□2月5日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザ

 ■「どの国でも手を握って話し合える」

 「飢えた子供の前で、児童書は何ができるのか?」

 日本ペンクラブが昨年設立した「子どもの本」委員会の発足記念シンポジウム「混迷する世界に、“子どもの本”の可能性とは?」の冒頭、作家の落合恵子さんが、フランスの哲学者、サルトルの問いを引用して挑戦的な問題提起の基調報告を行うと、パネリストたちは敏感に反応した。

 作家のひこ・田中さんは「人間は物語を必要とする存在である」と指摘した。

 「おなかをすかせて食べるものがなくても、せめて物語は聞かせてあげたいなと思うんです。難民キャンプにご飯と医薬品と一緒に、できれば物語も届けられたらと思います」

 終戦後の食糧難時代にもかかわらず、哲学者の西田幾多郎全集を求めて岩波書店に大行列ができた例を挙げ、「人間にとって活字がいかに大切なものであるかを証明した」と応じたのは、「ズッコケ三人組」シリーズなどで知られる作家の那須正幹(まさもと)さん。「子供の本はいま戦争を起こしている国に対しては無力かもしれないけど、次の戦争をやめさせるエネルギーはある」

 漫画家の里中満智子さんも、神話・伝説をはじめとする物語を求めるのは「人間の本能」と語る。「目の前のことには何もできないかもしれないけど、飢えた子供を救うための一握りの食べ物を作ることの大切さを知る、それが物語の力だと思います」と訴えた。

 今年9月には国際ペン大会が26年ぶりに東京で開催される。日本ペンクラブの阿刀田高会長は「政治体制、文化水準が大きく違う国と文学の話は難しいが、子供の本についてはどの国でも手を握って話し合える」と、国際交流の推進役として期待を込めた。(磨井慎吾)

地域主権2法案を閣議決定(時事通信)
生き埋め 工事中1人死亡 岐阜・各務原 (毎日新聞)
北教組幹部ら逮捕「極めて遺憾」=平野官房長官(時事通信)
西島大氏死去(劇作家)(時事通信)
【1都4県週刊知事】埼玉 上田清司知事 夢は世界最高空間(産経新聞)