やさしい英書《100万語》読破日記

児童文学、古典文学を中心に、やさしい英書を100万語、読み進めていきます。オススメの邦訳も紹介します。

【36冊目】フランシス・ホジソン・バーネット著『小公子』(OBW Stage1)

やさしい英語の本、通算36冊目は、
オックスフォード・ブックワームズの
ステージ1(400語レベル)の5冊目として、

イギリス生まれの作家
フランシス・ホジソン・バーネット
(1849.11-1924-10)の小説『小公子』を読みました。

著者36歳のとき、
アメリカの雑誌『セント・ニコラス St. Nicholas
誌上に1885年11月から翌86年10月まで発表された小説です。
その年のうちに単行本も刊行されました。

Oxford Bookworms Library 1 Little Lord Fauntleroy 3/E


Frances Hodgson Burnett
Little Lord Fauntleroy

Retold by Jennifer Bassett
〔Oxford Bookwoems Stage1〕
This simplified edition (c) Oxford University Press 2009
First published in Oxford Bookworms 2009
7,250語

『小公子』
『小公女』
『秘密の花園』といった
バーネットの有名どころは、
子供のころから書名のみ知っていました。

しかし当時は、
女の子が読む本だと思い込んでいたため、
まったく読んでいませんでした。

30代半ばを過ぎてから、
偶然手にした小説『秘密の花園』に感銘を受けて以来、

美しい自然の描写や、
人の感情のより美しい面を
積極的に描いていく著者の姿勢に共鳴し、
大好きな作家の一人になっています。


やさしい英語の本でも、

オックスフォード・ブックワームズのステージ1(400語レベル)で
『小公女』〔19冊目/2012年4月30日読了〕を、

ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル2(600語レベル)で
『秘密の花園』〔24冊目/2012年7月9日読了〕を読んできたので、

3冊目のバーネットということになります。


完訳を知っている立場からすると、
もう少し詳しくてもいいかなと思える程度の手ごたえで、
あっさり読了することができました。

あらすじを簡単に追うくらいの内容なので、

母親の気品の高さ、清新さや、
セドリックの心持ちの美しさ、
気難しい老人の微妙な感情の変化など、
作品の深いところまでは描けておらず、
多少物足りなくもありました。


  ***

翻訳はいろいろ出ていますが、
一番のお薦めは脇明子(わきあきこ)氏の翻訳です。

小公子 (岩波少年文庫)

脇明子訳『小公子』
(岩波少年文庫、2011年11月)

『小公子』の翻訳は、
会話文の表現が古めかしく、違和感を感じるものが多い中、
日本語で書かれたふつうの小説として、難なく読み通すことができました。

ほぼ同時期に、
西田佳子(にしだよしこ)氏の翻訳も刊行されていて、
こちらも甲乙つけがたい内容だと思うので、
脇訳とともに手に取られることをお薦めします。

小公子セドリック


西田佳子訳『小公子セドリック』
(西村書店、2010年3月)

さらに最近刊行された
杉田七重(すぎたななえ)氏の翻訳は、
わかりやすさでは上のお二人を上回っていました。

脇訳と西田訳が完訳であるのに対して、
杉田訳は文意を取りやすいように、
文章をある程度整理してあるので、
その点評価が分かれるかもしれませんが、

ストーリーの省略はありませんので、
読みやすさを第一に考えるのであれば、
杉田訳が一番だと思います。

小公子セドリック (角川つばさ文庫)


杉田七重訳『小公子セドリック』
(角川つばさ文庫、2014年9月)

このほか、
過去の翻訳もざっと調べてみたのですが、
非常にたくさん出ていて、
収集がつかなくなって来ました。

バーネットの
過去の翻訳を丁寧に追うだけで、
研究書が1冊書けそうな分量でしたので、
別の機会に譲りたいと思います。 


※計36冊 計296,872語。


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【35冊目】ロバート・ルイス・スティーヴンソン著『宝島』(MMR Level3)

やさしい英語の本、通算35冊目は、
マクミラン・リーダーズのレベル3(11,000語レベル)の5冊目として、

イギリスのスコットランド生まれの小説家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850.11-1894.12)の、
小説『宝島』を読みました。

著者33歳のとき(1883.11)に出版された作品です

Treasure Island (Macmillan Readers)


Robert Louis Stevenson
Treasure Island

Retold by Stephen Colbourn
〔Macmillan Readers Level3〕
This retold version by Stephen Colbourn for Macmillan Readers
First published 1993
This edition first published 2005
9,863語

有名な作品ですが、
これまで読んだことがありませんでした。

少年時代、冒険小説は好きだったはずですが、
なぜか『宝島』は読まないままでした。

今回は、
金原瑞人(かねはらみずひと)氏の翻訳
(偕成社文庫)とともに読み進めましたので、
楽々読み通すことができました。

はじめのうちは、
思っていたより荒々しく、
仄暗い残酷な場面が描かれていたので、
それほど魅力を感じませんでした。

しかしいったんあらすじが頭に入って来ると、
よくできた映画を繰り返し見るような感覚で、

次はどうなるのだろう、
その次はどうなるのだろうと思って読んでいるうちに、
あっという間に読み終えていました。

確かにこれはよく練り上げられた小説で、
繰り返し読むほどに、いっそう魅力が増してくる作品だと思います。

ぜひ原書で楽しめるようになりたいです。

  ***

翻訳は、読みやすさを第一に選ぶなら、
金原瑞人氏の偕成社文庫がお薦めです。

宝島 (偕成社文庫)


金原瑞人(かねはらみずひと)訳
『宝島』
(偕成社文庫、1994年10月)

歯切れよく、わかりやすい勢いのある訳文で、
翻訳であることを意識せず、読み進めることができました。

あるいは、子供向けで簡単過ぎる
という評もあるかもしれないので、
気になる翻訳を他にも3種挙げておきます。

坂井晴彦(さかいはるひこ)訳
『宝島』
(福音館文庫、2002年6月)
 ※初出は単行本(福音館〔古典童話シリーズ18〕1976年10月)。

海保眞夫(かいほまさお)訳
『宝島』
(岩波少年文庫、2000年10月)

宝島 (光文社古典新訳文庫)


村上博基(むらかみひろき)訳
『宝島』
(光文社古典新訳文庫、2008年2月)

大人向けで次に読むなら、
村上訳かなと思っているのですが、

まだ読んでいないので、
読了したら書き直します。


※計35冊 計289,622語。

※Wikipedia の「ロバート・ルイス・スティーヴンソン」「宝島」を参照。


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【34冊目】ジャック・ロンドン著『野性の呼び声』(PAR Level2)

やさしい英語の本、通算34冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディング、
レベル2(600語レベル)の5冊目として、

アメリカ合衆国の作家
ジャック・ロンドン(1876.1-1916.11)の
小説『野性の呼び声』を読みました。

著者27歳の時(1903.7)に出版された作品です

Penguin Active Reading: Level 2 The Call of the Wild (CD-ROM Pack) (Penguin Active Readers, Level 2)


Jack London
The Call of the Wild

Retold by Tania Iveson
〔Penguin Active Reading Level2〕
First published by Puffin Books 1982
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2007
9,280語

カリフォルニアで
のんびりと暮らしていた
飼い犬バックが、

アラスカでそり犬となり、
厳しい環境で生きていくうちに野性を取り戻し、
やがて狼の群れとともに生きていく、

これまで読んだことのないタイプの動物小説でした。

『シートン動物記』に似たスタンスですが、
もっと小説として読ませる要素が強く、密度の濃い印象でした。


1899年に、
アラスカで金が発見され、
ゴールドラッシュが起こり、

当時この地で、
犬ぞりの需要が高まっていたことが、
物語の背景となっているそうです。


犬と心が通いあう、
心暖まる物語を期待していたところ、
そうした場面も少しは描かれているものの、

調教のために犬を虐待する場面や、
喧嘩で犬同士が殺しあう場面や、
そりを引けなくなった犬をやむなく射殺する場面なども描かれていて、

自然の中で生きていく厳しさをきちんと描きながら、

それでも力強く生きていく
バックの前向きな生きざまに感動しました。


ロンドンはアメリカ人に珍しく、
社会主義者として知られているようですが、

インテリのカッコつけに
正義感ぶるところはないので、
この『野性の呼び声』に限っていえば、
政治的主張とは関係なく、読ませるところの多い力作だと思いました。


  ***

翻訳は1950年代、60年代まで遡ると
たくさんあるのですが、

90年代以降に限定すると、
3種しか刊行されていません。

深町眞理子(ふかまちまりこ)訳
『野性の呼び声』
(光文社古典新訳文庫、2007年9月)

野性の呼び声―動物小説集〈1〉 (現代教養文庫)


辻井栄滋(つじいえいじ)訳
『野性の呼び声』
(現代教養文庫、2001年12月)
 ※辻井訳『決定版 ジャック・ロンドン選集1』(本の友社、2005年10月)に再録。

海保眞夫(かいほまさお)訳
『荒野の呼び声』
(岩波文庫、1997年12月)

3者ともよく練られた翻訳ですが、

個人的に一番読みやすかったのは、
辻井栄滋(つじいえいじ)氏の翻訳です。

他の2人に比べると、歯切れのよい文体で、
リズムよくどんどん読み進めることができました。


※計34冊 計279,759語。

※Wikipedia の「ジャック・ロンドン」「野生の呼び声」を参照。
※日本ジャック・ロンドン協会のホームページ
〈http://www2d.biglobe.ne.jp/~to_yoshi/JLJAPAN.htm〉を参照。


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【33冊目】『アラジンと魔法のランプ』(OBW1)

やさしい英語の本、通算33冊目は、
オックスフォード・ブックワームズのステージ1(400語レベル)の4冊目として、

アラビア語でまとめられた民話集
『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』
の有名な説話の一つとして知られる
『アラジンと魔法のランプ』を読みました。

Aladdin and the Enchanted Lamp CD Pack (Oxford Bookworms Library)


Aladdin and the Enchanted Lamp

Retold by Judith Dean
〔Oxford Bookworms Stage1〕
This edition (c) Ocford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 2000
5,240語

幼いころには読んでいたはずですが、
もうすっかり記憶から消え去っていました。

日本の昔話はもちろん、
イソップ童話やグリム童話などとも違った印象があって、

異国情緒あふれる
奇想天外な軽めの楽しいお話を、
新鮮な気持ちで読み進めることができました。


   ***

『アラジンと魔法のランプ』は、

アラビア語でまとめられた民話集
『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』
のなかのお話として知られるていますが、

実は、
アラビア語の写本にまで遡ると
この有名な話は収録されておらず、

18世紀はじめに、フランスの東洋学者
アントワーヌ・ガラン(1646-1715)によって出版された
フランス語訳『アラビアン・ナイト』によって、
初めて紹介されたものだそうです。

大人向けの本格的な翻訳は4種刊行されています。

アラビアン・ナイト (1) (東洋文庫 (71))


前嶋信次・池田修訳
『アラビアン・ナイト』※アラビア語からの直訳。
(全19冊。東洋文庫。
  第1~12巻・別巻は前田訳、1966年7月~1985年3月。
  第13~18巻は池田訳、1985年9月~1992年6月)

大場正史 訳
『バートン版 千夜一夜物語』※バートン版=英訳
(全11冊。ちくま文庫、2003年10月~2004年8月)

佐藤正彰 訳
『千一夜物語』※マルドリュス版=仏訳
(全10冊。ちくま文庫、1988年3月~1989年2月)

豊島与志雄・佐藤正彰・渡辺一夫・岡崎正孝 訳
『完訳 千一夜物語』※マルドリュス版=仏訳
(全13冊。岩波文庫、〔改版〕1988年7月)
 ※岩波文庫での改版前の出版の状況は、
  雑然としていて整理できませんでした。

とりあえず1種類だけ手元に置いておくとしたら、
アラビア語から直接翻訳された前嶋信次・池田修訳でしょうか。


  ***

いきなりの完訳版は手ごわそうだったので、
子供向けの選集で手ごろな翻訳はないか探してみました。

その中では、
川真田純子(かわまたじゅんこ)氏の翻訳が、
特に優れていました。

もとは全7冊の選集(1987-92年刊行)で刊行されましたが、

2002年に上下2冊(13編収録)、
2014年には1冊(4編収録)に編集し直されたものが刊行されています(いずれも講談社青い鳥文庫)。

アラジンと魔法のランプ 新編 アラビアン ナイト (講談社青い鳥文庫)


川真田純子訳
『新編アラビアンナイト ―アラジンと魔法のランプ』
(講談社青い鳥文庫、2014年6月)
 ※全7冊の『アラビアン・ナイト』(1987-92年刊)を新編集し、
  「アラジンと魔法のランプ」「アリ・ババと四十人の盗賊」
  「王子と魔神の物語」「ハーシブとクジャクの王子の物語」
  の4編を収録。

川真田純子訳
『新編アラビアンナイト(上)―アラジンと魔法のランプほか』
『新編アラビアンナイト(下)―船乗りシンドバードの冒険ほか』
(講談社青い鳥文庫、2002年5・9月)
 ※全7冊の『アラビアン・ナイト』(1987-92年刊)を新編集し、
  上巻6編、下巻7編を収録。

川真田純子 訳
『アラビアン・ナイト(1-7)』
(講談社青い鳥文庫、1987年2・3月〈1・2〉、
 1988年9・11月〈3・4〉、1991年11月〈5〉、
 1992年5・10月〈6・7〉)
 ※「アラジンと魔法のランプ」は第5巻に収録。

川真田訳は、
翻訳とは思えない良くこなれた日本語で、
今読んでも全く古さを感じさせません。
センスの良さが光る名訳だと思います。

川真田氏はこの他にも、
『千一夜物語』によらないアラビアの民話を集め、

『アラビア物語(1・2・3・4)』
(講談社青い鳥文庫、1989年10・11月、90年6・11月)

を刊行されています。
今では古本でしか手に入らないので、
そろそろ7冊の選集も含めたかたちで復刊されないかな、と期待しています。


『アラビアン・ナイト』ともなると、
それだけで一生をかけるに足る研究テーマになるようで、
面白そうな入門書を2冊手に入れいました。

アラビアン・ナイトの世界 (平凡社ライブラリー)


前嶋信次著
『アラビアン・ナイトの世界』
(平凡社ライブラリー、1995年9月)

西尾哲夫著
『アラビアンナイト ―文明のはざまに生まれた物語』
(岩波新書、2007年4月)

これから読むところなので、
読了次第、ブログにアップします。

※計33冊 計270,479語。

※Wikipediaの「千夜一夜物語」「アラジンと魔法のランプ」「アントワーヌ・ガラン」を参照。
 

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【32冊目】ジュール・ヴェルヌ著『八十日間世界一周』(PAR Level2)

やさしい英語の本、通算32冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル2(600語レベル)の4冊目として、

フランスの作家
ジュール・ヴェルヌ(1828.2-1905.3)の
小説『八十日間世界一周』を読みました。

著者44歳の時(1873.1)に刊行された作品です

Penguin Active Reading: Level 2 ROUND THE WORLD IN EIGHTY DAYS


Jules Verne
Round the World in the Eighty Days

Retold by Michael Dean
〔Penguin Active Reading Level2〕
First Punguin Readers edition published 2000
This edition published 2008
8,579語

書名は聞いたことがありましたが、
実際に読んだことがありませんでした。

ヴェルヌはフランス人ですが、
ロンドン在住のフィリアス・フォッグ氏を主人公とし、
ロンドンから汽車、汽船、象、帆船、橇を乗り継いで、
80日で世界を一周するお話です。

80日で世界一周といわれても、
それほど短かくは感じないのですが、

今から140年程前の
1872年10月から12月にかけて行われた
世界旅行の記録という設定なので、

今風にいえば、
飛行機で各国を回りながら、
一週間で世界一周をするといった話になるでしょうか。

1871年(明治4年)から、
2年近くの年月をかけて、
岩倉遣欧使節団が派遣されているので、
そのころのお話と考えると面白いかもしれません。


  ***

翻訳をざっと調べてみました。
(古書も含みますが、比較的手に入れやすいものを選んであります。)

江口清 訳
『八十日間世界一周』
(角川文庫、1963年3月。改版、2004年10月)
 ※初出は『世界大ロマン全集』第10巻、東京創元社、1957年1月。

木村庄三郎 訳
『八十日間世界一周』
(旺文社文庫、1973年2月)

田辺貞之助訳
『八十日間世界一周』
(創元SF文庫、1976年3月)

八十日間世界一周 (岩波文庫)


鈴木啓二訳
『八十日間世界一周』
(岩波文庫、2001年4月)

八十日間世界一周〈上〉 (光文社古典新訳文庫)


高野優 訳
『八十日間世界一周(上・下)』
(光文社古典新訳文庫、2009年5月)

最新のものをと思い、
高野訳(光文社古典)を手に入れました。

わかりやすい日本語に訳されていて、
どこも読みにくくはないのですが、

今一つテンポが悪く、
途中で飽きてしまいました。

ヴェルヌの作品は、
簡約版で興味をもって、
いざ完訳で読もうとすると、

文章がまわりくどく冗長なところがあって、
面白味に欠けるものが少なくないようです。

とりあえず一つ遡って、
鈴木訳(岩波文庫)も試してみようと思います。


あと、気になっている1冊を紹介します。

ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む―4万5千キロを競ったふたりの女性記者


マシュー・グッドマン著
金原瑞人・井上里訳
『ヴェルヌの『八十日間世界一周』に挑む
 ― 4万5千キロを競ったふたりの女性記者』
(柏書房、2013年10月)

まだ読んでいませんが、
実話にもとづいている分、
こちらのほうが面白いかもしれません。


※計32冊 計265,239語。

※wikipediaの「ジュール・ヴェルヌ」「八十日間世界一周」を参照。


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【31冊目】ミゲル・デ・セルバンテス著『ドン・キホーテ』(PAR Level2)

やさしい英語の本、通算31冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル2(600語レベル)の3冊目として、

スペインの作家
ミゲル・デ・セルバンテス(1547-1616)の
小説『ドン・キホーテ』を読みました。

"Don Quixote": Level 2 (Penguin Active Reading (Graded Readers))


Miguel de Cervantes
Don Quixote

Retold by Nancy Taylor
〔Penguin Active Reading Level2〕
This edition first published by Person Education Ltd 2008
Copyright Designs and Oatents Act 1988
11,223語

これまで全く読んだことがなかったので、
簡単なあらすじをがわかるものはないか探し、

ドン・キホーテ (まんがで読破)


バラエティアートワークス編
『まんがで読破 ドン・キホーテ』
(イースト・プレス、2009年3月)

を一読しました。
1日あれば読める分量のマンガでまとめてあるので、
とりあえずどんな作品か知りたい方にはお薦めです。


実際読んでみると、
スペインの地名、人名は読み方がわからず、
あらすじもそれほど頭に入っていないので、
若干読みにくくもありましたが、

2週間ほどで、楽しんで読み終えることができました。


これまで、ドン・キホーテの名前のみ聞いて、
かっこいい、模範的な騎士の話なのかと思っていたのですが、
もっと滑稽な、でも純粋で愛すべき老人のお話で、

確かに不思議な魅力をそなえた、
楽しい小説であることはよく理解できました。


  ***

邦訳をざっと調べてみました。

◎完訳
堀口大學 訳
『ドン・キホーテ』(新潮社、1965年)
  ※前篇のみ。『世界文学全集』(講談社、1976年年3月)に再録。

永田寛定 訳
『ドン・キホーテ 正篇 第1・2・3/続編第1・2』
(計5冊。岩波文庫、1948・49・51/1953・1975年)※完結前に病没。

高橋正武 訳
『ドン・キホーテ 続編 第3』
(岩波文庫、1977年)※永田訳の完結を引継ぐ。

会田由 訳
『ドン・キホーテ 前篇1・2/後篇1・2』
(全4冊。ちくま文庫、1987年6~9月)
  ※初出は『世界文学全集(決定版)第三期』(河出書房新社、1958年)。
  1巻本なので、編訳か、前篇のみの完訳と思わるが、未確認。
  その後、いくつかの文学全集に再録されているが、調査中。
  4巻本での初出は、晶文社、1985年2・4・5・6月です。

牛島信明 訳
『ドン・キホーテ』
(全6冊。岩波文庫、2001年1・2・3月)

萩内勝之 訳
『ドン・キホーテ』
(全4冊。新潮社、2005年10月)

新訳 ドン・キホーテ〈前編〉


岩根圀和 訳
『新訳 ドン・キホーテ〈前編・後編〉』
(彩流社、2012年11月)

はじめは
牛島訳(岩波文庫)でと思っていたのですが、
翻訳独特の読みにくさを感じたので、

一つ遡って、
会田訳(ちくま文庫)も手に入れてみましたが、
こちらも全冊読み通すのはしんどそうで、
読むのを止めてしまいました。

最新の岩根訳は、
前に掲げてある翻訳のなかでは、
現代の日本語として一番わかりやすく、
すらすら読めるように感じたので、
古本で手に入れたところです。

読み終え次第また報告します。


長大な作品なので、
短く編集したものもたくさん出ています。

◎編訳
永田寛定 編訳
『ドン・キホーテ』
(岩波少年文庫、1951年)

ドン・キホーテ (岩波少年文庫 (506))


牛島信明 編訳
『ドン・キホーテ』
(岩波少年文庫、2000年6月)

草鹿宏 編訳
『ドン・キホーテ』
(集英社 少年少女世界名作の森、1990年4月)

安藤美紀夫 編訳
『ドン=キホーテ』
(講談社 21世紀版少年少女世界文学館、2011年3月)
 ※初出は講談社〔少年少女世界文学館〕1988年5月。

窪田般弥 編訳
『ドレ画 ドン・キホーテ物語』
(現代教養文庫、1990年12月)

ヴィルジリ・妙子、ヴィルジリ・クリスティーナ・幸子 編訳
『ドレの絵で読む ドン・キホーテ』
(精興社、2011年3月)

ドレのドン・キホーテ


谷口江里也 編訳
『ドレのドン・キホーテ』
(宝島社、2012年1月)

編訳版は牛島訳のみ手に入れました。

原文にできるだけ忠実であることを
心がけた丁寧な編訳なのですが、

細部にこだわり過ぎたのか、
先へ先へと読ませる力には欠けるようでした。

ほかのも読んで、
お薦めの1冊を見つけたいと思います。


最後に、
ドン・キホーテの関係書を2冊紹介。

贋作ドン・キホーテ―ラ・マンチャの男の偽者騒動 (中公新書)


岩根圀和著
『贋作ドン・キホーテ ―ラ・マンチャの男の偽者騒動』
(中公新書、1997年12月)

牛島信明 著
『ドンキホーテの旅 ― 神に抗う遍歴の騎士』
(中公新書、2002年11月)

まだ読み終えていないので、読み終え次第、改めて紹介します。

※計31冊 計256,660語。


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◯《21-30冊》のまとめ

21-30冊目は、

2012年5月から10月にかけて、
月に2冊くらいずつ読み進め、
ほどよいペースを保ちながらの到達となりました。

10冊で 80,867語〔2011年8~10月〕、
20冊で172,447語(+91,580語)〔~12年5月〕、
30冊で245,437語(+72,990語)〔~12年10月〕

はじめの勢いはなくなって来ましたが、
月2冊くらいの無理のないペースが出来てきたように思います。

【21冊目/6,514語】
 ジェイムズ・フェニモア・クーパー著
 『モヒカン族の最後』
 (Macmillan Readers Level2)
 〔2012年5月31日読了〕/計178,961語

 【22冊目/10,453語】
 リチャード・ドダリッジ・ブラックモア著
 『ローナ・ドゥーン』
 (Macmillan Readers Level2)
 〔2012年6月11日読了〕/計189,414語

【23冊目/7,856語】
 ルーシー・モード・モンゴメリ著
 『赤毛のアン』
 (Penguin Active Reading Level2)
 〔2012年6月23日読了〕/計197,270語

【24冊目/9,944語】
 フランシス・ホジソン・バーネット著
 『秘密の花園』
 (Penguin Active Reading Level2)
 〔2012年7月9日読了〕/計207,214語

【25冊目/4,402語】
 ジュール・ヴェルヌ著
 『海底二万里』
 (Penguin Readers Level1)
 〔2012年7月25日読了〕/211,616語
 
【26冊目/4,003語】
 マーク・トウェイン著
 『トム・ソーヤーの冒険』
 (Penguin Readers Level1)
 〔2012年7月28日読了〕/215,619語

【27冊目/8,601語】
 ヨハンナ・シュピリ著
 『ハイジ』
 
【28冊目/9,237語】
 ジェイムズ・フェニモア・クーパー著
 『道を開く者』
 (Macmillan Readers Level2)
 〔2012年9月13日読了〕/233,457語

【29冊目/5,440語】
 ライマン・フランク・ボーム著
 『オズの魔法使い』
 (Oxford Bookworms Stage1)
 〔2012年9月22日読了〕/238,897語

【30冊目/6,540語】
 ティム・ヴィカリー著
 『スコットランド女王メアリー』
 (Oxford Bookworms Stage1)
 〔2012年10月7日読了〕/計245,437語

【30冊目】ティム・ヴィカリー著『スコットランド女王メアリー』(OBW Stage1)

やさしい英語の本、通算30冊目は、
オックスフォード・ブックワームズ・ステージ1(400語レベル)の3冊目として、

英語学習者向けに
やさしい英語の本を執筆されている
ティム・ヴィカリー(1949-)氏による
歴史小説『スコットランド女王メアリー Mary, Queen of Scotsを読みました。

著者43歳の時(1992)に刊行された作品です

Mary, Queen of Scots CD Pack (Oxford Bookworms Library)


Tim Vicary
Mary, Queen of Scots

〔Oxford Bookworms Stage1〕
This edition (c) Oxford University Press 2008
First published in Oxford Bookworms 1992
6,540語

スコットランド女王メアリー・スチュアート
(1542 - 1587 在位1542 - 1567)についての
やさしい伝記です。

基本的な史実は押さえつつ、
初学者にも興味が持てるように、
趣向を凝らした読み物になっているので、

メアリー女王について何もしらなかった私でも、
楽しんで読み終えることができました。

   ***

現在のスコットランドとは、イギリスの正式名称
「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」を構成する4ヶ国
(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)のうちの1国です。

元々は別々の王国でしたが、

1603年に、
イングランドとアイルランドの女王エリザベス1世
(在位1558 - 1603)のあとを受け、

スコットランド王ジェイムズ6世(在位1567 - 1625)が、
同時に、ジェイムズ1世(在位1603 - 1625)として
イングランドとアイルランドの王位も兼ねたことから、

イングランドとスコットランドとアイルランドは
「同君連合」の関係となりました。

その後「1707年連合法」によって、
イングランド王国(ウェールズを含む)と、
スコットランド王国の議会が統一し、
「グレートブリテン連合王国」となります。

本書の主人公
スコットランド女王メアリーとは、

この「同君連合」をはじめた
スコットランド王ジェイムズ6世
(=イングランド王・アイルランド王ジェイムズ1世)の母親です。

ジェイムズ1世(在位1603 - 1625)のあと、
イングランド・スコットランド・アイルランドの王位は、
チャールズ1世(在位1625 - 1649)が継ぎますが、

彼はジェイムズ1世の次男、メアリーの孫に当たり、
清教徒革命で処刑された国王として有名です。

メアリー女王とは、教科書にも出てくる
清教徒革命で処刑された国王チャールズ1世のおばあちゃんだよ、
といわれれば、ようやくわかった気になります。

   ***

スコットランドのメアリー女王は、
波瀾に満ちた人生を送った方です。

イングランドの女王エリザベス1世と同じ時代を生き、
2人が対照的な人生を送ったことなどから、

書物にも取り上げられることも多いようです。


少し調べてみると、

メリー・スチュアート (ツヴァイク伝記文学コレクション5)


シュテファン・ツヴァイク著
/吉見日嘉訳
『メリー・スチュアート』
(みすず書房〔ツヴァイク伝記文学コレクション〕1998年10月)
 ※初出はみすず書房〔ツヴァイク全集14〕1962年。
  みすず書房〔ツヴァイク全集18〕1973年として再刊。

シュテファン・ツヴァイク著
/高橋禎二訳
『メリー・スチュアート』
(新潮文庫、1952年2・4月)

スコットランド女王メアリ〈上〉 (中公文庫)

アントニア・フレイザー著
/松本たま 訳
『スコットランド女王メアリ』
(上下2巻。中公文庫、1995年5・6月。初出は中央公論、1988年2月)

エリザベス・バード著
/大藏雄之助 訳
『わが終わりにわが始めあり
 ― 不滅の女王メリー・スチュアート』
(上下2巻。麗澤大学出版会、2006年12月)

アレクサンドル・デュマ著
/田房直子 訳
『メアリー・スチュアート』
(作品社、2008年8月)

などが見つかりました。

このうち
一番詳しいフレイザーの伝記を手に入れましたが、
イギリス史の素養のない私には詳しすぎました。

マリー・アントワネットの伝記で有名な、
シュテファン・ツヴァイクによる伝記があることを知り、
改めて購入し、読んでみることにしました。

日本人の著作も1冊。

女王メアリ・スチュアート



桐生操 著
『女王メアリ・スチュアート』
(新書館、1996年5月)

こちらもツヴァイクと同時に購入しましたので、
一緒に読んでみようと思います。


※計30冊 計245,437語。

※Wikipidia の「イギリス」「スコットランド」「メアリー(スコットランド女王)」「エリザベス1世」の項目も参照しました。

※森護著『スコットランド王国史話』(中公文庫、2002年3月)、森護著『英国王室史話(下)』(中公文庫、2000年3月)を参照。


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【29冊目】ライマン・フランク・ボーム著『オズの魔法使い』(OBW Stage1)

やさしい英語の本、通算29冊目は、
オックスフォード・ブックワームズのステージ1(400語レベル)の2冊目として、

アメリカの作家
ライマン・フランク・ボーム(1856.5-1919.5)の
小説『オズの魔法使い』を読みました。

著者44歳の時に刊行された作品(1900.5)です。

The Wizard of Oz (Oxford Bookworms Library)


Lyman Frank Baum
The Wizard of Oz

Retold by Rosemary Border
〔Oxford Bookworms Stage1〕
First published in Oxford Bookworms 1998
5,440語


子どものころは、
どちらかというと冒険物に興味があり、
ファンタジー系の本はほとんど読まなかったので、
初めて『オズ』を読みました。

『オズの魔法使い』は、
ライマン・フランク・ボームが1900年、
44歳のときにアメリカで出版されました。

すぐに爆発的な人気を得、
ボームが亡くなるまで計14冊も続くシリーズとなり、
アメリカの児童書の画期ともなったそうです。


今回読んでみて、

 脳みそがほしいカカシ、
 心臓がほしいブリキの木こり、
 勇気がほしいおくびょうライオン

など、登場人物はへんてこりんですが、

 賢明であること、
 愛情があること、
 勇気をもつこと

など、常識的な価値観を是とするものなので、

夢のある世界を楽しみながら、
安心して読み進めることができました。


本人の序文に、
「道徳」的な側面は置いておいて、
子どもたちを喜ばせるためだけに書かれたとありますが、

それは、
心痛と悪夢によって教訓をひきだすようなことはしない、
という意味なので、

道徳的に悪い影響を与える作品ではまったくないと思いました。


  ***

翻訳は読みやすさで選ぶなら、

完訳 オズの魔法使い 《オズの魔法使いシリーズ1》


宮坂宏美(みやさかひろみ)訳
『完訳 オズの魔法使い』
(復刊ドットコム、2011年9月) 

が一番です。

宮坂宏美・
ないとうふみこ・
田中亜希子の三氏による共訳(総ルビ付き)で、
シリーズ全15冊が完訳されています。

1冊2,000円近くかかるので、
まだ1冊目しか手に入れていませんが、

この巻の宮坂氏の翻訳は、
ほかの誰より読みやすく、お薦めです。

全巻このレベルが保たれていることを期待し、
1冊ずつ気長に揃えていこうと思っています。


個人訳で初めてシリーズ全14冊を完訳された
佐藤高子(さとうたかこ)氏の翻訳も、

今でも別に読みにくいところはないので、
宮坂訳でやさしすぎる場合はちょうど良いかもしれません。

オズの魔法使い (ハヤカワ文庫 NV (81))


佐藤高子訳
『オズの魔法使い』
(ハヤカワ文庫、1974年11月)


むしろシリーズ全巻にこだわらなければ、
最近でた柴田元幸氏の新訳は、

現代的な感覚の大人向けの訳文で、
個人的には多少取っ付きにくさを感じるのですが、

宮坂訳とは違った趣きで、
現代の大人向けの小説として楽しみたい向きにはお薦めです。

オズの魔法使い (角川文庫)


柴田元幸訳
『オズの魔法使い』
(角川文庫、2013年2月)

※著者の「はじめに」をカットし、難しめの漢字をひらがな書きにし、ほかの漢字に総ルビを付した版も、角川みらい文庫(2103年2月)として出版されている。

※Wikipediaの「ライマン・フランク・ボーム」「オズの魔法使い」を参照。

※計29冊 計238,897語。

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