他人に素性を知られずに郵便物を受け取れる民間私書箱。契約に身分証明書の不要をうたったり、形式的な本人確認で済ませる悪質業者がいるといい、専門家は「匿名性の高さが犯罪に悪用されている」と指摘する。

 JR東京駅構内の民間私書箱はJR東日本の関連会社「リテールネット」が平成18年9月から運営している。大小2種のボックスが528並び、もともとは稼働率の低かったコインロッカーだった。料金は大が月3600円、小が同2400円。IC乗車券「スイカ」などで支払いとボックスの開閉を行い、荷物が届くとメールで通知される仕組みだ。郵便局の私書箱と異なり宅配便も受け取れる。

 通信販売で買い物をしても住所を教えたくない若い女性や、通勤中に荷物を受け取りたい人などの利用が多い。同社広報は「免許証など本人確認書類と直接の面会後に契約している」と透明性をアピールする。

 名古屋市街の大手スーパーの一角にある民間私書箱。経営者は「顧客は学生から年配者まで幅広く、住所を知られたくない多重債務者もいる。契約時に『身分証は必要か』と問われたり、偽造の健康保険証を提示されたこともある」と明かす。

 振り込め詐欺に詳しい調査会社「SP解決センター」の桑名裕二本店代表は「利用者の身元が割れにくいため振り込め詐欺グループが目をつけた。現金を受け取る際、警察の追跡から逃れるため複数の業者を介在させ、足がつかないよう注意している」と話す。

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