先日、「詩(ポエム)セラピー講座」をおこなったとき、
50代のTさんは、今日は胸がザワザワする、と落ち着かない様子でした
お尋ねすると、息子さんが結婚するかもしれない、急すぎて受け入れられないとのこと。
詩を読むと、Tさんは「わかれる」という言葉のところで涙ぐまれました。
小さいころから、昨日までそばにすわっていた大好きな祖父母が急に亡くなった
Tさんの中で、家族が急にいなくなる…という気持ちが、この時に根付いてしまったようでした。
大病を経験した夫は、長生きできるかわからない
息子さんも結婚するか、いつかは海外赴任するらしいから、いなくなる
娘もいなくなるかもしれない
自分はひとりぼっちになってしまうかもしれない
でも最近娘が引きこもっているように感じるから心配。
そこで、Tさんに、自分を中心に家族の位置関係を描いてもらいました。
Tさん=オレンジをぐるりと囲むように、息子=赤紫、娘=ピンク、母=赤
その外側の右に父=黄色、外側の左に夫=緑
色は分解すると面白いということを
カラーセラピーの勉強をした時に学びました。
Tさん=オレンジ=赤+黄色
息子さん=赤紫=赤+赤+青
娘さん=ピンク=赤+白
母=赤
Tさんのそばにいる人たちはみな「赤」をもっていました。
情熱と怒りの色彩です。
そして、母=赤と父=黄色から生まれたTさんはオレンジ=赤+黄色。
Tさんに聞くと、息子さんは、大好きな父に似ている
娘さんは時々コミュニケーションのとりづらい夫に似ている
つまり、Tさんにとって、息子さんは父の代わり
娘さんは夫の代わり
今息子さんは結婚して離れる可能性がでてきた
それをいちはやくキャッチした娘さんが、引きこもるような形を取って
Tさんの側にいるのではないか…
しかも、息子さん=赤紫と父=黄色
娘さん=ビンクと夫=緑は、ほぼ「補色」の関係。
補色とは、互いに一番引き立てあえる、強く関係のある色彩のことだと思います。
この仮説が正しければ、娘さんを外へだしてあげるには
Tさんが夫からも父からも精神的に自立するしかありません。
家族は、誰かの代わりをしたり、ある子どもが家族の足りない要素を補ったり…
とても繊細にエネルギ-を交感しあっているといえます。
それが色彩にでると、もっと顕著でおもしろいです。
そしてもどってもどって…「こんな一つの言葉からここまでわかるなんて」
最後にTさん自身が「詩セラピー」をまとめてくださいました。
何気ない言葉を読み手の心がとらえた時、深い奥底の湖から
ゲストは幾枚もの気づきの切片を、すくいあげてきます。

