私がセミナーを行ってきた経験から述べれば、日本でもっとも危機感が薄かったのは名古屋の営業である。
実は、そう思ったのは講師の私だけでない。
昔、プレジデントセミナーの参加者のなかに、そう話しかけてきた大手自動車部品メーカーの役員がいた。

名古屋の営業は大都市圏では周回遅れ。恐ろしく古い。
排他性の強い土地柄ということもあり、いまだに地縁やどうかすると血縁まで幅を利かせる。
東京の企業が進出して大苦戦するのが名古屋。
いやというほどよそ者を実感させられるらしい。

私がセミナーでトヨタとグループ会社の恩恵について触れると、あからさまに不愉快な顔をする受講者が少なくなかった。
自分たちの実力といわんばかり。

だが、世界同時不況をきっかけにトヨタの成長に急ブレーキがかかった。
それと同時にお膝下は元気をなくした。
今後、新興メーカーの低価格路線に弾みがつくはずなので、しばらく苦戦を強いられよう。
やはり名古屋はトヨタ頼みだった。

私は思う。
トヨタの失速は地元にとり良薬。
名古屋の営業も変わることに…。
「禍を転じて福となす」。
いい言葉である。

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