奈良県明日香村の高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)の国宝壁画が劣化した原因を調査してきた文化庁の検討会(座長、永井順国・政策研究大学院大学客員教授)は24日、報告書を玉井日出夫・文化庁長官に提出した。自然的要因に72年の発掘後の保存対策のまずさが重なり劣化したと結論づけ、主原因は明示しなかった。

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 検討会は08年7月からカビなどの微生物や壁画材料、過去の保存修理記録などを調査。発掘後、劣化が急速に進んだ人為的要因として、▽80年代前半、壁画の下地の漆喰(しっくい)をアクリル樹脂で強化した場所にカビが発生することがわかったが、対応策を検討しなかった▽石室と保存施設をつなぐ「取り合い部」天井の土が崩落していることがわかっていながら01年まで放置した▽保存施設の温度調節機能は76年の稼働開始時から不具合があったが、改善されなかった--などを指摘した。

 また、保存施設が完成して本格的に壁画の修理が行われた76年以降、外部の専門家による調査会が開かれず、作業が現場任せとなったとしてチェック体制の不備を指摘した。【高島博之】

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