『任侠秘録人間狩り』『怪奇!幽霊スナック殴り込み』など、女性の立ち入る隙のない作品を撮り続けている「男の墓場プロダクション」の面々。あえて、そんな彼らに、「男ゴコロがわからず、恋に悩む女子のための映画」を教えていただきました!

 

「男は、女性に親切にしたいという気持ちは基本的に持ってると思うんですよね。じゃあなんで『好き』って言ってくれないの? と悩んでいる女性もいるかもしれませんが、それはね、『好き』っていう単語が男のライフスタイルにない単語だから。男が読んでる漫画には好きとかいう言葉は一切出てこない。キン肉マンにも、宮下あきらの漫画にも出てこないんですから! 普段全く自分の生活圏内にない言葉を使ったときに、嘘だと思われたら困るから、好きとかかわいいとか言えないんだと思いますね。案外男性はね、慎重なんですよ。だからいざ付き合い始めたら、男はもう腹を括ってると思いますね。だからわたしのこと本当に好きなのかとか、もっと連絡してよとか言わなくて大丈夫なんです!」(男の墓場プロ・杉作J太郎さん談)

 

【杉作J太郎さん推薦の作品】

「男の墓場プロダクション」局長。東映チャンネル放送委員。『現代芸術マガジン』編集長。映画『チョコレート・デリンジャー』の製作を2008年から続けている。著書に『杉作J太郎が考えたこと』『恋と股間』など

 

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『新幹線大爆破』(1975年公開)

監督:佐藤純弥 出演:高倉健、千葉真一、宇津井健、山本圭、丹波哲郎

「新幹線に爆弾を仕掛けて身代金を得ようとする話なんですが、過激派の役を演じる山本圭さんを、女の人が将来を夢見てかくまってたんですけど、何不自由ない暮らしのはずなのに、彼は出て行ってしまう。高倉健さんが、『大金が入ったらどこに行きたいか』って聞くシーンがあるんですが、すると山本圭は『革命が成功した国に行きたい』って言うんですよ。もう男性と女性はね、考えていることが根本から全く違うんです! 縮尺が違うっていうんですかね? どっちが大きい小さいって話じゃないと思うんですよ。縦軸と横軸が違う。同じところで生活しているように見えて、同じものさしの生活ができていないっていう、これが男性のある種特徴的なことだと思いますね」

 

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『エクスペンダブルズ』(2010年公開)

監督:シルベスター・スタローン 出演:シルベスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、エリック・ロバーツ

「この人達は傭兵部隊で、男達のコミューンを作って、みんなで入り浸ってるんですよ。男達だけで遊んでる から、女性も出て行っちゃうんです。男の世界が大切すぎて、女性との時間が取れないんですね。恋愛でうまくいきそうな奴がいると足を引っ張ったりもするんですが、実際男の世界ではよくあるんですよ。だから女性に言いたいのは『男友達に気をつけろ』ってことです! 別れさせようとして、悪口を吹聴してる場合がある。でもそれを見た時に、僕たちは嫌な感じはしないんですよ。『男らしいなー! 』なんてね。男は、男女が仲良くイチャイチャしてるのが不愉快なんです。だから仮に墓場プロに女性が入ったとしても、メシ喰いに行こうってときには、女性は500%、呼びません!」

 

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『ガルシアの首』(1974年公開)

監督:サム・ペキンパー 出演:ウォーレン・オー ツ

「男心を知るには、サム・ペキンパーの映画を観るのがいいと思います。主人公は、ウォーレン・オーツっていう我々男性の大好きな俳優さん。この男はいつも汚らしくて不潔なんですがね、我々男性から見るとカッコイイ! 主人公は酒場でピアノを弾いて過ごしていて、安定した経済力がないから結婚に踏み切れなかった。結婚するためにひと山当てようとして、大変なことになってしまうんですが。この映画で知ってほしいのは、男の幸せは必ずしもきれいな服を着て、いいところに住むことじゃないってことです。男女がうまくいかないのはね、幸せのビジョンが全然違うからだと思うんです。女性は幸せになりたい、でも男はもしかしたら不幸せになるのが理想だったりするから」

 

【伴ジャクソンさん推薦の作品】

男の墓場プロダクション武蔵野隊隊長兼レスキューライター&エディター。矢代丸治など別ペンネーム多数。『浪漫アルバム』シリーズの執筆、編集にも携わる

 

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『ブギーナイツ』(1997年公開)

監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演:マーク・ウォールバーグ、ジュリアン・ムーア、バート・レイノルズ

「ブルース・リーが大好きな男が成り上がって、ブルース・リーのようなカンフーアクションの入ったポルノ映画を作る話。この映画からわかるのは、男の子はいつまでもブルースリーが大好き! 一度好きになったら、その好きな物が一生変わらないってことですね。そして権力を持ったら、それを存分に発揮し始める!」

 

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『爆発!暴走族』(1975年公開)

監督:石井輝男 出演:千葉真一、岩城滉一、松平純子、藍とも子、町田政則

「岩城滉一さんのシャイなキャラクターが生きている一本。暴走族の若者を演じる主人公の岩城さんが、藍とも子さんとの初デートで大盛りのチャーハンを食うシーンが出てくるんですが、初デートでそういう店に行ったからって、別に女性を馬鹿にしてるわけじゃないんです。岩城さんが真面目に女性と距離を取っている間に、女性が大変なことに巻き込まれてしまうんですが、それが仇(あだ)になることも含めて、男はシャイな生き物。なかなか自分からは動かないものなんだよってことですね。いかにも動きそうな岩城さんですら動かないんですから!」

 

※本記事は毎月25日頃、各店舗で配布している『VVマガジン』最新号からお届けしております