ヴォロスのJ-REIT講座

J-REITをもっと知ってもらうために。 投資家の皆さまにJ-REIT投資10年の経験をもとにマーケット情報を中心にご紹介

投資法人の会計処理 減損損失

 当サイトでも「期(事業年度)をまたいで物件を売却する場合は減損損失を計上している」のようなことを何度か書いています。今日は減損損失の計上に至るまでの課程を説明していこうと思います。

 投資法人は新たな利益を得るために、固定資産を取得し事業の拡大を計画します。新規物件を取得する際には土地、建物、の購入だけでなく追加で附属設備、構築物、機械装置などを設置することがあります。物件を取得した後に追加で設置した附属設備、構築物、機械装置などは「バリューアップ工事」という名目で取得します。その際、投資法人(実質はAM会社)は固定資産の投資額以上の利益を将来得ることを見込んで、固定資産を購入しています。

 しかし、投資はいつも成功するとは限りません。強力な同業他社の出現など、様々な事象により利益が得られないどころか、固定資産の投資額すら回収できない、元が取れない状況になることも大いにありえます。

 例えば貸借対照表に計上されている建物の帳簿価額300に対して、売却予定価格が240とした場合、売却予定価格が小さいため、帳簿価額と将来の回収見込みの差額60が投資の損失ということになります。
 このように投資の損失が見込まれる場合には、当該事実を財務諸表に反映する必要があります。そこで、会計上は固定資産の帳簿価額に反映させるために、「減損」という処理を行います。

 固定資産の帳簿価額を減らした部分は、損益計算書では「減損損失」として反映されます。一方、貸借対照表では、固定資産の帳簿価額が、減損損失分減らされた金額で計上されることになります。この貸借対照表では当該資産の金額から直接控除するか減損損失累計額と表示するかを選択することができます。投資法人の場合は翌期に売却する予定なので資産の金額から直接控除する方式を選択することが一般的です。
 この「減損」により、固定資産の帳簿価額が見積り時点で得られると見込まれる回収額に見合った金額であることを明確にすることができます。

 次は減損損失金額を算定する工程をご説明します。

減損の兆候

 減損の兆候とは、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象のことです。まずは、減損を検討するか否かの入口として、減損の兆候を把握します。固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」では、下記の4つの例が考えられるとしています。

 ①営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスの場合

 営業活動から生ずる損益、又はキャッシュ・フローが継続してマイナスの場合、あるいは継続してマイナスとなる見込みの場合、減損の兆候に該当します。ここでいう「継続してマイナス」とは、おおむね過去2期がマイナスであったことをいいます。ただし、過去2期がマイナスであっても、当期の見込みが明らかにプラスとなる場合は、減損の兆候に該当しません。

 ② 使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある場合

 投資方針や運用戦略などの内部事情や、固定資産の個別的な要因により、収益性の低下が生じる、又は見
込まれる場合、減損の兆候に該当します。例えば、以下のようなケースが考えられます。 (1)事業の廃止または再編成(会社分割や事業希望の大幅な縮小なども含む)
 (2)予定よりも著しく早期の資産の除去・売却
 (3)当初の用途からの転用
 (4)資産の遊休化
 (5)資産の著しい稼働率低下
 (6)資産の著しい機能低下
 (7)建設仮勘定について、計画の中止や大幅な延期の決定 

 投資法人で当てはめると1テナントしかいない物件でテナント退去後、次のテナントが決まらない場合はこれに該当してしまうケースが有ります。特に物流施設や工場の場合はテナントが1テナントであることが多く次のテナントの入居も困難なので注意が必要です。

 ③ 経営環境の著しい悪化がある場合

 社外環境の変化により、収益性の低下が生じる、又は見込まれる場合、減損の兆候に該当します。例えば、以下のようなケースが考えられます。
 (1)市場環境の著しい悪化
  例. 材料価格の高騰、鑑定評価額の大幅な下落
 (2)技術的環境の著しい悪化
  例. 技術革新による著しい陳腐化、特許期間終了による重要な技術の拡散
 (3)法律的環境の著しい悪化
  例. 重要な法律改正、規制緩和、規制強化

 リーマンショック時にローンの返済に回すためやむなく物件売却を決断する投資法人がありました。そのような場合は③経営環境の著しい悪化がある場合にヒットする可能性があります。

 
④ 市場価格の著しい下落がある場合

 資産又は資産グループの市場価格が簿価から少なくとも50%程度以上下落した場合に、市場価格の著しい下落があると考えます。この場合、減損の兆候に該当します。
 市場価格とは、市場において形成されている取引価格、気配又は指標その他の相場のことです。上場株式の株価と異なり、事業用資産の場合は市場価格の把握が困難な場合が多々あります。この場合、土地の公示価格や路線価等の一定の評価額や、一般に受け入れられている指標を市場価格とみなして使用します。
 投資法人の場合は毎期、不動産鑑定会社から鑑定評価書を取得しているためこの鑑定評価額を時価としています。リーマンショック時は鑑定評価額が帳簿価額より下落しヒットするケースが有ります。


減損損失の認識の判定

 減損損失の認識の判定とは、減損の兆候のある資産又は資産グループについて、帳簿価額と割引前将来キャッシュ・フロー総額を比較して、減損を実施するか否かを判断することを言います。減損の兆候に該当していてもこの減損損失の認識の判定で減損処理は不要となることが多いです。
 ここで重要になるのが、割引前将来キャッシュ・フローの算定方法です。

 ①割引前将来キャッシュ・フローの見積期間

 割引前将来キャッシュ・フローは、資産の経済的残存耐用年数まで見積もることを基本的な考え方としています。ただし資産の中には、土地のように使用期間が無限になりうるものもあるため、その見積期間を制限する必要があることや、一般に、長期間にわたる将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性が高くなるります。

 そのため固定資産の減損に係る会計基準の適用指針では、資産又は資産グループの主要な資産の耐用年数が20年を超えるか否かにより、計算方法が異なるとされています。
 基準で見積り期間の最長が20年と決められているのは、無限に認めてしまうと、主要な資産が土地の場合に耐用年数が無限になってしまうこと、あまりにも先の将来予測は市場環境が現在と大きく変わっている可能性があり、その予測が不確実であるためです。

  (1)20年を超えない場合

 主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超えない場合、経済的残存使用年数が経過した時点における主要な資産の正味売却価額を、当該経済的残存使用年数までの割引前キャッシュ・フローに加算します。

  (2)20年を超える場合

 主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超える場合、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額を、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに加算します。 

 ここの見積期間については投資法人ごとに違うと思いますが、売却予定が具体的で無い限り20年を越えて保有し続ける前提で算定していると思われます。


 ②割引前将来キャッシュ・フローの見積方法

 固定資産の減損に係る会計基準の適用指針では、減損損失の認識に用いられる将来キャッシュ・フローを、企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて見積るとされています。

 監査法人の監査をクリアすることや外部への説明などに際に留意すべき点として、以下の点が留意点として考えられます。

 (1)経営環境などの外部要因や、売上見込み、予算などの内部の情報と整合した数値を前提として作成された中長期計画に基づいて見積りを行うこと。

 (2)AM会社に中長期計画が存在しない場合も、経営環境などの外部要因や、売上見込み、予算などの内部の情報に基づいて見積りを行うこと。

 (3)中長期計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローを算定する場合、計画に基づいた一定の成長率の仮定を行って見積もりを行うこと。

 (4)将来キャッシュ・フローの見積りに際しては、現金基準の他、発生基準に基づいて見積った金額に減価償却費などの重要な非資金損益項目を加減した金額を使用することができること。
 ここで言う中長期計画は投資法人の役員会等で承認された計画である必要が有ります。


減損損失の測定

 減損を実施する必要があると認識された固定資産について、モトが取れないと見込まれる金額がいくらになるかを検討します。これにより、減損損失の金額が明らかになります。減損損失の金額は固定資産の簿価マイナス回収可能価額で計算されます。

 回収可能価額とは、①使用価値と②正味売却価額のいずれか高い方の金額です。資産を保有して使用するよりも売却した方が得られるキャッシュ・フローが大きければ、売却を選択するであろうという想定に基づき、適用指針において、通常、使用価値は正味売却価額よりも高いと考えられています。

 つまり、減損損失の測定において明らかに正味売却価額が高いと想定される場合や処分がすぐに予定されている場合などを除き、必ずしも正味売却価額を算定する必要はないことです。

 ① 使用価値

 使用価値とは、資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値のことです。減損損失の認識の判定の計算した割引前将来キャッシュ・フローを現在価値に割引計算したものです。

 減損損失の認識では、減損の存在が相当程度に確実かどうかを判断するため、割引前の将来キャッシュ・フローを用いましたが、減損損失を具体的に算出する際には、貨幣の時間価値などを考慮して割引計算した後の回収可能価額を用います。


 ② 正味売却価額

 正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額のことです。投資法人の場合は売却予定価格-処分費用見込額(AM会社に支払う譲渡報酬を含む)で計算されていす。

 減損の兆候、減損損失の認識の判定、減損損失の測定の3つの工程を経て減損損失が計上されることになります。減損の兆候で鑑定評価額の大幅な下落や稼働率の低下によりヒットしたとしても、減損損失の認識の判定において減損処理は不要となることが多く、減損損失の計上に該当する場合は帳簿価額より低い価額で売却決定がされている場合が多いということがお解り頂けると思います。

富士物流「カーゴニュース」大規模倉庫の3割で消防法違反

 2017年4月24日に富士物流のホームページにてカーゴニュース4月18日号が公表されてましたので
ご紹介致します。
アスクル倉庫火災による対策検討会で日倉協、物流連のヒアリング報告

 国土交通省と消防庁が行った調査によると、大規模倉庫の約3割で消防法令違反があったことがわかりました。2月に埼玉県三芳町で発生したアスクルの倉庫火災を受け、4月12日に開催された第2回「埼玉県三芳町倉庫火災を踏まえた防火対策及び消防活動のあり方に関する検討会」で報告されました。

 調査は延床面積5万平方㍍以上の倉庫を対象に、倉庫の概要と消防法・建築基準法違反の状況を把握するため、立ち入り検査で行われました。

 調査を実施した219施設のうち、約3割の63施設で消防用設備について違反があり、違反の内容は、消火器や屋内消火栓の設置位置の不適切や自動火災報知設備の不具合、誘導灯の点灯不良などが挙げられており防火管理の実施状況についての調査結果は、210施設のうち36施設(17.1%)で防火管理者の選任届出がなされておらず、38施設(18.1%)で消防計画の届け出がされていませんでした。また19施設(9%)で消防訓練が行われていませんでした。

 防火シャッターなど防火設備の調査では203施設のうち73施設で防火扉・シャッターが正常に稼働しない可能性があることが判明しました。23施設では一部の防火シャッターの下にコンベアなどが設置され、シャッター閉鎖の障害となる状態でした。29施設ではシャッター付近に荷物等が置かれており、完全閉鎖を妨げていました。そのほかに、防火シャッターのレール変形や防火扉の部品の故障があった。国交省は建築基準法に基づき、改善するように指導しています。


J-REITにおける防火管理

 防火管理者の選任や異動などの届出はテナントで行いますから、物件のオーナーという立場を採る投資法人には関係のないことです。しかし、消防用設備については点検・報告義務のある人は、 防火対象物の関係者(建物所有者・管理者・占有者)です。これはJ-REITの場合AM会社が統括し物件ごとに把握、点検の進捗などの確認を行っています。でも実質的に手を動かすのは投資法人から委託されたPM会社やBM会社がこれを行っています。

 防災訓練についても防火管理者が中心となり実施されるのが一般的です。しかし、信託物件の場合は信託銀行が物件の取得や信託銀行の変更、新規テナント入居などのタイミングで、消防設備の点検を実施したことの証明となる書類と一緒に防災訓練をテナントが行っているか等の書類を求められるケースも有ります。信託銀行は自信のリスクに対しとても敏感です。私は実務上消防訓練の写真を求められたことが有ります。大規模な商業施設の場合はBM会社、PM会社が主体となって一斉に行います。

 アスクルの場合は自社ビル・自社倉庫であったので届出や点検などが後回しになっていたのだと思いますが、このような不備のある物件が市場に出回り安易に取得しないようにAM会社は外部のER会社等を利用して物件を取得する際に確認しています。

日本不動産研究所・2017年春の店舗賃料トレンドを公開

 一般財団法人日本不動産研究所がホームページにて2017年春の店舗賃料トレンドが公開されました。

 エリア・施設による違いはありますが、賃料は全体的に高止まりど横ばい傾向であるとまとめられています。ドラッグストアの出店が加速しており、インバウンド消費が最寄品にシフトしているという内容になっています。商業施設はホテルに次ぎインバウンド需要の恩恵を受けやすいアセットです。
 J-REITの物件の中には商業施設でなくともレジデンスで1階にコンビニやドラッグストアなどがテナントとして入居している物件も多くあります。一部抜粋しご紹介したいと思います。

東京エリア

 ①銀座
20170428店舗賃料トレンド銀座エリア

 ブランディングで賃料相場が形成されているボラティリティの大きいマーケットで、表参道と比較すると町の販売力が大きく、客層が幅広くファストファッションやスーツストアなどラグジュアリーブランド以外の出店も多く成立性のある業種が幅広いとしています。インバウンド狙いの出店は一時期と比較するとペースダウンしているようで、業態のトレンドは有りますが出店には慎重な様子となっています。
 募集賃料は2014年第四半期をピークにマイナストレンドとなっています。重要に対して供給が追い付いていない状況と見てられそうです。4月に松坂屋跡地に開業したGINZA SIXが開業し6ブランドの路面店が一度に開業し、ファストファッション中心の中でラグジュアリー色も強まっています。インバウンドの消費動向は落ち着きが見られているものの、ブランド店の建て替え等動きが多い状況ですがファッションの出店が鈍化しているので賃料の大幅な伸びも見込みがたい状況だと思われます。
 
 ②新宿
20170428店舗賃料トレンド新宿エリア

 日本一の乗降客数をもち安定的なフットトラフィックに支えられ、賃料トレンドは高止まりしています。小売業販売額も国内で唯一1兆円クラスとなり、2013年以降ラグジュアリーブランドの出店が進み今後も複数の開発が控えています。
 募集件数や1Fの賃料は2014年よりも一段平均値が高止まりの状況が継続しています。需要に対し供給が圧倒的に少ないという状況です。街のポテンシャルが高いこともあり新宿通りや新宿3丁目エリアでは空室も無く、賃料も高めに推移していいくことが想定されます。今後複数の開発が控えていることから路面集積が進む可能性が十分あります。
 

大阪エリア

 心斎橋
20170428店舗賃料トレンド心斎橋エリア

 心斎橋筋商店街は週末の歩行者数が10万人に達するなど路面商業では国内最高水準のポテンシャルがあります。ファストファッションの出店が一ぱゅんし、インバウンド客増が後押しし、ドラッグストアの出店が加速しています。
 メインストリートでは2015年以降1Fの賃料はほぼ横ばいで推移しており安定しています。しかし反対に裏手に入ると賃料水準が大きく低下する状況にあります。ドラッグストアの出店が相次いでいますが、競合環境は熾烈となっており、実態は既に飽和しているようです。ファッション集積地でしたが、ドラッグストアが多く出店したことにより、地域密着感が出て待っているので今後は住所により優勝劣敗も出てくる可能性が有ります。 


福岡エリア

 天神
20170428店舗賃料トレンド天神エリア

 天神エリアは対博多の構図が強まっており、オーバーストア気味でパイの食い合いが継続しています。おかげでエリア間の競合は厳しい状態が続いています。有力路面店は集客の見込めるパルコなど施設内へ移転する動きが複数見られており、1Fの平均賃料は概ね坪2万円前後で推移しマイナス傾向となっています。
 国家戦略特区による容積率の緩和により福岡市が推進するプロジェクトにより10年で30棟の民間ビルの建替え誘導が行われる見込みがあります。今後の予定は天神ビジネスセンター(仮称)と福岡ビルの再開発事業等が予定されているとしていますが、福岡リート投資法人、福岡地所ともにここに加わることが出来なければ東京都内の不動産会社や投資法人に奪われれば福岡リートの成長可能性は大きく減少すると思います。街づくりに参加できないと上記の心斎橋のようにテナントの自由な出店によりブランド価値が失われてしまいます。これは私はもう始まっていると見ています。個人的には福岡リートは正念場だと感じています。


【出典:一般財団法人日本不動産研究所・店舗賃料トレンド2017春】

2017年2月期決算J-REIT分析③その他の分析

 2017年2月期決算のJ-REITの時価総額、含み益、稼働率の推移を見ていきます。

・NAV倍率
20170427NAV倍率
20170427NAV倍率2

 NAV倍率は期末投資口価格ベースで算出してまいます。1倍以上であるとが投資口価格が1口当たりNAVを上回っていることを表しています。SIA不動産投資法人のNAV倍率ですが、2月24日にPOにより投資口数が増えているため極端に少なくなっています。せらを考慮しなければ0.758倍です。上場してからの期間のほぼ全てで1倍を切っているので市場での投資家さんたちの評価は高くないことを意味していいます。物件の質が必ずしも高く無いため1倍を切ることが多かったと思いますが、スポンサー変更を行ってから今後、上昇していくのかどうかは取得する物件の質にかかっています。

 このNAV倍率を比較するし理由は市場の評価と投資法人の自身の評価(AM会社が考えている投資法人投資口の評価)のギャップが解るということが上げられます。

 ラサールロジポート投資法人やさくら総合リート投資法人、スポンサー変更前のSIA不動産投資法人などスポンサーの抱える物件の出口として利用されるためだけに設立されたような投資法人の場合は1倍を切ることが多くなってくると思います。短期的に分配金額を多くしても誤魔化すことが出来ないところがNAV倍率の利点です。もちろん細かく見たい場合は期中平均投資口価格で算定しますが、時系列で監視するのであれば期末投資口価格などで代用しても問題無いと思います。
 

・含み益
20170427含み益
20170427含み益2

 含み益は鑑定評価額-帳簿価格で算定しています。特にGLP投資法人やラサールロジポート投資法人など物流系施設の鑑定評価額の伸び率がとても大きいということが解ります。レジデンスやシニア物件については上昇率が少ないですね。オフィスは市場に出回る物件が非常に高価になっています。それに輪をかけて高価なのがホテルです。しかし、ホテルについては経験値のまだ不足しているスポンサーやAM会社も多く高価でも売買が好調に続いています。物流施設はスポンサーからの供給がほとんどのため、市場に出回る物件は非常に少ないので鑑定評価会社も鑑定評価額の算定については市場とブレが大きいと感じます。

・稼働率
20170427稼働率
20170427稼働率2

 2017年2月期の期末稼働率はポートフォリオ上は好調のようです。SIA不動産投資法人は91.4%の段階からよく98%台まで改善したと思います。SIA不動産投資法人の場合は物件数が少ないので1テナント退去しただけでもポートフォリオに大きく影響を与えてしまいます。反対に稼働率が好調でも不安なのはシニア物件です。この稼働率はオペレーターに転貸している場合も稼働率としてカウントされるので物件の実態が解りにくくなります。シニア物件の場合は入居される方は富裕層な人達が多いので稼働率は必ずしも高い訳ではありません。しかし、東京都内の一等地に構える必要は無く、郊外の自然の多いエリアに建設されるのが一般的です。シニア物件の場合は実質稼働率が100%というのは難しいと思います。
 ただ、シニア物件の建設や誘致はどの地方自治体も取り組んでいるいるので成長が見込めるアセットタイプであることに間違いは無いと思っています。

2017年2月期決算J-REIT分析②安全性指標

 2017年2月期決算のJ-REITの安全性について分析しました。

・有利子負債利子率
20170426有利子負債利子率
20170426有利子負債利子率2

 2017年2月期もレンダーのJ-REITに関するスタンスは積極的でした。金利の固定化を図る戦略はどの投資法人も採っていますが、実質的な支払利息の負担というところで見るとヒューリックリート投資法人が最もコストの削減に成功していると言っても良いと思います。PL条の支払利息計上額123百万円と前期より上昇していますがPOも行い、物件も6物件増えているので、有利子負債利子率やDSCRなどの指標を持って分析しています。ヒューリックリートはもともとDSCRも高い数値でしたが2016年8月期は13.28%、2017年2月期は14.57%と向上しています。

 着目すべき点はジャパン・シニアリビング投資法人とラサールロジポート投資法人です。この2つの投資法人は今期物件の売却・取得を行っておりません。LTVによる違いも有りますが有利子負債比率が約1.3%程度開きがあります。ジャパン・シニアリビングは老人ホーム等のヘルスケア施設に特化、ラサールロジポートは物流施設に特化しています。つまり、レンダーは物流施設よりもヘルスケア施設の方がリスクが高いと認識している可能性が高いということだと思います。金銭消費貸借契約などを拝見している訳ではないのであくまでも財務諸表ベースで算定している限りですが、レンダーとしては投資法人に貸付けた貸付金がデフォルトした場合のリスクについて不安視しているものと思われます。


・LTV(有利子負債比率)
20170426LTV
20170426LTV2

 LTVは有利子負債÷総資産で計算しています。SIA不動産投資法人のLTVが相変わらず高いですね。常時50%を越えているとPO無しの借入金の調達のみで1棟取得するだけでもしんどい状況だと言わざるを得ないと思います。SIA不動産投資法人の2017年2月期の物件保有数は22棟ですから、あと倍の棟数は欲しいところですね。新スポンサーがみずほFGですから、資金調達面のサポートを受けることができますが、物件調達面においては難しいところです。しかし、それは「スポンサーから物件を買わされるリスク」がほとんど無いということを意味しています。AM会社自身の判断と運用力でたくさん分配金を出せるJ-REIT銘柄として頑張って欲しいと思います。くれぐれも安易に合併話に乗らないようにして頂いたいですね。

 後は日本アコモデーションファンドのLTVの高さはレジデンス系J-REITでは良くある光景です。レジデンス系は内部成長が非常に限定的なことを投資家さん達も認知しており、POで多額の資金を調達することが難しいため物件取得の都度、デッドで調達(負債部分での資金調達。借入金や投資法人債で調達すること。)する金額を多くしているのだと思われます。
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