「テノール歌手を貸して」とでも訳すこのミュージカルは、6月2日にプレビュー(試験公演)が始まったところです。

http://www.tenorthemusical.co.uk/

Lend me a Tenor


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月15日からが本公演ですが、多くのプレビューでは、本公演よりも安い値段で切符が買えます。このミュージカルも通常は62.60ポンドの席が40ポンド。私はWhatsonstage.cm のメンバなのでさらに特別割引があって、23.99ポンドで切符が買えました。

このミュージカルは、1934年、アメリカのクリープランドのオペラ劇場が舞台。イタリア人の有名テノール歌手で恐妻家のTito が、ひょんなことから精神安定剤を飲みすぎ、これを自殺したと勘違いした劇場オーナが、助手のMaxを代役に仕立て上げ。。。オーナの娘やTitoの奥さんが繰り広げるドタバタ喜劇は、オペラ「コシ・ファン・ツゥッテ」やシェークスピア劇の「お気に召すまま」を思い出させる仕上がりでした。

Tito
の奥さんのMariaを演じたのは、2度のローレンス・オリビエ賞に輝く名女優Joanna Riding。先月まで同じ劇場で上演されていたミュージカル「シェルブールの雨傘」では、フランス語訛りの英語で傘屋のオーナで女主人公の母親役を演じていましたが、今回はイタリア語訛りの英語を実に達者に使っていました。会社のイタリア女性の同僚の英語に全くそっくりで、つい、ニヤニヤしてしまったくらいです。

劇場オーナの娘Maggie役は、Avenue QのKate Monster 役で好評を博した個性派女優のCassidy Janson。

今回のミュージカルでも、そつなくこなしていましたが、彼女の本当の個性を発揮するまでには到っていなかったのが、ちょっと残念でした。

英語がかなり上手で、しかも英米の文化や歴史背景を知らないと、随所に散りばめられた言葉の遊びについていけないので、どちらかというと、上級レベルの喜劇ミュージカルでした。