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菓子博で出会って、夏になったらもう一度食べたいと思っておりました『あゆ焼』。
夏になりますと、清流を泳ぐ鮎をイメージしました焼菓子がたくさん登場します。
調布で求肥を包んで、鮎の表情を焼き印した菓子が全国的に有名ですし、
カリッとした焼菓子も岐阜県などではよく見受けられますが、
それらとはまた違う煎餅になっていまして、なかなかリアルな表情をしているのです。
製造している糸川屋製菓は、三重県の南端、和歌山県との境が近い熊野にあり、
まさに熊野街道沿いで、目の前には海が広がっているのです。
それもあって、『あゆ焼』を見て、カツオせんべい?と思ってしまったり・・・・。
横縞模様がシューッと入っていて、・・・・ぽいと言えば、・・・・ぽいと思うのです。


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カツオに見えるかもしれませんが、JRの線路の向こう側には、
川が流れておりまして、活発に泳ぎ回るアユをイメージしているのです。
小麦粉と卵は三重県産のものを使用していて、型貫して焼き上げるのではなくて、
カステラ生地を魚の形をした型に流し込んでしっかりと焼き上げているのです。
ふんわりと甘い香りがして、サクサクとした軽い食感です。
一般的な卵を含んでいる煎餅とも違って、どちらかと言えば、カステララスクに近い。
口当たりも卵せんべいのような軽やかさとは違う方向性。
サブレーにも近く、でも、ほろりとしていて、食べ飽きない親しみやすさ。
多くの鮎菓子と違って、鰭の部分や顔の表情など、かなり細かく、
その分、袋入りで揺らし続けますと、あちこちが欠けて、粉々になってしまいます。

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糸川屋製菓では、いろんな土産菓子を製造しており、
それこそ鮎に対して、海の幸であるさまざまな貝の形をしたベビーカステラもあり、
『伊勢志摩塩さぶれ』もまたインパクトが強く、さっぱり頂けるので、
これはクセになるという方も多いのではないでしょうか。
さて、耳に聞こえてくる蝉しぐれ、足元を流れていく熊野川の水音、
砂利に潜む小魚を探していると、その脇をアユが素早く泳いでいく。
どこか少年時代に見た夏休みの光景が、ふと蘇ってくるような『あゆ焼』。
袋から取り出して、ちょっと泳がせてみてはいかがでしょうか。

あゆ焼 1 袋 税込432円~

◆ 本 店/ 三重県熊野市有馬町5410 TEL: 0597-89-2014
◇ 販売店/三重県内観光土産販売所、熊野市内駅売店 など
  ※ 袋売り、箱売りなど、販売店によって、サイズが異なります。