年末を迎えますと、必ず目にしますのが、金沢の迎春菓子『福 梅』でしょう。もうありとあらゆるお店が、一斉に作りますもので、はっきり申し上げて、金沢では『福 梅』なしには正月は過ごせないと思います。夏の『氷室饅頭』と共に、風物詩として今も根付いていることは凄
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第3169回 京都鶴屋鶴壽庵の生菓子『聖なる夜』と『木 枯』
さあ、クリスマス当日。この日が終われば、洋菓子の戦争が幕を閉じ、一気にお正月モードに切り替わって、また違うところがてんやわんやになる。まあ、僕にとっては年末年始ほど憂鬱なものはない。大きなトラブルが起きないか、ヒヤヒヤしながら、食料品を担当する全バイヤー
第3168回 五郎丸屋の『和のシュトーレン』
銘菓『薄 氷』でお馴染みの老舗、五郎丸屋の新作の飛び出し方が、毎回意表を突いた角度からやってくるので、驚かされるばかりなのです。和菓子屋さんの間で、あんぱんであったり、シュトーレンが作られ、確かにトレンドとしては上り坂に差し掛かっていたのは間違いないので
第3167回 彩雲堂のクリスマス生菓子『聖 夜』
たまたま偶然にも、横浜高島屋で見つけたクリスマスの生菓子。いやはや、専用の箱に収まった3個の生菓子のセットで、これがとっても素敵だったもので、気に入ってしまったのですよね。これまでにもクリスマスの生菓子はお作りでいらっしゃいましたが、今回は、どこか愛くる
第3166回 赤 福(五十鈴茶屋)の生菓子『かぼちゃ羊羹』と『かるかん薯蕷』
『かぼちゃ羊羹』これまた嬉しいことに、いつも大晦日前には京都に入るのですが、その前にはなかなか入れないもので、ましてや伊勢には伺えず。ところが、伊勢赤福本店の左隣にございます五十鈴茶屋の生菓子が、京都伊勢丹に赤 福が出店されたことで、歳時記に合わせて味わ
第3165回 落雁諸江屋の『福 梅』
さあ、いよいよあと10日間ほどで2022年も終わります。となれば、クリスマスが間際とは申しましても、日持ちのする迎春のお菓子は、少しずつ姿を見せてきます。かつてより金沢を代表する迎春菓子として、何度か取り上げていますが、やはり『福 梅』の存在を無視するこ
第3164回 金谷正廣の生菓子『いとさんこいさん』と『遠 矢』
京都の銘菓『真盛豆』でお馴染みの老舗、金谷正廣。若旦那さんが素敵な生菓子をInstagramなどで発表されているのですが、京セラ美術館などの展示会に登場する作品をモチーフにしたお菓子を、次々と製作されていまして、まさに食べる芸術作品と言える側面を、見事に押し広げて
第3163回 末 富の生菓子『木枯し』と『柴の雪』
『木枯し』本格的な年末を迎える前の小休止とでも言うべき時期。クリスマスももうすぐではありますが、ひと息つくならこの時期しかない。あと数日もすれば、土砂が滑落して行くように、一気に年を越すのである。ともあれ、その端境であるが故に、お菓子もとっても落ち着いた
第3162回 前島製菓の『九万五千石』
ふらりと柏から常磐線で、そのまま土浦まで足を伸ばし、一度訪ねてみたかった前島製菓を訪れたのです。土浦駅の西口からバスに乗って、真鍋宿通り沿いのバス停で降りる。そう、通りの名前として残っているのですが、真鍋宿という宿場町が旧水戸街道沿いにあったのです。それ
第3161回 藤江屋分大の『おはぎ』
12月の半ばに、いつものように大阪でワークショップを。そしたらば、明石の老舗、藤江屋分大の『おはぎ』を頂いたのです。いやはや、嬉し過ぎるというか、この時期でも味わえるんだと大喜び。いわゆるおはぎ屋さんではないので、お彼岸の時期だけだと思っていたのです。そ
第3160回 虎 屋の生菓子『雪中兎』と『暁 餅』
『雪中兎』さあ、12月も後半戦に差し掛かって、いよいよ虎 屋ではお正月の生菓子が顔を出す。何よりも、毎年の楽しみはこれで、干支の生菓子に関して言えば、12年に一度しか出会うことができませんし、御題菓子は二度と会えないかもしれない。そんなこともあって、ここだ
第3159回 川口屋の生菓子『紅 椿』と『落 葉』
『紅 椿』12月半ば、名古屋に立ち寄れなかった僕に、友人がわざわざ買ってきてくださったのが、川口屋の生菓子でございました。いやはや、本格的な冬を迎えて、名物の『椿 餅』が堪能でき、また名古屋を代表する極めて柔らかい『わらび餅』も楽しめる。そして、美しい生
第3158回 亀屋則克の生菓子『雪 餅』
寒くなってきますと、待ち侘びいた真っ白なきんとんが姿を見せます。そう、いろんなお店で作られている『雪 餅』という名前のきんとんです。もうね、決して汚してはならぬという思いを強くさせるほどに、純白なきんとんは、もう美しいという他なく、息を呑むのです。もちろ
第3157回 一炉庵の生菓子『初 氷』と黄身しぐれ『ゆ ず』
『初 氷』12月になりまして、後半戦が近づいてきますと、もちろん、お正月やクリスマスのお菓子が売場を占領していくわけですが、やっぱり忘れちゃいけないのは、冬至だと思うんですよね。いつもクリスマスの直前なので、プロモーションとして難しいのですが、冬場に美味し
第3156回 御倉屋の『霜のあさ』と『白美久良羹』
晩秋に京都を訪れて、今宮神社まで足を伸ばした後、必ず立ち寄るのは御倉屋という隠れた名店でございます。まあ、京都のお菓子に詳しい方なら絶対に知っているはずのお店。店内に入りますと、左手にお菓子が並んでいるショーケースがありますが、お値段の表記は一切なく、初
第3155回 錦梅堂の『越の初芽』
福井に参りまして、『羽二重餅』のハシゴをする。まずは緑色の暖簾が目を引く松岡軒に顔を出した後、ソースカツ丼のヨーロッパ軒のすぐ近くにある錦梅堂にも立ち寄る。こちらも『羽二重餅』で知られている老舗でございます。しかも、ペロンとした薄い羽二重餅だけではなく、
第3154回 多津瀬の『非時香果』(ときじくのかぐのこのみ)
広島を訪れると必ず立ち寄る和菓子屋さんのひとつ、多津瀬。PARCOの近くに本店を構えているのですが、銘菓『氷牡丹』でもお馴染みですが、生菓子はもちろんのこと、右手にこっそり置かれている種合わせは見逃せない。地元にお住まいの方やお茶をやっておられる方は、もちろん
第3153回 笹屋守栄の『 雅 』と『 寂 』
いつもは堀川通を攻めていくことが多いだけに、実はあまり京都の西側をめぐることは少ないのですけれども、ここのところは、逆に金閣寺から北野天満宮へと向かうことが増え、これまであまり通っていなかったお店にもお邪魔するようになったのです。そのひとつが、笹屋伊織か
第3152回 寿々炉の『寿々炉』
さて、ちょっと前にも弘前の寿々炉の生菓子をご紹介しましたばかりですが、年末になりますと、いつもお願いしておりますお菓子が、何を隠そう、屋号そのものが名前になっている銘菓『寿々炉』です。そこにはじっくりとあんこと向き合ってきたお店の信念のようなものを感じさ
第3151回 煎餅工房さがえ屋の『やみつきしみかりせん』
山形の物産展はもちろんのことながら、定期的な販売でも、まあ、行列ができてしまうほどの人気商品となった『やみつきしみかりせん』。山形県の寒河江に煎餅工房を立ち上げたのは、昭和62年の晩秋のこと。当時は『さがえ焼』と『ひびせん』の詰合せのみを作っていました。地
第3150回 長榮堂の『板かりんとう』
何でしょう、かりんとうって、ポリポリしたくなりますよね。東京では三大かりんとうと謳われて、上品な手土産にぴったりのお店がございます。でも、実際にはかりんとうの多様性を楽しめるのは、東北のような。棒状だけではなく、板状であったり、帽子のような形をしたり、本
第3149回 煉屋菓子舗の『煉屋バナナ』
弘前から秋田を回って山形へと出ていく流れの中で、流石に秋田市内に向かう時間はなく、大館にまず立ち寄る。駅前にはハチ公でもお馴染みの愛嬌のある秋田犬の記念館があり、和菓子屋さんが開店するまでの間、そこで時間を潰す。まあ、その愛らしさに、ついつい秋田犬のぬい
第3148回 鶴 屋の『じゃーご』
佐賀を訪れまして、雨が降っておりましたので、さすがに歩いて、鶴 屋の本店まで向かうのは難しいと判断。それくらい、というか、まあまあ歩くわけです。晴れていれば良いのですが、既に両腕にお菓子がいっぱいありまして、傘を差して歩くのは、ちょっと難しいなあっていう
第3147回 阿蘇向栄堂の『阿蘇乃白雪』
梅田の阪急百貨店で開催されている「時をかけるあん」。各和菓子屋さんのブースを除いては、全国銘菓コーナーのように、セルフでカゴにドンドン和菓子を入れて行って、お勘定するスタイル。まあ、そういう時も、隅から隅まで逃してはいけないわけで、もう舐め回すように、い
第3146回 老 松の『御所車』
さて、先日、仙台にてまめいちを訪ねました時のこと。そこでちょうど京都から帰ってきたばかりの店主から頂いたのが、老 松の銘菓としてお馴染みの『御所車』でございました。仙台で京都のお菓子を頂いてしまうというのが、ちょっと面白くもありますが、これはまめいちを立
第3145回 五勝手屋本舗の生菓子『朝イカ』と『黄金色』・『茂尻遺跡』
11月半ばに毎年開催されている銀座三越のイベント「本和菓衆」ですが、ここのところ、一番の楽しみになっているのは、北海道の五勝手屋本舗である。最近の新しいお菓子たちは、どれもパッケージが見事であり、その中身に関しましても、シャレの効いたものが多く、素敵である
第3144回 寿々炉の生菓子『柿 衣』と『雪 舞』
『柿 衣』弘前に入って、以前に立ち寄った中三の味噌ラーメンを食べに。結構賑わっていて、順番待ちであったので、できるまで時間がかかる。となれば、その時間がもったいないのでと、近くの和菓子屋さんを2軒回る。それこそ中三のすぐ裏手にある銘店、寿々炉を訪ねる。年
第3143回 おはぎやの『串だんご』
青森のまちなか温泉の真向かい、古川にあるおはぎや。おはぎ屋さんの何とか屋ではなく、屋号そのものがおはぎや。国道沿いにお店があって、以前から気になっていたのですが、意外と営業しているタイミングに遭遇できなくて、今回が初めての訪問。その名前の通り、おはぎを売
初海外!バンコクでの和菓子デモンストレーションに参戦!大盛況で幕を閉じる。
まあ、何せ、飛行機が大の苦手。沖縄くらいならば、3時間寝ずに居れば良いが、海外はキツい。パスポートを申請して、まあ、慣れないことを準備して、初めての羽田空港の国際線ターミナルから、若旦那たちより先に出発。それも真夜中の便・・・・何もかもが初めての経験。ま
第3142回 菊屋餅店の『フライボール』
青森の朝、もう最初から決めていたのは、そのまま車で浅虫温泉に立ち寄ることにしていたのです。それこそもう7年くらい前になるだろうか、同じルートで浅虫温泉に立ち寄った思い出がございまして、再訪したのです。道の駅に誰でもフリーで入れる温泉がありまして、なかなか強