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続いて、もうひとつ、そのすぐ横にございましたのは、
これまた江戸の銘店、秋色庵大坂家の『柏 餅』があったんですねえ。
いやはや、もう一人で勝手にテンションが上がってしまうわけです。
もちろん、こちらも購入しまして、じっくりと堪能することに!
自分の記憶にないので、恐らく大坂家の『柏 餅』を味わうのは、これが初めてのような。
今年は新宿髙島屋では、日替わりの柏餅が非常に充実していたこともあって、
個人的には毎日通いたいくらいであったが、さすがにそういうわけにもいかず、
5月5日の端午の節句に、全ての柏餅の配達を終えて、ようやっと立ち寄れたのです。


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大坂家の『柏 餅』は、まず大きな柏の葉 をめくりますと、
これまたぽってりとした理想的な餅生地が姿を見せまして、思わず唸る。
菊 家ほど幅広ではなく、いい具合の二つ折りになっています。
ここで気づきますのは、柏の葉の色が違うことでしょう。
白い餅生地を包みます柏の葉は、湯がいてありまして、
黄色い餅生地を包んでいる柏の葉は、そのままの緑色をしています。
見た目にはもちもちと柔らかそうに見えますが、
こちらも上新粉生地で、しっかりとした弾力があって歯切れの良さが魅力的。

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さあ、その餅生地を噛みしめつつ、みずみずしいこしあんをまずは頬張る。
そこからやはり味噌あんを堪能するというわけですが、
パッと塩気が立ち、甘ったるさを残さず、餅生地同様に切れ味がある。
何とも潔い印象を与え、これこそが江戸菓子っぽいところも感じさせるのです。
それはある意味、朴訥しているとも言えるのでしょうが、
端午の節句は、ご存知の通り、男の子の節句ですので、それくらいパワフルな方がいい。
餅の縁からはみ出ている味噌あんを人差し指ですくってフライング。
そりゃ、我慢できませんよね、どんなあんこか、先に舐めて確かめたりしてね。
隠し味の白胡麻がいい塩梅を整えてくれるのですよ、これが。
この時期にしか味わえないだけに、やっぱり逃さず買っておきたくなる。
もう作ったその日のうちに食べないと固くなってしまいますんで、
無理やり詰め込んで、柏餅尽くしの一日となったわけです。

柏 餅 1個 税込260円
◆ 本 店/ 東京都港区三田3-1-9 TEL: 03-3451-7465
◇ 販売店/ 日本橋・新宿・横浜・立川髙島屋(5月初旬の金曜日
 ※ 4月末から5月中旬まで本店では販売されています。