作品名 『 玻璃の器 』
作者 : 渡辺キリ
掲載サイト : Sugar Babe Crazy
URL : http://rinrin.saiin.net/~kiri/hari/top.html
作者あらすじ
時は平安。名門家・権大納言藤原兼長の一の君として生まれた馨君は、白梅のような美しい肌に紅梅のような愛らしい唇を持つと評判だった。兼長の妹で主上(帝)の妃でもある絢子が出産のために兼長邸へ里下がりをすることになり、馨君は絢子が連れてきた二人の皇子と出会う。一人は東宮(皇太子)の惟彰、そしてもう一人は第二皇位継承者の弟宮・水良だった…。
おすすめ度 : ★★★★★
ネット小説では貴重な平安BL小説です!
名門・大納言家の若君で、その明るい性格ゆえに誰からも慕われる美少年受け。
お相手はハイスペックな受けに相応しく、当世の帝と、その弟宮。
つまり
最高権力者である兄弟二人に惚れられて執着されるという、かーなーりおいしい三角関係の物語です。
しかも三人とも出会いは幼少期。
魅惑のトライアングルに幼 馴 染 属 性まで完備。
いわゆる<筒井筒の仲>ってやつですね!!!(*´∇`*)ムハー
いつの世も幼馴染カプは最強の萌えドコロである、とこの作品を読んで改めて確信しました。
超ハイスペックでイケメンだけどややヘタレ属性の兄宮・惟彰にときめくも良し。
年下で自由奔放なやんちゃ属性ながら包容力はピカイチの弟宮・水良にキュンとするもいとおかし。
幼いときはただ相手への好意のままにそばにいれた。
けれど時が流れるにつれ、三人とも子供ではいられなくなって、だんだんと世間のしきたりや義務に縛られ、追いつめられていく。
皇族として、大納言家の跡取りとして、結婚し、子をもうけなくてはならない。
前半は主人公・馨君の人柄もあって、すごく明るくてほのぼのした雰囲気なんですが、後半から徐々に徐々にシリアスになっていって、いびつに歪んでいく三人の関係がすごく切ないです……。
ラストもね。
バッドエンドではないんだけど、ほろ苦さの残る幕引きで悲しい気持ちのほうが大きかった。
でも、安易にハッピーエンドにもっていかないところがこの作品の素晴らしい所だとも思うので、やっぱりこれでいいんだろうな。悲しいけど。幸せでもある終わりだから。
ネット小説でここまで本格的な平安BLっていうのもなかなかないので、貪るように読みふけりました。
ものすごく綿密に下調べしてあるんだろうなってわかる。
作者さんの膨大な知識がちゃんと物語の背景として生かされてるので、ドップリ読み応えありますよ~!
オススメ。