2007年08月11日

世界同時株安とトルコ情勢

 今日は、日本を含めて、世界同時株安の日でした。またしても震源地はニューヨークでした。日本でも、ヨーロッパでも、最新の投資技術を使っている金融機関ほど被害が大ききかったような印象を持ちますが、本当のところはどうだったのでしょうか。
 このような世界的な大波が起こったとき、いわゆる新興国(市場)、エマージング・カントリーはその影響を、拡大して受けます。今や、アメリカがくしゃみをしても、日本は鼻をかむ程度で済みますが、トルコなどの新興国は肺炎を起こしがちになりました。トルコも少しは基礎体力がついてきたと見えて、37度くらいの熱が出ても、2、3日も安静にしていれば何とか別途から出れる程度に成長しました。
 選挙前の急激な株高の反動が起こっていたところに、アメリカ発の大波に揺られて、株価も下がっています。しかし、国内要因は必ずしも「売り」ではないので、アメリカ及びヨーロッパ市場が落ち着けば、秋以降はまた上昇のトレンドに戻れる可能性も十分あると思います。
 ただ、トルコ経済は今のところ「堅調」といえる材料のほうが圧倒的に多いと思いますが、「政治」面では、今後1ヶ月以内に「大統領選挙」が、そして45日以内には「組閣」が待っているので、何事もなく無事乗り切れるのか、それともトルコ社会が大揺れするような事態になるのか、現時点でははっきりと言い切ることは困難です。しかし、理由はいろいろ考えられるとしても、投票した有権者の約46%がAKPを支持した以上、AKPの拡大を快く思っていない勢力も、極端な反対運動に走ることは困難であり、また、トルコ国民の支持も得られないものと予想されます。したがって、政治面でも「なぎ」ではないにしても、「超大型台風の直撃」を受けるような事態には成り難いものと予想します。

 最後に今日の市況について書きます。IMKB(イスタンブール証券取引所)-100は、前場は昨日終値から991ポイント低い、48,683ポイント辺りから恥じましましたが、最終的には292ポイント低い、49,683ポイントで引けました。後場も下げ基調は続き、前場よりも107ポイント低く始まり、最終的に前場よりも496ポイント下落して、49,186ポイントで引けました。つまり、この数値で今週の取引は終了しました。1日の下落率は1.58%に達しました。
 為替は、対ドル・レートは前日比2.12%低い、1ドル=1,3030〜40リラ水準、対ユーロ・レートは前日比約1.72%低い、1ユーロ=1.7780〜90リラ水準、対円レートは前日比2.89%低い、100円=1.1050〜1.120リラ水準となっています。なお、金利も標準国債(2009年5月6日満期)の金利は17.70%まで上昇しており、株も、為替も、国債も、すべて「トルコを売る」傾向を示しています。
 ある意味では、これまでトルコ市場が以下にうまく行っていたかを示しているとも言えます。つまり、最も利益の出ているトルコ市場の利益を確定させよう、あるいは、アメリカ、ヨーロッパで出た損失を、トルコの株、為替などで埋めようとしたとも考えられます。明日はこの点をもう少し考えてみたいと思います。
 
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2007年08月10日

国会議長の選出

 今日は、トルコ国会で議長が選出されました。トルコでは国会議長は、大統領に次ぎ、2番目に外交儀礼上地位が高い存在とされています。ちなみに、首相は国会議長に次ぎ、3番目です。
 今日、国会で450票を獲得して国会議長に選出されたのは、キョクサル・トプタン氏で、前の国会議長のビュレント・アルンチ氏と同様に与党AKPの出身ですが、二人の一番大きな違いは、奥さんがヘッド・スカーフを着用して髪の毛を出しているかどうか問う話もあります。雇う第1党のCHPからも多くの賛成票を獲得したところを見ると、必ずしもうわさばかりとは癒えないかもしれません。

 以前書いたとおり、これで国会における第1ステップが終了しました。次は30日以内の大統領の選出と、さらに45日以内の内閣の確定に関心が移るものと思われます。なお、IMKB(イスタンブール証券取引所)-100は昨日終値に比べて高くない、52,000ポイントを超えて始まりましたが、結局、50,000ポイントを割り込んで、49,974ポイントで終了しました。

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2007年08月09日

観光客数の増加

 今日のIMKB(イスタンブール証券取引所)-100は、アメリカ及びヨーロッパ市場の上昇を受けて、上げて始まりました。前場の取引は昨日終値から約600ポイント高い、51,302ポイントから取引が開始されました。その後も堅調な値動きが続き、上げ基調のまま前場を終わりました。後場も高値圏のまま推移し、後場は52,000ポイントをはさんだ極めて狭い範囲での値動きとなりました。結局、8日の取引日は前日終値比0.99%上昇の52,070ポイントで終了しました。出来高も、18億2700万リラになり、活況を呈し始めたとも思われます。この値まで来ると、やはり私のような素人では判断に困ります。あえて予想を言わせていただければ、国内要因及び海外要因の双方の観点から、株価も短期的には「強気」に戻ったのではないでしょうか。
 為替及び金利は、今日も「強気」で推移しました。対ドルは1.33%リラ高の、1ドル=1.2570〜80リラ水準、対ユーロは0.97%リラ高の、1ユーロ=1.7350〜60リラ水準、そして対円レートは2.61%リラ高の、100円=1.0450〜510リラ水準となっているほか、指標国際の2009年5月6日満期の国債の金利は17.30%水準まで下落しています。

 今日は、7月の観光客について書きます。トルコにとって環境収入はきわめて重要であることは、これまで何度も消化してきました。観光収入を測る上でも、最も分かりやすい数字はトルコを訪れる外国人観光客の数です。これはトルコに限らず、日本を含め、いろいろな国について言えることですが、国民所得(NI)の過多と、観光客当たりの消費額の大小は必ずしも一致しないということです。つまり、ドイツ(人)と比べれば、ロシア(人)も中国(人)も、一人当たりの国民所得は非常に低いのですが、これはあくまでも全ロシア人、中国人の平均であって、トルコを訪れる各国観光客の支出額とは必ずしも一致しません。日本(人)やドイツ(人)、イギリス(人)は1人あたりの国民所得は高いのですが、トルコに来るドイツ人、イギリス人が豊かであるとは限りません。どちらかといえば、トルコへは「安くつく」との理由でやってくるのですが、基本的にはあまり金銭的に余裕のない人々である、ということになります。一方、ロシア人や中国人は、基本的にお金のある人しかトルコ栗田にまでやってきませんので、「金離れの良い、理想的な観光客」になることが期待されます。
 いずれにせよ、今年7月にトルコを訪れた観光客は、全体として、前年同月比16.55%上昇して、362万4千人の外国人観光客がトルコを訪れました。国別に見てみると、第1位がドイツ人で、16.4%増の63万7千人、2位がロシア人で、33.42%増の40万8千人、第3位がイギリス人の13.123%増の、34万3千人でした。これら3カ国以外では、オランダ、フランス、ベルギー、オーストリア、ウクライナ、イタリア及びデンマークが、最も観光客数が多い国になっています。
 必ずしも、観光客数が伸びれば、観光収入が増加し、そして、トルコの経常収支が改善するとは言い切れませんが、それでも、外貨収入が伸び、返済がより容易になるのは間違いのないことです。

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2007年08月08日

iインフレ率 2

 今日のIMKB(イスタンブール証券取引所)-100は、朝から大きく上げて始まりました。朝いきなり51,200ポイントを超えましたが、その後は若干下げ気味で推移し、午前の取引は51,136ポイントで終了しました。後場はやや下げ気味で推移していましたが途中で上昇に転じましたが、結局、そこが天井となり、取引終了まで一本調子で下げ続け、7日の取引は、昨日比0.72%上昇して50,708ポイントで終了しました。1日中昨日の終値を割り込むことはありませんでしたが、出来高が12億6千万リラしかなく、大商いのときの半分しかありませんでしたので、まだ、方向性を探っている状況に変わりはないと思われます。
 為替は昨日比で若干リラ高傾向を継続しています。対ドルレートは昨日比変わらずで、1ドル=1.2740〜50リラ水準、対ユーロは昨日比0.34%リラ高の1ユーロ=1.7520〜30水準、対円は昨日比0.37%リラ高の100円=1.0710〜70リラ水準となっています。なお、国債も、2009年5月6日期限の指標国債の金利は17.37%まで低下しています。
 ここ数日間とほぼ同じで、為替と金利はやや強含みで推移していますが、株はまだ方向性が定まっていない状況と思われます。

 次は昨日の続きで、インフレ率ついてです。インフレ率に関する全体像は昨日書きました。今日はもう少し細かく見てみたいと思います。
 昨年8月から今年の7月までの1年間の消費者物価上昇率は6.90%(7月は0.73%の下落)でしたが、主な項目のうち、7月の上昇率が最もが高かったのは教育費で0.72%でした。その他の項目の上昇率は次のとおりです。住宅費(家賃)0.55%、レストラン・ホテル代0.48%、娯楽・文化0.24%などです。一方、値下がりしたものは次のとおりです。衣料・履物7.71%、通信費1.41%、食品・ノンアルコール飲料0.71%、交通費0.03%など。なお、より詳細に品目別に見てみると、7月に最も値上がりしたのは国内パック・ツアーで24.5%。これん続いて、レモンが22.92%、きゅうりが19.73%となっており、やはりここでも農産物の値上がりが目立ちます。ただし、下落が最も大きかったのはスイカの30.97%とのことです。
 業種別に生産者物価を見てみると、今月も農業が0.38%上昇したのに対し、製造業は0.01%の下落となっており、「伝統的なトルコの夏」とは様相が異なっています。これが一時的なものか、長期的な傾向となるのかは今年だけで判断することできませんが、もしも長期的なトレンドということになれば、物価上昇率にもトルコ社会の変化が現れていることになるのでしょう。

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2007年08月07日

インフレ率

 今日も市況からはじめます。
 IMKB(イスタンブール証券取引所)-100は、朝大きく下げて始まりました。取引開始早々、今日の最安値(49,749ポイント)まで下落しました。その後やや持ち直したものの、船場終了にかけて再び下落し、50,011ポイントで取引を終了しました。後場は50,200ポイントから50,400ポイントのボックス内で株価は推移し、結局、先週末比0.57%安の50,429ポイントで取引を終了しました。
 一方、為替はリラ高傾向となっています。対ドルは先週末比0.47リラ高の、1ドル=1.2740〜50リラ水準、対ユーロは先週末比0.11%リラ高の、1ユーロ=1.7580〜90リラ水準、対円は先週末比0.37%リラ高の、100円=1.0750〜820リラ水準となっています。しかし、金利(=国債)は、2009年5月6日満期の指標国債の金利は先週末の17.36%から、17.44%に上昇しています。
 株、為替、金利だけを見ると、国内的には弱気ないし模様眺め、しかし、対外的には季節要因(観光客の増加によるリラ高?!)のために強含み、ということになります。ただし、これは超短期の見方であり、トルコ国内政治動向などを注意深く見極めるまでは、中長期については何も言うことができない状況が続いています。

 先日、最新のインフレ率についてお知らせしましたが、その分析が出ていたので、手短に紹介します。見出しは、
 「インフレ率は、37年ぶりに最も低い水準となった」です。1970年以降出始めて、消費者部下が年率6.90%まで低下しました。日本では、6.9%のインフレ率はもう何十年の見ない「高い」数字ですが、トルコにとっては37年振りに見る低い数字です。「日本とトルコはよく似ている」といわれますが(どこが?、というのが個人的な感想ですが、、、、)、インフレについては全く似ていません。極端な言い方ですが、日本ではここ10年間はインフレではなく、デフレでした。一方、トルコでは30歳、それどころか40歳以下の人は一桁台のインフレを知らず、物価は毎年最低1.5倍、悪いときには毎年、倍倍になると思って育ってきたことになります。なお、生産者物価は2.08%の上昇でした。
 次回はもう少し詳しく分析してみたいと思います。
 
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2007年08月05日

トルコの新国会

 私のブログを読んでくださっている方にとっては関心事(?)と思われる新国会について書きます。
 日本でも7月29日の参議院選挙を受けて、8月7日に臨時国会が召集されることになっていたと思いますが、トルコでも7月22日の総選挙を受けて8月4日の国会が召集されました。トルコの国会議員は当選後国会の初日に、「トルコ共和国のために働く」ということを延々と、しかも一人一人宣誓していきます。かつては、「テュルバン」とよばれる、実際にはかなり新しいタイプで、イスラム色を強く出しているといわれるヘッド・スカーフをかぶったまま宣誓しようとした女性議員もいましたし、「クルド語」で宣誓しようとした議員もいました。この辺りが、トルコ特有であり、かつ、普通の日本人には極めて分かりにくいとことですが、前出の国会議員(主に女性)は大多数の国会議員の罵声、非難、叱責を受けて、目的を達成することができませんでした。トルコの2つの重要な原則に、チャレンジする行為だったからです。その二つとは長い説明を一語でまとめてしまえば、「政教分離」と「トルコの単一性」です。
 「政教分離」と「トルコの単一性」は、いずれもトルコ共和国の成立と密接に関係しています。トルコ共和国はオスマン帝国が崩壊する過程で、オスマン帝国の軍人であったムスタファ・ケマル将軍とその賛同者の指導によって成立したといっても良いでしょう。勿論、現在のトルコの領土内に住んでいた多くの人々の賛同と自己犠牲によって実現できたものです。ムスタファ・ケマル将軍の理想は、後から理論付けた場合、上記の政教分離とトルコ主義に基づいたものであったと考えられます。オスマン帝国は広大な領土の中に、多様な民族を含んでいました。オスマン帝国は、19世紀には加速度的に領土を失っていき、第1次世界大戦の敗戦により崩壊は決定的になりました。その際、オスマン帝国の中心であった、現在のトルコの領土と独立を守ったのがムスタファ・ケマル将軍、後の第1代トルコ共和国大統領のアタテュルク大統領です。彼が保持すべきと考えた領土は現在のトルコ共和国の領土(多少のズレはあります)であり、そこの住むべき「国民」は「トルコ人」でなければならなかったのです。つまり、イスラムの最高権威である「カリフ」を廃し、「宗教」は政治には一切関与させず、完全に個人の心の問題であるとし、また、血統、言語、文化などからは、他の民族である可能性が高くても、トルコに住む者は「トルコ人」として生きるべし(言語等を受け入れるべし)と考えたものと思われます。このあたりは諸説あるので、専門家の方の研究に譲るとして、ここでは大雑把に、トルコでは「信教の自由」では片付けることができないほど「宗教問題はセンシティヴ」であり、また、特に欧米で言われている「民族の権利・自由」の一言では片付けることができないほど「民族問題もセンシティヴ」であるとだけ、頭の隅に残しておいてください。
 しかし、このトルコの特殊性も、時間とともにトルコ自体が中から変わっていますし、そして何よりもトルコの外が変わっているので、いつもまでもこの主張が続けられるかと聞かれれば、「難しい」といわざるを得ません。
 今日のブログは横道がほとんどになってしまいましたが、1994年の宣誓式でクルド語で宣誓しようとして問題を起こしたクルド系政党関係者は、今回はトルコ語で宣誓したそうです(出席国会議員548名全員が宣誓を終わるのに、10時間以上を要したそうです)。これも無駄な衝突を起こさず、民主的な方法で権利を主張していくという雰囲気が次第に醸成されてきたのではないでしょうか。トルコもどんどんと変わってきているように思えます。

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社会問題 

2007年08月04日

トルコ航空(THY)のストライキ

 今日はストライキの話からはじめます。
 いつか、トルコの最低賃金は、関係する人(=最低賃金で働いている人)が多いので、最低賃金の決定は国民的な関心事となるということを説明しました(たしか6月に書いたと思いますが、、、、)。貧しい人が多いということの裏返しかどうかは分かりませんが、労働組合とその活動も活発です。ストライキは昔の日本と同じように、しばしば起こります。そして今、トルコのフラッグ・キャリアーであるトルコ航空(THY)もストに突入しようとしています。
 トルコ航空は、現時点では公営企業(株の過半数は政府保有)ですが、かなりの部分は何度かにわたって実施された株式公開により、一部はブロック販売(大口の売却)、一部は一般国民への販売(小口)が行われたため、IMKB(イスタンブール証券取引所)でも売買することが可能です。
 実際にストライキを実施するためには、数々のステップを踏む必要がありますが、最初の法的手続きは7月20日に、スト予告という形で実施されました。これまで様々な方で、賃金引上げ交渉が行われてきましたが、結論に至っていません。
トルコの労働組合は、企業別組合ではなく、「職種別組合」になっています。より正確には、一般的にトルコの労働組合は、各企業別にいくつかの企業別組合があり、その各組合が集まって「職業組合」を作っていますしたがって、THYには、たとえば「a」、「b」及び「c」という労働組合ががあって、「a」は他の航空会社(Atlasjet、Pegasus、Onur及びFlyなどの各社。航空自由化により、トルコにもいくつかの小さな会社ができています)の組合が集まって作っている「A」という労働組合の会員となっています。トルコの航空業界には「A」のほか「B」や「C」といった労働組合があります、というイメージになります。各企業の団体交渉や、ストライキでは、各企業の最大の労働組合が交渉権・決定権を持ちます。最大の労働組合が合意した労働条件が、一般的には、他の組合に属している労働者を含めて、その企業内で働いているすべての労働者に適用されます。

実は、ここまでは前置きです。つまり、観光業は、トルコにとっては非常に重要な産業であり、かつ、トルコにおけるひとつの産業としてもそれなりの経験と規模を有しています。その観光業にとっては、THYは数多くの外国人観光客をトルコに運んでくるだけでなく、トルコ国内の移動を容易にするという、きわめて重要な意味を持っています。その重要な役割を担っているTHYがストライキを実施しようとしているということであり、首相並びに観光および運輸の主管大臣は非常に気をもんでいるようです。そのため、使用者側が賃金引上げ率として約10%を提示し、労働者側は23.9%を要求しているという極めて大きな隔たりがあるので、トルコの観光業にも深刻な影響が出ることを懸念して、ストライキを回避できるように、「使用者側は、可能な限り高賃上げを実施すべきである」といった首相の発言も飛び出したようです。
来週の月曜日(6日)に、THYで働く約1万1,500人に影響を及ぼすストライキに関して、全従業員はそのストライキ突入を支持するのか、それともストライキなしで交渉を続けるのかという、ストライキの賛否を問う労働者の投票が行われます。このストライキは、政治問題、為替問題、経常収支問題、その他、失業問題など、様々な分野への波及が予想されるため、幅広い関心を集めているようです。

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7月のインフレ率

 今日の後半は7月のインフレ率です。
 まずはいつもどおり市況から。朝は高く始まりましたが、時間がたつにしたがって次第に押されていき、前場は昨日終値から123ポイント(0.24%)低い51,270ポイントで引けました。後場も一時期は前日比プラスになる局面も一瞬ありましたが、大引けにかけて息に売りがかさみ、前日終値から1.57%低い、50,716ポイントで今週の取引を終了しました。しかし今日の取引高は14.89億リラでしたので、最も取引が活発となれば20億リラを超えることを考えれば、「模様眺めのうちに、次第に売りに押された」といった感じでしょうか。「逃げ時」か、「買い時」かの判断は、まだつけられない状態だと思います。
 一方、為替は全般的にリラ高となっています。3日夕刻の為替相場は、対ドルが0.94%リラ高の1ドル=1.2710〜20リラ水準、対ユーロが0.29%リラ高の1ユーロ=1.7470〜80リラ水準、対円は0.37%リラ高の100円=1.0670〜1.0740水準となっています。昨日と同じように、株式市場は弱気ですが、為替は若干ながら「リラ高」傾向が続いています。しかし、「トレンド」としての「リラ高」といえるかもびみゅおな情勢です。

 今日は昨日の貿易収支に引き続き、最新のマクロ指標をお届けします。トルコでは経済に関する関心で、貿易収支と1、2位を争っている「インフレ率」が、今日、発表になりました。7月の「対前月比」インフレ率は、消費者物価で−0.73%、生産者物価で+0.06%となり、今年1〜7月の7ヶ月間のインフレ率は、消費者物価で3.11%、生産者物価で3.05%になりました。一方、去年8月から今年7月までの1年間のインフレ率は、消費者物価で9.70%、生産者物価で9.03%になりました。(以上、トルコ統計庁(または機関、TUIK)の発表です)
 最近の特徴としては、伝統的には、トルコでは農産物が豊富になり、経済活動が活気を失う(観光業及びその関連産業を除く)夏にはインフレ率は低下し、反対に冬にはインフレ率が上昇するのが普通でしたが、今年は少し変わっているようです。工業部門のインフレ率はそれほど高くありませんが、農業部門、とりわけ水産部門のインフレ率が高くなっています。(ここでご理解いただけると思うのですが、ホームページの記事の中の数字が比較できなくなっています。もう少しトルコ人(記者)も勉強してもらいたいと思います)
 ものすごく簡単に言うと、インフレ率では、大幅な改善は見られませんが、乗除の改善している可能性が高いということになろうかと思います。つまり、「リラ高」要因といえるでしょう。

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2007年08月03日

貿易収支発表

 まずは市況からです。
 今日のIMKB(イスタンブール証券取引所)は、前場はかなり高めで始まりました。取引開始直後は、一気に52,000ポイントを越えましたが、急落し前場は昨日終値から16ポイント高の51,592ポイントで引けました。後場の取引開始直後は前場の低下傾向が続き、一時期前日比マイナスになりましたが、その後買いが入り徐々に値を上げて、後半はかなり上げましたが再びマイナスに転じてしまいました。取引終了直前に値を戻して、最終的には前日比0.18%高の51,393ポイントで2日の取引を終了しました。銘柄別に見ても、値上がりが169、値下がりが68、変化なしが90となっています。先日も書きましたが、まだ方向性が定まっていないようです。
 為替もリラ高傾向になり、対ドルでは1%リラ高の1ドル=1.2820〜30リラ水準、対ユーロでは1.07%リラ高の1ユーロ=1.7510〜20リラ水準となっています。為替のほうは一足先に「強気」に戻ったかに見えますが、まだまだ油断は禁物だと思います。現在の相場は国内要因よりも国外要因のほうが大きいように思えます。
 今週の土曜日に新国会が召集され、国会議長選出の過程が始まるとの報道があります。本来であれば、この辺りから国内要因によって相場が動き始めるころですが、夏の真っ盛りということも、予想を困難にする要因となっています。

 経常収支に関する新しい数字が発表になっていますので、お知らせします。トルコ統計庁(又は機関。TUIK)の発表によれば、6月の輸出額は前月比14.2%増加して89.3億ドルに、
また、輸入は15.6%増加して144.2億ドルになったそうです。その結果、貿易収支の赤字も18%拡大し、54.9億ドルになりました。
また、2007年前期は、昨年同期比で輸出は23.9%増加して494.6億ドルに、輸入は16.8%増加して774.4億ドルになり、貿易収支の赤字も6.1%上昇し、279億ドルに達しました。
 以上の数字は、本来ならば「トルコ経済の国際競争力の不十分さ」を示していることになりリラ安要因でもあるのですが、反面、トルコ経済が好調であるがために「輸入が増えている」とも取れるわけで、今日のところは「リラ高」になったようです。勿論、リラは貿易収支にだけ反応するわけではないので、総合的に見ていく必要がありますが、輸出も好調とはいえ、貿易収支の赤字が拡大しているということは、これまで何度か指摘しているとおり、「トルコ経済の脆弱性の拡大」でもあるので、注意を要する点だと思われます。

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2007年08月02日

しばらくは乱気流?

 今日のIMKB(イスタンブール証券取引所)はアメリカ市場の影響を受けて、下げました。米国の影響を受けた割には、比較的軽く済んだだといえるのでしょうか、昨日比2.89%下落して、51,299ポイントで引けました。しかも、前場の終値(昨日比4.21%下落)から少し戻しています。
 しかし、相場の方向性が定まっていないところに、売り材料がたくさん出てきたために下げている感じがしますので、「明日は反転する」とか、「下げ止まるであろう」とかは癒えない状況のようです。トルコ特有の要因で「買い!」といえるような出来事も見当たりません。もうしばらくは方向性が見えない状況が続く可能性が高いのではないでしょうか。
 証券市場の「弱気」を受けて、為替も弱含んでいます。対ドルレートも一時期1ドル=1.3250〜60リラ水準まで売られましたが、トルコ時間の夕刻には1ドル=1.2940〜50リラ水準まで戻しています。対ユーロ・レートも、1ユーロ=1.7690〜1.7700リラ水準となっており、金利も17.80%水準まで上がっています。

 と、私の見方を紹介したところで、プロの見方も紹介しましょう。(あくまでご参考で、投資判断はご自身でお願いします)
レインンド・ジェームス社のチーフエコノミストによれば次のとおりです。
現在の乱高下は外的要因によるもので、信用不安の目が新たに芽生えた。震源はアメリカで、マクロ経済指標が良いにもかかわらず、波乱の原因となっている。アメリカ市場の乱高下の影響は、トルコを含む新興国市場に影響を与えた。その影響は、あと1週間は継続するであろう。IMKB-100は短期的には50,000ポイントを割ることもありえるが、中期的にはまだトレンドは上向きのままである。リラの対ドルレートも、1ドル=1.35リラ水準まで売られることはありえるが、それほど大きな値幅にはならないであろう。

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volkan1992 at 00:40コメント(0)トラックバック(0) 
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