■ほほえみに癒やされて

 タイに出かけたおり、本場の古式マッサージを受けて日ごろの疲れを癒やそうかと思案していたところ、知人が「イサーンなら心身ともに癒やされるよ」。イサーン? なじみのない地名だが、タイ東北地方のことでほほえみの国・タイの原風景が残るという。癒やしを求めてイサーンを訪ねた。(文 藤原直樹)

 ◆魅力的な遺跡

 バンコクから国内線に乗り継ぎ1時間。イサーン北部のウドンタニ空港に到着する。待合場所では現地の人たちが観光客を見かけるとほほえみかけてくれ、長旅の疲れが自然と和らぐ。

 そのまま訪れたナイトバザール(市場)でも、店の人たちはみな笑顔。思わず果物を買ってしまう。ウドンタニ駅では、列車を待つ子供たちのにこやかな表情に心を奪われた。これがほほえみの国・タイか。知人のアドバイスの意味を実感した。

 イサーンは観光地も充実していた。世界文化遺産に登録されているバンチェン遺跡は紀元前2千年代の土器などが出土し、発掘現場を見学できるほか、出土物は国立博物館に展示されている。中部のコンケーン地方では恐竜の化石が見つかり、発掘体験が可能で最新の展示で話題の博物館もある。観光で疲れた体は名物の古式マッサージで回復。たしかに癒やされる。

 ◆古きよき時代も

 タイ国政府観光庁もイサーン観光の振興に力を入れる。1月29日にはコンケーンのホテルでセミナー「イサーン・リビジット(再訪問)」が開かれ、日本をはじめ、香港、シンガポールなどから多くの旅行関係者が参加した。

 「ぜひ魅力を広めてほしい」(同庁)と強調する一方、参加者からは交通の便の悪さなど欠点の指摘もあった。同庁大阪事務所の井上朱美さんは「確かに整備されていない部分も多い。しかし、その分『古きよきタイ』が残っているといえるんです」と解説する。

 この地を支配したクメール王朝時代(9~15世紀)の遺跡群など、今回訪問できなかった場所も数多い。「発展を遂げる前にリビジット!」と心に誓った。

 ◆最「高」の屋外

 バンコクでは女性をターゲットにした新しい観光に力が注がれている。タイ観光はプーケットなどリゾート地以外は男性向けのイメージがあるが、それを変える切り札が「スパ」だ。

 バンコクで体験したスパはアロマの香りの中、全身をオイルでやさしくもみほぐす。古式マッサージとはまた異なる優雅な気分を満喫できた。

 そしてバンコクで最も話題を集める高級ホテル「レブア アット ステートタワー」の屋外展望レストランも訪問。地上247メートル、64階にあり、屋外レストランとしては世界一の高さを誇る。風を受けながらの眺めは圧巻だ。

 同ホテルの日本向けセールスを担当する酒井康利さんは、「日本人の割合はまだ10%程度。スパにも力を入れ、日本からの集客を図りたい」とする。

 タイに行くならイサーンとバンコクの組み合わせがお勧めだ。最高の癒やしを堪能でき、仕事に疲れた日本人にぴったりだ。

 ≪メモ≫タイ・イサーン地方

 コラート高原からメコン川流域にかけての地方で、国土の3分の1を占める。新石器時代からクメール人に支配される時期まで、古代文明の中心地だったとされ、数々の遺跡やモニュメントが過去の栄華を今に伝えている。代表的な料理はニワトリ1羽を炭火で丸焼きにする焼き鳥「ガイ・ヤーン」や、蒸したもち米である「カオニヤオ」、パパイアのサラダ「ソムタム」など。伝統のタイシルクの一大産地でもある。問い合わせはタイ国政府観光庁大阪事務所(TEL06・6543・6654)。

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