実はここ数年、フランスをはじめとする世界中の大人の女性の間で「ぬりえがアンチストレスにいい!」と大ブームなのだとか。ストレス解消ネタに目がない三十路女の私は、イギリスの出版社から発行され、世界累計100万部という大ヒット本『ねむれる森 〜夢いっぱいのぬりえブック〜』を手にとった。

ぬりえというとキャラクターや動物の絵柄というイメージだった私にとって、この本の緻密な線画にまずびっくり。これ、塗り終わるまでに何時間かかるんだろう……と始める前から疲れそうになるが、いけない! アンチストレスだ!と気を取り直して色鉛筆を取り出す。私には、去年タイで300円くらいで買ったまま使っていなかった48色の色鉛筆があるのだ。
ページを開き、細かい草花の線画をじっと見つめる……。何色を塗ったらいいか分からない。幼少期に塗っていたぬりえは「太陽はオレンジ」などと色が想定できる単純なものだったが、文様のように複雑な線画だとそうはいかない。困った。私にはフランス女性のような感性やあふれるクリエイティビティはないのか……。
とりあえず草花の中に、唯一のキャラとも言えるふくろうが一匹いたので、それを赤で塗ることに。が、その後も色選びに迷うばかりで(そもそも初心者なのに48色の色鉛筆を用意したのが間違いだった)、なかなか進まず。煮詰まってインスタグラムを検索すると、世界各国のセンスあふれる画像の数々……。見れば見るほど焦るので、自分がいいと思った色を塗るしかない! と腹を決め、手を動かすことに。
すると3分の1ほど進んだあたりから、自分の中で色鉛筆のスタメン(11本)が決まり、そこからは気持ちの赴くままに塗れる、塗れる。うひょー、たーのしー!! というテンションに。
2時間半後、ようやく1ページ完成! なんだか自分がすごい大作を作り上げたような気分に。しかも「他のページはペンで塗ってみよう」とか「同系色だけに限定してみよう」とかアイデアもどんどん沸いてくる(これがクリエイティビティってやつか!)。元の線画が細かいと、個性を出そう! などと意気込まなくても勝手に個性が出るんだなぁというのも発見だった。この没入感と達成感は、他ではなかなか味わえない。ストレス解消でハマる人たち…なるほど納得です.

3分の2ほど塗り終わったところ。ここでビールの力も加わり、脳内の盛り上がりはMAXに。ここまでくると使いたい色が自然と思い浮かぶし、普段はあまりしない色の組み合わせにもチャレンジしたくなる。

最初にフクロウを赤く塗ったあと、適当に塗った右下の2トーンの葉っぱの色が気に入らず「わー、失敗したー!」と混乱。この後何度も塗り重ねてしまった。ぬりえは「コマンド+Z」でやり直しがきかないからね……。
完成したあと、うれしくてつい何度も眺めちゃいました。もちろん、自分のインスタにもアップしました。「いいね!」は6件でしたけど……(これは人望のなさですね)。
ちなみに中年男子も挑戦してみたが…こんな感じに。
とにかく「カタにはまらず、テキトーに」(早くやっつけたいし…)と決めてスタートするものの、早々に「ランダムに塗る」ことに逆に捕らわれていることに気づく… 。おお、なんというジレンマ。…とかとか、いろんなことがぐるぐる頭の中を回ったあげく、仕上がりは大したことない感じに。でも、いろいろ考えたな~、2時間。
※本記事は毎月25日頃、各店舗で配布している『VVマガジン』最新号からお届けしております


コメント