voicevoice2のブログ

声についてボイスセラピーで気づいたこと、ちょっとしたアドバイス、絵本や詩についてのカウンセリングについて、スピリチュアルなメッセージを書いていきます。ボイスセラピーの情報もお知らせします。

詩について

『長恨歌』より 「独白(モノローグ)」楊貴妃から玄宗へ

30年前に、「ミルテ」という同人誌に掲載していただいた詩を、耳で聞いてもわかりやすいように書き直しました。
あの時なぜ楊貴妃だったのか?今なぜ楊貴妃なのか?自分でも不明です。
お聞きいただけますと嬉しいです。

https://stand.fm/episodes/67cd5954d75efd2e22f08288

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詩人の川口晴美さんが、体育館のような広い部屋に来てくれて、途中から親しく話す夢を見た。
詩を学び始めた頃、この方の詩に夢中になって、何冊か詩集も買った。
去年、萩原朔太郎賞をお受けになったとのこと。
ネットの写真を見ると、知的できれいな方だ。

先日は、詩人の水野るり子さんが、昨年1月に亡くなられたことを、同人誌が送られて来て知った。
『はしばみ色の目のいもうと』という詩集は、宇宙を感じさせる不思議な色彩に満ちた詩。

うすうす感じているこのメッセージに、まだ自分は向き合えないでいる。
散らばったパズルの破片を、少しずつ少しずつ、つなげていこう。
目をそらさずに。
私はまだ生きているから。

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うれしいこと

ラジオパーソナリティReiさんが、私の本『言霊宇宙』のら行の朗読をしてくださっています。
歌になったり、朗読になったり、え?これは私の詩?と意外に思うくらい、自由に伸び伸びと声にしてくださり、とても気持ちがいいです。いつもじっと聴き入っています。
Reiさんとは、以前mixiで知り合い、その時私が投稿した、クロガネモチの詩をインターネットラジオで流してくださいました。
気づかなかった私は、番組に連絡できなかったのですが、とても励みになったのを覚えています。
その、クロガネモチの詩は、書き直して、この詩集の「き」の神様からのメッセージ、になっています。
お聴きいただけますと、とてもうれしいです。

https://stand.fm/episodes/61a77dba65e6fe000637de7f

https://stand.fm/episodes/61af4097c70af00007f55913

https://stand.fm/episodes/61b0a768c77ad50006c1fe34

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『はしばみ色の目のいもうと』水野るり子さん詩集より

風が吹くとちいさないもうとがたずねて来ます。はしばみ色の目を伏せて 台所で菊の花をゆがいています。
かたわらの鍋で湯があわあわと吹きこぼれています。

…《みずが いっぱい ほしいよ》という声にふりむくと さっきゾウのいた付近から夕月がのぼっています 如雨露(じょうろ)をもってはだしで裏庭におりていくと ゾウは萎えた植物の匂いを立てて臥せっています それは地を這うエレファンタ属というハーブの一種です 遠い星にいつか生えていた薄色(すすきいろ)の草です

…台所でほのかにエプロンが揺れています ちいさないもうとのうしろ姿の近くを 死んだ母が通り抜けていきます(そこはひとつの星です)菊の香りがたたよい 鍋の湯があわあわと吹きこぼれています   「秋のいもうと」より

毎年、この頃になると、この詩集を取り出して、読んでしまう。
生と死、動物と植物、日常と非日常…。
ちいさないもうとがつなぐ両極の世界。
秋分の日に読むとちょうどよかったのかな…と思いながら、本をひっくり返す時間は、なんて贅沢なのだろうと思う。
ねばならない世界に追われて取りこぼしたものを拾って歩くような、そしてその中にささやかな光を見つけて手のひらにそっと包むような、そんな時間を大切にしたい。
いつも、2つの世界は同時に存在する。それを感じて生きていきたい。

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さくら

宇宙(そら)の果てに
身体中の力をためて
放つ
自分のために
私を愛でる人々のために
蕾一つ残さずひらく



春はめぐり
脈々と波打つ血をあたためながら
樹皮をつきやぶって
吹き上げた
どれほど痛くても
いのちを開くのが
わたしだから
生きています



雨に濡れて色褪せて
風に打たれてバラバラになって
それでいい
新緑の葉を身にまとって
またひととせ
いのちを磨きつづけていくから
ひらけ
ひらけ



紅いわたしの花

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お雛様

きっと毎年、出てくるたびに、家や世の中の様子が変わっているので、びっくりしていることでしょう。今年は新型コロナウィルス。気持ちが落ちてしまっている方も多いと思います。日常生活をしっかりして、今しかできないことを実行してみましょう。

お雛様を見るといつも思い出す、大好きな詩があります。

ふゆのさくら   新川和江

おとことおんなが
われなべにとじぶたしきにむすばれて
つぎのひからはやぬかみそくさく
なっていくのはいやなのです
あなたがしゅろうのかねであるなら
わたくしはそのひびきでありたい
あなたがうたのひとふしであるなら
わたくしはそのついくでありたい
あなたがいっこのれもんであるなら
わたくしはかがみのなかのれもん
そのようにあなたとしずかにむかいあいたい
たましいのせかいでは
わたくしもあなたもえいえんのわらべで
そうしたおままごともゆるされてあるでしょう
しめったふとんのにおいのする
まぶたのようにおもたくひさしのたれさがる
ひとつやねのしたにすめないからといって
なにをかなしむひつようがありましょう
ごらんなさいだいりびなのように
わたくしたちがならんですわったござのうえ
そこだけあかるくくれなずんで
たえまなくさくらのはなびらがちりかかる

恋愛のご相談を、たくさんお受けします。たとえどんな立場同士の恋でも、相手を思いやる気持ちは深く、頭が下がります。出会いは神様からのプレゼントだなと思うこともしばしば。そうお伝えすると、多くの方が涙ぐまれます。苦しい方につい気持ちが傾いてしまうからです。
お雛様と向き合うと、2人がじっと自分を見てきて、いろいろ話してきてくれるようです。

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カマキリからゾウガメまで

今朝、運転してまもなく、フロントガラスにカマキリがいるのを見つけました。カマキリはしばらく尾のところを曲げながら耐えていましたが、途中でいなくなってしまいました。
どこか歩道の脇の草むらに飛ばされたらいいのに…と願いながら、停車できなかったため、セラピールームまで走ってしまいました。

岡山で逃げ出したゾウガメのアブーは、無事見つかり、懸賞金が役に立ちました。優しい顔をしたゾウガメに癒されました。
2002年6月24日、ガラパゴス諸島で、たった一頭生き残ったゾウガメ「ロンサムジョージ」が死んだことを思い出しました。
その時に書いた詩です。

ロンサムジョージ

ロンサムジョージ
孤独なジョージ
ガラパゴス諸島のピンタ島で
たった一頭生き残った100歳のゾウガメ
長い航海の食糧として
仲間は大量に捕獲され
人間が持ち込み野生化した
ヤギが豚が野ネズミが
日々の糧の葉を食い荒らし
巣穴に生んだ卵をほじくり
生まれて間もない子ガメを食べ
天敵の来ないはずの絶海の孤島で
ついにひとりぼっちになってしまった

ロンサムジョージ
孤独なジョージ
そのしわだらけの
皮膚の奥にまたたく眼は
深い絶望と慟哭をかくして
静かに何も語らない
繁殖のためにと送り込まれた
1頭の雌のゾウガメにも
もはや何の興味も示さず
全ての望みを削ぎ落して
淡々と
今日もゆっくり歩みを」すすめる
はるかに美しい海を見上げて
最後のいのちの果てる時まで

「名古屋短詩型文学祭」に応募して、初めて小さな賞をいただき、その後詩の世界→ポエトリーリーディング→ボイスセラピーの道へ進みました。
そのせいかゾウガメには、とても親しみを感じています。
カマキリからゾウガメまで、いろいろ考えがおよびましたが、カマキリを助けられなかったことを、今日は少し後悔しています。

風のうたつた歌 立原道造

一日 草はしやべるだけ
一日 空は騒ぐだけ
日なたへ 日かげへ過ぎて行くと
ああ 花 色とにほひとかがやきと

むかしむかし そのむかし
子供は 花のなかにゐた
しはあせばかり 歌ばかり
子供は とほく旅に出た

かすかに揺れる木のなかへ
忘れてしまつた木のなかへ
やさしく やさしく笑ひながら 

そよぎながら ためらひながら
ひねもす 梢を移るだけ
ひねもす 空に消えるだけ


立原道造は、昭和14年、わずか24歳で亡くなった詩人。
この詩を読むと、春を探しに出かけたくなる。
そして、この絵本は、ずいぶん前に北鎌倉の「葉祥明美術館」で見つけた。
美しい緑の風景に心を奪われた。
こんな緑が恋しい日々です。

空のように 八木重吉

空のように きれいに なれるものなら
花のように しずかに なれるものなら
価(あたい)なきものとして
これも 捨てよう
あれも 捨てよう


こんな強さがほしいです。
どんな状況になっても、
泣いたり自分を責めたり、うつむいたりしない自分。
いつも堂々と前を向いて
静かに今の時間を過ごせる自分。
動揺せず、
やたら胸を傷めず、
流れゆく時間の中に無でいられる自分。
どんなに楽だろう、どんなに穏やかでいられるだろうかと思います。
そして不要なものは手放せる勇気を持てるようになりたいです。

春が

はる        谷川俊太郎

はなをこえて
しろいくもが
くもをこえて
ふかいそらが
はなをこえ
くもをこえ
そらをこえ
わたしは  いつまでも
のぼって  ゆける

はるのひととき
わたしはかみさまと
しずかなはなしをした

     『二十億光年の孤独』より

この詩を読んでいると、春の暖かい光を浴びて、どんどんのびていく自分を感じる。
待ち遠しい春。
でも実際、春になってみると
生あたたかい空気を持て余したり、
家でぼんやりしている時間が急にもったいなくなったり、
まわりのすべてがどんどん成長していく中で、取り残されたような哀しみを感じたり…
春は命が萌え出すときだから
ついていきたい、ついていけない、いろいろな気持ちを感じるのだろう。
それでも、春が待ち遠しい。

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