先日スピリチュアルボイストレーニングで、金子みすゞの詩をお客様と読みあった。
スピリチュアルボイストレーニングとは、50音や詩や絵本を声に出し、詩セラピー、絵本セラピーを行うことで、自分を解放し、自分らしく声を変えていくメニュー。
それぞれテーマがあって、お受けくださった方は、その中で少しずつ変化していく。なりたい自分がハッキリしていく方もいる。

金子みすゞの詩は、もうずいぶん前に、朗読でなんども読ませていただいた。26年という短い人生の中で、みすゞはたくさんの詩を書いた。
1980年代に矢崎節夫さんに発見されてから、一時期金子みすゞブームが訪れた。

鯨法会

鯨法会は春のくれ、

海に飛魚(とびうお)採れるころ。



浜のお寺で鳴る鐘が、

ゆれて水面をわたるとき、



村の漁夫が羽織着て、

浜のお寺へいそぐとき、



沖で鯨の子がひとり、

その鳴る鐘をききながら、



死んだ父さま、母さまを、

こいし、こいしと泣いてます。



海のおもてを、鐘の音は、

海のどこまで、ひびくやら。


山口県仙崎では、採った鯨たちの供養を行っていた。なんと心優しいところなのだろうと思う。
みすゞの詩の朗読は、その頃時野さんといろいろなところでさせていただいたが、この詩を幼稚園で読んで、最後に「おとうさーん、おかあさーん」という呼び声を付け加えたら、聞いていた小さな子どもたちが涙ぐんだのを覚えている。

不貞の元夫に、娘の親権を取られそうになり、自らの死を持って抗議したみすゞは、強い人だなぁと思う。
そしてその膨大な作品は、光と影、喜びと悲しみがあたたかく織り混ぜられている。
声に出して心地よく、わかりやすく人に響く詩。
この頃から、難しさが増していたその頃の現代詩に疑問を感じるようになっていった。

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