ゲゲゲの女房。
極貧でも誇りを失わずに仕事(漫画)に打ち込む夫を信じ、夫を敬う。
女は肝が据わっている。
私の最初の妻も現在の妻もそうだ。
生活が苦しくてもこぼしたことはない。
ありがとう・・・。

ゲゲゲの女房も凄いが、ゲゲゲの旦那も凄い。
戦場で地獄を体験したからか。
マラリアで死線をさまよった。
そして、療養中に敵機の爆撃で左腕を失った。
軍医が麻酔なしに切断したのだ。

私は、先週の放送で水木しげるがさらっと語った言葉が強く印象に残った。
「自分をかわいそうがるなんて、つまらんことです」(台詞はうろ覚え)。
ほんとうにそのとおりだと思う。
名言だ。

水木しげるは、左腕を失ったことを悲しいと思ったことはないと語っていた。
命を失うよりも片腕をなくしても生きているほうが価値があるとも…。
こうした考え方ができたから漫画家として大きな成功を収められたのだろう。
「ゲゲゲの女房」は私たちの教科書である。
ドラマとしての面白さを味わえるだけでなく、夫婦と人生について思いや考えを巡らせられる。

朝の連続テレビ小説では異例ともいえる内容の深さを備える。
生きていくことは過酷を受け入れることだ。
人それぞれの運命や庶民の暮らしを、信頼と希望の明るさが包み込んでいる。
松下奈緒と向井理は、村井布美枝役と村井茂役を見事に演じている。
役づくりは決して簡単でない。
とりわけ村井茂役。
向井理は、形容しがたい「水木しげる」という人間をよくつかみ、雰囲気を出している。
二人の役者がオーラを放っているのは、実際の夫婦がオーラを持っていたからでないか…。

主題歌「ありがとう」も非常によい。
いきものがかり、だ。
それは十分に素晴らしいが、私はアンドレア・ボチェッリにもこの曲を歌ってもらいたい。
オーケストラをバックにしたら、ぴったりだと思う。

⇒2009年12月6日「ボチェッリ カルーソー」はこちら。

以下に「松下奈緒『ゲゲゲの女房』人気シーン」と題する2010年6月12日のブログを収める。
主役の松下奈緒が奔放に語った。

                      ◇◆◇

たったいまNHKの「土曜スタジオパーク」という番組に松下奈緒(まつした・なお)が出演していた。
NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のヒロイン、主演女優である。
村井布美枝(むらい・ふみえ)役。
村井茂(むらい・しげる)役の向井理(むかい・おさむ)とのコンビは好演といえよう。
夫はむろん「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、漫画家の水木しげる。

二人の結婚生活は他人行儀から始まり、次第に夫婦らしくなっていく。
が、いまは“貧乏神”に取りつかれ、大苦戦。
長女を授かったというのに、ミルク代にも困るありさま…。

土曜スタジオパークでは、視聴者の印象に残った人気シーンのほか、撮影秘話(裏話)なども紹介されて興味深かった。

松下奈緒は、一段と大柄に見える。
眉、目、鼻、口、それぞれがはっきりしている。
とくに口は形も大きさもダイナミックに変わる。
美しく、聡明な雰囲気が漂う。
同時に、活発で、非常に負けず嫌いな性格が浮かび上がる。

松下奈緒は、大物女優の誕生を予感させる。
素晴らしい。

ところで、人気第1位は、村井布美枝が村井茂を守ったシーンだった。
私の妻(前妻)は出会い後、結婚後、そして死の直前、一貫して私を守りつづけた。
「うちは私がいるから大丈夫…」。
結婚後、妻にしては珍しく、きっぱりと言い放ったことがある。
その光景を、私は鮮明に覚えている。
妻は守護神だった。

いま知った。
向井理は、私が暮らす横浜市出身。
かつ、明治大学卒業。
もっとも私は中退だが…。
一層親しみがわいた。

「ゲゲゲの女房」の今後の展開から目が離せない。
二人は貧乏神を追い払えるのだろうか。
決して他人事でない。

                      ◇◆◇

ゲゲゲの女房に関するブログは以下のとおり。

⇒2010年5月8日「ゲゲゲの女房…蘇る前妻との初デート」はこちら。

⇒2010年5月19日「松下奈緒、ゲゲゲの女房を好演する」はこちら。

⇒2010年5月20日「ゲゲゲの女房、小銭入れが空っぽの極貧」はこちら。

⇒2010年5月30日「ふすま一枚の地獄…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月6日「ゲゲゲ原稿料を払ってもらえない」はこちら。

⇒2010年6月8日「松下奈緒と向井理が好演…ゲゲゲの女房」はこちら。

⇒2010年6月12日「松下奈緒 ゲゲゲの女房 人気シーン」はこちら。

⇒2010年6月14日「ゲゲゲゲラが出た…私は初校で校了」はこちら。

⇒2010年6月17日「ゲゲゲ、人気ラーメン店の行列が消えた」はこちら。

◆書き加え1

知らなかった…。
松下奈緒と向井理が別の夫婦役でNHKに出演していた。
「いちごとせんべい」。
地上デジタル放送普及のための8分のショートドラマだ。
2011年7月に完全移行が予定されており、そのメリットなどをアピールしている。

舞台は、下町の老舗煎餅(せんべい)屋「ささき」。
新婚生活に地デジがちょっとした変化をもたらす。
ドラマは地上波での放送を前提に制作され、インターネットではだいぶ前にアップされていた。

昨夕、総合テレビで放送された。
私はたまたま見た。
シナリオと演技、映像にこだわりが感じられ、何だかおかしくなってしまった。
小品ながら趣がある。

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