2015年初夏、94年の歴史を持つ科学玩具「地球ゴマ」が、惜しまれつつも生産を終えた。地球ゴマはジャイロスコープと呼ばれる、慣性の法則を利用して回転状態を一定に保つ計測器の技術を使った商品。回っている間はどれだけ傾けてもその角度を保ったまま回り続ける、単に「玩具」では片付けられない完成された挙動で人気を集めた。

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しかしこの完成度こそがネックとなった。きちんと回転する地球ゴマを作るには、コンマ数ミリレベルの誤差も許さない職人の技術力そのものが必要となる。そのため製造元のタイガー商会では後継者がなかなか育たず、残された職人(工場長含めわずか3名!)も高齢となり、会社をたたむとともに地球ゴマも生産終了となってしまったわけである。

 

だが、地球ゴマの魂は絶たれていなかった! 地球ゴマに憧れタイガー商会の職人となった一人、鳥居賢司さんが技術面等々で信頼できる町工場を発見、地球ゴマをさらに発展させた新商品の開発製造委託をするとともに、自身も新会社タイガージャイロスコープ株式会社を発足したのである。地球ゴマの存続が決定したのだ!


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建築デザインにも次世代感あふれるタイガージャイロスコープ株式会社の新社屋

 

といっても、100年近くにわたって親しまれたあの地球ゴマがそのまま復刻されるわけではない。

 

「現在の最新技術を用いた地球ゴマに代わる次世代ジャイロスコープを、町工場の20代から30代の若手チームとともに開発しています。地球ゴマのスピリットや技術は継承していきますが、地球ゴマ以上に精度の優れた、誰もが心ときめく世界に誇れる製品を目指しています」と鳥居さん。

 

そのため「地球ゴマ」というネーミングではなくなるとのことだが、地球ゴマを超える新世代地球ゴマが登場するのは疑いの余地がない。製品の詳細、新名称などの正式発表は来春とのことなので、それまで期待しながら待とう。早まってかつて出回った精度の低すぎるニセモノになんて手を出しちゃダメ!