三英堂公式HPより
1485851999
松江はさまざまな和菓子に触れることができますが、
結構見逃してしまっている菓子も多いはず。
というのも、『山 川』や『若 草』などの代表銘菓が目立っていたり、
上生菓子の実演や茶席体験などは触れることが多いかとは思うのですが、
その季節にしか味わえない菓子もたくさんあって、興味深いものです。
まだ厳しい寒さの冬に、松江を訪れたならば、
三英堂の生菓子『四ヶ村』は絶対に見逃したくはない銘菓の一つ。
というよりも、生菓子のうちの一種類が、冬の代表作として定着していることが、
何よりも凄いなあと思いますわけで、余計にその姿を拝みたくなりますよね。
 
2015-02-04-15-59-47
その正体は、真っ白な美しい椿の花の生菓子なのです。 
そもそも白椿の生菓子が、どうして『四ヶ村』という銘であるのか。
これもまた松江の茶の湯文化に大きく貢献し、菓子をここまで浸透させた、
7代目藩主・不昧公こと、松平治郷公による命名なのです。
ある時、不昧公が鷹狩の帰り道に、道沿いに咲いている椿の花を見て、
その美しさに感銘し、『四ヶ村』と名付けたことに由来するのです。
このあたりの四つの村を見渡してみても、これほどに品のある見事な花は見たことがない。
そこで命名された銘菓ならぬ銘花が存在し、代々受け継いで大切に育てられているのだとか。
僕は残念ながら、まだその白椿の花を実際に見たことがありませんが、
そこを補って、想像させてくれるのが和菓子の力。

FullSizeR (55)
白あんの練切を茶巾絞りにして、真ん中に窪みを作りました後、
緑に染めた練切でガクを添えて、鮮やかな黄色のそぼろきんとんを窪みに入れていきます。
多くの生菓子のように、少し添える程度ではなく、割合こんもりと。
でも、この黄色と白のコントラストこそが、椿の花の美しさとも言えましょうか。
松江の山道にひっそりと咲き誇る白椿は、あの深緑色の艶やかな葉と、
この黄色い蕊が雪景色の中で、はっきりと映し出され、何よりも美しく見えたんだろうなあ。
凛と美しく、でも、さりげなく咲いている花が、不昧公の目に留まり、
それがこうして和菓子として表現されて、愛され続けていますのも素敵な話ですよ。
椿の生菓子は全国のいろんな菓子屋が作りますが、奈良の二月堂にちなんだ生菓子と、
松江の『四ヶ村』は、その双璧と言っても良いでしょうね。

四ヶ村 4個入 税込1,026円

◆ 本 店/ 島根県松江市寺町47 TEL: 0852-31-0122
◇ 販売店/ 島根県内直営店、一畑百貨店 他
  ※ 都内の百貨店に特別出品などで登場することがあります。