群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で入所者10人が死亡した火災で、業務上過失致死罪で起訴されたNPO法人「彩経会」理事長の高桑五郎被告(85)が保釈され、2月10日の逮捕以来初めて毎日新聞の取材に応じた。「とにかく申し訳なかった」と改めて謝罪する一方、入所者の避難を妨げたとされる施設内の施錠を「必要悪で致し方ない半面もある」と話した。焼失を免れた別館は今も高齢者3人が入所しているといい、「今月中に理事会を開き、新理事長に施設を引き継いでもらいたい。それが亡くなった方へのご奉公」とも語った。

 高桑被告は前橋地裁の決定に基づき、保釈保証金100万円を納付。今月15日に保釈された。白いワイシャツにグレーのスーツ姿で取材に応じ、口調や足取りはしっかりしていた。拘置中は寒くて腰が痛くなり、車椅子を使っていたという。

 施設の避難経路にある引き戸などを南京錠で施錠していたことに高桑被告は「鍵を付けても、外せる形を取れば良かった」としながら「徘徊(はいかい)の人はそういう形で(施錠)しなければ危険性がある。苦しい立場だった」と語った。

 また、施設の増改築に燃えやすいベニヤ板などを用いた点は「人を受け入れるためにやった。応急の措置だと思っていた」と説明。「安全性を顧みなかったのか」と問われると「なかった」と答えた。

 東京都墨田区の生活保護受給者などを多く受け入れた理由は「行く所がないから入れてあげたいと思った。経営を安定させる目的はあった」と話した。【奥山はるな】

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老人施設「静養ホームたまゆら」火災

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