いよいよ第45回衆議院議員総選挙の投開票日(私の地元は横浜市長選挙の投開票日)。
マスコミの情勢分析では、民主党の圧勝。
どうやら事前の予想どおりの結果になりそう。
ただし、神奈川県の小選挙区は自民党の候補者がわりと健闘しており、当落の判明は深夜にずれ込むかもしれない。
寝不足を覚悟。

ところで、私は思い出した。
小泉純一郎元総理(元総裁)がかつて発した「自民党をぶっ壊す」という言葉。
今夜、それが現実になる。

私は、小泉純一郎が熟慮のうえでものを言うタイプか、直感でものをいうタイプか分からない。
が、この事態を見越していたとしたら凄い。
あれは劇場型選挙で勝利を収めるための“決め台詞”だったはずだが、本音では自民党政治に愛想を尽かしていたということはないか。
政権交代を歓迎し、政界再編を待望している可能性もなくはない。

今回の衆院選では一転、国民を不幸のどん底に突き落とした“極悪非道人”のように喧伝されている。
言われっ放しなのに、反論さえしない。
サンドバッグのように平然と打たれる。
恐ろしい胆力である。
小泉純一郎の客観的な評価には時間がかかろう。

私は、「改革」の基本路線は正しかったと思っている。
どん詰まり、借金漬けの日本の建て直しは、それなくして叶わない。
「削る」「なくす」「委ねる」。
そこに政策上のミスや行き過ぎがあったかもしれない。
また、どのような打ち手にも功罪はある。
本人は一言も残さず、総理をやめ、国会議員をやめてしまった。
歴史が判断するとでも考えているのか。

「郵政は構造改革の本丸…」。
小泉純一郎はこの言葉を好んで用いた。
選挙用にインパクトの強いフレーズを打ち出すことは、常套手段。
本丸を「端緒」か「突破口」くらいに留めれば、大きな問題にならなかった。
この言葉のみ取りあげ、目くじらを立てることはない。

とくに小泉政権の「雇用破壊」を責める声が大きい。
しかし、これに関しても評価には時間がかかろう。
企業は生き残るために、世界での最適化を目指さざるをえない。
こうした経営環境を無視し、雇用を守ろうとすれば、雇用は壊れる。

そもそも就業機会の喪失は、業務の海外移転、日本経済の縮小、そして昨秋来の世界的経済危機などによりもたらされた。
衆院選ではどの政党も「雇用確保」を押し出しており、新政権がそれを推し進めると状況は悪くなる。
景気変動に影響されるにしろ、日本の失業率は将来的に上昇していく。
そうでなく、「雇用創出」に取り組むことによってしか雇用問題の解決は図れない。

5月16日のブログ「雇用確保の大合唱」で述べたとおり。
「和田創 講演TV」動画一覧はこちら。

⇒同「雇用確保の大合唱」動画はこちら。



今回の衆院選で注目の神奈川11区。
小泉純一郎は、ジバン(地盤)・カンバン(看板)・カバン(鞄)を次男の小泉進次郎に譲り渡した。
万一、民主党の横粂勝仁に敗れたら、どうしたのだろう。
「人生いろいろ、選挙もいろいろ」。
けろっとした顔で言い放つ可能性もなくはない。

小泉純一郎は、胸の内をつかみにくい政治家だった。
多くの謎が残る。
私は変人とは思ったが、悪人とは思わなかった。
孤高を貫き、権力に対する未練がましさが感じられなかった。
それまでにないタイプ。
国民は非常に新鮮な印象を受けたのでないか。

次回の衆院選で、鳩山由紀夫や小沢一郎が極悪非道人呼ばわりされていなければよいが・・・。

◆書き加え1
きょうのブログは6日程前の執筆。
今夜の早い時間帯に政権交代が確定しよう。
そこで少し書き加えたい。

責めるのは、簡単。
民主党は勝った途端、責められる側に回る。
真価が問われるのは、そこから…。

今回の衆院選を、戦後政治に幕を下ろす歴史的転換点などと称賛する声が聞こえてくる。
民主党政権がスタートも切っていない段階で、なぜそのような評価を下せるのか?

◆書き加え2
いま午後7時30分。
まもなくテレビ各局で“選挙特番”が始まる。
いわゆる「開票速報」は候補者の当落判定のスピードと確実性を競うわけで、キー局の威信がかかっている。
午後11時頃には大勢が判明。
私が投票に出かけた南山田小学校(横浜市都筑区)でも出口調査を行っていた。

とても親切な世の中になり、有権者が投票する前に候補者の当落が判明していることが多い。
それがどうにも覆らないことが分かった小選挙区で、“落選確実”の候補者の名前を投票用紙に書くのはむなしい。

ところで、私が暮らす横浜・港北ニュータウンでは午後6時頃から雨が降り出し、同30分頃から雨あしが強まった。
夕方以降、天候が悪化した地域が多い?
自民党と民主党の候補者が接戦を演じている小選挙区では、波乱が起こるかもしれない。

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