2016年07月18日 18:00

クーデター計画失敗の後の欧米の見方と、トルコ・メディアにおけるクーデター未遂に関する説明について

 ライブドア版で頂いたコメントに対して、管理者意見を書きました。かなり長く書きましたので、せっかくですのでブログでも紹介します。

 基本的に「暴力をもって社会を変えること」は間違いです。正にテロがそれであり、「民主主義を取り戻すクーデター」というお題目を唱えても、「自爆テロを行う狂信者」とそれほど違いません。そして、今回のブログで書いたとおり、これからが「トルコ国民にとっての民主主義のための戦い」の本番だと思います。
 一方、欧米の人から見れば、トルコは中東であり、「外の世界」だと思います。外の世界なので、エジプトのように「選挙も善!クーデターも善!」となるところもあり得ます。特にトルコには、「テロと難民の防波堤」としての「緩衝地帯(=欧州の外)」としての役割が期待されています。
 為替については、市場の反応次第ですが、「安定が何より」ということだろうと思います。株価は金曜日よりも約2,000ポイント下がって寄り付きましたが、トルコ時間午前10時(取引開始後30分)には1,000ポイント近く戻しています。これから、今日1日中では、安定に向かう可能性が大ではないかと思います(明日以降は分かりせん)。
 もしクーデターが成功していれば、少なくとも短期的にはトルコ経済はめちゃくちゃになっている(極端な状況では、金融市場も銀行も一時閉鎖もあり得ました)と思いますので、経済面からは良かったということになります。
 いずれにせよ、クーデターという国内リスクが1つ顕在化しました。Brexitという外的ショックもありました。今後、DEAS/ISのテロ、PKKとの戦い(常識的には、軍組織がずたずたになり、誰がクーデター派かまだわからないときに、直ぐに武器を持たせてうろうろさせること(=積極的に攻撃させること)は考えにくいのですが、、、、)など、どうなるか分かりません。(残されたトルコ軍の指揮を考えて、「トルコ軍兵士が市民に発砲した」は誤りで、「反乱軍兵士が発砲した」と表現するよう促しています)
 PKKへの攻撃はしばらく減速する可能性がありますが、一方で、DEAS/ISからすれば、軍、ジャンダルマ、警察(報道では出ていませんが、当然MIT(トルコ諜報庁)内でもクーデター派がいる可能性が大です)の組織が、ボロボロの今こそ、リベンジを果たす絶好のチャンスと思われますので、テロの危険は上昇していると考えるのが合理的と思います。
 ということで、欧米の人にとっては「欧州のすぐ外のトルコが安定していること」が重要であり、とりあえずは安心ということで、各種金融市場も、びくびくしながらも安定化するのではないかと思います。


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 さらに、トルコの報道を聞いた上での雑感を追加します。

 テレビ討論番組でも、ニュースでも、(特に政府寄りのチェンネルでは)「今回のクーデターが、いかに良く組織された、深刻なものであったのか」を繰り返し放送しています。それは、SNSで「茶番」、「自作自演のクーデター劇場」という趣旨の反応があることに対する反論、あるいは世論操作のためだと思われます。

 その一つは「なぜエルドーアン大統領はアンカラではなく、イスタンブルに行ったのか。クーデター軍から逃れてどうやって行ったのか。」というものがありました。それは、ホテルを出てから1時間後にクーデター軍はホテルに来た。大統領専用機(ちなみに、トルコ空軍関係者が運航しているそうです)に乗ってからは、「アンカラへは来るな、イスタンブルへ行くようにという連絡を受けた。そして民間機を装って、イスタンブルに行った。管制塔からは、反乱軍の様子が逐一エルドーアン大統領の航空機に連絡をした」というものです。
 単純な疑問として、本当にエルドーアン大統領を探していたのなら、少なくとも大統領機が飛び立ってから想定外のフライトコードの飛行機が南から来て不思議に思わないのか、管制塔とエルドーアン大統領の航空機の通信をクーデター側は誰も聞いていないのか(管制塔内にクーデター側は誰もいなかった!!のか)、最後は、到着した段階で何もしないのか(アタテュルク空港では、戦車を含めて重火器を持ったクーデター軍兵士がいるのに対して、エルドーアン大統領の飛行機にはほとんど武器はないと思いますが、、、、、)など、いくつもわいてきます。
 また、クーデターがいかに良く組織されたかを示す証拠として、「(拘束者が多数出ているように)トルコ全土で一斉に蜂起する予定であったが、クーデターを起こそうとしていることがばれて、予定より早くアンカラとイスタンブルだけで始まった。」そして、「市民が道路に繰り出したために、遅れて参加しようとしたトルコ全土の反乱軍が移動できない状態になったので、政治家も放送局も支配下に置くことができなかった」という説明がされていました。一方で、(陸軍だったと思いますが)司令官は当時イスタンブルで結婚式に出ていたところをヘリコプターで来たクーデター側の兵士に拘束されたという説明がありました。15日から16日にかけてテレビを見ていた限り、クーデター未遂が始まった午後10時頃から午後11時頃までは、突然の大橋の閉鎖でイスタンブル市内は大渋滞でしたが、クーデターだと分かってから、エルドーアン大統領が市民にクーデター軍に対する抗議行動を取るように呼びかけるまで(16日午前1時前)は、大橋を始め、交通がほとんどなくなっていました。以上から言えることは、参謀総長を始め、軍人の行動はクーデター側も把握しやすいということはあるでしょうが、「クーデター側は、行きたいところに入って、拘束したい人は拘束していた」ということと、「クーデターがバレた後、全国のクーデター同士に一斉に連絡する方法を持っていなかった(そして、クーデター計画実施の約2時間前でも、誰もテレビを見ていなかった!)」、そして極め付けが「肝心のエルドーアン大統領の動きについては、誰も全く把握していなかった」ということだろうと思います。なお、エルドーアン大統領だけではなく、ユルドゥルム首相、アラ内務大臣、ウシュック国防大臣などをはじめ、政府関係者は誰も拘束されていません。TRT以外の放送局もどこも占拠されていません。
 以上の状況からの結論としては、「極めて周到に準備された、大掛かりで、深刻なクーデター計画であった」ということになるそうです。

 念のためですが、管理者はクーデターを支援しているわけでもなく、エルドーアン大統領に反対している訳でもありません。トルコ国民の皆さんが真剣に、じっくり話し合い、議論した結果として、EUからの離脱を決めたイギリスの国民投票のように、「トルコ共和国憲法」を廃止して、「トルコ・イスラム共和国憲法」を有権者の過半数が承認し、されに、初代イスラム共和国大統領(スルタン・カリフ制の復活?)としてエルドーアン氏を選出するのであれば、それは当然、世界中の人もお祝いするべきだ(少なくとも、外国人には反対する権利はない)と思います。
 ただ単に、今回の事件では、「エルドーアン大統領・トルコ政府は、今回のクーデター計画を事前に知っていて、大いに活用しているという印象がぬぐいきれない」ということうを指摘しているだけであり、また、トルコ国民のみなさんには、一時的な高揚感に煽られて行動するのではなく、冷静に、慎重に考えて、今後の行動を取って頂きたいという希望を表明しているだけです。


 この4日間、「クーデター三昧」となりました。これから後も拘束・逮捕の動きは続くでしょうが、よほど大きな動きがない限りはあまりこの件にかかわらず、このブログを「正常化」させたいと思います。



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