ソ連軍の反撃の仕方について書きます。主に戦線が引けない状態で、ドイツ軍が突出してきた場合の対応。とりあえずメニューを示しますので、分かる人にはすぐに使い方が分かると思います(*^_^*)ソ連軍が自らダイスを振らない「関節技」でドイツ軍を押さえ込むのがポイントです。

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P1140193【クリンチとヘッドロック】
 漫然と進んできたドイツ軍戦車スタックを歩兵2個で止めるにはどうするか。1個は4戦力だが、もう1個は未確認ユニット。近隣に他のドイツ軍部隊がなければ、歩兵2個で「クリンチ」するのが有効になる。

P1140195 やり方は簡単。単に歩兵で挟むだけだ。今回はタイミング良く、アントライドを2倍地形に入れて包囲できた。では、ドイツ軍はどうするか。20戦力あるので4戦力を5:1で攻撃することになる。地形効果のあるアントライドの方が4戦力だったら20:8=2:1、3戦力でも3:1となり、CやEX、さらにはARの可能性もあるからだ。

P1140196 歩兵といえど、地形効果がある場所だとドイツ軍も反撃できなくなる。両方とも2:1以下になる可能性がある、すなわちARが出て自軍だけが壊滅するような場合、なかなかドイツ軍の方から戦闘は仕掛けられない。ドイツ軍が5:1以上で自力脱出を図れるのが「クリンチ」。それより低い戦闘比でダイスを振れなくなるのが「ヘッドロック」だ(3:1あればARはない)。ソ連軍はロックしたまま時間が経過するのを待てばいい。

 ドイツ軍は外からの応援を待つしかない。多くの場合は遅れて来る歩兵。別の装甲師団を持ってくることはありうるが、こんな歩兵のために戦力を回すということは、どこか別の場所の攻勢が遅れることになる。あるいはリスクを冒して2:1で勝負するか。アントライドを開けてみてゼロの可能性もあるので。だが、ARが出たら一方的に壊滅する。


P1140197【クリンチをほどいても・・・】
 クリンチを脱するため5:1で攻撃してもDRになる確率が高い。そこでソ連軍を下げてドイツ軍装甲が漫然と戦闘後前進すると・・・


P1140198 実はまた包囲されてしまう(^o^)今度はどちらにも5:1で攻撃できるが、完全に2ターンを空費してしまっている。さすがに3ターンもすれば友軍が応援に来るだろうが、前回説明したとおり、第5ターンぐらいまではソ連軍は戦線が作れるのだ。その後の乱戦で2ターンも足止めされてしまったら、とてもミンスク到達や盤外突破はできない。

 当たり前だが、最初にドイツ軍に攻撃されてしまっては意味がない。つまりクリンチするソ連軍は、ドイツ軍の移動開始時点で12移動力離れたところにいるか、包囲されない位置にいないといけない。逆に言えば、ドイツ軍がクリンチを受けたくなければ、少し手前で移動を止める必要がある。

 ソ連軍の戦車によるクリンチを警戒するなら、さらに手前で停止しないといけない。これにより、戦線を張らなくてもドイツ軍の前進の勢いを止める効果がある。もちろん、ドイツ軍が包囲されないようなユニット数で前進してくればクリンチは受けない。包囲されても後続の歩兵で救援できるような状態でもクリンチはしずらい。

P1140199【サソリ固め】
 ではクリンチを脱出した上記のケースで、戦闘後前進して2ユニットを並べたらどうなるか。



P1140200 ソ連軍がもう1ユニット持ってきて包囲できる(^o^)もちろんユニットに余裕がなければ無理だが。これを「サソリ固め」と呼ぶことにしたい。グレーの胴体に、ハサミとしっぽが茶色いサソリに見えないだろうか(^_^;)

P1140201 このサソリ固めが恐ろしいのは、少ないユニットでドイツ軍を包囲できることだ。左の写真では、4戦力の歩兵3個で40戦力のドイツ軍を包囲している。ドイツ軍は5:1攻撃2回で脱出できるが、ソ連軍はDRで生き残る可能性が高い。

P1140203 もっとも、強力な歩兵3個で囲めるのは運がいい場合だけだろう。しかし、戦車3個でサソリ固めできるケースは結構あると思う。左の写真の場合、ドイツ軍がサソリ固めを脱するには、ハサミのソ連軍を3:1、しっぽのソ連軍を1:1で攻撃することになる。

 ここで重要なルールを思い出してほしい。独ソ電撃戦では、戦闘の組み合わせを最初に宣言しなくてはいけないのだ(近年のゲームはあらかじめ決めておかなくてよいタイプが増えているが)。つまり、3:1が成功したのを見てから1:1をやるかどうか決めてはいけない。となると、3:1では1/3の確率でCになる。包囲が解けない。その状態で1:1勝負をすると、1/3の確率でAR、すなわち包囲されているのでAEになってしまう。なので、1:1の方は攻撃を宣言しずらい。

 というわけで、クリンチを解消した後、ドイツ軍は1へクス離れた方がいい。ただし、ソ連軍に余裕があって2ユニット持ってこられたら、今度は2カ所でヘッドロックされることになる。

P1140204【タラララッタ〜タ〜ラタ〜ラ】
 中央マップでドイツ軍とソ連軍が1スタックを失った状態となり、ドイツ軍が漫然と戦力を集中して戦線突破を図ったとする。ドイツ軍は57戦力もあるが、ソ連軍の戦車も平均5戦力あるので、スタックして10戦力。町にいるので2倍。戦闘比は2:1となるのが普通だ。

 2:1でダイスを振ってCが出たとしよう。ドイツ軍は3スタックが団子のままでターン終了。ドイツ軍歩兵は次ターンに追いつく位置にない、という場合、ソ連軍はどう反撃するか。

P1140205 このようにソ連軍3個スタックとZOCを及ぼすユニット1個を使うと、装甲集団が丸々動けなくなってしまう(地形効果があるへクスなら、ソ連軍ユニット1個でもいい)。今回はあえて戦力判明状態で包囲しているが、アントライドで0戦力の可能性があっても、20戦力で攻撃するのは勇気がいる。アントライドが6戦力以上で森にいたら、1:1になってしまうからだ。そして、戦闘の組み合わせをすべて最初に宣言しなくてはいけないルールがあるので、ドイツ軍は後方への3:1しか宣言できない。ここでまたCが出たら、装甲集団が2ターン丸々活動できないことになる。

 どうだろう。曲がった足のようなドイツ軍3スタックにソ連軍ユニットが絡みつく様子・・・あの音楽が聞こえてこないだろうか(^O^)「そう、まさにこれはスピニング・トーホールドだ!」(古舘伊知郎)スタン・ハンセンがラリアットを空振りした後にテリー・ファンクがスピニング・トーホールドを決めるようなプレイに見えないか(リンク先の映像でも登場)。

 ドイツ軍の歩兵の押し上げが弱い場合、ゲーム中盤でスピニング・トーホールドをかけるのは有効だと思う。歩兵が追いついてホールドを解いた後の移動で逆襲を食らわないようにする必要はあるが。

【ソ連軍とドイツ軍の戦車の数】
 そんなこと言っても、ソ連軍がドイツ軍よりユニットが少なくなってしまえば関節技などできないだろう、という疑問を持つ読者も少なくないだろう。いちおう検証してみる。

 前々回の作戦研究で書いたのを見てもらいたい。第2装甲正面だけでとりあえず比較してみよう。ドイツ軍の装甲8ユニット71戦力(10戦力×5、7戦力×3)に対し、ソ連軍は10ユニットで対抗している。当初はソ連軍の方が手数が多い。ところが、途中のEXでドイツ軍1個に対しソ連軍2個が壊滅することがある。2倍地形に入っていてもソ連軍が一方的にDEする可能性もゼロではない。

 とはいえ、平均5戦力のソ連軍がスタックしているので、合計11戦力以上ある場合はけっして珍しくない。つまり、EXでドイツ軍とソ連軍がそれぞれ2個ずつ除去となる減る可能性は小さくはない。さらに、ソ連軍には少ないながらも予備の歩兵や騎兵がいる。地形効果を使って包囲の「相方」となれる。また「サソリ固め」なら、ドイツ軍4ユニットをソ連軍3ユニットで包囲できる。

 ということを考えると、終盤に関節技をかけるのは決して難しくないと思われる。アントライドが減っていく前に中盤で積極的にかけた方がいいとも言える。終盤では、包囲を解消するドイツ軍歩兵がいても、捨て身でタックルして止める必要があるかもしれない。ソ連軍は除去されてもVPにならない。最終ターンでミンスク前面でクリンチして、ドイツ軍がクリンチを解消してゲーム終了なら、ミンスクが空っぽでもいいわけだし。

【タイボンバ!イエー?】
 もう、賢明な読者諸兄はお分かりだろう。独ソ電撃戦は異種格闘技戦なのだ。ドイツ軍はフットワークのあるハードパンチのボクサー。ソ連軍はサブミッションが得意なレスラーだ。ボクサーはひらりひらりと敵の包囲をかわしながら的確に打撃を与えて進む。レスラーは相手の懐に飛び込んで身動きさせないようにして時間稼ぎする。

 諸兄にはあの入場曲が聞こえてきたに違いない♪タイボンバ、イエー・・・ではなくて
(^_^;)♪アリ、ボンバイエ!あるいは♪猪木、ボンバイエ!・・・

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 次回はこれらのテクニックを踏まえた上で、「ソ連軍の退却方法(第4装甲正面)」をやります。これは、リガ41単独のゲームの作戦研究にもつながります。

 最後にどうでもいい話。正確には、サブミッション=関節技ではありません。submissionを辞書で引くと「服従」などの意味が書いてあります。つまり、関節技を決められて「まいった」と言うことがサブミッションなんですね。

 同じボンバイエでも、アリの方が洗練された感じに聞こえませんか?猪木の方は「らしい」けど、ちょっと漫画チックというか。私も「世紀の凡戦」を生放送で見た年齢ですが、独ソ電撃戦の方は、あれより必ず面白いと保証します(^O^)