鳩山由紀夫首相が小沢一郎・民主党幹事長と前原誠司・国土交通相の板挟みになっている。高速道路の新料金案を巡り、「見直す」から「見直さない」へと一夜で方針が変わった。舞台裏では、前原国交相の相当強い反発があったことが伺える。

 2010年4月22日正午過ぎ、前原国交相は、9日に公表した高速道路の新料金案について、「現時点では見直さない」とテレビカメラの前で語った。首相と会談した後のことで、首相の了解を得たとも話した。この日の朝刊各紙には「高速新料金見直し」の見出しが1面に踊り、前原発言の数時間前にも鳩山首相が見直しに前向きな発言を記者団にしていたにもかかわらず、だ。

■前原国交相「クビ」をかけて首相に談判?

 前日の21日には、政府と党の首脳会談があり、鳩山首相と小沢幹事長が顔を合わせた。報道によると、「値上げになる」との批判が民主党内からも出ている高速道路の新料金案について、会談の中で小沢幹事長が見直しを求め、鳩山首相が再検討することを受け入れた。朝日新聞は22日の朝刊(東京最終版)で、「担当大臣が正式に発表した政策が党の要望で覆される異例の事態」と報じている。

 前原国交相はこの会談に出席していなかった。産経新聞(22日朝刊)によると、前原国交相は21日夜、自身がいない場で見直しの流れができたことに反発し、「もし自分がいない場所で決めるなら、この立場ではいられない」と大臣辞任も辞さない考えを示していた。

 22日昼、「現時点では見直さない」と記者団に語った前原国交相は、閣僚を続ける考えも示し、辞任を否定した。前原国交相は心なしかわずかに笑みを浮かべているようにも見える。圧倒的な権力をもつとされる小沢幹事長の方針に押されかけた首相に対し、「自身のクビ」をかけて方針再転換を勝ち取った、という気持ちがすけて見えなくもない。もっとも、前原国交相は「国会審議を踏まえ、国交省で総合的に検討する」と話し、将来的な見直しには含みを持たせてもいる。

■「結局誰が1番エライの?」

 鳩山内閣の二転三転ぶりは、ガソリン暫定税率問題や郵政改革法案、米軍普天間基地移設問題でも露呈している。

 22日午後に放送された「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)でも、高速料金を巡るドタバタを取り上げた。司会の宮根誠司が「迷走が続いております。前原大臣が怒っちゃって怒っちゃってエライことになってる」と紹介した。読売テレビの岩田公雄・特別解説委員は、「小沢さんが言ったら1回変えた、ところが今日は大臣が頑張ったら変えないと……。きちっと方針を出してやってもらわないと」と注文をつけた。宮根も「結局誰が1番エライの?」と首相の指導力に疑問を投げかけていた。


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