全詰連会長のブログ

全日本詰将棋連盟の会長です。 詰将棋の普及と発展を目指して頑張ります。

2009年05月

全国大会に思う

これから書くのは全詰連について、私がこういう風にしたいという事です。
まだ決まった訳ではありませんので、皆さんも一緒に考えてみて下さい。


さて、これからの全詰連をどういう風にしていきたいかを述べます。
当り前すぎる事ですが「詰将棋の普及と発展」をまず第一と考えます。

詰将棋解答選手権の初級・一般戦では、私は江東会場にいました。
そこには何と秋田から小学生のお子さんとお母さんが来ていました。
プロ志望という感じにも見えなかったのですが、その熱意には正直言って感動しました。
初級・一般戦が沢山の会場で開催されたのは、地方で将棋教室をやっておらえる方々のお力が大きかったのでしょう。
それらの方々が普及と指導にかけるものはすごいと思いました。

一方、詰将棋大会です。
詰将棋全国大会は年に一度の詰将棋の祭典です。
しかしここに来るのは詰パラ読者が中心です。
果たして詰将棋の初心者や子供たちがそこに来てどれほど楽しめるでしょうか。

いや最初はそれでも良かったのでしょう。
平成元年に詰パラ400号を記念して名古屋で大会をやった時は、それはみんな大喜びしたものです。
誌上でお名前しか知らなかった人が「ああ、この人はこういう感じの人だったのか」と思いながらも、ちょっと話をすれば昔から作品や文章を見ているので、あっという間に旧知の友のようになりました。
そして翌年の東京大会で全詰連の再結成という事になった訳ですから。

でもそれから20年も経ちました。
今度は詰将棋に興味を持った人たち全てのための祭典にしてみませんか。
勿論、看寿賞の式典などのメニューは必要でしょう。
でもみんなで力を合わせて子供たちに普及や指導もやってみませんか。

まず幹事や役員にお願いしたいのは「スピーチや報告は手短に」です。
いやはっきり言って、私や編集長の話なんか聞かなくていいんです。
メインステージでセレモニーをやっていても、回りでは色々なコーナーが動いていていいじゃないですか。

こんなコーナーがあればいいですね。
・誰にでも出来るやさしい詰将棋創作講座
・初代宗桂の原本など稀書を展示するコーナー
・詰パラ全冊を自由に読めるコーナー
・ミニ解答選手権コーナー
 5手詰10問ほど並べた問題にタイムトライヤル。
  解答は初手と最終手を記入。
  全問正解者のタイム上位3名を表彰。
  成績により、即日詰将棋段級位を認定する。
・名作を解説するコーナー
  例えば煙詰の名作をプロジェクターで動かしながら解説します。

勿論今までのように書籍販売があってもいいんですが、詰パラや全詰連では詰将棋の入門書など出した事があったかしら。
(個人的に作ったミニ冊子はあったような…)

ようするにデパートでやっている将棋まつり風の「詰将棋まつり」にしたいのです。
いつ来てもいいし、途中で帰ってもいい。
でも来た人に「詰将棋って面白いねぇ」と思わせるような、そんな詰将棋の祭典にしてみたいのです。

夢は大きく持ちましょう。
まず詰パラの読者を倍増し、全国大会の参加者は300名突破!
いや、あくまで夢ですから。
まずは参加者150名くらいを目指してみたいですね。




  
 



ブログパーツ

ブログには色々なパーツがあります。
今日は右側の4つ目に「フリースペース」を加えました。
とりあえず全国大会までは、この大会告知を入れておきましょう。

その他に「リンク」を入れたいのですが、どこに有るのかが分かりません。
手探りでやっていますので、もう少しお待ち下さい。


今後このブログでは、全詰連や全国大会について私が考えている事を書いていきたいと思います。
これは必ずこうなるというものではなく、これから皆さんと論議していこうと思います。
言ってみれば、大会や幹事会での所信表明演説(?)があまり長くなるのも困りますので、事前に書いておこうというものです。

どうぞみなさんも気軽にお付き合い下さい。



どうぶつしょうぎ

いま話題のどうぶつしょうぎですが、明日の朝8時半からのTBS系「はなまるマーケット」に藤田麻衣子1級が出て説明するようですね。

http://joshi-shogi.com/lpsa/media/media-info.html

以前にTVに紹介された時も問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったとか。
名古屋全国大会でもどうぶつしょうぎを使ったイベントを企画しているのですが、果たしてそこで販売する分は確保されるのでしょうか?(^^;

詰棋人たちは、もう詰どうぶつ将棋やら推理どうぶつ将棋の製作に着手しているようですね。

http://toybox.tea-nifty.com/memo/2009/04/post-3f5f.html

やはり行き着くべき場所に、ちゃんと行っているんですね。



パソコンの進歩

ここ数年のパソコンの進歩が、詰将棋の世界を大きく変えてしまった。
一番違うのが、余詰検討という最も面倒な作業が機械に掛けられるという事だ。
「日輪」の余詰もパソコンが無い時代に作られたものだから、今になって余詰が発見されたり、また復活したりする(復活は異例ですが)訳だ。

近将で連載を書いていた時に、七種合1号局である北原義治作に余詰が見つかったのも、記事として取り上げようとして調べたからだ。
もし過去の作品を片っ端からパソコン検討に掛けたら、かなりの数の不完全作が見つかるかもしれない。

また詰将棋を解くという点においても、人力をはるかに上回った威力をパソコンは見せてくれる。
近将で解答の採点をしていて実感した事だが、パソコンを使った解答らしき人がかなり存在するのだ。

こんな事があった。
ある作品の途中で、AまたはBのどちらに逃げてもいいように見える個所がある。 
これをパソコンで解くと、第一解ではAと解いてくる。
さらにそこから余詰検索を掛けると「早詰あり」と出てくる。
その人は喜んで「この作品は余詰です」と書いてくるのだ。
Bならば余詰は無く、作品は成立している。
よく考えれば「Aは早く詰むので変化である」という事になるのだが、パソコンの丸写しをしているこの人にはそれが分からないのだ。

もっとシンプルなケースもある。
途中の飛車捨てや角捨てが「成り」でも「不成」でもいい時がある。
パソコンの第一解が不成なら、こっけいな事に「不成」と書いてくるのだ。
ちょっと意味まで考えて書けばそんな事にはならないハズなんですけどねぇ。

現代の解答王である福村努氏は本当にすごい。
パソコン検討では見落としやすい変同や変長まで全て漏らさず指摘がくるのだ。
間違いなく自力で全部の変化まで読み切っているのだろう。
詰パラの年間解答競技で何年も連続1位を取っている。
そんな事もあって福村氏には看寿賞の選考委員もお願いしている。

その点では詰将棋解答選手権は明快だ。
ゲーム機やパソコンは場内に持ち込めない。
盤駒は使用自由だが、携帯電話を鳴らしても失格となる。
つまりメールでの連絡も出来ないのだ。
だから解答選手権の成績は本当に間違いのない実力だ。
私はこの成績でも詰棋段位(級位)を申請できるようにしたらいいと思っている。
(関係委員には提案中です)

先日の宮田敦史五段に異例の詰棋八段位を贈呈したのも、そういった意味合いからです。
しかしこの詰棋段位、なかなか使う場がないんですね。
詰パラの作品発表の横に入れるという案もあるが、自己申告以外は編集部の手間が煩雑で採用されないみたいだ。
参加資格で「初段戦」とかなら簡単だが、これもいつも出来る訳ではない。
何かうまい案はありませんかねぇ。

 

 

「日輪」は完全作!?

詰パラ5月号の全詰連の頁に載った『伊奈正夫氏「日輪」に余詰』の記事に対して、パラ編集部に驚くべき指摘が来た。

「日輪」は昭和36年に伊奈氏が発表された準煙詰(詰め上がりに1枚余分な駒が残る)で、盤の周辺32ヶ所を全部回るという作品。
ところがその後多くの作家が詰め上がり3枚になる煙詰で32ヶ所を回る作品を目指したが、なかなか実現出来なかった。
その達成には、昭和54年に七條兼三氏が完全周辺巡り煙詰を発表するまで、何と18年も待たねばならなかったのだ。

伊奈正夫氏作「日輪」137手詰(昭和36年1月号)

日輪87金、98玉、88金、99玉、98金、同玉、
99香、89玉、85龍、79玉、88龍、69玉、
68と、同と、79金、同と、59金、同玉、
77馬、49玉、67馬、39玉、29金、同玉、
56馬、19玉、79龍、28玉、68龍、19玉、
59龍、28玉、48龍、19玉、39龍、18玉、
29龍、17玉、16と、同玉、38馬、15玉、
14と、同玉、47馬、13玉、25桂、12玉、
  69手目途中図                                 11桂成、同玉、12歩、同玉、13桂成、11玉、
12成桂、同玉、23と、11玉、12と、同玉、
56馬、22玉、23歩成、31玉、32と、同玉、
21龍、同玉、22歩にて69手目。(下図)

ここで作意は22同玉、24飛、11玉、14飛以下。
しかし14飛と寄る所では55馬以下の余詰があったのだ。


ところが「本作は70手目22同玉と取らずに31玉と逃げて135手詰の完全作ではないか?」という指摘が来た。
70手目31玉、11飛、22玉、12飛成、31玉、41と以下作意に還元して135手詰になるというのだ。
調べてみると全くその通りであった。

よく考えればお分かりだろうが、これは余詰不成立の指摘ではない。
作意に対しては間違いなく余詰が成立している。
しかしこの余詰のために70手目22同玉が(早詰となるので)結果として変化になり、正しい逃げ方は31玉になるというものだ。
急いで調べてみた結果、70手目31玉の逃げ方なら余詰は無いようだ。
よって「日輪」は135手詰の完全作として改めて煙詰史に残る事になった。

ご指摘頂いたのは斎藤博久氏。
ご慧眼には感服いたしました。

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