た行

2017年09月13日

ダンケルク

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ひたすら銃をぶっ放すか、銃弾の雨あられの中を逃げ惑う姿を
怒濤の臨場感たっぷり描き出す通常の戦争映画を期待した観客には
誠に申し訳ないけれどおそらく盛大なる肩すかしに陥ること必須でしょう。

日本人には印象薄いダンケルクの戦い、ちょこっと調べていただければ
わかりますが、戦いとはいえこれは完全なる撤退作戦なのですわ。
あの戦争屋と揶揄されたチャーチルが「この場はとにかく一旦“引く”」という
決断が、犠牲はあったにしても丸腰の30万以上の兵士が救出されて
その兵力があったればこそ後々のノルマンディーに代表される連合軍への
勝利へ導いたという重大な正念場だったということね。

ダンケルクと最初聞いたとき、10代の頃観た仏映画「ダンケルク」を
思い出しましたがアンリ・ヴェルヌイユ監督、当時は本国ではあのドロンより
人気が高かったというジャン=ポール・ベルモンド主演で、旬のカトリーヌ・
スパークも出ていたのですが、まったく内容は覚えておりません。

IMAX仕様のカメラで撮られたというので、大好きなIMAX画面で
観させていただきましたが、大海原やどこまでも続いていそうな砂浜・・
やたらめったら鳴り響く大音響でも無ければ、“逃げる”という大命題の下、
特に、海岸線に累々と立ち並ぶ兵士たちの静寂を観ていると、
待てよ、これって戦争映画?
妄想ふくらむ私など、例の天変地異迫力映像でもぶっ込んだら
まるで、T・マリックっぽくなりそうな気配じゃありませんか、とか。(^^)
もしかして「シンレッドライン」の線ねらったかノーラン監督。

◎砂浜での兵士たち
◎あんだけしか飛んでなかったのか空中戦
◎救助に馳せ参じた徴用船での人間模様
あくまでもピンポイント描写にこだわったノーラン節語り口。
これも戦争映画。

秋が来て観たい映画が目白押し。
エイリアン・コヴェナント
三度目の殺人
ブルーム・オブ・イエスタデイ
ブレード・ランナー2049
ライヴもセッションもたくさん、
読みたい本もごっそり、
今年の秋は、“濃くて”うれしい。

♬ 先日の山下さんリーダートリオライヴにて、
  このズーズーしいおばさんは↙︎の曲をリクエストしたの。
  絶妙なスッとぼけ感が可愛くてたまんな〜いのであります。^^



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2017年01月27日

沈黙 -サイレンス-

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日本人は宗教アレルギーなのだと、私は思っている。
世界的にその精神性に於いて特殊な国民だと思われてもいる。
ほんとにそうだと思う。
この総宇宙の作り主?創造主?誰だ、そりゃ、知らんな。
八百万の神、おおーー、盛大で賑やかでいいじゃないか、
海も山も空も、その辺み〜〜んな神様だらけだよ。
神さん、仏さん、お釈迦さん、阿弥陀さん、菅原道真さん、
キリストさん、マリアさん、マホメットさん・・・
ああ〜〜〜、何でもいいんだよ。
好きなもん信じていればいいんだよ・・・・・ご利益あれば。
寅さんじゃないが、
「それを言っちゃあ、おしまいよ」かもしれないけれど、
日本人の宗教観及び人生観の「本音」はこれなんだと思う。

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映画の中で、印象に残った1シーン、
パードレ・ロドリゴにキリシタンの村民たちが
何でもいいから記念になるものを下さい、という場面があり
「形を求めることは危険だ・・・」と、彼はつぶやく。
人は、形や徴(しるし)を求める。これも、ご利益の現れ。
現人神と奉っていたのだって、ついこの間のことだし。
その現人神が、神ではなくて正真正銘の人間だと宣言されてやっと目がさめ、
その瞬間から、まるでツバメ返しのように日本人の神概念が引っ繰り返って
今じゃ、「おカネ」が神さま然としてどっかり鎮座。
目からウロコが落ちてパウロは回心したけれど、
日本人はあの負け戦のおかげでぼろぼろウロコ落ちまくって
「神さんなんか信用ならねぇ!」ってなもんで
神や信仰と名のつくもの、思いっきり宗教アレルギーになりましたとさ。

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出演者はすべて充実の演技でした。
日本人俳優の方々がとてもよかったですね。
塚本さん、巧すぎる(笑)イッセー尾形氏。
実際、我が意得たりで楽しんでお芝居してるっぽい浅野某(名忘却)など。
主役ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールド。
監督は彼のこの慟哭&泣き顔が欲しかったんでしょう。きっと。

最後に申し上げます。
まるで、スコセッシらしくない映画です。
あのやんちゃくさいスコセッシ調、完全封印。
それがこの題材の場合、効を奏しました。
皮肉なもんですが、そんな気がします。
重い歴史的事実です。 でも
観ておくべき映画、いや、観て下さい映画です。

「人は不条理、非論理的です」
マザー・テレザのこの言葉が鑑賞中ずっと胸に去来しておりました。


※ 当時の日本、あの寒村の民が、あんなに英語話せるわけない、とか、
言ってる方々はどうぞ重箱の隅、そうやってずっと突ついていて下さいな。^^


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2015年12月11日

映画を「語ってくれる」ことの至福。

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語り口自体はさほど好みではないけれど
映画関連のYouTubeを徘徊してますと
否が応でも目に入ってくるのは町山智浩氏。
ふざけた作品もしゃかりきになって評論している場面も多々
見聞きしたこともありますが、今回はかなり堪能させていただきました。
「新・午前十時の映画祭」企画の往年名作映画について
それも私の大好きな「第三の男」について延々2時間近くに
渡って彼が解説していらっしゃる動画をみつけましたので
載せさせていただきます。
前・後編あります。後編は自らで探して下さい。^^


町山氏はラジオでも常々「僕は、観た以上に、面白く分かりやすく、映画を
語ることが大好きで、はっきり言ってそれにイノチ賭けてますから!」と
力説していますね。
今は、その体力も気力も出し尽くした感強しの当方ではありますが
この彼の映画に対するポリシーには深く同感です。

で、突然ですが
ここで苦言を一発。^^;
「はなむすび」とかいうラジオ番組での町山氏の映画解説にいつも
応答する男女のあれはアナウンサーさん達なのでしょうか、
彼らのあの映画知識の無さの「無さ加減」の
尋常でない激しさったらありぁ〜しないっ!!のです。
会話はピンポンと同じですよ。
ピ〜〜ンって言ったらポ〜〜ンって返って来るから話が続いて
盛り上がるってもんでしょうが。
カルフォルニアのどこだかにお住まいの町山氏の発する御言葉、
つまりピ〜〜ンがですよ、あの受け手の二人がほとんど映画知識が
無いもんだからピンポン玉が全部卓球台の向こうっ側にコロコロぶ落ちる。
ほんとのピンポンだったらア〜アとか言って玉拾いに行けばこと済むけれど

「あの映画のオマージュなんですよ、あれって。」(町山氏)

「・・・はぁ〜〜〜〜」(男女アナウンサー連、玉、見送り、その 

「あの映画、観ましたぁ〜?」(町山氏)

「・・・はぁ〜〜〜・・・」(玉、見送り、その◆

「じゃあ、○○○作品のパクリっても言われてる映画は?」(律儀な町山氏)

「・・・はぁぁ〜〜〜・・・そうなんですかぁ・・」(玉、拾いに行く気もない)

その映画全部を観ているところのおばさんリスナーの私の髪の毛は
少ないながらもバシバシ逆立つんでありますのよ。(ーー);

ところで話戻して「第三の男」に関してね、あの超有名なテーマ曲に
ついての言及が一切なく、ちょっぴり寂しかったので力込めて♫載せます。^^






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2014年07月11日

ドストエフスキーと愛に生きる

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“愛に生きる”なんて「あなたこの映画ほんとに見たの?」的
ありがちなニッポン独特邦題がついておりますが、内容は
地味で硬質かつ淡々、しかし淡々とした中に息づく主人公
ロシア文学のドイツ語翻訳家スヴェトラーナ・ガイヤーさんの
ドストエフスキー文学へのただならぬ想い入れと情熱、そして
「言葉」そのものに対するこだわりとその息遣いが伝わってくる
ドキュメンタリー映画でございます。

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本読み者がよく言う「読破した」「難破した」「途中下車」したなどどという
形容がよくあてはまるところのドストエフスキー文学。
手にとった体力ある若き日、意地になって読んだはいいが
汗かいて登ったはわりにはその頂上から見える景色、青い年代には
いまいちピンと来ず、少し賢しくなりかけの頃は他に数多ある面白き本
の誘惑には勝てず、読んでは止まりを懲りもせず繰り返し結局は
本棚の奥にシズシズと押しやられて・・・
やっと今頃になって、kindleのおかげさまで何度目かの再読にアタック中の
私の「カラマーゾフの兄弟」。(笑)

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2010年87歳で亡くなるまで現役の翻訳者であられた主人公自身の
数奇な足跡もさることながら、ことドストエフスキー文学に対する真摯な
取り組みと彼女自身の口から発せられる言葉の深さと含蓄。
私が一番印象的だったのは、皮膚のたるみやシワや白髪や腰の曲がり
充分に老いた容貌を一瞬忘れさせる彼女の射るようなあの「眼光」。
目を伏せがちに静かに語っているかと思えば、相手を直視した際の
あの目の光の鋭さは、やはり一芸を成した人のもの。

札幌ではいつものシアター・キノだけ。
「ブタペスト」や「チョコレート」ばかりもてはやされる中に
ひっそりと一日一回、それも1週間だけの上映。

“こんな地味なドキュメンタリー、DVDでいいよ”
聞かなくても聞こえてきそうです。^^;
たとえ小さなキノのスクリーンからであっても
この偉大な賢しき知の老女に見つめられるあの緊張感。
私は好きだなぁ。






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2014年05月28日

ディス/コネクト

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観たいものがなく、ジリジリの先週今週、そして
やっと久々の映画館。いつものスガイ。
ラストの締め方は、おらが家族大事の
いつものアメリカさんではございましたが
そこへ集結するまでの幾多のエピソードの畳み掛け、
あれは一瞬たりと目離しできないほどの緊張感。
この押し寄せるピリピリ感の相乗感は大したもんですね。

地球は狭くなったけれど、人間同士は、遠くなった。
そうでしょう?
ちがいます?
ちがわないでしょう。

物質的には何の不自由もない暮らしを手にいれたのに
街ゆく人々は何であのようにつまらない顔してるんでしょう。
彼らの手の先にあるあの名刺大の電子機器はこれから先も
人間の手と未来永劫、同一化するつもりなんでしょうか。
ああ、まちがいました、電子機器の責任じゃありませんね。
これが生き物の中で人一倍大きな脳をつけて生まれた人間の
進化したかたち、あり方なんでしょうか。

〜心の貧しき人々は幸いなり〜
イエス・キリストさんはかつて山上でおっしゃいましたが
かれこれ2千年経て、こんな映画が作られること自体、
心の貧しき人々は、ぜんぜん、全く、幸いでないのです。
イエス・キリストさん、どうか、お笑いください。
現代の人間たちは自ら作った電子機器によって、思いっきり、
心貧しき人々になっております、そうです、思いっきり!

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かの「マグノリア」「クラッシュ」のようなこれも細切れ逸話映画なのですが
今ならどこにでも誰にでも起こりそうな内容でありその切迫した悲壮感に
胸が押しつぶされそうになりますが脚本・演出・撮影の巧さ堪能できる作品。
シガー・ロスの音楽が相変わらず切なく「饒舌」なのも嬉しい。



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2014年04月05日

ドン・ジョン

無題

3ブンの2ぐらいまでは、すこぶるノリのいいテンポ。
ゲラゲラ(ココロの中で)笑ったり実際に前座席なんぞ叩いたりして
(ここぞというときに写るか!ポルノ動画の男優の顔っ!編集巧いっ!)
ウヒウヒしながら観てたんですが、ジュリアン・ムーアとの
仲が進展するようになった残り3ブンの1、すなわち、ジョゼフ・
ゴードン=レヴィット君初監督作品の言いたいことのキモですわな、
それまではビート効かせてグイグイ持ち上げてきたところの
「起承」の部分が、音楽でいうと“ロック”であるならば
ジュリアン・ムーアと関わってくる「転」から「結」、これは音楽的に
ロックは少し忘れてシンフォニー的味付け感じさせる域まで
演出しなければならんとですよ。初監督といえど厳しいのですよ。
たかが映画、されど映画。
それこそ自己満足のマスターベーションではいけません。
カネとって一般ピーポーに「見せる」んですからね。

結論。
「起承」は最高。  「転結」、なっちゃない。 落差が極端。
作品として要するに腰砕け。
アレだけしか考えてない男子のティッシュばっか体力ばっか
浪費する生臭い青い春映画のふりはしているけれど

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「したくて、したくて」たまらん、アレ貯まれば(カネではない)
アタマッコの中、熊ん蜂ブンブン飛ぶあの時期の男子の、
ちょいとした“成長”物語、描こうとしたんですわな。
ハッキリ言いますが、相変わらずビッチでアタマッコ・パー
ますます田舎臭いヘタさ亢進中のスカーレット・ヨハンソン、
そして、主人公ジョンをちょっこし変える年上女役の
ジュリアン・ムーア、配役彼女たちしかいませんでしたかね〜
レヴィット君、カラダ鍛えてどうのこうのしてますが
彼、何せ8時20分眉の童顔・・・
ジュリアンとは親子みたい・・・ではなかったですか!
夫と子供亡くして、突如として泣いていたり・・・
そんな短絡的な味付けしか・・・できんかったとですか!

ま、こんな若さで映画作れる下地があるんですから、きっと、
レヴィット君、映画関係人脈の作り方にも長けてるんでしょうね〜
次回作、映画センスはわるくないのでもちっとがんばって欲しいね。


最後に。
アッチのいいのなんの判断するには
オスのほうも“ちゃんと”してなくちゃダメってこと。
で、
アッチのいいのは、ほら、思い出して。
サル山の雌ザルのあの法則・・・(笑)







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2014年03月27日

タンゴ・リブレ 君を想う

無題

聞いたか読んだか、まずはサル山のサルの「雌」争奪戦。
最後に勝利するは見目麗しい(恐らく人間の見るところの)
若い雌ではなく、毛艶もさほど良くない普通以下のそれも
人間界で言えば「年増女」に匹敵する雌に大勢さんの
牡が群がってそれこそ押すな押すなの大盛況かました末
結局いたすことをばいたして晴れてご懐妊となるわけ
・・・なんですと。
本作のヒロインの過去から現在のご活躍を観ていて
彷彿と致しました私、そう、サル山の雌ザルの話。(笑)
何を言いたいかというと
ヒロインのいわゆるビッチさの為せるワザが
本作のすべての歯車狂いの元凶なわけですよ。
ガキ子供の幼さ顔も大人の美人顔の判断もようつかん
最近人からすれば本作のヒロイン、特に日本人
には伝わるかなぁ〜このやさぐれた女の魅力。
はっきり言ってそう大したもんでもないんだけれど
男がほぉっておかないその手のフェロモン出してる女に
3人の男がさまざまな事情で絡んでくるお話なんですわ。

“君を想う”なんて何ノーテンキなこと付け足してるのか
ご丁寧な副題もついてますからタンゴを媒介にして男女が
惹かれあってア〜ソレソレ♪ 主軸はすっかり想像の範疇の
話ではあるのですけれどこれってけっこう印象に残る一種
“変わり種”映画でございましたね〜。
クソ真面目な女性監督が撮ったいつぞやの「タンゴ・レッスン」
かたや日本とアメリカでよってたかって作った「シャル・ウィ〜」
なども当時随分と話題になりましたが、まかり間違って
あのイメージ後生大事にお持ちになり映画館に入りますと、
思う存分、椅子から転げ落ちる羽目になりますのでご注意をば。(笑)

ポルノグラフィックな関係

99年というからもうあれは15年前にもなるのね、本監督の
前作「ポルノグラフィックな関係」といういかにもな感じの映画
観ましたね〜題名こそこうですが意外とさらりとした描写の
営みから発せられるひと組の男女のある愛のカタチ映画。

ロペス

それに出たセルジ・ロペス、彼は怪優のひとりでしょうね。
私の見るところスペインのチェ・ミンシクみたいなもん、
そう、毛深いチェ・ミンシク。(笑)
「ポルノグラフィックな関係」の翌年、「ハリー、見知らぬ友人」
そのハリーに扮してその年のセザール賞男優賞に輝いております。
好き嫌い別にして、ほっといても際立つその個性で本作でもご活躍。

で、
その手のフェロモン出し年増女に絡む男3人のいらこら話と
あなどってはいけませんのです。まんず、設定が、ありえん。
ところが、映画というのは、ありえんものを、「ある」に
する魔力があるのですわ。男のひとりは刑務所の看守。
あとの二人は収監されている囚人ときたもんだ。
そこにフェロモン年増女。
そして、タンゴ。
刑務所の休憩時間に行われる男たちだけの、
あの“タンゴ・レッスン”は圧巻でございます。
そして極めつけは、あのエンディング!
久々に来訪いたしましたね〜
「してやられる」という映画的快感!
こんちくしょう! そう来たか!(^ ^)
まんず、とにかく、観て下さいな!







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2014年02月25日

大統領の執事の涙

大統領の

「大統領の執事の涙」(2013)
LEE DANIELS' THE BUTLER
132分 アメリカ ドラマ/伝記

すぐ目の前で、世界が動いていた

彼は、見ていた。
7人の大統領に仕えた黒人執事
世界の中心(ホワイトハウス)の知られざる物語

監督:リー・ダニエルズ
原作:ウィル・ヘイグッド
脚本:ダニー・ストロング
撮影:アンドリュー・ダン
プロダクションデ
ザイン:ティム・ガルヴィン
衣装デザイン:ルース・E・カーター
編集:ジョー・クロッツ
キャスティング:ビリー・ホプキンス
リア・ダニエルズ=バトラー
音楽:ホドリゴ・レオン

出演:フォレスト・ウィテカー セシル・ゲインズ
オプラ・ウィンフリー グロリア・ゲインズ
ジョン・キューザック リチャード・ニクソン
ジェーン・フォンダ ナンシー・レーガン
キューバ・グッディング・Jr カーター・ウィルソン
テレンス・ハワード ハワード
レニー・クラヴィッツ ジェームズ・ホロウェイ
ジェームズ・マースデン ジョン・F・ケネディ
デヴィッド・オイェロウォ ルイス・ゲインズ
ヴァネッサ・レッドグレーヴ アナベス・ウェストフォール
アラン・リックマン ロナルド・レーガン
リーヴ・シュレイバー リンドン・B・ジョンソン
ロビン・ウィリアムズ ドワイト・アイゼンハワー
ミンカ・ケリー ジャッキー・ケネディ
マライア・キャリー

【解説】
 「プレシャス」のリー・ダニエルズ監督が、「ラストキング・オブ・
スコットランド」でオスカーを受賞したフォレスト・ウィテカーを主演に
迎えて贈る感動の伝記ドラマ。ホワイトハウスで歴代大統領7人に
仕えた黒人執事セシル・ゲインズを主人公に、公民権運動やベトナム
戦争など激動するアメリカの歴史を、図らずも政治の中枢から
目撃することになった彼とその家族の知られざる波瀾万丈の
人生を綴る。共演はアメリカを代表する人気司会者で久々の
映画出演となるオプラ・ウィンフリー。また、ジョン・キューザック、
ロビン・ウィリアムズ、アラン・リックマンらが歴代大統領役で出演。
奴隷解放後も差別が日常的に行われていた時代。幼くして南部の
農園で働くセシル・ゲインズは、白人に父親を殺された後、
ハウス・ニガー(家働きの下男)として登用され、
白人に仕える作法を叩き込まれる。やがて町に出たセシルは、
幸運な出会いと努力の結果、高級ホテルのボーイとなる。
そして、そこでの仕事ぶりが認められ、ついにホワイト
ハウスの執事に大抜擢される。彼は執事として“見ざる聞かざる”を貫き、
空気のように存在を消して的確に仕事をこなし、
歴代大統領たちの信頼を獲得していった。
一方、家庭では白人に従順に仕える彼に反発するように、
長男が公民権を求めて過激な反政府運動に身を投じていくが…。
<allcinema>

ダサダサな邦題は相変わらずだし要は「アメリカ万歳」の映画で
あることは観る前から当然察しの範疇でありしかし「プレシャス」
あの「真夏の引力」リー・ダニエルズ監督作品であるからして
これは観にいかねば。が、なるべくなら行きたくない札幌シネマ・
フロンティア。でもここでしかかかっていないというコンコンチキ。^^

モッチッチ

席は指定されるは、おまけに両隣に客はいるは、いわばギッツギッツの
一番イヤなパターンの鑑賞体制で場内暗転後、逃亡画策しようにも
タイミングつかめぬまま2時間ちょっと。でも、老けたモンチッチみたいな
フォレスト・ウィテカーも観れますし、なかなかけっこうな映画でしたよ。

事実にインスパイアーされた作品、と最初クレジットにありますから
がっつり主人公の通ってきた激動のアメリカ史をお勉強したいという
向きにはエピソードも僅少かつ駆け足ですのでその辺り期待しても
無理でございますがなかなかどうして飽きさせぬ展開に終始した佳作。

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大統領3

大統領1

リーヴ

観てて一番に思ったのは、お久しぶりのロビン・ウィリアムズ演ずる
アイゼンハワーからはじめオバマまでの歴代大統領たちすべて
極東アジアのこのシシャモみたいな小国に生息する私自身、彼らの
話半分としてもしっかりと覚えていて即彷彿できることに改めて驚愕。
我が国の例えば岸やら池田やら佐藤やら角栄やら国民不在ウソ八百の
政治であろうが何であろうが我が国の彼らに何の引っかかりも物語性も
見い出せず、当然の如く語り継がれる何ものもないということに
これまた改めて唖然。

所詮、博愛やら平等なんちゅうものは絵に描いた餅であり、どちら様も
人類創世から差別が服着て歩いているような人間たちでござんすよ。
その生まれから差別の真っ只中に置かれた主人公が辿った数奇な運命。
救われるのは主人公の仕事ぶりが認められ着々と報われてゆくこと。
仕事熱心なことに加え彼が置かれた立場に軸ブレがなかったこと。
求められるのは、「空気のように、そこにいること」。
仕事熱心のあまり、顧みられなかった家庭を守る妻は一時飲酒に
走るけれど最終的に夫への信頼の故にそれも立ち直る。
ところが熱心さのDNAは息子にもしっかり伝播。
存在を否定するかのように空気のような執事になった父。
黒人の存在そのものを主張する生き方を選ぶ息子。
7代に渡る大統領に仕えた黒人執事の話はあくまでも外枠。
真のストーリーはやはり家族。夫と妻、そして父と息子のお話。

反抗する息子に、母親が言い放ったセリフが心に残ります。

「お前の持つ全ては、執事(お父さん)が与えたのよ。」

リー・ダニエルズ監督、
今回もシンプルかつ力強い物語、持ってきてくれました。
ぜひ、劇場で。






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2013年12月14日

タイピスト

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本日の記事は、いつにも増して苦言だらけでございますので
本作愛でていらっしゃる方々、そのままお立ち去られたほうが。(笑)

観てから半月以上は経ております。鑑賞し終わったその日、
立腹まかせに帰宅後、サササと感想などメモっておきました。
すっかり忘れていたところ、今朝ほど何だか気が向いて始めた徹底的
拭き掃除の際、ランチョンマットの下からこのメモがひょっこり出て来た。
一旦はギュッとにぎって捨てようと思ったのですが
何の因果か開いて読むこの悲しきサガ。
おまけに、やめときゃいいのに、ぜんぶ読んで、また、腹立ててる。(- -)^^

さ、行きますよ〜〜

ピンク、ピンク、ピンク、ピンク!
何がパステル、パステルだ!
おフランスで、キュートで、可愛らしげに見えれば
それでいいのか!! 何ですか、この映画!
いかにもいかにも(何も考えてない)女子好みそうなポスターで
盛んに惹いてはおりましたが、映画の出来としては
同じくおフランスの「アーティスト」「最強のふたり」の
足元は愚かおそばにも寄れずじまいのチープ&スカスカ。

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はじまって15分まで進まない内に
「ああ〜こりゃダメだ」ビームで私の脳内ビチバチビチバチ。
30分経過したところで「出ようか」モード。
シアター・キノA館ほぼ満席。
最前列中央に陣取る映画おばちゃんの腰はやたら落ち着かぬ。
「いやしかし、もちっとガマンして観よう」
もったいないエコ的心情にも苛まれ、やや10分後、
グラッと揺れたわが頭部の重みなるぞ⇒寝てた。それ、3回。
「おお〜瞬眠の後はスッキリ観れるぞ〜」
っと思った私の見込みと期待は大いに外れ
とうとう見せ場といえば見せ場でございましょうあの
アメリカ大会シーンまでも、ま〜ご丁寧なフニャフニャ具合で・・・

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話が陳腐であろうがベタであろうがそんなのはいいのです。

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大層、可愛げに作ってありますが、この女優さん、
少々、重い。軽妙さに欠けるのね。ま、でも、許せる範囲でしょう。

しかし。
問題は、ロマン・デュリス。
私、この男優さんがなぜ売れているのかずっと理解不能。
「真夜中のピアニスト」あたりはまだ腑に落ちましたが
この手のコメディものは特にダメでしょう。
主役ふたりとも華がないのだけれど、このデュリスですよ〜
いけてないビンボ臭い容貌、にやけたカマキリ顔にあの頬のシワ!

演出モタモタ、ホンへたくそ、近来まれに見る泥臭ささ全開!
50年代、グラント、ヘップバーン、D・ディやR・ハドソンの
線を狙ったのでしょうが、ポップな色使いやふくらんだスカート、
レトロチックな背景ばっか力入れたってあたしゃ騙されませんのよ。

主演女優が何ですか本作のヒットでおフランスの
オードリー・ヘップバーンと呼ばれているとか何とか。
オードリーファンではございませんが、言うことに
事欠いて、なぁ〜にズッ転がってること言ってんだか!
格がちがう!格がぁ〜ああぁ〜〜!!

チョコのCMで2013年に蘇ったCG製オードリー動画、
苦言のお口直しにでも。(^ ^)






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2013年11月02日

トランス

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町山智浩氏が20分ほどの映画評をしているラジオ放送で
「最近ボクが観た映画でね、どんどんやたらとんでもないことに
なって行って終いには“なんなんですか?コレ”状態に・・・・」
と、おっしゃっていた2作品。
ひとつは「サイドエフェクト」
そしてもうひとつが本日の「トランス」。

「ついていったらこうなった」とかいう本もございましたが
2作とも悪考えすれば現象としてはよく似ておりまして・・・
興味惹かれそうな事で誘っておいてよくよく見聞きしたらば
とんでもハップンなお話は否応無しにすすんでいって
「こんなはずではなかったのに〜」と思っても、そこはホレ
お金出して自ら選んで入った映画館
始まちゃった映画は止まらない、もう遅い。(笑)

ソダーバーグにしろD・ボイルにしろ
才気全力疾走している監督さんは
いろんなことやってみたい。
映像の中でお客さんの脳内ぐっちゃぐっちゃにして
ぶんぶん振り回して翻弄しまくりたい。
わかるなぁ〜この気持ち。(笑)

B

「トランス」って、すでにお題で明示しちゃっています。
ようするに「妄想映画」。全体の9割はね。
実は私、“これは夢の中のお話でした、チャンチャン。”という
映画を観るとけっこうムカっ腹立っちゃう種類の人ですけれど
この映画は、最後の最後までたいへん楽しんで観ることができました。

T

巻き込まれて振り回されるキャラにとてもお似合いの
J・マカヴォイ君は手堅くいつものマカヴォイ君でしたが、この方、
見ようによってはあのエドワード・ファーロング君系のお顔立ちと
このたび気づきましてね。^^;
で、主役はこの方のように見えますがこれもよく考えると
ミス・リードでございまして、

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メインはこの方なんですね〜
ロザリオ・ドーソン。
映画よく観る方でしたらご存知でしょうがね、
うまい女優さんですが知名度イマイチ、
各パーツ、くっきりはっきりかなり濃い目。
あちらではよいのでしょうけれど
ガキ顔好きな日本人観客にはいかがなもんでしょう。
この濃い目ロザリオさん、あの毛もゾリンゲンしちゃっての
張り切りオールヌードご披露しておりますが、いたいけな
あの箇所もボヤンとしてておまけに彼女は浅黒肌なもんだから
撮影さんの努力も、売りの割には〜(- -)^^
しかし、全体通して
売れてるアンソニー・ドッド・マントルさんの映像はとても効果的、
今じゃ言い古された言葉ですけれど、スタイリッシュでございました。

V

いかにもD・ボイルらしい最後の小憎たらしいほどの〆を
この男優に決めたことは大正解。
ヴァンサン・カッセル。
このごろの彼、いいですね〜
イタリアの宝石さんお相手にしてきた方ですもの
タイトな体型維持も万全でございました。
ほどよく油っけも抜けていい感じの渋さが出てきました。

うまく翻弄されて心地よく映画館を出る・・・これも映画の醍醐味。(^ ^)








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2012年11月01日

終の信託

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映画は監督のものであることも、我々の予想をはるかに上回って
おカネがかかることもその資金繰りには大層苦心なされているのは
ちょいと想像を働かせれば素人でもわかるのでありますが、
鑑賞人として

できうるならば
「共に生計を営んでいる方を映画に出していただきたくない」。

ぶっちゃけた話、
「毎日、朝起きたとき横にいらっしゃる方を、使ってほしくない」。

今回の周防監督だけじゃなく、古今東西いにしえ映画創生期より
奥方をお使いになって作品を世にお出しになってらっしゃる
名のある監督さんはたくさんいらっしゃいますが、私の観た限りでは
その奥方たちは、大方が巧みな演技者でありこの女優はこの映画に
存在してしかるべき!この人あってのこの映画!まで昇華された
使われ方をしていた、そんな感が強いのですが・・・

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ごめんなさい。(なんで私があやまるのかヘンですが・笑)
草刈民代さん。
あなたは、女優には向いておりません。
はっきり申しまして(今風に表現しますと)、かなり、イタいです。
もしかして勘違いも甚だしく、これに味をばしめて
「お〜私は女優として食っていけるかも〜」な〜〜んて思って
いらっしゃるならば、私など、ドングリでなくても“あきれた池”に
はまって思わずドジョウにコンニチワしちゃいますです。(笑)

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テーマとして、尊厳死とか死の前の判断曖昧なグレーゾーンとか
その解釈はさまざまございましょうが、私が強く惹かれましたのは
この映画、結果的に、プロになりきれなかった者と、
憎々しいほどにプロ意識をぶら下げた者との対決、
映画の後半45分のあの駆け引きと応酬シーンには
日本映画、久々の超緊張ピリピリこれも映画の快楽(笑)を
堪能いたしましたね〜

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大沢たかおさん、いや〜素晴らしかった!
作家:沢木耕太郎に扮して「深夜特急」実写版のようなルポルタージュ
番組で初めて見た男優さんでしたが私の中ではさほど印象に残る
演技人ではなかったのですが、このたびの検察官役はほんとうにグッド!

滑舌なっていない、
セリフ回しなってない、だいたいがセリフ聞こえない、
役者とも言えない言いたくない今邦画に出ている青い者たちよ、
そのほとんどが椅子に座っているあの45分での
検察官:塚原透に扮した大沢たかおの、あの目線と表情、ちょっとした
カラダの動き、そして、

一語一句!

明瞭に!

鮮明に!

発せられる!

あの!

滑舌の!

セリフの!

確かさ!

素晴らしさを、見たまえっ!!

・・・・・・・

ふっ 

ちと、リキはいり過ぎましたか。(^ ^)

いえいえ、そんなことはありません。

ヘタな芝居、休むに似たる奥方お使いでも
やはり巧みな映画表現者、周防監督。
このたびも「観るべき作品」を私たちに発表してくれました。


誰一人例外なく、早いか遅いかだけのちがいで、やがて来る終わりの瞬間

大事な決め事は、

どこからつつかれてもゆるぎない本人の言葉できっちり書面にしておくこと

いのち預かるプロといえども他者に甘えは禁物

望みの執行者は やはり 血縁者 ・・・・

必見。

ぜひ映画館へ。












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2012年08月20日

訃報!トニー・スコット

T・スコット


いまネットを開けたら飛び込んできたニュース。

好みはあれど、インパクトあるカッコいい彼の作風は好きでした。

立ち見でギュウギュウになりながら観た「トップガン」のあの栄光、

映像の輝きが瞬時に力強く思い出されます。

「アンストッパブル」のメイキングでは元気なお姿だったのに。

まだまだ、映画をこしらえてくれてるとばかり思ってました。

お兄さんだって、あのように活躍してるし。

68歳。

いったい、なにがあったんだろう。

驚きの幕引きに声も出ません。

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2012年08月16日

トータル・リコール(2012)

TR1

即行、オリジナルがもう一度観たくなりました!(笑)

TR

このひとも若くて艶っぽくてノリノリだったし。
何せ、20年以上前だからね。^^
にぎにぎしくリッパなご変態監督ポール・ヴァーホーヴェン作は
やはりすごく面白かったのだといま改めて認識いたしました。
かと言って

TR2

コリン・ファレル君、濃き眉毛に汗光らせて休むヒマなくご活躍、
今回のリメイク作がまったくダメだったわけでもございません。
開いても4・5分置き、ほとんど2・3分置きに挿入される
ドド・ドド・大音響のアクション・シーンもっぱら、立て板に水系
純粋体育系「トータル・リコール」でございましてね。
コリン君もこれに向けてかつてのシュワちゃんに負けじとおカラダ
ギンギンにお作り為されたような按配で〜 男女ともに最近の俳優
さんたちったら、みんな筋肉もちもち・ガチガチし過ぎてませんかね〜
本作も、テッポ持って走り回らんヤツは映画に出なくていいからって
言われているような何せジッとしてない大騒ぎ映画でございまして。

TR5

当然ながら、そういうご主旨でございますからして
ストーリーの味わいとか、登場人物さんたちの機微だとか・・・
そんなのはミジンコも無く、ひたすらしつこい敵から逃げながら
バトルするだけ、という印象が強く、個人的に目ェひん剥いて
待っておりましたが、あの「顔面分割パッカリおばさん」シーンは、
(おばさんは出てきましたが)ついに出てきませんでした。(^ ^)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

チャンコチャンコ盆踊り逃避作戦は、ある事情で頓挫。
そんな大層な事情ではなく、結局のところ、映画は普段通り
二酸化炭素少ない朝一鑑賞して参りましたのです。
さて
頼んでもいないのに勝手に入ってくるあのチャンコチャンコ節。
窓という窓ぜ〜んぶピッチシ閉め、扇風機の目盛りは「強」。その
扇風機を椅子の真後ろに置いて借りてあったラッセル・クロウ主演
こちらもリメイク作「スリーデイズ」(監督:ポール・ハギス)をボリューム
がっつり大きめにして観る。
ところが本作、けっこうシリアス場面多し。
シリアスの隙間に、すかさず忍び寄るあのチャチャンがチャン。(- -)
しかし、なんとか1日目はクリア。
翌日もありますチャチャンコ。(きのうのことですが)
今度は

BH DVD 001

戦争映画「ブラックホーク・ダウン」(監督:リドリー・スコット)登場!
買って持っているんです。
3枚組コレクターズ・ボックス版という大げさなやつ。
ゲオでめちゃ高びしゃ価格だったのであきらめましたが
楽天というところで信じられないくらいのお値段でゲット。
状態良くて、まるで新品。

チャンコチャンコ、よ〜くお聞き。 戦争映画だからね!
同じ戦争映画でもほとんど銃撃戦で占められているんだからね!
銃撃戦なんだから音でかいんだからね!

窓閉めて
扇風機「強」。
DVD、再生、ポチッとな。
・・・・

ブラックホークがソマリア首都モガディシオに飛び立つ“前”に
つまり、銃撃戦が始まる直前に、
いや増す強風と雨により、チャンコチャンコは“中止”になりました。

みなさま
ワタクシのわがままは、天に通じた、
そう思ってよろしいのでしょうか。(笑)

「北海盆唄」で検索しましたら、こんな動画が。
盛況でございますこと、三笠市のみなさん、ようございますね〜
うちの近所も、こういう遊びごころ欲しいですわね〜(^ ^)









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2012年06月03日

突破口!

突破口

あの有名作でね、ケイリー・グラントを追っかけ回してる農薬散布機を
操縦しているのは実はウォルター・マッソーだったのですよ〜〜
と、いうのは真っ赤っかなウソですが(笑)
「ダーティ・ハリー」の翌々年に作られたドン・シーゲル監督作品
「突破口!」(1973)でのマッソー(チャーリー・バリック)はほんとに
農薬散布機にちゃんと乗っております。ま、元々は曲芸飛行機乗り
でしたが食っていくために農薬撒きになったのですね。
で、本業の傍ら、ヨメはんと手下連れてあんまり人口密度の高くない
地方銀行あたりをちまちま狙って強盗なんぞもはたらいております。
こっちが本業?^^

突破口 034

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いつもこんな感じだったんでしょう、
つまりちょっとした小細工弄して盗難車ヨメさんに運転さして。

何度目かの再見。今回も思ったのですよ、なんで盗難車使うかって。
イザというときは足つかないというのはわかるけれど
今回の場合、記憶力およろしいコマワリ君に遭遇しちゃったもんだから
イザという時のイザが裏目に出ちゃって、どんどこどんどこ負の方向へ。
振り幅激しいこんな亭主と一緒だものきっと苦労の連続だったに違いない
最愛のヨメさんまで撃たれてまって、負ンコロガシ状態も加速するばかり。
(“私の愛するスカラベをこういう言い回しで遊ぶでない!”と
あのファーブル大センセがあの世で渋い顔してるかも知れん)(笑)

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一度見たら忘れられない「ダーティ・ハリー」犯人役A・ロビンソン
演ずる相棒ハーマンは狂喜したけれど予想に反して75万ドルも
盗むハメになったバリック。 出所よくないカネといち早く察知した彼は、
もうイチかバチか、到底一筋縄ではいかない相手には、大胆かつ
用意周到な作戦をってなもんで対マフィア、それも薄ら笑み浮かべた
あの肉厚顔ジョー・ドン・ベイカー扮する殺し屋モリーを相手に孤軍奮闘、
おやおや、あっと驚いてお口あんぐりポカンとなってしまうような
奇妙奇天烈一騎打ちバトルのさまもおいしい
ドン・シーゲル節アクション映画の傑作でございます。

久しぶりの連続画像と参ります。
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前、マッソー操縦の軽飛行機、逃げてます。
後ろ、追いかける殺し屋モリー、ジョー・ドン・ベイカーの車。

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いきなり、急停止のマッソー機。

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急に止まれば、そうです、
反動で、お尻あがります。
逆立ちマッソー機です。

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マッソー逆さ。
字も、逆さ。(笑)
こういうところもアチラさん映画の楽しさ。

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主演のマッソーも含めて出てくるひと、み〜〜んなクセもん。
人間濃くてクセもんでぶんぶん臭うんだけれど
なぜかドン・シーゲルの手にかかると至ってクールで
画面全体にからっとした風が吹いてる。
つまり、男臭さの「粋」とでも。
ヘタにどんよりしている昨今じゃ
こんなカッコよくドライな映画は作れまい。
音楽はラロ・シフリン。
70年代、必見作。










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2012年04月09日

ドライヴ

ドライヴ3

映画ではこんな笑顔のゴズリング君は1秒たりと出て参りませんが
何やらカンヌ映画祭で監督賞など獲得なさった話題作でもあり、
やたら泣きたい方々には好評となりました「君に読む物語」ではなくて
マーク・フォースター監督の「ステイ」でがっつり惚れてしまった
ライアン・ゴズリング君主演となればぜひぜひ観ねばというわけで
先ほど観てまいりました。
札幌駅前シネコンでは一番小さな11番スクリーン、92席。
例によってCM・予告より情け容赦なく狭くなった画面ですわ。
立つべき腹も最近じゃ先立つアホらしさに呆れるばかりなり。
場内暗くなってからゾロゾロと男性若者5人ばかし
全員ポップコーン持って入って参りましたが
皆さんきっと迫力のカーチェイスなんぞ期待なさってでしょうね。

ドライヴ

ドライヴィング・テクニックに長けた主人公が活躍する本作、
たしかに印象的な冒頭シーン、いわゆる逃がし屋稼業の
あざやかな場面から、あれはそうですね〜数か所、カーアクション
なるものはございましたがただその手の興奮を味わいたいのなら
もっとふさわしいカーアクション映画は他にあるでしょうね〜

本作におけるカースタント業や逃がし屋ドライバー業の描写は
映画の後半に繋がるところの沈着冷静かつ時には鋭利な刃物の
ような瞬発力を秘めた主人公の性格の一端を表しているような気が
しましたね。
純愛とかスピーディなカーアクションを前面に出しているような
予告編ではありましたが、これは正直ヴァイオレンス寄りの作品と
私は観ました。
帰ってから調べましたらやはりニコラス・ナントカ・レフン氏は
過去においてもヴァイオレンス・タッチの映画作りの方だとか。

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一目逢ったその日から恋が芽生えてまった逃がし屋さんと人妻の図は
ノワール的ヴァイオレンス映画の要因かつ重要な味付け。
人妻とよくなついてくれるそのガキンチョ含めて包容力発揮する主人公は
刑務所から出てきたその夫にまで今度は博愛精神まで出しちゃって
どんどこどんどこ深みにはまっていく構図も、この道はいつか来た道定番。

カッコいい音楽と、やたらスタイリッシュな映像美駆使してしているのは
誰かと思えばソダーバーグ監督作品いっぱい手がけたニュートン・
トーマス・サイジェルときたもんだ。
人妻さんも思わず引いてしまうような痛い描写もございますが
画面の美しさプラス雰囲気盛り上げる音楽プラス芸達者な面々、
そして必要最小限度にそぎ落とした寡黙とも思える台詞の競演。
話的には使い古された手なんですけれど、ゴズリング君やキャリー・
マリガンの巧さと相まってレフン監督の語り口はやたら新鮮に感じる。
もろくもほどけてしまいそうな危ういエンディングの観せ方、あの余韻。
ギャングやマフィア大勢さん登場させないで、あえてこじんまりと限定、
少人数での物語に終始させたのもタッチが一貫しててよかったなぁ〜
この監督さん、もしかして「ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス」とか
意識してないかしら?ちょっとそんな気もしましたが。(^ ^)

すっかり観たような気になるいいとこどり「ドライヴ」。








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2012年02月13日

ドラゴン・タトゥーの女

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スガイ劇場119席
駅前シネコン541席
外気温若干緩めの本日、
北欧製オリジナル作の手ごたえを胸に
リキ入れて観るならそりゃあデカイほうが、と
朝一上映行って参りました、はい、シネコンのほう。^^

そのまた本日、
なんとイビキをかいている男性2名に遭遇しました。
こんな早い時間に。
一人は地下鉄電車内で。
もう一人はシネコン内で。
電車内のは金髪ニッポン若男子。
二日酔いか寝不足か、その両方か。
3人分の席、にゃにゃめ座りの高イビキ。
シネコンのほうは始まって25分あたりからず〜っと。
ピストルの音とリスベット凌辱の場だけストップ・ザ・高イビキ。^^

ところで
私ちょっとお聞きしたいのですが、北欧オリジナル作
観ていないで本作だけご覧になった勇気ある方、
ご正直にお答えくださいまし。面白かったですか?
万が一面白かった方に、なお質問、
お話わかりました〜?全部わかりました〜?
もしも面白かったとすればどのあたりでしょうかしら?

リスベットという孤高のヒロイン像
ダニエル・クレイグ扮するジャーナリスト、ミカエル
目を覆わんばかりと評判の+15該当シーン
あんらそうだったの〜の種あかしシーン
そして
厳寒荒涼とした北欧の風景

それでは、そのお気持ちを胸に、vivajiji姐さんに
ダマくらかされたと思ってもよろしいのですので
試しにもうDVDになっているはずの

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↑こちらをぜひとも(ほとんど絶対に、笑)ご覧になってみて下さいな。
先ほどの高イビキに象徴されますように、
たとえ題材に興味が失せようともですね、このたびの
D・フィンチャー監督リメイク作はアブハチ取らずですね〜
トゲがあったオリジナルから変わってフィンチャー版は
マイルドになったとかの評もございましたが
私思うにこの手の猟奇犯罪&異色ヒロインものを
なぜにわざわざマイルドにしなくちゃいけないのでしょう。
リスベット・サランデルの色そのもののように
ツンツン・ギンギンに“立って”こその、この手のものでしょう。

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このガタイでかくお顔もでかい一見しても二見しても、
おっさん風ミカエルだからリスベットの小柄さ、若さが
強調され唐突なラブシーンにも独特な味が出るわけでしょ。
クレイグは残念ながら今作には中途半端。

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さて、どんな描写をしてるのだろうと、フタをあけてみれば
これもオリジナルの勝ち。
この後見人の印象の強さが本作のキモのひとつでも
あると言っても過言ではないでしょう。
オリジナルでのこの白っぽい後見人役男優は、実に実に巧かった!
憎たらしくて憎たらしくて、往年の凌辱アメリカ映画
「リップスティック」のヒロイン、マーゴ・ヘミングウェイならぬ
北国の映画おばさん、ライフルでめった撃ちにしたいくらい
変態唾棄おぞまし演技でしたもの。
それが何ですか今回の後見人さんは〜
「セブン」であれだけ我々をびびらせたD・フィンチャーとも
思えぬ凡庸な演出。
ルーニー・マーラさんにも期待していたんですけどね〜
かなり肩すかしでございました。
リスベットも圧倒的にノオミさんの勝ち。

ただひとつ。
これだけはオリジナルに勝ったとバンザイできるのは
あの粘ったイカ墨のような溶けたコールタール状質感の
懐かしいおミュージックと共に繰り出されるPV画面のような
オープニングのパワフル数分間が一番興奮ワクワクしました!
と言ったらD・フィンチャーさんに叱られるかな?(笑)

観に行く気のさらさら無い方は↓動画など楽しんで下さい。
ぜひフルスクリーンモードでご覧になることお薦めよ。




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2011年10月04日

ちいさな哲学者たち



英語の語感で私的にあまり好きでない語句のベストスリーには入る
PHILOSOHY(フィロソフィー)哲学なる授業をなんとついこの間まで
紙オムツお尻につけてバブバブしてたような幼稚園児がですね
(あれは3・4才児)受けるという何ともはや斬新というか進歩的と
いうか単に早すぎるんでないべか?だいじょぶかや?と既に
一応大人業している我ら三等外野席は怪訝に思ったりするのですが
そこはそれ古いものと新しいものが混在マッチングしているところの
おフランスでのこと。



抜歯した口元で試しに発音、3度目でやっとそれらしくフィロソフィー。^^
元はギリシャ語フィロ(愛する)ソフィアー(知恵)ですから
知を愛するというか知を好む学問ですな。
知を好む学問とは何ぞや?
哲学と聞くと、人生半分降りた嫌いなもんばっかのかの中島義道とか
アホな書名ばっかの土屋センセとか何やら当地にもたくさん本出してる
江戸時代の火消しみたいな名の学者さんのいたことを思い出しますが。

要は哲学の定義なんちゅうものはアイマイモコの親分みたいなもんで
あってないようなもん、でもなくて深く重箱の隅つっつけばちゃんと
あるのですが、早いはなし、生きていかねばならん上で大切なことを
こ〜まな板の上にのっけてあ〜ではないか、こ〜ではないか、いやそれ
ちがうべさ、こうではないの?あ、そうかもしれないわね〜と
雁首ならべて各々考えを述べ話し合いをしながらですね、その〜
生きていかねばならん上での大切なことをですね〜〜

ああああ〜〜〜〜アタマッコかゆくなってきた(笑)



とにかく
実際におフランスの公立幼稚園のこんまい子どもたちがですね
「自由」だの「愛」だの、あげくは「死」だのについて
彼らを取り巻く環境、親、兄弟、友だち、近所の人、テレビなど
彼らの生きてきた、これぽっちの少ない経験や体験から
あの小さなアタマッコをですねフル回転してその日の課題について
各自の思うことを「テツガク」するわけですよ。

上映時間たしか104分。
登場している子どもたちのいくつかの家族の様子や
日本と同じように園庭で遊びに興じる姿も挿入されますが
大方を占めているのは子どもたちのディスカッション場面。
始まったばかりは正直「大丈夫かな?」と思いましたが
たとえ3・4才児といえども後半に行くにつれて発言の
ユニークさに加え男の子と女の子のちがいがもうすでに
あらわれてましてね、女の子二人の"口撃"にあったガキ大将
みたいな男の子・・・

「 オンナは もう うんざり ! 」とか言ってるの。(笑)

語彙もまだ少なく、よう口のまわらない話し方でも
れっきとした小さな人間たちの集まり。

「頭の中には何があるの〜?」

「脳〜〜〜〜!!」

「脳って何するところ〜?」

「考えるところ〜〜〜〜〜!!」

「考えたら、それからどうするの〜?」

「お口から出すの〜〜〜〜!!」

言葉を通して物事を彼らなりに考え、回りの発言を聞きながら
考えを言葉であらわす術を果敢に模索するフランスの園児たち。
これらを日本でやったらどうか、
マネすることはできるでしょう、ほんの一瞬は。
でも〜続かないなぁ〜
子の後ろにはボキャブラリー大変足りない親がついてるしなぁ。

国際色豊かなかわいい子どもたちを観ながらふと思ったり。(^ ^);



  予告編です。




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2011年09月21日

ツリー・オブ・ライフ



↑は、きのう20日(火)お昼ごろの札幌。
絵に描いたような秋空、洗剤のコマーシャルによく使われる
みたいな真っ青な青空に白い雲。思わず見とれ
いつもの病院送迎バスの横、パシャパシャして仁王立ちの私に

「なぁ〜んか面白いもんでも飛んでんの〜?」運転手さん聞きます。

「雲よ〜雲っ。虫のクモだめだけれど空の雲、私、大好き〜!」

「いつもノンキですっぽ抜けてていいね〜カトーさんは〜〜。

 それはそうと、さ、バス出るよ、早く乗った乗った!」


さて一日経ちましてうって変わって本日、グレー一色の曇天。
青空なんて1センチもない。
おまけに不気味なくらい風もない。
台風15号アジア名ロウキー、
明日、北海道の横、お通りになるとか。

まるでニッポンの国土を集中的にイジメ抜いているかのような
ウサギ年、今年の災い。「ウサギ年は災害が少ないはずなのに〜」
年寄り口揃えて出所不明のジンクス今更言ったって力萎えて後の祭り。
地球をお借りして住んでいる我ら人間類、それも世界地図見たって
豆粒みたいなこんな島国にどしたもんだか脅威の自然は集中攻撃。
来ないでって言ったってドンドコ来るんだから致し方ないけれど
それにしてもヒドすぎる。むごいな〜





さて「ツリー・オブ・ライフ」。
観てから10日余り。
ぜひ記事に、と思いまして画像探しても例のピット絡みの
ものしかなく、かなりイライラしましてね、どうしてかというと
可愛い赤ちゃんの足の裏やガンコそうなピットお父さんのあの
予告編とは本編の色合いがかなりかけ離れているように観た私は
強く感じましたの。
暗示的ですけど「ツリー・オブ・ライフ」命の樹ですものね、
それ系サイト『フリー素材屋Hoshino』さんから3枚ばかし拝借。

そもそもピットお父さんを家長とするオブライエン一家のそれは
この壮大なマリック流映像メッセージの主たるものではなくて
生きとし生けるものとして命のつながりとして
マリックの語りのひとつのパーツなのではと思いました。



「わたしが地の土台をすえた時、おまえはどこにいたか」

とっぱじめから有名なヨブ記38章4節の引用です。
ご存知かとは思いますが旧約聖書の神さんはある意味人間的と
いうかとても喜怒哀楽わかりやすく雄弁で行動的。
とてもとっても信仰心厚くよい人であったヨブさんは神と悪魔
サタンの取引というか賭けのターゲットにされちゃったわけ。
神も人間をよく試しますが(例:エデンの園ね)悪魔サタンも
まことにいやらしく人間を試すのね。その顛末書いてあるのがヨブ記。
財産没収、友去り、家族去り、たったひとりヨブは体中できもの
だらけになって荒野にうち捨てられ灰まみれでいるわけ。
若い頃、聖書のセンセに「なんで灰まみれなの?」と聞いたところ
膿んだできもので体中が熱かったので解熱効果のある灰の中に
ヨブはじっと座っていたのよ、と教えられましたが、ほんとの
ところはちゃんと調べてないまま現在に至っておりますが
とにかくヨブはいたたまれない辛さと絶望の中で、ちょいと
ほんのちょっこし神さんにグチったとき


「わたしが地の土台をすえた時、おまえはどこにいたか」

これですよ。
せっせと宇宙を神さんがこさえていたとき
おまえはどこにいたんだ、わかるなら言ってみれ、とね。

人間ぐらいちっぽけで弱い存在はなくて
それでもわたしはそんな君らを愛しているのに
ころっとサタンに騙くらかされ知恵の樹からす〜ぐ実とって
オナゴ食べたら男もす〜ぐ食べちゃってそれでもって命の樹まで
とられた日にゃ神さんの面目丸つぶれだっていうんで、さっさと
エデンの園から追ん出されてずーっとずーっと経ってさ、今の人類。

「おまえの造った者たちを見よ!」

同じ人間同士、飛んでくる銃弾の方向も定まらず
ただひらすら撃ち合う場面ばかりが印象に残った
「シン・レッドライン」での特徴的な台詞・・・
サタンのせせら笑いが聞こえてくるようでした。

命の樹の栄誉にたどり着けなかった不行き届きの人間たちと、
神、特に旧約にあらわされている天地創造の神との、人間側から
見た軋轢と焦燥をテレンス・マリックならではの映像美により
これでもかと観る私たちの魂の奥底にゆさぶりをかけます。



本作前半を占める煮えたぎるエネルギー爆発のオンパレードの
ごときパワフル映像を観ちゃったら前日観たネイチャーもの
「ライフ〜いのちを結ぶ物語」なんてどっか行ってしまいました。

最後に余計なことかも知れませんがちょっと言わせてね。

物語を作り手と一緒に読み解いてゆくプロセスを楽しむ
映画もあれば、繰り広げられる映像の群れの奥秘められた
作者の作品に託した強い想いをくみ取る映画もあります。
同じマリック作でも本作は完全に後者のものですね〜
これをただ「わかる」「わからん」でいっしょくたにして
観てしまうと彼の味わいの別格さが半減してしまう。
やはりテレンス・マリックの造りだすものは「別格」かと。

 本作、聖書の下地のある国から発せられる映画の最たるもの。

 この際、創世記、ちゃんと最初から読み直してみましょかね〜

 (最近、ずるして読んでないもの〜)(^ ^)


 



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2011年08月16日

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン



ご存じ、華はなかれど作り手側からすると
きっと「それなりに使いやすい男のコ」なんだろうと
思われるシャイア・ラブーフ君がまたご出演なされた
夏休み目玉アトラクション3D映画、本日観て参りました。

ウチを出たときはテレンス・マリック「ツリー・オブ・ライフ」
の心づもりが思いのほか早めに着いたものですから
すぐ気が変わる私めは急遽こちら鑑賞。
久しぶりにここで観たかったでっかいI-MAX番スクリーン!
札幌のきょう、ずっと降ったりやんだりの曇天雨空。
・・・家族的哲学壮大ばなしでじっとりするのは後日にしましょ。^^

ところで戻ってシャイア・ラブーフ君。
今回じっくり彼をご覧になりました私、気づいた点、いくつか。
足の長さはまともに見えるのですか、この方、腕が短いのね。
小柄なりにおカラダ鍛えてらっしゃる感じですが
どんなにがんばっても、腕は長くならない。おまけに手も小さめ。
本編でも言われてましたが単なる"使いっぱしり坊や"に見える。
その"使いっぱしり坊や"が前作から引き続き、
いいもんロボットと共に地球を救うわけですな。

前作のヒロインの顔も名前も覚えちゃいませんが
今回は"使いっぱしり坊や"よりアタマひとつでかい
"不機嫌なキャメロン・ディアスもどき"の娘っこ。↓



アタマ悪そうな面構えにまるでバービー人形のような体型、
演技は演技以前の学芸会。
こちらも添え物とはわかって観ておりますが
生業モデルの方が三日ばかし練習して出てきましたけど〜いかが〜?
マイケル・ベイさんはきっとバービー人形がお好きなんでしょう。^^

始めのあたり、合成ケネディさんや合成マクナマラさん、ニクソンさん
など出てきたりお話は60・70年代米ソ月着陸競争のあたりからも
もってきたりして大層「宇宙戦争」のように壮大に広がっていたり
ほんの一瞬だけこれは「エイリアン」から雰囲気もってきたん?
いろいろさまざま工夫なされて結局はいいもんロボットとわるいもん
ロボットの戦いまでの道のりを約3時間近く、大騒ぎベイ監督、
前作をすっかり凌いだ大迫力超破壊場面の羅列もにぎにぎしく
アクビに終始した前作とは大いに期待をはずしてくれて
最後までCGアトラクション娯楽大作として楽しく鑑賞しましたよ。



特に今回、金属ヤマタノオロチみたいわるいもん超絶兵器が
まるでトレマーズのように"のたくり"ながら高層ビルを襲撃する
描写は、近頃この手映画としては絶句部門ならグランプリ!
この場面だけ私としては時間的にもう2分ほど長くやってくれたら
もっと嬉しかったかなぁ〜!(笑)
盛んにトランスフォームするロボットたちのためには
抜群の立体的3D画面とはとっても相性が良いと思います。
何が何だかわからんうちに別物体に変わってしまった前回より
3Dの今回の観やすかったこと!観やすかったこと!
変身ロボット好き少年などにとってはきっと最高でしょう!
まばたきもせずに観入っていたんじゃないかしら。
朝早かったせいか指定席を埋める親子づれもカップルも
最初から最後まで水を打ったように静かで
とても気持ち良く鑑賞することができました。
(あれはきっと画面に吸い寄せられて"固まって"いた?
ええ〜、ワタクシも固まっておりましたよ〜破壊や戦闘場面は)
(笑)



絶賛上映中!
3Dだからこその本作。
I-MAXで観れる地域の方々はぜひI-MAXでね!^^
飽きるほど見たと思うけど(^ ^)予告編です。



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2011年06月01日

トスカーナの贋作



アッバス・キアロスタミという人は
多分に女性的なところがある映画監督ではないのか。
観終わりましてふとそんな気が起きたりもして・・・



仏語、伊語、英語が飛び交い舞台はトスカーナにての
変形中高年恋物語。
95年にリチャード・リンクレイター監督で「恋人までの距離(ディ
スタンス)」(イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー共演)という
男女が何時間も街を彷徨う映画がありましたがあちらは若い、
こちらは2世代ほど大人ですから各自歴史がある分少々ねじくれてる。

ふらりと入った食堂のおかみさんに15年連れ添う夫婦と
勘違いされたまま、いまさっき知り合ったばかりの主人公男女は
トスカーナの街をプリテンド夫婦のお芝居をしながら徘徊するお話。

キアロスタミさんはあくまでも大人のファンタジーとして
楽しんでお作りになったようですが、いかんせんこうなる設定と
会話の内容や特に男性側の心の動きや変遷に想いを
馳せられなければちょっとした気のゆるみを狙って
睡魔の大群に絡めとられるかも。^^



"いつの間にそげな派手なイヤリング、バッグに忍ばせてきたのさ〜!"(笑)

すでにハートマーク全開のヒロイン演じるビノシュはさすがの巧さ。
顔比較的小さいわりに首から下はかなりリッパ体型などもろともせず
パワフルな恋する女でぐいぐい物語を牽引して行きますね〜
口角ちょいと上がった笑顔のチャーミングさは相変わらず素敵です。



いかにも知的な教養人という感じの作家を演じたウィリアム・シメル
さんという紳士、この方、オペラ歌手さんとか。お品よく
楚々とした見てくれは今時珍しいほどの大人のオトコ風情ぶんぶん。
役柄的にも知らず知らずの内にオナゴに惹かれるまま
一枚噛んでしまってズルズル来てしまいました感強しなのですけれど
サザエさんと同じく表情が5種類くらいしかなくて残念ながら
芸達者なビノシュの前では時に演技固く時に薄く感じられましたが
静かな明暗から意を決するまでのあの終盤カットの中にいる彼は
とても素晴らしいと思いました。
それにも増して突然、線引きしちゃうエンディング効果の絶大さを
熟知しているキアロスタミさんの演出はもう最高!

〜 本物であろうが贋作であろうが見る側の視点こそが大事 〜

少々人生に疲れた男女の彷徨を見せながら
観る側の意思を探るかのようなそんな含みももたせて
なかなかの味わい深さを感じさせる"知的な"1本でした。

ちなみに
人生の垢にどっぷりまみれたvivajiji的思考といたしましては

   おおよそ 知的な男ほど

   あげな ようしゃべるオナゴとは

   決して ネンゴロ には ならない のですがね〜(^ ^)



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2010年12月24日

トロン・レガシー



今拝見しますとこの気恥ずかしくなるようなポスターの
82年版オリジナルは存在だけは知っておりましたが
「トロン」!何とボヤけた題名か!とちらと脳裏をかすめただけで
とうぜん未見な上に題材的にも内容的にもなんの興味もなかったのですが



よく行く札幌ファクトリー内ユナイテッド・シネマで一番大きな
11番スクリーンが「I・MAXデジタルシアター」として生まれ変わった!
とのことでしたので観て参りました最近作「トロン・レガシー」。

何年前か忘れましたが当地初のこのシネコンが誕生した折の「売り」が
そもそもこの巨大な11番スクリーン。
記念すべき第1回目上映が確か「ローリングストーンズ」の
熱狂ライヴステージの映像だったはず。
超ワイドの横幅に加え床から天井までびっちり映し出される大写しの
ミック・ジャガーの歌とパフォーマンスそしてお腹にドシドシ来る音を
「体感」したかったのですが雑事に追われてトッピンシャン(笑)
気がついた時にはすでに終了していて私にとっての「I・MAXシアター」は
2回目上映、峡谷を小型飛行機で飛び縦横無尽に撮影したという
「グランドキャニオン」が初鑑賞。
その後数作品観ましたがいわゆるネイチャードキュメンタリー作品ばかりで
平たくいえば「ディスカバリーチャンネル」ものがドでかいスクリーンに
映し出されているという感じのものばかりでいわゆるアトラクション的
娯楽性を求めるむきには「今週はぜひあそこへ観に行こう!」とは
ならなかったようでいつしか巨大スクリーンに大きなサビオを貼ったような
普通サイズの映画がかかるようになりましてね。(笑)
何せ大きな画面が大好きな私としてはこの11番スクリーンに来るたび
「もったいないなぁ~」
「スクリーン全部使ったみっちみっちの大映像巨編観たいなぁ~」と
思っていました・・・・ところへこの朗報でしょ!







結論から申しましょう。(笑)
一番最初に出てくる「これはどこそこの最新3D映像ですよ」という
おそらく宣伝スポット(数十秒ですが・笑)映像がいっちばん「凄くて」
目に来て、お腹に来ましてね~こんなのが2時間続くのかしら~って
期待したところまでがワタクシの「花」の時間でございました。(^ ^)

それでは誠に勝手ながらいつものように数行感想で・・・

 お背中パルック装着黒装束電飾もじもじ君たちが

 やたら電力酷使の蛍光管使い放題の3Dと言いながら

 これまたどうしたことか至極「平面的」に見えるネオンでできた

 「設計図」のようなところで相も変わらず

 「お父ちゃんはボクを捨てたべ!」

 「うんにゃ、そうでない、帰るに帰れなくなったんだ、お父ちゃんは!」

 「ボクちんは、すんごくさびしかったんだからな!」

 「おおお、息子よ、お父ちゃんがわるかった、許しておくれ!」

 「わわわわわ~~~~(轟泣)お父ちゃ~~ん!愛してる~~~!」

 ってなお話の間に ところどころにブーメランのような投げ輪のような

 闘いが挟まっておりますです、はい。

 ・・・・・

 「あ~~~~~あ」と腰のばしながら急傾斜の席を立って

 お手洗いで用を足し化粧室の鏡を見ましたら目と目の間には

 3Dメガネのせいでハトの鼻筋にあるみたいなポッチがくっきりと残り

 「これで2千円とは、ちとエクスペンセヴではにゃ~か」とか

 脳裏をジャカスカ横切りましたがね~~

 (注:私の場合シニアで500円安・・でしたが)(笑)

 (もうひとつ。同じような光色画面と構成で中途数分でしたが

  首が思わず~トロン~となりましたことを付け加えておきます)^^




ダフトなんとかさんより、閉鎖されていた80年代のゲームセンターに
電力が入ると突如流れてきたレトロなこの曲に一瞬ウルリっと・・・(^ ^);

       ♪♪♪

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2010年06月12日

病いか、ボケか、深夜のピーピー




 爪楊枝刺した熱々のビニールの袋を開いて
 今まさに大きな口をあんぐ〜り!
 食べたかったぜ!何年ぶりだべ!札幌大通り公園夏の風物詩
 札幌市観光協会ご用達焼きトウキビ1本300円也!
 
 今まさに私がひと噛みするかしない内に目ざとく
 目の前にヒョコヒョコあらわれては小さな首っこ傾げて
 モノも言わず


  「 自分ばっか 食うな おいらにも くれ〜! 」


 と、

 道産子ピジョンのマナコは激しくのたまう、のもいつもの風物詩なり。^^


 焼きたては嬉しいが
 熱くてこれが本体さえ持てないと来た。
 誰しも考えるハーモニカを吹くみたいには到底いたらず
 直立、そう、立てたまんまの状態で袋をめくりながら食すハメになる。
 これがやたら、食べにくいったらありゃしない。
 しかし、熱いうちが「花」っしょ。うまいっしょ、ってなわけで
 朝ていねいにていねいに描いてきた口紅も何も放射状に広がろうが
 見つめるハトにも前を通る人にもこの際かまっちゃいられません。
 そうです!
 札幌大通公園の焼きトウキビには恥も見た目もかなぐり捨てて
 わき目もふらずかぶりついてこその北海道民の道民たる、そうです!
 トウキビ・アイデンティティーがあるのでっす!(^ ^)(- -)

 そうです!

 夏の札幌、大通り公園のトウキビ売り屋台のおばちゃんに頼む時は

 必ず

  「 トウキビ!1本!くださいっ! 」っと言いましょう。

 まちがっても

  “とうもろこし”などと気取って言ってはなりませぬぞ。

 必ずや

   味の落ちたブツ1本が貴方に手渡されるはずです。ガハハ。^^


 おっとトウキビの話しばかりしている場合ではないのです。

 本日のお題、病いかボケか、このところトンチキなアクシデント頻発。
 「ボタンのかけ違え」
 「左右のピアスの如実なつけ違い。右が米粒大光りもの、
  左がデッカい金属製輪っか。散々話し込んで帰宅し気づく始末」
 「頭にメガネ、目にもメガネかけて段違いメガネおばさんウロウロ」
 ・・・・・
  
先日のこと
こういう観るもムザンなレンタル邦画を観ておりました。





別にクサそうな世の中明るくない童貞たる男子に
さしたる思いも慈母観音的真心も一切皆無なのですが
原作者小谷野敦氏の



を、以前、面白おかしくイッキ読みしましたし




続本も調子こいて買ってまで読みましたもんですし
正直な話し久しぶりゲオに行ってもめぼしく観たいものが
無くて無くて・・・・
その日は夜も更け、10時頃から観始めました。
案の定です。

台詞の音、小っちゃくて、聞えません。

しばらく我慢していましたが



これに登場していただきまして
カッパリと両耳に装着完了いたしまして
長いコードの先を持ち
深夜、TVの差込口を探すおばちゃんひとり・・・




つい数ヶ月前
私の部屋で使っていた三菱テレビを次女に進呈。
買い替え大好き母は喜び勇んで今度は東芝テレビを購入。
購入以来はじめての「台詞聞こえん」事態発生なり。
やたらスリムな黒光りバディテレビのジャック差込口を
探し求めることかれこれ10分経過、結局説明書を開くことに。
やっと日本語が聞えるようになり

「ああ〜室町や鎌倉の山奥の世捨て人じゃあるまいしこの現代に
やっぱり30のミソラまでいたすことをいたさないで来たヤカラの
薄らヤボテン朴念仁男のやりそうな言いそうなコトね〜・・・」

かっぱりヘッドフォン頭でボサラ〜っと観るおばちゃんの耳に
台詞の間を縫う何やら〜ピーピーピー・ピーピーピー〜と長渕ブザーが!

すわっ!

あわてて台所へっ。

夕食時、焼肉がコゲたものですから重曹水をはって火にかけたままの
フライパンがもうもう煙の中でがっつり焼き上がっておりましたよし。
文明の利器ガス台は20分以上たつと消える仕組みになって有難や
でしたが全室、窓という窓を開け放ちましたがそのコゲ臭気は
翌朝まで残るほどでございました。くわばら、くわばら。

 「童貞放浪記」などというどうでもいいような映画を観ながら
 いよいよ来たのかボケか病いか
 とんでもない深夜の“煙放浪記”のおそまつ、これにて。(- -)^^


 〜追記〜


  《 ちゃんと台詞、しゃべんなさいよ、あんたがたっ!! 》 





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2010年06月05日

チャールズ・ロートン




 「ローレンス・オリヴィエの台詞回しは好きだな〜

  チェールズ・ロートンの芝居は恐ろしくてな〜〜・・・」

 先日観た半生伝記もの故チャーチル首相さんのお言葉だそうです。

 
 ひとの好みは如何ともしがたいものでございますが
 おそらく映画や芝居の1本も観なくても痛くも痒くも恥ずかしくもない
 どこぞの小国官吏とは大いに違って一時は戦争政治屋と
 言われたにも関わらず戦後は見事に国の主として返り咲いた
 英国有名人人気投票歴代1位を維持しあのダイアナ妃人気の上に
 堂々と君臨する強引辣腕政治家そして大いなる皮肉屋ウィンストン・
 チャーチルがいかに舞台・映画・書物をはじめとする諸々の文化
 芸術に明るかったか上にあげたこのつぶやきひとつで
 すでにわかろうかと・・・・


朝も早よから交通費かけて最新作を観ては
そのほとんどはがっくり来るもののオンパレード・・・

「また、これか・・・」
「かけてるおカネもったいないっしょ」
「こんな表現・話しのために大勢の人使ってからに」
「ひとバカにするのもいい加減にしなさいよ〜」
「あ〜〜〜あ・・・・」

ブチクサ言いながら
家に帰って
やたらレトロな映画を観ては
ホッと息をつく日々・・・




 チャールズ・ロートン。

 冒頭のいかにもおかしそうに笑っている彼の
 若かりし頃のお写真でしょうか。





 1899年生まれ、1962年に60代はじめで亡くなっております。

 幾多の出演作品の中で私が鑑賞したのはほんの数本
 チャーチルさんもおそらくこれを観たと思われる代表作
 「ノートルダムのせむし男」も未見です。
 (スチール観るだけでもその形相メイクがやたら怖い)
 拙記事にしているのは「パラダイン夫人の恋」「情婦」のみ。





 有名作「旅情」の前年にデヴィッド・リーンが作り上げた傑作喜劇
 「ホブソンの婿選び」
 後年ワイドスクリーンを縦横無尽に使い切ったスケール大きな作品を
 まかせられたリーン監督、下町老舗靴店を舞台に傍若無人な父親
 (もちろんC・ロートン、笑)と適齢期を迎えた娘2人と、とっくに
 それが過ぎ去ったところのしっかり者長女、そして腕は一流だが
 純朴だけが取り得の靴職人などが織り成す人情ドラマ。

 


 コミカルな中にもかつて如実だった男尊女卑の思想そのものを
 惜しげもなくその言動にブチまける傲慢かつどこかヌケていて
 憎めない父親をロートンは舞台狭しと、あ、いやスクリーン狭しと
 好演しております。

 店をずっと取り仕切る賢い長女が選んだ「婿」を巡っての
 丁々発止のやりとりは練られたホンもあってかそれこそ巧みな演出が
 全ての場面と台詞と動きにスムーズに取り入れられ
 まるで流れるようにお話はすすんで登場人物も観る私も
 最後は幸せなエンドマークに暖かく包まれます。

   映画はこうでなくっちゃ。(^ ^)





 O・ヘンリーの有名短編5編を5人の監督で撮った
 オムニバス作品「人間模様」(1952)
 
 第1話 「警官と讃美歌」 THE COP AND ANTHEM
     監督:ヘンリー・コスタ
     働かずとも住まい・3食つきの刑務所が一番と豪語する
     初老ホームレスをロートンが嬉しそうに怪演。
     本作の後「ナイヤガラ」でブレイクするM・モンローが
     印象的なチョイ役で登場しています。

 第2話 「クラリオン・コール新聞」 THE CLARION CALL
     監督:ヘンリー・ハサウェイ
     不気味かつ圧倒的な存在感のリチャード・ウイドマークの
     若く薄気味悪い笑い声が耳から離れません。
 
 第3話 「最後の葉」 THE LAST LEAF
     監督:ジーン・ネグレスコ
     アン・バクスター、ジーン・ピータース
     学校の教科書に載っていたときは「最後の一葉」でしたね。
     現在から考えると余りにも哀しくて善意のお話には違いないの
     ですが美しく真摯な役者陣が演じると崇高なドラマとして
     やはり最後まで観入ってしまいます。

 第4話 「酋長の身代金」 THE RANSOM OF RED CHIEF
     監督:ハワード・ホークス
     この中では一番おっとりとすすむすっとぼけたナンセンス的
     可笑しさに終始した作品。アクション、西部劇、ハードボイルド
     戦争もの、コメディとなんでもござれのハワード監督の職人
     わざがここでも発揮されている小品。

 第5話 「賢者の贈り物」THE GIFT OF THE MAGI
     監督:ヘンリー・キング
     O・ヘンリーを知らずともこの有名な夫婦愛の
     お話はご存知のはず。当時、自信なき小心者美男俳優と
     して右に出るもののいなかった(ちと大げさかな?・笑)
     ファーリー・グレンジャーと美しく長い髪を20ドルで
     売る健気な妻役にジーン・クレイトンが扮しています。


  本作「人間模様」と出会ったのは
  あれはすでにDVD台頭から数年たって・・・
  忘れるくらいの何年か前、路上雑踏の中に置かれた山積みワゴンの
  中に掘り当てた中古レンタル落ちVHSテープ、お代は百円也。
  何度観たことか元をとるどころかお釣りが来て来て恐縮するくらい。
  好みの話しでまたまた申し訳ないのですが
  先日しばらくぶりで足を運んだ紀伊国屋クラシック映画DVD
  コーナー、誰も観ない、昔観ても今観てもようわからん
  決して楽しくなき欧州勢いわゆるアート系映画1枚6980円也。
  ・・・
  私にはこの“百円ビデオ映画”が「宝もの」ときたもんだ!^^




 監督もおやりになっていたチャールズ・ロートン。
 傑作の誉れ高いロバート・ミッチャム主演
 「狩人の夜」(1955)
 私の目の黒いうちにぜひにぜひに観たいと願っております1本です。




 「情婦」で共演したエルザ・ランチェスターさんと
  ロートン氏、実生活では“ご夫婦”でしたのね。
  つい最近知りました〜。(^ ^)




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2010年05月25日

月に囚われた男




 その昔かなり偏ったロック通の知人宅にてこの方のCD&LDを
 5時間強、半ば強制的に聴かされた思い出したくもない辛い音楽史が
 ある私でありますので決して心地よい印象は無いのですが、
 月日は巡るよ、あなたの胸に〜私の目ん玉に〜^^

 デヴィッド・ボウイ。
 ああ〜、この方も御年63歳におなりになるのですね〜
 63歳ですからね〜
 すでに大きな息子さんもおいでになられるんでしょうね〜
 ああ〜、観終わってウチへ帰って調べて初めてわかりました
 本作の監督ダンカン・ジョーンズ氏(39才)は
 その昔グラムロック美形貴公子の名を全世界に知らしめ馳せた
 デヴィッド・ボウイの息子さんでありましたとさ。
 デビュー作なんでしょうかね。





  契約期間:3年
  赴任地:月
  働く人:1人
  (ガーディという名のコンピューターロボット1体もおりますが)

  設定がこういうのですから一応ミステリー仕立てには
  なっておりますが長年映画を腐るほど観続けてきた癖と
  いいますか、ああだからこうなってアレがコレだから
  ナニがナニしてほれアレだべさ・・・お話の内容というか行き先が
  始まって20分ちょいで、ひょひょいのひょいっと


    見えてしまう悲しさよ〜〜〜(多いんだな最近こういうの)

    わかってしまうでないのイキショーチンの2重奏ときたもんだに。

    ま、いいさ、いいさ、わかっても、見えても。

    お話が面白ければね〜

    ・・・・・・・・・

    小さいんだよな〜〜〜お話しが・・・・

    大したことないんだなぁ〜〜展開というかオチというか・・・





   シチュエーションだけのイメージにそれこそ囚われて作ったのか、
   肝心の映像のチカラを駆使できるところまで届いていない
   歯がゆさと共に低予算ゆえの稚拙さなのか発想の貧困さなのか
   全編に漂う欲の無さムードに映画おばちゃんは終始イライラ感が
   募るばかり。
   加えて、ペンペン草も生えない荒涼とした月の様子が
   えらく狭く感じるとはこれいかに。

   ウサギ顔ゲイリー・オールドマンの弟分
   これまた小悪党ウサギ顔サム・ロックウェルが
   まさに一人何役もこなし(あ、これで話しがわかってまうか)(- -)
   孤軍奮闘しているわりにパッとしない近未来映画でございました。





 息子さんは月に囚われちゃった男の話をごく小規模に映画化

 去ること34年前には若かりしそのお父ちゃんが

 「地球に落ちて来た男」を妖しく演じましたのね〜(監督はN・ローグ)

 なんとのう宇宙に御縁のある父子のようです。(^ ^)   

    


 



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2010年03月05日

時をかける少女 アニメ版




 筒井康隆の原作は読んだことなし
 もちろんコッペ臭い女優の出た往年映画版も観たことなし
 当然マンガ版(あるんでしょ?)の存在も知らず
 はなっからこの手の

  “ 青春って、いいじゃん! ”

  “ あの頃、キ〜ミは、若かった〜!”

  “ ほろ苦い、コイゴコロばんざい! ぐっすん! ”


 ・・・・まったく無関心。


 ただ
 前夜、録画してあったものを
 ずんだりべったり・・・観る。
 
 無関心なら
 観なきゃいい。

 そうなんです。
 そのとおりなんです。

 でも
 観たんですわ。

 だって・・・
 無関心の期待を大いに裏切って
 あにはからんや
 それはそれは心地よくさわやかだったら
 それはそれはとても映画好きとしてシャクじゃないですか。


 結論。


 ふん。


 ・・・ガキくっさ。


 ・・・・・・


 ところが
 ごっつり雪がふってまた冬景色になった今朝の明け方
 本作の映像が頭にちりちりフラッシュして
 布団の中で感想ともつかないひとりごとをぶつぶつ言ってる
 自分に気がついて目が覚めた・・・・・・




 私には少女時代があったんだろうか。

 あったんだろうな〜・・・・・

 なにせ兄弟いないし

 クラスの連中はことごとくアホに見えたし

 ベンキョはきらいではなかったけれどガッコはまんずキライ

 センセは限りなくダサくカッコわるい大人ばかりで

 近所の大人もやたらモサつくわりに忙しそうで

 近所のニンゲンばかりじゃなく実の親さえもわずらわしく

 カギっ子という名が出る前からカギっ子で

 別にぜんぜん寂しくなかったけれど

 家に帰っても

 「冷蔵庫にプリン、あるわよ〜〜〜〜!」

 の、声もなければ

 そのプリンを他のだれかが先に食べてしまって

 な〜んてことも・・・・ない。

 だいたい

 本作の登場人物の設定は、高校生?

 ずいぶんとオサナイ高校生ではないか。

 私しゃ、小学5年、11歳のときだ

 忘れもしない、それまでキャッキャッ遊び時間に

 組んずほぐれつ興じていた仲良しオトコガキ2人がある日を境に

 まるで定規で線をピッシリ引いたみたいに

 私にクチを聞いてくれなくなり、おまけに下卑た目つきで

 例のあのオトコどもの“曲線部通過”視線を浴びせ始めた。

 その疎外感ショックはかなり後まで私の心に尾を引き

 性的にオナゴを意識し始めた、要はサカリつきの現象だったことを

 後に理解するまで、非常に不快だったことを今でも思い出す。


・・・・・・・・


 あえて言えば
 ハサミ持ってあの長い前髪をジョキジョキ切りたくなる
 チアキという男のコのキャラが理想的にイイね。
 実際にあんなさわやかなオトコガキはおらんがね。
 ましてや
 「未来で逢おう」
 なんてキザなセリフ・・・前髪、なびかして、言うか。

 筒井康隆の考える男のコ像じゃないでしょ、これ。
 女性の考える男のコの理想像だね。
 
 それにしても 何回も言うけど

 これって、ほんとに 高校生?

 ・・・・・

 やっぱり


  ガキくっさ。(笑)

 
♪♪♪


1967年「いつも心に太陽を」という学園映画がありました。
(このアッケラカンとした映画名も今見ると気恥ずかしくなります)
大した映画ではなかったけれどシドニー・ポアチエ扮する先生と
女生徒ジョディ・ギースンが楽しくダンスするシーンが印象的。
やたら大人びた外見の中学生でしたがルルの歌う主題歌が懐かしい♪








 

 

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2009年12月25日

男ってやつは・・・「タンデム」




製作が、1987年。
そんな前の映画でしたのね〜。
洋画シネフィルイマジカ、パトリス・ルコント特集で
20年以上ぶりに観ました。

昨日、病院行きのバスを息子と待ちながら本作の話をすると

「このポスター、僕、知ってる。ウチのトイレに貼ってあった・・」

果たしてまだ小学生だったはずの息子の記憶力に驚く。

だいたいがその頃の私のパターンなんですわ。
映画館で観て感激した余韻のまま、ポスターがあれば手に入れてくる。
その当時はよくトイレのドアを開けるとすぐ目の前にポスターがある・・
そんな感じで気に入った映画を何度も心の中で甦らせ楽しんだもの。
今はいいね〜、ネット情報やらなんやらでいっぱいだもの〜。

ボンネットに頭を突っ込んでいるのは「バティニョールおじさん」や
人情味あふれる教師に扮した「コーラス」のジェラール・シュニヨー。
(リヴィト役)今は完全ツルピカですがこの頃はまだ若く毛もまだある。
映画館での初見ではこのリヴィト役の彼の印象がイマイチ淡めにしか
残っていなくて再見するまでは顔まですっかり忘れていたくらい。
イマジカで観始めて、〜あんら、バティニョールおじさんだわ〜(^ ^);

助手席からいかにもノンビリわれ関せず風情で足を投げ出しているのは
主人公モルテスを演じたジャン・ロシュフォール。
「髪結いの亭主」で初めてお目にかかったときは、なんか妙な踊りを
するヘンテコリンなおっさんやなぁ〜と私には映っておりましたが
絶妙なシニカル・コメディ「タンゴ」のあの情けない寝取られ夫の彼を
観ているうちに、そして極めつけ「列車に乗った男」でのロシュフォール
を観たときには、“こいつ、タダモノ俳優にあらず!”と、納得。
考え違い、思い上がり過ぎ、ええカッコし過ぎ、やたらテンション高い
浮き草稼業のラジオ・クイズの司会者、モルテス。
私は軽佻浮薄です、と自ら教えて回っているようないいふりこき顔、
アンテナつけたオンボロ車と安宿探しの男二人にシケたワンルーム。

落ち目の三太郎コンビに番組責任者は
いとも簡単に打ち切りを宣告する。
チラホラ田舎での公開放送を細々と続けながら、
いつかは真実を相棒に告げなければ告げなければと
思い悩みながら帰る家の無い男たちの
旅はあっちに転びこっちに転びしながら哀しく続くが・・・




やせ我慢で情けない男の話しを描かせるとルコントさんは
いいもん観せてくれるよね〜。
で、やっぱり、残る映画はラストがいいよね。
意外や意外、軽佻浮薄にみえていたチョビヒゲ・モルテスが
最後に男のしぶとさと大きな包容力を見せてくれるのよ〜。(^ ^)

ただね〜WOWOWやBS2と違ってイマジカさんはオッと思う映画も
放映してくれるのはいいのだけれど、画質は良くないしフルサイズで
ない場合も多いし字幕も小さくてね〜そこがちょいと私は不満ね〜。

.........................♪♪♪.....................


ルコントさん、使ってる音楽がこれまた、いいのね〜。^^
「僕の隠れ家」(IL MIO RIFUGIO)
リッカルド・コチャンテ(RICCARDO COCCIANTE)さんが
哀感込めて歌ってます。
抜粋の「タンデム」も、観れます。YouTubeさん、ありがと。
注:最初少し無音ですが、ちゃんと音出て歌ってくれます。(^ ^)





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2009年10月24日

棚の隅




  一つ屋根の下で暮らすことを誓い合った男女が別れるのは
  当初のくっつき合うことからみれば比べものにならないほど
  エネルギーがいる。
  ましてや間に子供がいる場合など、なおさら。
  それにも増して別れるというその事実だけでもシンドイのに
  夫側に子を残して妻が去るというのはいかがなものだろう。
  
  いかがなものだろうなんてエラソーな言い回しを使っているが
  女の私から考えてもいささかどころではなく理解に苦しむ。
  すぐ思い浮かぶのはかの瀬戸内寂聴。
  晴美という名で次々と問題作を発表し流行作家になる前の話と
  記憶しているが、彼女は自書の中にもはっきりと“子供を置いて
  私は家を出た”と記しています。
 
  人生にはさまざまのシーンで重大な岐路に立たされ今決めねば
  1歩も前に進めない事態にも遭遇することもきっとあるでしょう。
  しかし己れの腹をいためた子を置きかつて夫という名であった
  男の元を去るというのはどういう複雑な心の軌跡があったので
  しょうか。


  連城三紀彦の短編の映画化。
  「棚の隅」
  大杉蓮扮する本作の主人公は夫として男として最悪のパターン。
  乳飲み子だった息子を置いてある日妻に突然出ていかれたんです。
  おそらく実家の老親にでも助けを求めたか、それでなければ
  「クレイマー・クレイマー」のホフマンのように孤軍奮闘
  しながら日々育てたのか。
  
  おそらく本作観た方少ないと思うので言っちゃいますが
  まんず説明不足というか観る客の納得するヒントを全く
  見せてくれないで思いっきり薄らボカしたまま物語が進行
  します。進行しますったっていかにもドラマドラマしてます、
  という進み具合でもありません。
  ふだん、ビール片手に野球やサッカー中継に夢中になっている
  ハズバンドや同居人などとは絶対観てはいけません。
  男性ならまんず10分以内に爆睡しますね。(^ ^)

  監督さんはこの間公開されたらしいんですけれど
  私は未見でしたがWOWOWさんで先日放映された「休暇」の
  門井肇監督デビュー作。
  ほんとうに久しぶりにのぞいたGE0でレンタルしたDVDで鑑賞。
  前回の記事から少し開きがありますでしょ? 次にあげる記事は
  決まっていたのですが(映画関連以外の話ですが)、DVDを
  観てから何日も経っているのにもかかわらず途中で録画してあった
  この監督2作目「休暇」を観たせいなのか、どうも気になって
  仕方がない日が数日続きましてね。
  みなさまはこういうことございませんか?
  はっきり言ってさほどの作品とも思われないにもかかわらず〜。
  観て字のごとし。
  “棚の隅”にしまいこまれてあっという間に忘れられて
  しまいそうな“希薄”な印象の映画です。


  .......................................



  乳飲み子のわが子を置いて出た妻は
  8年後のある雨の日、細々とおもちゃ屋をひらいている元夫の
  店の前に赤い傘(だったと思う)をさし、たたずむ・・・・・
  棚の隅にあった車のプラモデル、黄色の半額シールのついたのを
  元夫の店主の止めるのも聞かず“元値でいただくわ”と金を握らせ
  店を出る。
  幸いにも息子が何歳になった時に娶ったつぎの妻なものか
  これまたえらく淡々飄々とした後添えの女も与わさりなんとか
  静かな生活をしている主人公の前に突如現れた元の妻。


  彼女は、まだ若いのですね〜。
  棄てたその後の子供をむらむらとその目で見たかっただけ
  なんでしょうね〜。
  キャリアに裏打ちされた現在からふと過去の自分に戻る誘因が
  どこかにあったはずなんですけれどボサラーと観ていると
  スララーと過ぎていく時間だけが画面を横切っていつのまにか
  エンディングタイトルになるか・・・眠りこけるでしょう。(笑)

  あまりにも学芸会並みに説明過多のそれも困りものですが
  門井監督、説明しなさ過ぎでしょう、これは。
  文字は書き込みがいくらでもできますが
  映画は映像で観せるもの、語るもの。
  でもただ観せりゃ〜いいってもんでもなくその兼合いは難しい。
  そこがプロだと私は思うのね。
  神業的な巨匠監督だとね、逆に「観せないで、観せる」。
  なにバカなこと言ってると思われるかもしれませんが
  怜悧で緻密でそれでいて人間の機微を熟知している作り手は
  ひとつのシーンで三つのことを語るシャシンを撮る、
  私はそう思っています。
  新人の門井さんにそれを求めるのは無理ですが
  こういう大人のお話を語りたいのであれば、もうちょっと
  工夫して欲しかったかなぁ〜と思ったものですから。

  
  「離婚しない女」
  「恋文」
  そして、「もどり川」。

  男と女の機微を淡く妖しく語って連城三紀彦原作、
  男と女の粘るエロスを描写し続けて天下一品、神代辰巳監督!
  エロスにだって別れの悲しさにだって「気骨」ちゅうもんが
  必要なはず。 あっ、思い出しました、
  いまどきの太宰なんでしょう「ヴィヨンの妻」^^;
  いまどきの連城なんでしょう・・・「棚の隅」・・・


  「休暇」記事も書くつもりでしたのに〜(- -)^^

  次回にしましょう。
  
  

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2009年09月29日

扉をたたく人




言わんとしていることは素直にすっかりわかる。

元々が移民で成り立っているアメリカのお話なんですから

異人種間の軋轢やなんやら大国が抱えている現実的な問題と

かたや、よく言えば控えめ悪く言えば生きる姿勢があまりにも淡白な

主人公、初老の大学教授の目の前にふってわいたように現れた

“visiter(来訪者)”をキッカケとした晩年再生物語。


来訪者が持ち込んだアフリカの民族打楽器“ジャンベ”の

魅力に取り付かれた主人公を演じた俳優リチャード・ジェンキンスを

はじめから念頭に置いて作られた映画だそうである。

40年も脇役オンリーだった彼をぜひとも主役にしてこのような内容の

お話を映画にしたい!っという熱意は十分伝わってくる秀作と思います。


思いますが、観終わってやはり何か引っかかるのよね〜。


監督自身も俳優であるトム・マッカーシー。
ご自身もあっさりした方なのかもしれませんし
あくまでもジェンキンスのさんわり渋めの持ち味を生かした
演出と展開になっているのはわかるのですが、あまりにも
展開がすんなり過ぎて、映画的にはもう少しヒネリが欲しかった
かなぁ〜というのが正直な印象・・・。

しかし、昨今、ド感動、ド迫力、大騒ぎの映画が跋扈している中に
あって、こういう静かに揺れ動いて光りを見つける主人公を優しく
見つめる作品があってもいいな、とも、思いました。^^
札幌ではただ1館、シアターキノだけでの上映です。

11月にはDVDが出るそうです。早過ぎませんか?
「いいや、この手の映画はDVDで」、それもいいでしょう。
でも、映画は・・・・・・でね。(^ ^)

すっかり観たような気になる(- -)本作のサイトも載せます。↓

http://www.tobira-movie.jp/

.........................................


「・・・・“ふり”をしているだけさ・・・」

一瞬立ち止まってしまう意味深な台詞がありました。

即、この曲を思い出しました。

「pretend」ナット・キング・コールです。









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2009年05月24日

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)




   実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(2007)190分


監督: 若松孝二
製作: 若松孝二
プロデューサー: 尾崎宗子 大友麻子
企画: 若松孝二
原作: 掛川正幸
脚本: 若松孝二 掛川正幸 大友麻子
撮影: 辻智彦 戸田義久
美術: 伊藤ゲン
音楽: ジム・オルーク
照明: 大久保礼司
録音: 久保田幸雄
ナレーション: 原田芳雄

出演

坂井真紀  遠山美枝子
ARATA   坂口弘
並木愛枝  永田洋子
地曵豪  森恒夫
伴杏里  重信房子
大西信満  坂東國男
中泉英雄  植垣康博
伊達建士  青砥幹夫
日下部千太郎  山田孝
椋田涼  山崎順
粕谷佳五  進藤隆三郎
川淳平  行方正時
桃生亜希子  持原好子
本多章一  田宮高磨
笠原紳司  高原浩之
渋川清彦  梅内恒夫
RIKIYA  金廣志
坂口拓  塩見孝也
玉一敦也  奥沢修一
菟田高城  吉野雅邦
佐生有語  寺岡恒一
奥田恵梨華  杉崎ミサ子
高野八誠  加藤能敬
小木戸利光 加藤倫教
タモト清嵐 加藤元久
佐野史郎  さらぎ徳二
倉崎青児  松本礼二
奥貫薫  あさま山荘管理人


永田や坂東や森や加藤3兄弟はもちろんのこと
クレジットされている人名のほとんどに
ガッツリ見覚えがあることに複雑な気持ちが走るわね〜。

1972年・・・37年前の2月28日
たしかその1週間ほど前からだったと思う・・・
全てのテレビ局が「この事件」の実況中継だった。
「君の名は」で銭湯の女湯がガラガラだったなんてもんでない、
札幌冬季オリンピックで笠谷が飛んだ飛んだ、なんてもんでない、
219時間のろう城でしたんですと。
水攻め、ガス攻め、騒音攻め、親族の説得、
その間を縫って犯人からの発砲、実の親にも発砲する場面も。
苦肉の鉄球作戦も笑ってしまうくらいに仕事半ばで止まってからに。
何せリアルタイムですからね〜。
とうとう突入、逮捕された最終日は視聴率90%を記録ですと!
事件の詳しいことはこちらでどうぞ。

映画は、相変わらず国民感情を無視した政治体制が凝縮して
あらわれた60〜70年代初めの不穏なわが国の情勢を足早に
ドキュメント映像で見せ、時にまたたくまに広がった全国各地の
大学で巻き起こった学園紛争を発端・足がかりに成立した思想集団、
連合赤軍メンバー尖鋭の数十人が革命貫徹のための武力行使を
名目に金と武器を強奪し厳冬の山岳アジト暮らしを経て警察に追われ
"あさま山荘"に逃げ込み女性管理人を人質にとっての1週間、
全国放送されたあの逮捕劇までを時間どおりに克明に描いています。



時計を見ぃ見ぃ3時間10分。
おそらく
全部を語るにはこれだけでも足りなかったんじゃないかな〜。
山岳アジトでの総括オンリーの惨殺場面は実に丁寧に時間とって
描いております。1時間以上あったでしょう。
先日の「チェイサー」に続き、暴力描写のオンパレードであります。
こちらももちろん実際の事柄、私と同じようにあの時期を通り過ぎた
方々もまだまだたくさんいらっしゃるでしょう。

もうすでに風化しかかっているあのオウム真理教事件でも
ドン・麻原が捕まってから後にボロボロボロボロ悲惨な実態が
判明しましたよね。この事件もそうでした。
あの「あさま山荘」に辿り着くまでの過程で彼らが行った究極の
自己批判・総括によるまごうことなき「リンチ殺人」の全貌が
連日の報道により明るみに出たときの驚きは二重の恐怖でした。



各メンバーによく似た面立ちの、
オーディションで選ばれた各役者さんたち。
私はちょっとビックリすると同時に嬉しかったりしたのです。
役柄のせいなんでしょうか、各人みな、目が輝いているお芝居なのよ。
昨今の腑抜けたウソ臭く安い芝居をしている若者は
私の観たところ、ひとりもいなかったわ。

「俺が、連合赤軍あさま山荘事件を撮る!」という若松孝二の熱意に
賛同し全国のカンパ(当地シアターキノでも盛んにやってました)に
助けられ、家も抵当に入れ、自分の別荘も提供し、映画制作に挑んだ
監督の強力な肝いりの成果なんでしょうか。



しかし、

人間というのは学習しないのね〜

つくづく思うわ。

こんな人数で冬に軽装備でこんなテッポ持って

なにが武装蜂起よ。

なにが革命よ。

なにが殲滅作戦よっ。

...............

人間の心の中自体、すでに諍いの火種あり。

火種に注がれる各々のコンプレックスという名の油

燃え上がる炎に支配欲・所有欲の風がそれらを煽る・・・

オカネが神サマでまるで魂抜かれたような国民もイヤだけれど

こんな事件が起こるといつも思うの・・・
サティアン(うすら懐かしい響き)も山岳アジトも
汚くて、汗臭くて、不衛生で、センスなくて、カッコ悪くて、
変な字体とやたら語尾上げるイントネーションと
何言ってんだか本人にしかわからない(本人も?)アジ演説。
おまけに
オウムも連合赤軍もトップが揃いも揃ってミッタクナシ!ブサイク!


    革命というものは 美しくないのね、きっと。(--)





 なんやかんや言いましたが
 近頃まれにみる邦画の力作でございます。
 若松孝二監督、71歳!入魂の映画、ご覧あれ。


ちなみに今でこそちょいとしたカリスマ的存在ですが
若いころ若松孝二といえばギンギン、エロと暴力を
ウリとしたヤンチャくさいピンク映画監督。
観たのは「水のないプール」「完全なる飼育・赤い殺意」
そして「寝取られ宗介」どまり。
だっていくら傍若無人な私でも

 「あの〜『パンツの穴 ムケそうでムケないイチゴたち』

  1枚ください」・・・・とは、言えないべさ。(笑)












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2009年05月19日

チェイサー




     チェイサー(2008) THE CHASER 125分 韓国


監督: ナ・ホンジン
脚本: ナ・ホンジン
撮影: イ・スンジェ
音楽: キム・ジュンソク チェ・ヨンラク

出演

キム・ユンソク  元刑事、今デリヘル嬢斡旋業のジュンホ
ハ・ジョンウ  連続猟奇殺人犯・ヨンミン
ソ・ヨンヒ  子持ちのデリヘル嬢・ミジン
チョン・インギ ジュンホの同僚だったイ刑事
パク・ヒョジュ オ刑事
キム・ユジョン ミジンの娘 名前はとうとうわからず仕舞い


    < 本年度最大の衝撃! >

     ・・・・・・・そう〜〜〜かぇぇぇぇ〜?


    < 漆黒の闇を疾走する
    戦慄のクライム・サスペンスの傑作、誕生!>

     ・・・・・・・か、なぁぁぁぁ〜〜〜(--)^^


  あっ。

  結論、さきに書いちゃったべさ。(笑)


  ま、ちょっと聞いてね。


 「ダ・ヴィンチ・コード」のイマイチ感をイッキに
 吹き飛ばしてくれそうな予感が走る「天使と悪魔」を
 観る前に、久しぶりの韓国映画(グエムル以来かしら)を
 観てまいりました。

 何せ、気になって、気になって、仕方がない・・・(笑)

 韓国観客動員数507万人を記録したという本作、
 私が検索した限りではとにかく傑作!力作!おまけに
 必見!の文字が躍る絶賛レヴューばかりが目につきましてね。
 R-15ですから韓国お得意の鈍器によるブッ叩き三昧の
 オンパレードは(この際)大いに覚悟しましてね(^^)
 朝も早よから時折突風の吹く中、北国の桜は今が満開の
 木の下を日傘くるくるさせながらトコトコ、シネコンへ。

  地下鉄2つ乗り継いで近道となるスーパーの
  エスカレーターに足をかけたらば
  
  「あのう、ちょっとお伺いいたしますが?」

   と、私以外だれもいないと思っていたのに

   とつぜん、背後から、同世代とおぼしき女性の声・・・

  「はい、なんでしょう?」

  「映画館へはどうやって行ったらいいのでしょう?」

  「私もそこへ行きますのでいっしょに参りましょう」

   ほっとひと安心の笑みを確認したアカツキには
   だまってエスカレーターに乗っているわけのない私(笑)

  「きょうは何の映画をご覧になるのですか?」

  「・・・・え〜、あの〜、え〜」

   語尾にごらせてこのオバサン、よもや他人に言えん
   ような題名の映画観にきたんか〜〜〜(心の声)

  "私のアタマッコの中、本日の上映映画表、9時台点滅なり"

   さぁ〜て、

  言わぬとなれば、ぜひにでも言わせてみたい性分も点滅(^^)

  「韓国映画ですのん?」

  「・・・・いいえ〜」

  「じゃあ、アメリカ映画?」

  「・・・・いいいえ。」

  「あっ、それじゃ邦画がお好きなんですか〜〜〜」

   それならそうと最初から言えばいのに・・・・・

  本日のこの時間帯で邦画でこの年代層向きといえば

    あれっきゃないべさ。

    なぜ かくす のさ。

    言うの、はずかしい映画なの?

    『60歳のラブレター』っが!!(^^)

  ・・・・

  バツの悪いことは続くもんで
  歯切れのかんばしくないこの奥さまと受付が、私と
  お隣同士になっちゃたんもんね〜〜〜〜〜(^^);

  「チェイサー!9時45分のっ!1枚っ、よろしくね!」

   元気な声の横では

  「ろ、ろくじゅっさいのラブレター、お、お願いしますぅ」

  係のお嬢さんも少しは加減してあげればいいものを
  マニュアル通り、デカイ声で復唱するもんだもん

  「ろくじゅっさいのラブレター!9時30分の回ですねっ!!」
  




  サザンの桑田さんとソン・ガンホを足したようなお顔の
  主人公ジュンホを演じるキム・ユンソク(もっと誰かに似てる
  なぁ〜と思っていましたら、近所のリサイクルショップの店長と
  そっくりのキャラ・笑)。
  ちょいと太めの体型ながらキムさん、走る走る、しゃべるしゃべる、
  怒鳴るは蹴るは叩くは・・・
  韓国系のこの叩き方って面白いのね、
  いきなり頭頂部をバシバシッて平手打ちが特徴ね。
  ホッペタもペタペタからバッシバッシってこれも平手。
  で、それから必ず足蹴りに移るわけ。
  手も足もバシバシ打ってて同時に口からは怒鳴り声。

  なんか訳あり(きっと暴力過多捜査で)で刑事クビになった
  男が今はしがない風俗嬢斡旋業。
  仕事に行ったまんま、デリヘル嬢が帰ってこないの。
  それも何人も立て続けに。
  彼にとっては、おまんまの食い上げなのね。
  金繰りに逼迫してる彼は熱出て休んでるデリヘル嬢をも
  仕事に行かせるの。案の定、この方もお帰りにならない・・・

  頻発する都会での女性失踪事件・・・
  なかなか本腰を上げない怠慢な警察
  全く無防備で安直な性産業の末端で犠牲になる女性たち
  男は欲望の排泄のため、女を“注文”する。
  女はただ単にお金のためとはいえ
  今会ったばかりの見知らぬ男と見知らぬ暗い路地を
  抜けて見知らぬ家の暗い一室に招き入れられる・・・

  韓国で数年前に現にあった連続猟奇殺人事件に
  材をいただいたそうなんです。





   このラストの衝撃はトラウマになる
   後味の悪さは天下一品、1週間も脳裏に残る

   って、誰かさんがリキ入れて書いてあったのよ。


   ぜんぜん・・・・だから。(--)^^

   大したことないという意味じゃないのよ。

   かなり、大したことある描写で演出なのよ。

   でも、映画は、ソレだけじゃ2時間、持たない。

   凄惨な殺しの場面も何回かありますが
   それは現象面だけ見ればそうかもしれませんが
   後を引く類いのものではありません、これは。
   映画として題材はむごい殺人を売りとしていますが
   突然ふってわいたような異常者によって起こされた
   事件に関わり翻弄されてしまう元刑事の主人公が
   過酷な追跡劇の中で打ち捨ててしまった人間性を
   取り戻すというサブストーリーも同時にございまして
   2時間ちょっと全くダレることもなく絵にも迫力もあり
   ちっとも飽きることもなくめでたく観終わったのですが・・・

     なにか、もの足りないわね〜〜〜

     犯人像が不気味だとかという評もありましたが
     私からすれば別段、異色なキャラクターでもない。
     犯人役の男優さん「どこかで観たわ」と思って
     調べましたら私が椅子から転げ落ちたところの
     キム・ギドクとすっかり疎遠になるキッカケ映画
     「絶対の愛」の主人公役の方でした。^^


    どんなに凶器を振りあげ、殴打・連打する姿を描いても
    いかに大量の血しぶき、怒号、悲鳴、命乞いの哀願が
    ひびきわたる酸鼻極まる惨状であっても、映画には
    一筋、胸をかきむしられるような高揚感を呼び覚ます
    「何か」がなければならない。





    ただ、疾走感だけでもだめなの。

    ただ、汚れたヒーローだけじゃだめなの。

    ごく普通の顔した犯人だからといって

    かんたんに恐ろしがってもらっても困るの。


    思い出してみる・・・

    「復讐者に憐みを」「オールド・ボーイ」
    「親切なクムジャさん」のパク・チャヌクに
     あったもの

    「魚と寝る女」「悪い男」「受取人不明」の
     キム・ギドクにあったもの

     そして

    「殺人の追憶」のポン・ジュノにあったもの・・・・


    「チェイサー」

     本作には、なかったのが、至極、残念。





    
   

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