パブロ・ピカソが最も愛した女流画家、フランソワーズ・ジローの回顧展「ア・ライフ・イン・アート」が30日まで東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開かれている。僚紙「SANKEI EXPRESS」に掲載する回顧展の企画ページを制作するため、会場に足を運んだ。

 ジローについて知っていたのは、ピカソが「ラ・ファンム・フルール(花の女)」とたたえていたことぐらい。写真家ロバート・キャパが撮影したピカソとジローのコミカルな写真を見た記憶はあるが、ジローの絵画を見るのは初めてだった。

 回顧展にあわせて来日するジローにインタビューできることになり、あわてて資料などを読んで準備を進め、ドラマチックな人生を歩んできたことを知った。残念ながら、88歳と高齢で、体調不良のため急遽(きゅうきょ)、来日は中止に。インタビューはかなわなかったが、にわか勉強のかいもあって、会場に並ぶ作品を一つ一つ興味深く見ることができた。

 ジローはピカソと約10年間、生活をともにし、この間、ピカソを通じてアンリ・マチスやマルク・シャガール、ジャン・コクトー、アーネスト・ヘミングウェー、キャパなど20世紀を代表するアーティスト、作家らと交流を深めたという。ジローは今も絵筆をとっているが、ピカソやマチスらの影響を受けて作風を変化させていった作品からは、20世紀という変化に富んだ時代を感じた。

 21世紀に入ってはや10年。20世紀を回顧・検証する出版、美術展などの企画も目立ってきた。今月27日に東京・恵比寿の東京都写真美術館で開幕するジャンルー・シーフ写真展も20世紀を振り返る好機となりそうだ。

 20世紀最後の年の9月に他界したシーフは、半世紀にわたってルポルタージュやファッションなどの分野で活躍。モノクロ写真に徹し、パリやニューヨークの風景、ファッションデザイナーのイヴ・サンローランやジャン・ポール・ゴルチエのポートレートなど多くの傑作を残している。学生時代からシーフの写真が好きで、今はデスクマットに挟んだ写真展のチラシを毎日ながめている。

 ジローの絵画、シーフの写真とも世紀を超えてなお輝き、新鮮さも感じさせてくれる。ジローやシーフのエネルギッシュな創作活動は、21世紀の今の世界を見る上で参考になるはず。シーフの写真展は5月16日まで。開幕が待ち遠しい。(編集企画室長 遠藤一夫)

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