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京都と申しましても、いわゆる市内ではなく、
北部にある小さな城下町、園部にひっそりと佇むかどや老舗。
日暮れ間近に訪れたこともあってか、何だか、物寂しい雰囲気。
あの京都くりやの本家はすぐに見つかったものの、かどや老舗を探す。
そして、店先に屋号を見つけて店内に入ってみますと、
まあ、とても営業しているとは思えないほどに廃れた雰囲気・・・・失礼。
ほとんどは仕入れのスナック菓子などが置かれていて、
その中心あたりに生菓子が少しと、目当ての『唐 板』がちょろっと。
いや、左隅の方に置かれているだけで、まずはその存在に気付かないかもしれない。
きっと何も知らなければ、そのまま素通りしてしまうに違いないと思うのですが、
絶対に侮ってはならない歴史に名を刻む超老舗なのです。
その歴史は、元和年間(江戸時代前期)にまで遡るのです。

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かつては山陰道の中継地として栄え、園部藩の御用菓子司を務めたかどや老舗。
そして、ずっと守り続けて来た銘菓『唐 板』は、これまた地味な見た目。
どうしても栗菓子に走りがちではありましょうが、絶対に見逃して欲しくはない。
短冊形と言いましても、手のひらいっぱいくらいの大きさ。
凸凹とした生地には、胡麻がたくさん練り込まれていて、
ほのかにニッキの風味が香り、サクッと砕けて行く歯応えと素朴な味わいは、
まさに手作りならではの美味しさというところではないでしょうか。
何よりも均一ではなく、ムラがあるところがまたいいんですよ。
ちなみに、京都市内にも水田玉雲堂の『唐 板』がありますが、
あちらは遥か昔からの歴史を刻んでいるとされていますものの、
どこかに共通点があるのか、形状だけは似ているのですが、どうなんでしょう。
まあ、こんなにゴツくはなく、一般的に想像する短冊形の菓子の大きさですし・・・・。

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初代の大槻惣右衛門氏は、小出家に仕えていた武士だったそうで、
あの朝鮮出兵の際には、海を渡って進軍したという話です。
やがて、飢え死にしそうな時に、民家に残されていた小麦粉と、
兵糧として持っていた朝鮮飴を使って、煎餅のような非常食を作ったのが、
この『唐 板』の原点なのだそうですが、それも納得できる見た目。
というのも、上品な都の菓子というよりは、腹持ちが良さそうな大きさと素朴さが、
まさに兵糧にはピッタリという感じですし、戦の名残をも感じさせるような土色で、
厚さもまばらで、焦げ目があったりもして、手作り感満載なのです。
さて、店に入っても、誰もいない雰囲気。
大きな声をあげて、店の奥から店主を呼び出してみる。
15代目を数えるという主人は、飄々とお勘定をして送り出してくれた。
こういうどこにもない銘菓こそ、絶対に足さないで頂きたいと願うばかりである。

唐 板 1 箱 税込600円

◆ 本 店/ 京都府南丹市園部町上本町25 TEL: 0771-62-0045
◇ 販売店/ 本店のみ