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時間がない中で、やっぱり祇園の鍵善良房の本店へ。
お目当てはもちろん名物の『くずきり』でございます。
今年はコロナの影響もあって、毎度毎度味わいにくることができませんでした。
それに、高台寺のお店は、未だに臨時休業したまま。
閉店時間も早めて時短営業なさっているので、ダッシュで向かいまして、
喫茶部は5時で閉店してしまいますので、4時30分に滑り込みまして、
「30分くらいしかありませんが、よろしいですか?」と言われましても、
やや前のめり気味に「大丈夫!」とお伝えして、着席するなり、
メニューは一切見る必要なく、「くずきりを黒蜜で」と速攻注文。
いやあ、時間がなくとも、食べ納めたいのよ、絶対に。
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というわけで、閉店まで20分もあれば、十分味わえると、
好物の『くずきり』の到着を待ちながら、物販スペースの棹菓子を買おうと決める。
というのも、やはり迎春に向けたお菓子も見逃せないわけで。
さあ、できあがりました『くずきり』を氷に泳がせて、
黒蜜を潜らせて味わいましたあと、ふっとひと息。
今年もいろいろありましたが、これで食べ納めて、満足、満足。
というわけで、お勘定を済ませて、物販コーナーへ。
この時期の棹菓子としては外せない『東風のふく』はもちろん、
『花びら餅』も顔を出していますし、『七寿づくし』も愛らしい。
さて、そんな中で連れて帰りましたのは、棹菓子『和雪香』です。

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お菓子の名前の『和雪香』は、「わせつこう」と読みますが、
禅語の「梅花雪に和して香ばし」から来ていて、
梅花を省いたことで、花の種類がぼやけるわけです。
この棹菓子は、真っ白な軽羹と、その下に鮮やかな黄色に染めた蒸し羊羹を重ねて、
実に黄色と白のコントラストが美しいお菓子なのですが、
黄色ということは、いわゆる先駆けて咲く梅の花ではなく、
他の冬の花を思わせもするわけで、そこで思い起こすのは、
梅という字が入っているものの、梅の仲間ではない蠟梅である。
艶やかなロウ細工のような花を咲かせ、ふんわりと甘い香りをさせる黄色い花。
雪に降られても、凛として咲いている可憐な花を思い出しながら、
静かな年明けの朝、僕はこの菓子を味わいながら、安らいでいたのであります。
2021年の変わり目は、なかなか大変ではありましたが、
ここからは穏やかな日々が戻ってくることを祈って・・・・。

和雪香 半棹 税込1,800円

◆ 本 店 / 京都府京都市東山区祇園町北側264 TEL: 075-561-1818
◇ 販売店 / 高台寺店
  ※  12月末より1月中旬くらいまで販売される季節の棹菓子になります。