精巧に偽造された中国の100元(約1400円)紙幣「スーパーC100」が日本国内で6枚発見されていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。紙幣はすべて記番号が「BX08540356」。同じ番号が複数あることから偽造と分かるが、紙質やインクは鑑定の結果、本物と同じであることが判明した。換金目的で作製されたとみられ、東南アジアでも複数枚発見されたとの情報もあり、組織的に偽造された可能性が高い。警視庁は実態把握に乗り出した。

 捜査関係者によると、偽造された6枚の100元について、紙幣鑑別機の開発・製造会社「松村テクノロジー」(東京都台東区)に鑑定依頼があったのは昨年10月上旬。同社の鑑定士である松村喜秀社長が鑑定したところ、紙質の手触りや硬さなどは本物と酷似しており、記番号だけが薬品につけるとはがれた。粘着シール状のもので張り付けられていた疑いが強いという。松村社長によると、記番号を偽造した紙幣が発見されたのは世界初で、これまでに発見されたスーパーノート(精巧な偽札)とは性質が異なる。

 記番号部分だけが張り替えられたため、鑑定では偽札と判定された。ところが、この偽札は光を当てると図柄や文字が浮かび上がる真正の100元と同じ特殊インクを使用していることも分かった。このため、6枚は精巧に偽造されたものではなく、本物の紙幣と同じ製造工程で作られたとみられる。

 北朝鮮では朝鮮労働党や軍幹部が、偽100ドル札の製造・流通への指示に関与しているとされているが、日中外交筋は「中国でも軍が関与している可能性がある。本物の紙幣を勝手に作製しようとしたものの記番号だけが通し番号にできなかったため、張り付たのではないか」と軍関係者の関与を指摘する。

 中国国内では2008年末から昨年初めにかけて、偽100元札が大量に出回った。この時も紙質や精巧な印刷から本物と見分けがつかないといわれ、記番号「HD90」で始まるものが多いとされた。昨年には中朝国境付近で透かしやホログラムがあり、識別機でなければ判別できないような精巧な偽一万円札も見つかっている。この紙幣をもとに、さらに精巧な紙幣も作られているとの専門家の指摘もある。

 スーパーC100について、松村社長は「一般の偽札鑑別機では本物と認識されるため、99・9%の確率でATMやCD(キャッシュディスペンサー)を通過する。これまでに見つかった偽札と同様、換金のために日本などに持ち込まれたのだろう。世界各国でかなりの量が出回っている可能性がある」と話している。

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■スーパーノート 本物と判別が困難なほど精巧に偽造された紙幣。1993年に発見されたスーパーKや97年のウルトラスーパーノートなどの米ドル紙幣が有名で、96年以降2200万ドル(約22億円)が出回ったとされる。米財務省は米ドル札のスーパーノートについて06年に「北朝鮮政府の管理下で製造された」と断定した。

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