ほぼ毎日、起きた時か眠る前に、1日分ずつ読んだ。
1日分というのは、この本がセシルという若い女性が、ロータスの森で精霊術を学んだステファニー先生を思って書いた日記形式になっているから。
読むと、いつも静かで満たされた気持ちになった。
そして昔、本を読んで最後の方になると「あぁ終わらないで!」といつも思った、あの感覚を今回久しぶりに感じた。

仮想空間に生き、食物の代わりに錠剤を飲んで暮らすイシアスの世界から、昔ながらの生活を大切にするベリーヒルズへ来たセシル。
彼女が勤めることになった小学校は、こんな学校があればいいなと思えるところだった。
シュタイナー学校みたいなところなのだろうかと思ったら、本の参考文献に出ていた。
かなりの昔に調べた時、その頃は北海道にシュタイナー学校があり、移住が難しかったので諦めた。
今は愛知県にもある。
子どもたちの感性と自主性を大切に育む学校の様子が描かれていた。
自分が勤めたことのあるM学園もそうだったような気がした。

その人の運命が書いてあるレディ。
怖いような見てみたいような本。
ただ、短命で死ぬことがわかっているクレアという小学生の言葉は涙なしでは読めなかった。

他にも感動したことはたくさんあるけれど、この中に出てくる
季節の食材を使った豊富なお料理は、食べるということがどんなにうれしく感謝に満ちたものか?ということを知らされた。
これらは、実際自分でも作らないと書けないと思う。
知らない料理もあってGoogleで調べたものも。

セシルがイシアスに戻る前、森の精霊たちを元気にするために開かれたコンサート。
その中で歌われた「彼方の光」は、なんと今年のアイリッシュハープの発表会の、私の演目になった。
あ、また間違えてしまった!とガッカリしながら、練習している。
そばにセシルがいてくれるような気がして、この本と一緒に生きているのだなと感じた。

『星は風にそよぐ』恵良五月作

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