくれる・・・これも映画の醍醐味ですね。

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