垂仁天皇の妻、沙本比売命(さほびめのみこと)は、皇位を狙う同母の兄、沙本比古王(さほびこのみこ)から、「夫(天皇)と兄(自分)とどちらを愛しているか?」と尋ねられ、「兄を愛しています」と答える。
「ならばお前と私とで天下を治めよう」と、兄は言い、夫である天皇を殺すよう、切れ味鋭い紐小刀を渡される。
天皇が膝枕で眠っている時、沙本比売命は3度小刀を振り上げたが、哀しくて、天皇を殺すことはできず、涙が天皇の顔を濡らした。
天皇は不思議な夢を見たと語り、それは自分と兄の裏切りを表すものだったことから、もう隠せないと観念して、沙本比売命は天皇に全てを語ってしまう。

謀反を企てたことで兄の沙本比古王と天皇は戦うことになるが、沙本比売命は兄を想う気持ちに耐えかねて、結局兄の元へ走ってしまう。
天皇の子どもを、兄と一緒に立てこもった稲城(いなぎ)の中で生み、それを天皇に渡した後、兄は殺され、沙本比売命も兄の後を追って亡くなった。

沙本比売命の兄へ愛は、家族愛にしては深すぎる。
もし自分が沙本比売命だったら、どうするか?
参加くださった方たちと考えた。
迷う
やっぱり天皇を殺せない
結婚して間もないから、やはり夫より兄を選ぶ…。

悲しい物語で、読んだ後も心がモヤモヤした。
沙本比売命はなぜこのような行動をとったのか?を考え続けてみようと思う。

次回は、稲城で生まれた御子の子育ての物語。
昔も今もその苦労は変わらない。
『古事記』は本当に面白いといつも思う。そして考えさせられる。

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