手元に置いておくには、こっぱずかしいラブレターの数々。この有効活用法を考えた天才がいました。今回はその内容をレポート。
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大掃除の最中、ふと引き出しの奥から出て来た手紙。薄いピンク色の便せんに、かわいらしい丸文字。ああ、これは荻窪に住む元カノ、香奈ちゃんからのラブレターだ……。

 

ひとしきり懐かしさを堪能したあと、さて、今後この“おもいで再生紙”プロジェクトを定期的に行なうかは未定だそうだが、要望があればまた行ないたいと佐藤氏は語る。あなたの部屋の奥底に眠る“おもいで”たちも、この際思い切ってミキサーにかけてみてはいかがだろうか。僕はもう少しだけとっておこうかな。僕らはいつも悩む。

 

「この手紙……どうしたらいいんだ」

 

捨てようにもなんだか捨てられず、かといって末代までとっておくのも未練がましい。そんな優柔不断なアナタに朗報なのが、『おもいで再生紙』というプロジェクトである。映像クリエイターの佐藤大輔氏が考案した「おもいで再生紙」は、昔に貰った捨てらずにいる元カレ元カノからのラブレターを回収し、ミキサーで粉砕して再生紙を作り持ち主に「白紙」に戻してお返しするというプロジェクトだそうだ。

【おもいで再生紙ができるまで】


1)回収された赤裸々なおもいでたち

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ウェブサイト上やTwitterなどのSNSを利用して50枚以上のセンチメンタルなラブレターたちが集まったという。Twitter上では女の子からの反応が圧倒的だったとか。「ちなみに提供の仕方としては私の家への郵送もしくは回収日を決めて直接受け取るスタイルにしました。直接受け取る際に当時の思い出を語ってもらうのが弔いな感じでよかったなあと思います」(佐藤氏)

 

2)ミキサーで砕かれドロドロになるおもいでたち

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集まった手紙たちはミキサーにかけられ、細かく粉砕される。古今東西さまざまなカップルたちの“おもいで”がミックスされる様は、カオスそのものだ。「ミキサーでラブレターを粉砕する感じがきっと切なくて、ラブレターだからこそ粉々にする過程に価値があると思ったんです」(佐藤氏)。ミキサーにて粉砕される様子はWEBでライブ配信され、手紙の提供者たちはその様子を見守った。

 

3)生まれ変わったカラフルなおもいでたち

 

ミキサーでドロドロの液体と化したおもいでは紙すきの後に乾燥し“おもいで再生紙”は完成する。「おもいで再生紙は基本的にはハガキなので、実際に誰かにハガキを送って欲しいなと思います。白紙のハガキに筆を入れることで、はじめて上書きされる感じがしますね。あ、でも、これで今の恋人とかにメッセージを送ることはあまりオススメできません(笑)あと、メモ用紙とかにしてお粗末な扱い方するのもアンチテーゼな感じでいいと思います。基本的に好きなように使ってもらいたいと思います」(佐藤氏)


今後この“おもいで再生紙”プロジェクトを定期的に行なうかは未定だそうだが、要望があればまた行ないたいと佐藤氏は語る。あなたの部屋の奥底に眠る“おもいで”たちも、この際思い切ってミキサーにかけてみてはいかがだろうか。僕はもう少しだけとっておこうかな。

 

■佐藤大輔さん

フリーランスの映像クリエイター。様々なジャンルの映像を企画から撮

影、編集まで行う。自主映画の製作も行いつつ、映像以外でもイベン

トやプロジェクトの企画を行っており、現在は野外映画フェス「夜空と

交差する森の映画祭」を主軸に活動中。

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